ドラゴンクエスト9 AngelsTale   作:彩波風衣

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カルバド編・その真ん中です。


24「誇りを持つためならば」

 

 旅の途中でカルバドの大草原を訪れたフィリス達は、そこで族長のラボルチュとその息子であるナムジン、そして彼らに仕えている謎の女性・シャルマナに出会う。 そのときに族長が魔物にねらわれていること、その魔物にナムジンがおびえていることなどを知り、彼らを助けることが、自分達が女神の果実にたどり着く方法なのである。

 

「その魔物とあんた…通じ合っていたのか……」

「やれやれ………今の話を聞かれていたのなら、仕方ないですね。 あなた達には、お話ししておきましょう…」

 

 だが、今は事情が少しずつ変わってきている。 魔物に怯えていたナムジンが、実は集落に現れた魔物と通じ合っていたことを知ったのである。 今フィリス達の前にたっているナムジンは、観念したようであり、弱々しい態度を捨てて彼女達に事情を説明する。

 

「この魔物はボクの友達で…名前はポギーといいます。 ボクと母上で昔助けたことがキッカケで、仲良くなったんですよ」

「グギギ!」

「そうだったの……でも、何故この子が集落を……? それに、何故あなたが……」

 

 クルーヤは次々にナムジンに疑問をぶつけてみると、彼は冷静に返答していった。

 

「ボク達のねらいは父上ではなく…あのシャルマナという女です」

「シャルマナさん?」

「あの女は怪しげな術で草原の民をたぶらかし、よからぬ事をたくらんでいる……。 ボクは弱虫なうつけのフリをして、あの女の正体を暴こうとしていたんです」

「そうだったのか」

「しかし、一体どうすればいいのかは…わからないままなんですけどね。 今は、なにかのチャンスを待つしかないのが…現実です…」

 

 すべてを語りながらも、結局打開策が見つからない自分自身にたいし歯がゆさを感じているようだ。 そのはず、シャルマナが怪しいと思っていても、それを草原の民に証明するのは難しいことだからだ。 ただ倒すだけではダメだと、彼は理解している。

 

「まぁこれで、すべてお話ししました。 ………今の話はどうか、誰にも言わないでください」

「え、それはかまわないけど……でも、大丈夫なのか? 今のままで……」

「かまいません。 いつか、ヤツの正体をあらわす策ができるはず…それまでの辛抱です」

「や、そうじゃなくて……。 このままじゃ、いくら演技でも、みんなはあんたを……うつけ扱いしたままだよ?」

 

 ナムジンを心配しているフィリスに対し、ナムジンは首を横に振りつつ、目を細めて笑いかける。

 

「父や民、草原を守るためなら…どのような不名誉も受ける……その覚悟で、こうすることを決めたのです」

「………」

「さて、そろそろ戻らないと、怪しまれてしまいますので……ここで失礼させていただきます」

 

 そう彼女達に告げた後、ナムジンはポギーとともにその場を立ち去ってしまった。 そんな彼を心配する彼女達の後ろから、声が聞こえてきた。

 

「………ああ……ナムジンよ……このままではお前は、シャルマナに殺されてしまう……」

「!」

 

 そこにあった墓石から声がしたかと思えば、そこにカルバドの民の衣装を着た女性の霊がたっていた。 ナムジンを気にするその女性が気になったフィリス達は、その霊に声をかける。

 

「あなたは?」

「あなた達……わたしに気付いたという事は……わたしの姿が、見えるのですね!? これはなんという奇跡………」

 

 自分の姿がフィリス達に見えていることを知ったパルは、安堵の笑みを浮かべると、自分のことを語る。

 

「わたしの名前は、パルです」

「パル様って……確か、族長の奥様よねっ!?」

「ええ、その通り……。 そして、あなたを見込んでのお願いがあります………」

「お願い?」

 

 パルは、彼女達にあることを頼み出す。

 

「はるか東の岩山の麓に、カズチャという村はあります。 といってもずっと前に…魔物に滅ぼされてしまいましたが……」

「…………」

「その村にはアバキ草という草があります…。 それをとってきて、ナムジンに渡していただけないでしょうか…?」

「アバキ草?」

「あの子ならうまく、アバキ草を使ってくれるはず。 そうして、どうか、ナムジンを助けてやってください…お願いです…」

 

 そうパルは、フィリス達に頭を下げてお願いをしてきたのであった。

 

 

 パルの頼みを聞いたフィリス達は、一度その墓の洞窟から出て行き、地図を確認する。

 

「この地図によれば…カズチャ村は遠いけど、いけそうだな。 でも、そこまでいかなきゃならねぇって、ちと大変だぜ…」

「でしょうね……でも、あのパル様のお話は信用できますよ」

「…と…いうと?」

 

 セルフィスは、彼女が採ってきてほしいといっていた草のことを、自分の知識を使って説明する。

 

「僕、アバキ草のこと…本で読んだことがあります」

「ホントか?」

「ええ。 アバキ草は、魔物の嫌う臭気を宿した不思議な植物。 どこにあるのかはわからない……けども、それを使えば強力な魔物除けになると……」

 

 アバキ草についての知識をセルフィスは語るものの、そこで彼らはあることに気付く。 それは、ある予感だ。

 

「待てよ? それを使えばいいってことは……もしかして……?」

「……その真意を確かめるためにも、カズチャって村に行ってみるしかないな」

 

 そう4人で決めあって、4人はカズチャ村に向かうことになった。 自分達がいる草原からカズチャ村のあるポイントである山にたどり着くまでには、既に日をまたいでいた。 道中には魔物は多くでるわ、毒の沼は存在するわ、歩きにくい道が続くわなどが、日をまたいでしまった原因である。

 

「ここが、カズチャ村…」

「もうとっくの昔にぶっつぶれてしまったのが…まるわかりだぜ…」

「………」

 

 だが彼らは無事に、そのカズチャ村にたどり着くことができた。 だが、その村は建物がいくつかのこっていることでなんとか、かつては村が存在していたことが辛うじてわかるほどに廃れていた。 セルフィスは祈りの構えをとった後で扉に手をかけるが、ピクリとも動かない。

 

「開かないですね」

「わたしが、道を開きましょう…」

「パル様」

「……閉ざされしカズチャの扉よ…さぁ、開きなさい…」

 

 そこに、幽霊のパルが現れ、扉に対しそう語りかけると扉が開く。 これで、村の中に入ることができるようになった。

 

「この村のもっとも奥に、アバキ草は存在しています…。 それをとってきてください…そうすれば、光る果実をくらいしもの……シャルマナの正体が明らかになります……ナムジンと夫……そして、草原の民をどうか、救ってください」

 

 そう言い残し、パルはまた姿を消した。 その後でフィリスは彼女の話を思い出し、重いため息をついた。

 

「つーかあの女、知らないフリしてたけど…結局果実を食ってたんかい」

「あのリアクション、そういう意味があったんだな」

 

 フィリスに続いてイアンも、あきれたような顔になってそう呟く。 いずれにせよ、この件からは目を背けられないと判断して、彼らは廃村を奥へと進んでいく。

 

「うわっ!」

「トロル!」

 

 その道中には魔物も多く存在しており、彼らを見つけては獲物だと判断したかのように襲いかかってくる。 今目の前に現れ道を妨げているトロルも、その一体だ。

 

「メラミッ!」

「うごぉぉっ!」

「せぁっ!」

 

 まずはクルーヤが炎の魔法をぶつけ、その炎にトロルが苦しんでいる間に、フィリスとイアンとセルフィスが同時に攻撃を仕掛ける。 その連携攻撃にトロルは圧倒され、倒れた。

 

「ここは、この村の一番奥になるのか?」

「あ、あそこになにか生えているわ!」

「あー! あれが絶対アバキ草デショッ!」

 

 そうしてたどり着いた、地下の最深部であろう場所に、緑色の大きな葉を持つ植物が生えていた。 薬草に詳しいセルフィスはそれに近づき、間近でそれを確認して、うなずく。

 

「これがアバキ草で…間違いないです」

「よし、これで大丈夫だな!」

「急いで、ナムジンさんのところへ向かいましょう」

 

 無事にアバキ草をゲットできたことで、安心したフィリス達は、それを手に持ち急いでナムジンの元へ向かおうとする。 だが、そんな彼女達を足止めしようとしているかのように、魔物が飛び出してくる。

 

「じゃますんじゃねぇよ! ったく!」

 

 その魔物も、フィリス達は倒したのであった。

 

 

 村を無事にでた後は、ルーラの魔法の力で集落に戻ってくることができた。 そこからフィリス達は急いで狩人のパオへと向かい、ナムジンの姿を探す。

 

「いた」

「あら、ポギーも一緒にいるわね」

「ホントだ…大丈夫なのか…?」

 

 そのパオのなかは、ナムジンとポギーの二人しかいなかった。 だが、この光景を他人に見られてしまったら大変だ。 それはナムジンもわかっているようであり、彼はポギーをなだめつつ注意していた。

 

「二人で会うときは、ボクがお前に会いに行くと言っただろ…? もう2度とここへはくるなよ…?」

「グギ……」

「へぇ、ホントに懐いてるんだな」

「!」

 

 その声で、フィリス達がきたことに気付いたナムジンは、焦り驚く。 もし村人だったら、自分の計画がバレてしまいかねないから、事情を知るフィリス達だとしって、警戒しないで普通に応対できる。

 

「おっと、フィリスさん達でしたか……驚かせないでくださいよ」

「ああ、ちょっと急ぎの用があってな。 早速だけどこれをみてくれないか?」

 

 そう言ってフィリスはアバキ草をナムジンに見せると、ナムジンはその草をみつつ、どこかでみたような気がするとつぶやき記憶を巡らせる。

 

「そうだ、それはアバキ草だ! 昔母上に見せてもらったことがある! でも、何故あなたが、それを………?」

「信じられないかもしれないけど、実は………」

 

 フィリス達は包み隠さず、このアバキ草を手に入れた経緯を彼に話した。 話を聞いていたナムジンは呆然とする。 やはり、彼女の話はにわかには信じ難いもののようだ。

 

「まさか、母上が……そんなことが……幽霊としゃべれるなんて、そんな話……信じられない……」

「グギ、グギギギ!」

「え、ポギー……まさか信じようとしているのか?」

「グギギ!」

 

 ポギーのリアクションをみて、ナムジンも彼女の話を信じることを決める。

 

「ああ、そうだねポギー…。 彼女達はボク達の話を信じてくれただから、ボク達も信じよう……」

「よかった、信じてくれるんだな」

 

 ナムジンが受け入れてくれたことに対し、フィリスも安堵の笑みを浮かべる。 そして、ナムジンは母がこのアバキ草を使えと言った意図をすぐに理解した。

 

「………それにしても、母上がアバキ草を使えと言ったということは……やはりシャルマナの正体は魔物ということなのか………」

「らしいな……」

「……アバキ草を煎じた汁をかければ、必ずや奴の化けの皮をはがせます。 そうすれば、皆の目を覚まさせられます……」

「戦いに挑むのですか?」

 

 セルフィスの言葉にたいしナムジンがうなずくと、フィリスは彼にあることを申し出る。

 

「だったら、あたしらも出る……だから、手を貸させてほしい」

「え、しかし……」

「今回の件、どうもあたし達も完全には無関係とはいえないみたいなんだ。 頼まれようがそうでなかろうが、あたしらが今回のことに関わらないわけにはいかないものがあるんだよ。 それに……」

「それに?」

「……あんたの命を粗末にしたくない、あんたがその子に言ったこと、自分で破るような真似はさせたくないんだ。 手伝わせてくれ、頼むよ」

 

 そう真剣に説得してくるフィリスをみて、ナムジンはやがて力強くうなずく。

 

「わかりました、お願いしていいですか?」

「ああ!」

 

 そして作戦は決まり、ナムジンは手っ取り早くアバキ草をせんじて汁をつくりだし、それをビンに入れた。 これで、準備はととのった。

 

「よし、ポギー! まずはボクが外の皆を連れて集落に戻る。 お前はそのあとでくるんだ、いいな!」

「グギギッ!」

 

 そう声をかけあい、ナムジンは外に出て行く。 すると外からはナムジンがついに戦いに挑むのだと盛り上がりを見せ、やがてその声は遠くなっていった。

 

「グギッ」

「あたしらも、すぐにいこう」

「うん」

 

 そのあとでポギー、そしてフィリス達と続いていった。

 

 

 そうして少し遅れてフィリス達が集落にたどり着いた頃、そこにはナムジンとポギー、族長に民族の人達。 そして、シャルマナの姿があった。

 

「おー、やってるやってる」

 

 今彼らの目の前では横たわっているポギーと、荒い呼吸をしているナムジンがいた。 おそらくあれはわざとであり、彼らは演技の最中なのだろう。

 

「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……」

「あーっはっはっはっはは! うんうん! でかした! でかしたぞ、ナムジンよっ!」

 

 息子が魔物を打ち倒した様子を見たらしい、ラボルチュは高笑いをする。

 

「よくぞ魔物を倒した! それでこそオレの息子! 気高き遊牧民の子よっ!」

「うぅ……怖くて怖くて、どうしようかと思いました。 でも、父上とシャルマナが見守ってくれたおかげで、ボクは勝てました………ありがとうございます。 死ぬまでずっと、父上とシャルマナについていきますとも…!」

「ホホホ…なんとかわいらしい。 わらわがおまもりするでな。 もうなかんでもいいぞえ……」

「うう……ありがとう、シャルマナ」

 

 泣き真似をするナムジンをみて、真実を知っているフィリス達は思わず苦笑をしてしまう。

 

「改めてみると、演技うめーな」

「うん、スーパースター並だ」

 

 そうこっそりと話をしていると、ポギーの体がわずかに動いた。

 

「うわ、父上……! 魔物はまだ生きています! 一体どうすれば………」

「むろん! お前の手でトドメを刺すのだ! そいつはオレの命を狙った不届きな魔物だからな!」

「は、はい……わかりました! それでは早速…」

 

 そういってナムジンはポギーに剣を突き立てようとしたが、そこでナムジンは大きな声を上げる。

 

「よし! 今だ、ポギー! シャルマナに飛びかかれっ!!」

「グギッ!!」

 

 ナムジンの声を聞いたポギーは一気に起きあがると、そのままシャルマナに飛びかかった。 シャルマナは自分に襲いかかろうとしているポギーに対抗すべく、魔法の障壁を呼び出して防ぐ。 それにより、口元を覆っていた布が宙を舞った。

 

「ナッ!?」

「これまでだ、シャルマナ! 正体を見せろ!」

 

 そう言ってナムジンはアバキ汁を入れた瓶を開け、中に入ってした汁をシャルマナにかける。 すると、シャルマナは苦しそうな声を上げた。

 

「アァアァッ…!?」

「なにをする、ナムジンよ! 貴様は正気か!?」

 

 先ほどの衝撃で吹っ飛ばされていたラボルチュは、突然の息子の行動に驚き怒鳴る。 しかしナムジンはいっさい動じない。

 

「しゃ、シャルマナ様ー!」

「ナムジン様はどうしちまったんだ!」

「落ち着くのだ、カルバドの民よっ!!」

 

 慌てふためく民に対し、ナムジンは強くそういって、もがき苦しむシャルマナを指さす。

 

「この女は人間ではない! さぁ…よくみるのだ! お前達が信じていた…この女の正体を!」

 

 ナムジン達がみている目の前でシャルマナは自身の体からあふれ出てくる紫の煙に包まれていった。

 

「カァァアア………体が崩れる……なんじゃこれはぁぁ……!」

 

 紫の煙はシャルマナを完全に包み込み、それはやがて大きくなっていった。 そして、紫の煙の中から、赤紫色の厚い脂肪を持ち、目をぎょろりとさせてその口に舌と牙を持つ、怪しげな姿の巨大な魔物が現れた。

 

「うわっ……」

「これは……」

 

 その変貌ぶりには、フィリス達も驚きを隠せず呆然としていた。 集落の人々もあわてている。

 

「う、うわぁぁぁ!?」

「な、なんだこいつぁ!?」

「この魔物は今まで、私達をだましていたのだ! こいつは我らを意のままにあやつり…草原を我がモノにせんと企む悪魔なんだ!」

 

 ナムジンは真実を語ると、民に呼びかけ始める。

 

「さぁ、今こそ我らの力を合わせて、この魔物を倒そう!」

 

 彼はそう訴えかけたが、民達は皆慌てふためきパニックを起こしていた。 側にいた族長も、腰を抜かしているようだ。 そんな彼らをみたナムジンは首を横に振り、再び剣を構える。

 

「…くそ、情けない! こうなれば僕達だけでっ!」

「あ、だめっ…」

 

 フィリスはナムジンを止めようとしたが、それよりも早くナムジンは剣を片手にポギーとともに、シャルマナに突進を仕掛けようとする。 だが、彼らはシャルマナの攻撃の前にあっさりと吹っ飛ばされてしまった。

 

「ぐぁっ…」

「ナムジンさんっ!!」

「バギッ!」

 

 そこでセルフィスは彼が地面に叩きつけられる前に風の魔法を使い、それをクッションにすることでナムジンとポギーを救う。 彼らを救出した後で、フィリス達は武器を手にとってシャルマナの前にでた。

 

「かかってこい、あたし達が相手になってやるっ!!」

「……人間ごときがわらわをここまで追いつめるとは! もう少しで族長をたらしこみ、ノンキな遊牧民どもを利用し……草原を我が手中にできたものを………!」

「てめ、そんなことを考えてたのか!」

 

 今シャルマナの目に浮かんでいる色は、邪悪な怒りだった。

 

「我が計画を潰しおって……もうガマンできん! 一人残らずくい殺してくれる!」

 

 そう言ってシャルマナはイオラをいきなり唱えて、フィリス達を攻撃してきた。 どうやらまずは、フィリス達を最優先に始末すべきだと判断したようだ。

 

「やったわね! ハッ…メラミッ!」

 

 クルーヤは反撃として、まずは魔力を高めてから攻撃魔法を放つ。 だがそこでシャルマナはニヤリと笑うと魔法を使った。

 

「マジックバリア」

 

 それは、相手の攻撃魔法の威力を弱める防御魔法だった。 それによりメラミはあまり効果を発揮しなかった。 クルーヤはそれにたいし悔しそうにしていると、シャルマナは彼女に直接攻撃を仕掛けようとする。 だがそれは、セルフィスの槍が妨害し、別の方からはイアンがばくれつけんを放って攻撃をする。

 

「クルーヤ、ここはあたし達があいつを攻撃するよっ」

「援護頼むぜ!」

「…わかったわ、ピオリムッ!」

 

 フィリス達の言葉を聞いたクルーヤは気持ちを切り替えて、クルーヤは味方の素早さを上昇させるピオリムの魔法を唱えた。 それにより身軽になったところでフィリスは2回連続で切りつける技・ハヤブサ斬りを繰り出して攻撃をする。

 

「おのれっ!」

「うぁっ!」

 

 その攻撃に腹を立てたシャルマナが杖を大きく振り回してフィリスを吹っ飛ばし、地面にたたきつける。

 

「フィリスさん! くそっ…」

「待って!」

 

 もう一度シャルマナに立ち向かおうとするナムジンに制止をかけつつ、フィリスは立ち上がる。

 

「心配無用だ! あたしは……ここで、まけらんないからな……!」

「だがっ……」

「ここで」

 

 フィリスは立ち上がり剣を構えなおしつつ、ナムジンの顔を一瞬だけ見た後で声を上げる。

 

「ここであたしがくたばったら……あたしの目的を果たせないだけじゃない! あんたの頑張りまで……無駄にしちまう!」

「………!」

「そんなこと、許してたまるかっ!」

 

 フィリスがそう言うと、そこでセルフィスが回復魔法のベホイムをかけてきた。 それにより彼女の傷は癒えた。

 

「フィリス!」

「わかってる!」

 

 フィリスに攻撃を仕掛けようとするシャルマナの攻撃を、イアンの技とクルーヤの魔法が妨げ、シャルマナを吹っ飛ばす。 そうしてフィリスはシャルマナの真上に飛び上がる。

 

「そこだぁぁっ!」

 

 そうさけび、フィリスは落下速度を利用して、シャルマナに剣を強く深く、勢いよく突き刺した。

 

「グァァアアーーーッ!!」

 

 フィリスに斬られたところを中心に、シャルマナの体から、紫色の煙があふれ出ていった。

 




フィリスの一挙一動にこだわったな、この話。
なぜかといえば、ちょっとした伏線みたいなものだからです。
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