大乱闘スマッシュブラザーズ Stern des Lichts   作:アヤ・ノア

22 / 92
ドンキーは頭が良くないという設定です。
Donkeyって俗語で「馬鹿」という意味だし。


21 ~ 森のバナナにご用心

 ジャングルの王者、ドンキーコングをキーラから解放した一行。

 だが、ドンキーは不機嫌そうな表情をしていた。

「腹、減った……」

 ドンキーは空腹で腹を押さえていた。

 腹の虫も、彼の中でぐきゅるるると鳴っていた。

「バナナ、食わせろ……。バナナ、バナナ……」

「……バナナ、ねぇ……。森の中になら、あるんじゃないかしら?」

「おお! じゃあ、行かせてくれ!」

「いいわよ。シャドウ、お願いね」

「……そんな目的で、この力を使うのか?」

 シャドウは、バナナを食べたいというだけでカオスコントロールを使うのか、

 と訝しい表情になる。

「だってオレ、腹減ったんだもん! バナナを食いたいんだよぉ!」

「ドンキーコング……お前の気持ちは分かる。

 だが、お前に説明をしていなかったが、

 カオスコントロールは流石の僕でもそう易々と使える力ではない。

 空間を転移するのはかなりのエネルギーを使うから、

 一度使った場合、エネルギーの補給が必要になるぞ」

「……そっか。我儘言ってごめんよ。オレ、自分で森に行ってバナナを食ってくる」

(よかった)

 シャドウに説得されたドンキーは、自分の足で森に行くと決めた。

 流石のドンキーも、物分かりが良かったようでマリオは安心した。

「んじゃ、森までの道、案内してくれよ」

「はーい」

 一行はベルを先頭に、森へ行くための道を歩いていった。

 途中で何度か道に迷ったものの、無事に一行は再び森に辿り着く事ができた。

 

「わ、このちっちゃい生き物は何?」

 森の入り口に入ると、頭に葉っぱが生えた赤い身体の生き物がいた。

 ランスはそれを、じっと見つめている。

「これは、赤ピクミンね。オリマーやアルフが使うピクミンの一匹で、火に強いわ」

「じゃあ、この子達の相手はボクがするね!」

「私もよ!」

 赤ピクミンには、ベル、シーク、りょう、ドクター、ランス、リュンヌが挑んだ。

 

「すばしっこいですね、この赤ピクミン」

「いや、小さいだけなのよね、こいつ」

 赤ピクミンは身体の小ささから、リュンヌとベルの攻撃が当たらない。

 りょうもスコップで攻撃するが、赤ピクミンには当たらない。

「……そこだね!」

 ドクターはカプセルを赤ピクミン目掛けて投げる。

 それが上手く命中すると、赤ピクミンは一撃で倒れた。

「か弱いわね」

「うん、弱かったね……」

 必殺技一発で倒れた赤ピクミンを見て、ドクターとベルは少しだが哀れんだ。

「わわっ! 近付くなぁ!」

 ランスが自分に張り付いた赤ピクミンを振り払うと、その赤ピクミンも地面に落ちて倒れた。

「……あれ、また死んじゃったみたい」

「本当にピクミンってか弱い生き物なのね」

「それを上手く使いこなせるオリマーって、ホントに凄いよね。早く探さなきゃ」

 そのオリマーと出会うのはもう少し先の話である。

 その間に、ベルは三匹目の赤ピクミンを鎌で斬りつけ、

 ランスが槍で周囲を薙ぎ払って残った赤ピクミンを倒した。

 

「赤ピクミンは楽に倒せたようだな」

「腹が減って力が出ない……」

「我慢しろ、今バナナを探してる最中だから」

 お腹を押さえているドンキーをマリオは宥める。

 この様子だと、ドンキーがバナナを見たら暴走するだろうな……とマリオは察した。

「……」

「どうした、ベル」

 ベルは額に指を当てて、精神を集中していた。

 この森の中にいるスピリッツを探すためだ。

「こっちに、スピリッツを見つけた!

 フォックス、ヨッシー、ソレイユ、リュンヌ、ファルコン、一緒に来て!」

「な、なんですか~?」

「あんた達はしばらくそこで待ってて、今、スピリッツを解放してくるから」

「いってらっしゃ~い」

 カービィに見送られ、ベル達はスピリッツがある場所に飛んでいった。

 

「あらよっと! ほいっと!」

 ベルが見つけたスピリッツは、黄色い帽子と服を着用した人型の生き物だった。

 生き物は林檎を玉乗りの玉代わりに乗っており、爆弾を片手に持っている。

「こいつはポピーブラザーズJr.ね。爆弾を投げて攻撃してくるわ」

「爆弾は意外に攻撃範囲が広いからな、気を付けて避けなければならん」

「とりあえず解放しますか!」

 そう言ってベルは、大鎌を構えてポピーブラザーズJr.の解放に臨んだ。

 ヨッシー、フォックス、ファルコン、ソレイユ、リュンヌも、彼女に続いて戦闘態勢を取った。

 

「ばたんきゅ~」

「よし、捕獲完了!」

 数分後、無事にポピーブラザーズJr.のスピリッツはスピリッツボールの中に入った。

「それにしてもベル、どうして急にスピリッツを解放したがったんだ?」

「んー、だって私、死神だし。キーラをぎゃふんと言わせたいもの」

「……」

 ベルはそう言って、ぺろっと舌を出した。

 軽い口調で、しかも笑顔のベルだったが、ファルコンには分かっていた。

 彼女の目が全く笑っていなかった事を……。

「……よし、とりあえずスピリッツを解放しようぜ」

「……ああ」

 

 ベル一行は、チュチュ、カリプソ、テリー、デクリンク、エリーのスピリッツを解放し、

 森に戻ってきた。

 しかし、彼女達が戻ってきた時、ドンキーの顔は青ざめていた。

「ちょ、どうしたんだドンキー!」

「ハ……ラ、ヘッ……タ……バ、ナナ、クワ、セ、ロ……」

 最早、ドンキーの空腹は限界に達していた。

 マリオは、流石にこれには危機感を感じ、急いで彼をバナナがある場所に連れていこうとした。

「おい、バナナがある場所はどこなんだ。このままじゃ、ドンキーが大変な事になっちまう」

「バナナ……バナナ……あ!」

 フォックスは、バナナの匂いを嗅いで、バナナがある方を向いた。

「ドンキー! バナナは俺が向いた方にあ……」

 フォックスがドンキーに報告をした瞬間、ドンキーはその方向に一目散に向かっていった。

 

「ドンキーって、本当にバナナに目がないのね」

「……ああ。追いかけるぞ」

 マリオ達は、ドンキーを追いかけていった。

 

「うおおおおおお! バナナだあああああああ!!」

 ドンキーの目の前には、バナナが広がっていた。

 見渡す限り、全てがバナナ、バナナ、バナナ。

 それは、空腹のドンキーにとっては、まさに天国であった。

「ガツガツ! むしゃむしゃ! ガツガツ! ガツガツ! むしゃむしゃ! ガツガツ!」

 ドンキーは夢中で、空腹の分だけ望むままにバナナを食べ続けていた。

 彼の頭上に、罠が迫っているとも知らずに。

 

「ったく、ドンキーの奴、どこに行っちまった?」

「俺が匂いを辿ってるから、その通りについていけ」

 ピカチュウは苛々しながらドンキーを探していた。

 フォックスの嗅覚を頼りに、ドンキーが飛んでいった場所に進んでいく。

「気をつけろ 甘いバナナと 暗い敵」

 シャドウは、敵に遭遇してもいつでも攻撃できるように、拳銃を抜いていた。

「うわ、シャド兄、こっわ~い」

「僕からは離れるなよ。特に、子供はな」

「う、うん」

 子供とは、カービィ、りょう、ランスの事を指すだろう。

 三人はシャドウに言われた通り、彼の後ろにぴったりついていった。

 

「いたわ!」

 そして数分後、一行はついにドンキーを発見する。

 しかし、彼は光の鎖で縛られていて、それを黄色い球体が爛々と光る赤い瞳で見ていた。

 彼の傍には、小人、少女、ゴリラのスピリッツが浮遊している。

「助けてくれー!」

「シャベルンジャナイヨ……キミハコレカラ、ボクニタベラレルンダカラネ。

 コンナミエミエノワナニヒッカカルナンテ、キミハジツニバカダネェ」

「うぅ……せっかくバナナを食えたのに、こんなのってないぜ……」

 

「……シャドウ、気付かれないように撃って」

「ああ……。そこだ!」

 シャドウは拳銃を構え、ドンキーを縛っている鎖目掛けて撃った。

 銃弾が光の鎖に命中すると、光の鎖は砕け散り、ドンキーは自由になった。

 同時に、マリオ、カービィ、ピカチュウ、シャドウ、

 アイシャを先頭に一行が黄色い球体の前に飛び出す。

「パックマン……お前もキーラに操られてるのか」

「ヘェ、ソレガドウシタノ? キーラサマハボクノゴシュジンサマダヨ?」

 黄色い球体――パックマンはケタケタ笑っている。

 スピリッツはどんよりとした暗い目をマリオ達に向けている。

 彼らもまた、キーラに操られた被害者なのだろう。

「人を罠で誘うなんて……許せませんわ!」

 アイシャは操られたパックマンに対し怒りを露わにしている。

 彼女は懐から包丁を取り出し、彼に向けていた。

「罪を憎んで人を憎まず。お前を縛る鎖は、僕が解き放ってやる」

「あれは罠だったのか! 許さねー!」

「待ってて、パクパク! 僕が助けてあげるから!」

「……ふ、『黄色い伝説』はどんな強さなのか?」

「パックマン、お前をキーラから解放してやる!」

 マリオ、ドンキー、カービィ、ピカチュウ、シャドウ、アイシャは、

 操られたパックマンとスピリッツに戦いを挑んだ。




~ベルのスピリッツ名鑑~

赤ピクミン
出身世界:とある星
性別:不明
オリマーが惑星で出会った「ピクミン」の一種。
その見た目通り、火に強い。力もそこそこある。

ポピーブラザーズJr.
出身世界:ミルキーロード
性別:♂♀両方存在する
ミルキーロードに存在する人型の種族で、服を着て帽子を被る習慣がある。
身軽な動きが特徴で、「ボム」のARTSを持つ。
Jr.期からSr.期に成長すると、ジャンプ力が発達する。

カリプソ
出身世界:DKアイランド
性別:♀
クレムリン軍団の一員である女性クレムリン。
アフロヘアーが特徴的で、クールな性格。
クラブハウス「ワールドカイマン」のオーナー。

チュチュ
出身世界:ミルキーロード
性別:女性
カービィの仲間の一人で、リボンを付けたピンクの軟体生物。
天井に張り付きながら移動する事ができる。

テリー
出身世界:ハイラル
性別:男性
長い鼻とそばかすが特徴的な、片言喋りの商人。
世界各地で、色々なものを売っているとか。

デクリンク
出身世界:タルミナ
性別:男性
デクナッツの仮面をつけたリンク。
元々はスタルキッドの呪いでこうなったらしい。
身体が小さく身軽だが、火が弱点。

エリー
出身世界:DKアイランド
性別:不明
ディクシー達の冒険をサポートしてくれる象。
鼻から水を吸って、水を吐く事ができる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。