大乱闘スマッシュブラザーズ Stern des Lichts   作:アヤ・ノア

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オリジナル展開はまだまだ続きます。


2 ~ 異世界の魂

 フェリシアの魂を解放し、アイシャを仲間にしたカービィ、シャドウ、ベルは、

 次の魂を探して荒野を歩いていた。

「シャドウ、そんなの持ち歩いて、かさばったらどうなるの?」

 ベルは、シャドウがまだ拳銃を持ち歩いている事に不満のようだった。

「以前に使った事があるし、手に馴染むしな。

 ソニックは『俺にはそんなおもちゃ、必要ないけどな』と言っていたが」

「しょうがないわねぇ……」

 どうやら、シャドウは以前に銃器を使った事があるらしい。

 ベルは「やれやれ」と言いながら、彼が銃器を使う事を渋々許可した。

「あ、あの、傷ついたらわたしが治しますので、安心してくださいねっ」

 アイシャがキラキラと三人を見つめる。

 それは間接的に「傷ついてください」と言っているようだが、

 もちろんアイシャに自覚はなかった。

「後、お腹空いたらご飯お願いね!」

「はい、分かりましたわ。……あんまり長くは動けませんけど、ゴホッ!」

 アイシャが話した後に咳き込む。

 それは、彼女が病気であるという証拠であった。

「あまり無茶はするなよ。君が倒れたら、どうなるんだ」

「あれ、シャドウさん。どうしてわたしの心配を?」

「放っておけなくなっただけだ」

 シャドウはアイシャを心配するように声をかけた。

 あの時の未練は残っていないはずだが、何故か、放っておけなくなったらしい。

 

「さて、そろそろ魂を探そうかしらね……」

 そう言って、ベルは先頭に立ってスピリッツを探しに行った。

 しばらく歩くと、道が二本に分かれている。

「どっちの道に進んだ方がいい?」

 左の道には魔物がたくさんいて、右の道は不自然に草が茂っている。

 できれば魔物に遭遇せず、スピリッツを回収したいところだ。

「魔物に遭いたくないから、僕は右に行く!」

 カービィは魔物に遭いたくないため、右の道にパタパタ走り出した。

「あ、ちょっと待ってよカービィ!」

「わたし達を置いていかないで~!」

 アイシャ、ベル、シャドウは、カービィを追いかけていった。

 

「……うん。魔物はいないみたいだね」

 先に右の道に行ったカービィは、きょろきょろと辺りを見渡した。

 魔物がいない事を確認したカービィが先に進もうとした、その時。

 

「……え?」

 カービィの目の前に、一匹の毛虫が落ちてきた。

 その後、たくさんの毛虫がやってくる。

「ぎゃーーーーーーっ! 毛虫ーーーーーーっ!!」

 なんと、道には無数の毛虫がひしめきあっていた。

 毛虫が大の苦手であるカービィは思わず叫び出してしまい、固まった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……追いついたわよ。まったくもう、行動が早すぎ」

「どうしてくれるんだ、カービィ」

 シャドウ、ベル、アイシャも、ようやくカービィに追いついた。

 しかし、カービィは道のど真ん中で青ざめていた。

「どうしました、カービィさん? ……カービィさん?」

 アイシャが心配になって声をかけると、カービィはぶつぶつと早口で何か言っていた。

「毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い

 毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い毛虫怖い」

 カービィは、大量の毛虫に出会った事により、精神にダメージを受けてしまった。

 そのため、このように狂気に陥ってしまったのだ。

「あ~あ……こんなにたくさん毛虫がいたのね。カービィのためにも、これは排除!」

 道には大量の毛虫がいて、これがカービィを発狂させた要因だろう。

 ベルは、大鎌を構えた後、毛虫の群れに一閃して真っ二つにした。

「カービィ、もう大丈夫よ」

 毛虫を全滅させたベルは、怯えているカービィをポンポンと叩いた。

「も、もう、大丈夫、な、の?」

「信じて! ほら、もう毛虫は……って、え?」

 ベルが道を指差すと、長い黒髪の、露出度の高い衣装をした女性のスピリッツを発見した。

 毛虫を一閃したらスピリッツが出てくるとは、

 パックンフラワーがファイターになった時のような衝撃を受けた。

「こ、これってスピリッツ!? ま、待って! 私が見るわ」

 ベルは、いきなり見つけたスピリッツの詳細を三人に見せた。

 

 ティファ・ロックハート

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:女性

 アバランチに所属する女性。クラウドとは幼馴染。

 ザンガン流格闘術を使い、腕はなかなかのもの。

 抜群のスタイルとは裏腹に控え目な性格で、料理上手なため、母親のような存在。

 

「……」

 スピリッツとなったティファは、言葉を話さず、こちら側に敵意を見せていた。

 これも、あの光の影響なのだろうか……とベルは唾を呑む。

「……解放するわよ」

「うん!」

「ああ」

「分かりましたわ!」

 カービィ、シャドウ、ベル、アイシャは、

 ティファのスピリッツを解放するために戦いを挑んだ。

 

「……」

「うわあぁぁぁ!」

 ティファはカービィに突っ込んで掌底を三発叩き込む。

 格闘技が得意なだけありその威力はなかなか高い。

「お怪我はありませんか?」

「う、うん。いただきます!」

 アイシャはカービィに薬草で作ったお茶を振る舞った。

 あまり好き嫌いをしないカービィはそのお茶を飲んで、体力を回復した。

「ありがと、アイシャ。楽になったよ」

「どういたしまして」

「行くぞ!」

「やりぃ! 解放するわよ、ナイトメア!」

 シャドウはティファに拳銃を撃って牽制する。

 ベルはその隙に、闇を纏った大鎌を振るってティファを勢いよく斬りつけた。

「そー、れっ!」

 カービィはカッターを呼び出して勢いよく飛び上がった後、

 振り下ろして衝撃波をティファに飛ばす。

 攻撃はクリーンヒットしてティファに大ダメージを与えた。

「ハァッ!」

 シャドウは指を鳴らして時空の歪みをティファにぶつけ、ティファをこちら側に引き寄せる。

「ディバウアー!」

「……」

 ベルはティファを思いっきり切り裂き、同時にティファも水面蹴りを放った。

「あいたたた……でも、今度はそうはいかないわ! ヴォーパルサイズ!」

 ベルはティファの急所を狙って大鎌で斬りつける。

 そして、ティファがよろめいた隙に、炎を纏ったハンマーを構えたカービィが突っ込んだ。

「食らえーっ! 鬼殺し火炎ハンマー!!」

 そして、カービィがハンマーをティファに振り下ろすと、

 ティファのスピリッツは炎に包まれる。

 やがて炎が消えると、ティファのスピリッツは天に昇るのだった。

 

「よし! おーわりっと!」

 ティファのスピリッツを解放して喜ぶカービィ。

 一方で、ベルはちょっと辛そうな顔をしていた。

「どうしたの? ベルベル、元気ないよ?」

「はぁ……異世界のスピリッツもいるのね……」

「シャド兄がいる時点で、ね」

「あ」

「あ」

 ベルは、カービィに言われて、シャドウが異世界の住人である事を思い出した。

 カービィは、意外と鋭いところもあるのだ。

「……ま、まぁ、スピリッツを解放できてよかったわね。さ、次行きましょ、次」

「うん!」

 とりあえず、スピリッツの解放には成功したため、ベル達は次のスピリッツを探すのだった。




次からは本格的な冒険になります。
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