ドラゴンクエスト9 AngelsTale   作:彩波風衣

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グビアナ編・後編です。
なんだかんだで、この話も思うところは多々ありますよね。


21「ホントのココロ」

 

 女神の果実を口にしたことで魔物となった金色のトカゲ・アノンにユリシス女王がさらわれてしまった。 女王はいまひとつ好感がもてる人間ではなかったが、だからといって放っておけるわけがない。 そこでフィリス達は女王を救うため、アノンを追って井戸へ潜り、地下水道を進んでいった。

 

「もしかして、ここが先代王の作ったという地下水道か?」

「ええ、あの方はここを作ることで、ほかの水源から国まで水を運ぶことができるようにしたの。 とはいえ、管理のために人のわたる道ができているとはいえっ…!」

 

 クルーヤは自分に突っ込んでこようとしていたアーゴンデビルに向かってイオラを放ち、敵を吹っ飛ばす。

 

「水位がこんなに低いなんて、思わなかったわよ!」

「それを利用しているのか、魔物がいっぱいいますね」

「これも、女王様が水を盛大に使っているから……か?」

「…………」

 

 フィリスの言葉は間違っていない。 この水路は本来は国民のために作られたものであるために、ここは本来別の場所からくまれている水でいっぱいのはずだ。 だが、今はその水位がさがっている。 その原因はわかっているし否定もできないことが、クルーヤの胸を締め付ける。

 

「フィリス、あそこ」

「え?」

 

 そのとき、サンディが何かに気付き、フィリスに呼びかける。 彼女に呼ばれてその指し示す先のものをみてみると、そこには非常に身なりのいい初老の男性の霊が立っていた。

 

「あれは……幽霊でしょうか」

「ホントだ、しかもちょっと、偉そうな格好してる」

「まぁこの地下道には昔は墓地や牢獄にも使われていたという話もあるし……幽霊がいても不思議はないわ」

「そっか………って、オイ。 それで済ましていいのか」

 

 そう話をしている彼らのことが耳に入ったらしい、その男性は声をかけてきた。

 

「そなたら、儂のことが見えるのか…?」

「は、はい。 あなたは…」

「我こそは、ガレイウス……このグビアナの王だった者………」

「ガレイウス様!?」

 

 ガレイウスといえば、この国を人が住めるようにこの地下水路を作り出したと言われる先代の王つまり、ユリシス女王の父親だ。 偉大な王としてグビアナでも名高い存在が、幽霊とはいえここにいることに、4人は驚き戸惑う。 そんな4人にガレイウスは、語り出す。

 

「…………儂は、日が出てる時は灼熱、日が沈めば寒冷の、砂漠の国は生きるのに厳しいことを知ってた。 だからこそ、国が民が生きるために必要なものを水と考え、国に水を運ぶために………この地下水道を作った………」

「………………」

「儂は、それに成功した。 おかげでグビアナの民は皆、砂漠の厳しさにも耐えながらも………豊かに平和に暮らすことができた。 儂は、この行いを自らの誇りだと思っている………」

 

 だが、と先代王は首を横に振る。

 

「ただひとつ、心残りがある。 それはほかでもなく、我が娘ユリシスのことだ………」

「女王様?」

「儂は王としての名声のために必死になってしまい、あの子に一切目を向けることをしなかった。 王族としてではなく、一人の家族として……あの子を見てあげられなかった。 大事なときに儂がユリシスに愛情を注げなかった………それ故に、ユリシスは人の心を理解できない娘になってしまい………そのまま死んだ儂の跡を継ぎ……女王となった」

 

 そう語る先代王は、まるで懺悔をするかのようだった。 彼は偉大な功績を残すことと引き替えに、大きな失敗をしていたのを、自覚しているようだ。

 

「旅の者、そして我が民に謝罪をしたい。 ユリシスが我が儘で自分勝手になったのは、儂にすべて責任がある…と。 そして、ユリシスを許してくれ………と……」

 

 そう頼み込む先代王をみて、クルーヤは何か思い詰めるような顔になって、フィリスの方を向く。

 

「フィリス」

「わかってるって。 女王様に反省してもらって、そして罪を償わせる。 そのためにも……」

「助け出さなきゃな」

 

 なにをするにもまず、アノンに連れ去られてしまった女王を助けなければ、なにもはじまらない。 謝罪をすることも、許すことも、なにもできなくなる。

 だからこそ、女王は助けなければならない。 その決意を新たにして、フィリス達はアノンを引き続き追いかける。

 

「頼んだぞ………天使達………」

 

 

 

「きめぇな、こっちくんなっ!!」

 

 自分達に襲いかかってきたゾンビの魔物・グールにたいしフィリスはそう怒鳴りながらその魔物を切り捨てた。 そのせいだろうか、剣に敵の腐ったからだの一部や血がまとわりついて気持ち悪い。 そのために、フィリスはできるだけこういう魔物とは戦いたくはないのだ。

 

「あぁ~もう、手入れもメンドクサくなるぜぇ!」

「でも払わないと剣の質も下がるし、鞘にもおさまりませんよ?」

「わかっちゃいるけどさぁ………」

 

 セルフィスの言葉を受けて、フィリスはまず剣についた汚れを振るうことで払い、布で拭き取る。 その布も捨てようかと思ったが、セルフィスにそれはダメですよ、と注意された。

 

「メンドクサいって思うなら、さっさと終わらせようぜ」

「ああ……だな」

 

 イアンも、正直ゾンビを相手に戦うのは気に入らないことだそうだ。 ここをさっさと抜け出したい気持ちもあるらしい、フィリスに共感するかのようにそう言った。 そうして奥へ進んでいった、そのときだった。

 

「誰か、誰か助けてー!」

「!?」

「この声、女王様のじゃねぇか!?」

「かもしれないわ、急ぎましょう!」

 

 目の前の奥の道から、声が聞こえてきた。 その声はおそらく、女王のものだろうと気付いたフィリス達は、その場に駆けつける。 そして、その道の先にある部屋には、やはりというべきか、アノンと女王の姿があった。

 

「いた、女王様!」

「なぁなぁ、ユリシスはん。 これからわてと一緒に、スウィートな新生活をはじめましょうや」

 

 アノンはしゃべっている。 あれも女神の果実を口にした影響だろうか。 しかも内容からしてどうやら、アノンは女王を口説いているようだ。

 

「にしたって…なんであんなしゃべり方?」

「さ、さぁ…」

「…と、とりあえず、女王様と合流するぞ!」

 

 何故あのような口調で喋っているのだろうか、そして何故女王を口説いているのだろうか。 様々な疑問は残るものの、女王を城へとつれて帰るために、フィリス達は武器を抜きつつアノンと女王の間に割ってはいる。

 

「そこまでだ!」

「………あなたたちは……」

「あ、おまえは! わてを草むらから連れ戻した、けったいな旅人やないか! お前のせいで、あの木の実を使ってわての夢を叶えようっちゅう計画が台無しになるところやったんやぞ!」

「け、計画?」

 

 アノンがフィリス達の存在に気づいた直後に放ったその言葉に対し、戸惑うフィリス達。 そんなフィリス達に対し、アノンは声を高らかに話を始める。

 

「動物的ホンノーが訴えかけていたんや! あの木の実をくったら人間になれるってなぁ!」

「そうか、アノンが逃げた先に果実があったのは…こいつが食べるためか……」

 

 あの時大臣は言っていた、アノンが発見された場所のちかくに、女神の果実があったと。 その理由は、アノンがあれを口にするためだ。

 

「そんでわては人間になったんや! どや、イケメンやでー!」

「…………」

「まぁちょっとカッコよくなりすぎて、ユリシスはんもたじたじやけどな」

「え」

 

 アノンはすっかり自分が人間になれたものだと思いこんでいる。 これは本人の性格か、果実の影響か。 今のアノンにはなにを言っても通じない気がしてきた。 隣にいるサンディも、戸惑いを隠せない。

 

「や………ヤバイよフィリス。 こいつこのカッコで自分のことを、人間だと思いこんでる………」

「ああ、みてーだな……」

「んん? ………なんかゆーてたみたいやけど、そんなことはどうでもええわ! お前達こんなところまで、なにしにきたんや?」

「トーゼン、あなたの手から女王様を取り戻す為よ!」

 

 ビシッ、という効果音がつきそうな勢いでクルーヤはアノンに対し指を突きつける。 それを聞いたアノンは憤怒した。

 

「なんやと、わての夢を邪魔しにきたっつぅわけかいな!?」

「夢……?」

「長年ずーっと想い続けてきたユリシスはんと、一緒になろうっつうぅ夢のことやぁー!」

 

 それを聞いて、4人は呆然とする。 そして、サンディが先陣きってつっこみをいれた。

 

「…………あんた、女王さまのこと好きだったわけ? トカゲのくせに?」

「…じゃあかぁしい!!」

 

 サンディの言葉に怒ったアノンは爪付きの太い腕を振り回して、フィリスに襲いかかった。 フィリスはそれを盾で受け止めて耐える。

 

「くっ!」

「ようやくようやく人間になって、そのチャンスがめぐってきたんや! そんなわてのジャマする奴は、誰であろうと許さへんでぇっ!!」

「うわわわっ!?」

 

 もう一度爪を振り下ろして攻撃してくるアノンを、今度は回避する。 そのときアノンの目をみたフィリスは、今アノンの目は自分達に対する敵意の色をやどしていることに気がつく。

 

「こいつ、滅茶苦茶だぞっ!?」

「ぶん殴って、黙らせるしかなさそうだなっ!!」

 

 そう言ってイアンはかまいたちを放って攻撃する。 だが相手の体は想像以上にかたいらしく、通じていない。 そこでイアンは棍をふるう物理攻撃でたたく。

 

「ぐぐっ……」

「ドラゴン斬りっ!」

「グギャッ!!」

 

 その棍の一撃が思いの外きいているアノンにたいし、フィリスはドラゴン斬りを繰り出す。 直後にアノンは炎をはいて4人に襲いかかったが、すぐにその傷はセルフィスに癒される。

 

「メラッ!」

 

 直後にクルーヤはメラを放ち、それをアノンは同じ炎の息でかき消す。 だが直後に放たれたヒャドが、アノンの腕にささる。

 

「そこだ!」

 

 そう言ってセルフィスは槍をふるうが、アノンはそれを受け止めさらに槍をつかんで振り回し、セルフィスを吹っ飛ばし壁にたたきつけてしまう。

 

「ぐはっ!」

「セルフィス!」

「だ、大丈夫です……」

 

 すぐにセルフィスは自分にベホイミをかけて、自分のダメージを回復させる。 アノンはそんなセルフィスをさらに攻撃しようと向かってきたが、それをフィリスとイアンが止める。

 

「ドラゴン斬りっ!」

「なぎ払いっ!」

 

 まずはフィリスが強力な剣術をたたき込み、アノンを斬る。 その痛みに苦しみながらもアノンは炎をはいてくるが、イアンはそれに怯まず棍の技を繰り出す。

 

「おのれぇえ! まけんでぇ!」

「おっと」

 

 そこでアノンはクルーヤに攻撃を加えようとしていたが、そこでイアンは棍を軽くアノンの足にかける。 勢いだけでつっこもうとしていたアノンは、それに足を取られ派手につまづく。

 

「うぎゃ!」

「国のため、女王のため、ジーラのため! みんなのためにも私は、負けるわけにはいかないのよっ!!」

 

 そう言ってクルーヤは自分の持っている魔力を一点に集中させ、その力を覚醒させ、氷の魔法を放つ。

 

「ヒャダルコッ!」

「ぎゃあああ!!」

 

 鋭い氷の刃がアノンをおそい、大ダメージを受けた。 どうやら発動中に魔力が暴走を起こし、威力が増したようだ。

 

 

「どう!?」

「………」

 

 あのヒャダルコがかなり効いたらしい、アノンはほとんど動けなかった。 だが数秒ほど後にまた動きだしたので、彼らはまだ戦うつもりなのかと身構える。

 

「………」

「え、なに?」

 

 だが、立ち上がったアノンはどこか思い詰めたような顔になっていた。 なにがあったのだと4人が凝視していると、アノンはポツポツとつぶやいた。

 

「戦ってる間に気付いたわぁ………人間、火を吹かないって………」

「いや、それより前にいろんなとこが人間じゃねーから、お前……」

「………せや………わては、人間になれたワケ、ちゃう………」

 

 フィリスのツッコミにたいしても、アノンは反発はしなかった。 しかし、それでもアノンは立ち上がる。

 

「………せやけど、ここでくたばるわけにはイカンのや!」

「なによ、往生際が悪いわね……これ以上、あなたを傷つけたくはないのだけど……」

 

 クルーヤの言葉を、アノンが遮る。

 

「わては、ユリシスはんを…」

「え?」

「ユリシスはんを、あの城に………あの敵だらけの城に返すわけにはいかんのや。 わては、死ぬまでやるでぇ……!」

「………!」

「お待ちください!!」

 

 アノンの言葉を聞いてクルーヤは目を丸くさせて言葉を失う。 その直後に、背後から声がした。 そして背後から、その声の主である少女・ジーラが姿を現す。 その姿を見た女王とクルーヤは驚く。

 

「ジーラッ!?」

「はぁ………はぁ………クルーヤ………みなさん、待ってください……!」

「ジーラ、どうして……まかせて、て言ったのに……」

「………ごめんね、クルーヤ……。 …でも……やっぱりわたし、いてもたっても……いられなかったの…!」

 

 そう言って、ジーラはアノンの前に立ち、フィリスたちに懇願する。

 

「お願いです…もう、これ以上……アノンをキズつけるのをやめてください…! アノンに、もしものことがあったら………女王様は、もう誰にも心を開かなくなります!」

「!」

「ジーラ、どうして……どうして……そこまで…………」

 

 女王は、ジーラが何故そこまでして自分のことを考えてくれるのかが理解できなかった。 それもそのはず、女王は自分のわがままに彼女を振り回していたのだから。 そんな女王にたいし、ジーラは口を開く。

 

「……わたし、みてしまったのです。 女王様が、アノンの前で涙を見せながら…話しているのを。 ワガママな自分が嫌い、家族がいなくて寂しい…………と、女王様はそう仰っていたのを………わたしは、知っています」

 

 はじめてその話を耳にしたとき、ジーラはまるで自分のことのように胸を痛めた。 その感覚を、ジーラは今でも覚えている。 そこでクルーヤはあらためて、ジーラの言っていた意味に気付き、自分もまた女王に声をかける。

 

「女王様、そのお気持ち、アノンにだけ話していたんですね」

「…………」

「そのお気持ちを、どうか。 アノンにだけでなく、ジーラやみんなにも、打ち明けてください。 そうすれば、つらい気持ちも、寂しい気持ちもみんなでわけあえて、女王様も変われるはずです……」

 

 そう説得をするクルーヤたちの言葉を聞き、女王は声を震わせながら、彼女たちに問いかける。

 

「…………貴女は私を許してくれるの? 貴女の話にもロクに耳を傾けず、クビにしようとしていたのに!」

「構いません、それで貴女の日頃の鬱憤が晴らせるのなら………わたしは甘んじて受けるつもりだったのですから……!」

「………ジーラ………」

 

 ジーラの純粋な笑顔と共に向けられたその言葉を聞いた女王の目は、少し潤んでいた。 そんな彼女達の様子を見たアノンは、頭をポリポリとかく。

 

「…………あの城には、ジーラはんみたいなやさしい人もおったんや………。 これじゃわては、ピエロやで」

「………あなたも、もう、わかってるんでしょう?」

「…………」

 

 クルーヤの言葉に対し、アノンは苦笑いをしながらもうなずいた。

 

「わては、チカラずくであの城から、ユリシスはんを引き離そうとしていた、 トカゲの浅知恵やったわ……。 ジーラはんみたいな人が、あの城におるんなら、わてがこんなことしなくても………大丈夫やな。 だから………」

 

 そう言うと、アノンの体は光を放つ。

 

「この木の実、返すとするで。 天使のような旅人はんに……ホントのこと、気付かせてくれて、ありがとさん……」

 

 最後にそう言って、アノンは光の中に消えていった。 やがて光の中からは一匹の金色のトカゲと、一個の光る果実が置かれていた。

 

「アノンが、元に戻ったんだな…!」

「…………」

 

 元に戻ったアノンに、女王は、歩み寄ってそのまま抱き上げて抱きしめる。

 

「あなたも、私のことを気にかけてくれていたのね…………。 ありがとう………アノン………」

「ジュー」

 

 アノンはそのまま女王を抱きしめ返すように、離れなかった。

 

「一件落着、かな?」

「みたいだな」

「そうですね」

 

 

 その後、フィリス達は女王とジーラを護衛しながら地下水路を進んで、グビアナ城を進んでいった。 その途中で先程先代王の幽霊がいた場所をみてみたものの、その姿はなくなっていた。

 

「フィリス、そして皆さん………」

 

 そして、アノンにさらわれた女王は城に帰還したあとで、女王はまず家臣達に頭を下げて謝罪をした。 女王の豹変ともいえる改心ぶりに家臣達は驚いたものの、ジーラやクルーヤが中心となり、女王の本心や内に秘めた悲しみや寂しさが全体に広まっていった。

 

「改めて、ありがとう………命がけで、私を助けにきてくださって………」

 

 そして夜が明け、一晩ゆっくりと休んだフィリス達は、城に招かれた。 玉座の間には、フィリス達と正面で向かい合い、姿勢を正している女王の姿があった。 女王は彼女達に礼を言い、そして自分の思いを打ち明ける。

 

「私は、これまで自分のことを見てくれる人なんて……誰もいないと思っていたわ………。 だから、自分の好きなように振る舞って、自分を守ることで精一杯になっていた。 わがままをすることで………自分に逆らえないようにして………自分を大きく見せた……。 あの傲慢は、私の虚弱……自信のなさのあらわれだったの………」

「だけど、今は違うでしょう?」

 

 そう言われ、女王はええ、とすがすがしい顔で頷く。

 

「ジーラやアノン、私のことを大事に思ってくれる人がいるってことを、私は知った。 これからは…今までの償いとして、みんなとチカラをあわせて、グビアナを良き国にしていきますわ」

 

 これからは、しっかりと国の業務に努めると彼女は宣言をした。 そのためにもまず、水を浪費するのをやめ、水は皆でわけあうために使うという宣言。 そして、沐浴場を自分だけではなく、国民にも開放することも決めた。

 

「そして、アノンも言っていたとおり。 その黄金の果実も……あなた達に与えるわ………あなた達が持っていたほうが、いいと信じて」

「あ、ありがとうございます!」

 

 女神の果実も、すっかり元通りの状態でフィリス達の手の中におさまる。 そして、女王とも再会を約束をする。

 

「なんかアッサリ変わったな…」

「皆もあっさりと許してますね…」

「まぁ解決したし、結果オーライでいいよねっ!」

 

 この一件はもう、心配はいらないとフィリス達は判断する。 女王のことも、アノンのことも、国の暮らしのことも。 皆で絆を取り戻したのだから。 誰も、さみしさにふるえる必要はなくなったのだから。

 

「ジーラ、これからも女王様に尽くし続けてね」

「ええ、もちろんよ…クルーヤ。 わたしも、あなた達のこれからの旅の無事をいのるわ」

「ええ!」

 

 2人の少女が友情のためにそう言葉を交わして、彼女達はグビアナ城を旅立っていった。

 もうあの国には、孤独なものなんてないと、確信を得て。

 




次回は小休止話をお届けします。
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