大乱闘スマッシュブラザーズ Stern des Lichts   作:アヤ・ノア

32 / 92
ここで、スマブラ四天王が全員揃います。
柊蓮司は一応「ゲームが原作のキャラ」ですので、ファイターになれるかな?


31 ~ 最後のスマブラ四天王

「……もう大丈夫だよ、みんな」

 戦いで重傷を負ったマリオ達は、ドクターにより無事、完治した。

 一度にたくさんの人を治したドクターは、ふう、とタオルで汗を拭う。

「みんな、よく頑張ったね。異世界の魔剣士をキーラから救うなんて凄いよ」

「ああ……強かった、な」

 マリオは戦闘能力も精神力も高いアルトリアと柊蓮司が

 ずっと敵に回っていなくてよかった、と安心した。

 しばらくすると、ドクターが最初に治療したアルトリアと柊蓮司が起き上がる。

「……おや? ここは、どこですか?」

「俺達、一体、何をしていたんだ」

「あ、気が付いたんだね」

 カービィはアルトリアと柊蓮司の顔を見上げる。

 彼らの瞳も、今までに助けた仲間と同様に正気に戻っていた。

 何が起こったのか分からない様子の二人に対し、シャドウは今までの事情を話した。

「そういう事だったのか……。不覚です……」

「だがそれ以上に、俺達を操ったあのキーラって野郎を許せねぇ。

 絶対に、俺自身の手で倒してやる」

 アルトリアは少し項垂れるが、

 柊蓮司は自身を洗脳したキーラへの怒りを抑えられず拳を握り締めている。

「……柊蓮司、キーラは一応女性だからね」

「そんなの関係ねぇ! そんなの関係ねぇ! そんなの関係ねぇ! はい、許さん!」

「……まあ、侵略者だからね」

 柊蓮司とランスのやり取りを見たりょうは「やれやれ」といった目をしていた。

 ベルは、無言で精神を集中していた。

 

「それじゃあ、次はどこに行く?」

 ランスが次の行き先を一行に提案すると、

 さっきまで精神を集中していたベルが彼に立候補する。

「ここから南に、マリオ、カービィ、ピカチュウが探してるファイターがいるわ。

 そこに行ってみましょう」

「僕達が探してるファイター?」

 ベルによれば、南にはマリオ、カービィ、ピカチュウと関係があるファイターがいるらしい。

 マリオはそれが誰なのか大体予測はついていた。

「ああ、あいつの事だろう。もちろん、俺は行くぜ」

「僕も!」

「俺もだ」

 当然、マリオ、カービィ、ピカチュウはベルの提案に賛成する。

 彼女は他のメンバーにも一人ずつ声をかけ、

 反対するメンバーが一人もいない事を確認すると先頭に立って山に行こうとした。

「それじゃ、行くわよ!

 ……と言いたいところだけど、あんな遠い場所にどうやって行くのかしら?」

「あんな遠い場所……? 僕の力を忘れたのか?」

「あっ」

 そういえば、シャドウのカオスコントロールがあるんだったとベルは思い出すのだった。

 

「……よし、着いたわ!」

 シャドウのカオスコントロールにより、一行は目的地の山に辿り着いた。

 山の中には、キーラによってスピリッツ化した住民達がたくさんいた。

 まず、一行が出会ったのは、ロックマンと同じ世界にいるスピリッツ、スネークマンだった。

「どこへ逃げてもムダなのだよ!」

「だったら、倒すまでだ!」

 このスネークマンのスピリッツには当然、ロックマンが挑み、勝利した。

 

「うお~、負けてしまった……」

「やったね!」

「今までの自分を『どこへ逃げても無駄』と言うのは、皮肉でしたね」

 アルトリアは、先ほどまでキーラに操られていたスネークマンの言葉を皮肉と捉えた。

 キーラの光がどこへ逃げても当たってしまうという意味に相当するらしい。

「ほへー、アルトリアって頭がいいんだなぁ」

 ドンキーコングがアルトリアに感心していると、アルトリアは「私の推測ですが」と言った。

「さて、次のスピリッツは……」

 アルトリアがスピリッツを解放するために前に出ると、

 そこにはセミロングの金髪にそれなりに露出が高い服を着ている少女のスピリッツがいた。

 彼女はシュルクの幼馴染、フィオルンである。

「シュルクがいないのが残念だったなー。血眼になって心配したというのに」

 柊蓮司はシュルクがまだ仲間になっていない事に残念がって愚痴を吐いた。

 フィオルンも困った顔で「そうだね」と言うが、

 それとは裏腹にナイフがアルトリアと柊蓮司の方を向いていた。

 どうやら、二人を倒そうとしているようだ。

「シュルク、私はあなたが帰ってくる事をずっと信じているわ。だから、みんな、私を助けて!」

「ああ、こんな奴の頼みなんて断るわけにはいかない。いくぜ、アルトリア!」

「参ります!」

 アルトリアと柊蓮司は、キーラに操られたフィオルンに戦いを挑んだ。

 

「これで終わりです! 約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!」

 アルトリアの光の剣がフィオルンを包み、彼女をキーラの呪縛から解放した。

「ありがとう……これで、シュルクに会えるわ」

 フィオルンのスピリッツはスピリッツボールの中に吸い込まれていった。

 それを見たベルはニッコリと微笑む。

「よかったわね、フィオルン。早く幼馴染に会えるといいわね」

「はい!」

 スピリッツボールの中にいるフィオルンは、ベルに笑顔でそう返した。

 

 その後、一行は赤毛の商人アンナ、おたすけピッグ(正式名称はチョップス先生)、

 ビッグキューちゃんのスピリッツを解放。

 アンナは必要な物資を一行に届けてくれるお助け役としてサポートする事にした。

「しっかり働いて、あなた達をサポートするわ。あ、もちろんお代はいただくわよ」

「頼りにしているよ、アンナ」

「ありがとね!」

 

 次に一行が遭遇したスピリッツは、桃色の身体に4つの乳房がついた雌牛のポケモン、

 ちちうしポケモンのミルタンクだった。

「別名みんなのトラウマ」

「なんで?」

「誰かさんの使うミルタンクが凄く強いからよ」

 ベルが与太話をした後で、プリンに憑依したミルタンクが転がって襲い掛かった。

 ベルは大鎌で攻撃を受け止めた後、真剣な表情で戦闘態勢を取る。

「魅了されたくなかったら、私を盾にしなさい!」

「うむ、私も戦おう」

 ミルタンクはノーマルタイプなので、かくとうタイプのルカリオも彼女を迎え撃った。

 アルトリアとランスも、武器を取ってミルタンクに戦いを挑む。

 ロイがこの二人の名前を見たら、共に戦った赤緑騎士を思い出すだろう。

「みんなのトラウマ……どれくらい強いんだろうね」

 

「ふう、ノービス級にしては疲れちゃったわ」

 ベル達は何とかミルタンクを撃破し、彼女のスピリッツをスピリッツボールの中に入れる。

 ミルタンクはベルの言う通り、ノービス級にしてはかなり強かったようで、

 戦った四人は汗を掻いていた。

「まったく……女は怖いねぇ」

「ドクターさん、何か言いましたか?」

「あ、いや、何でもないよ」

 

 こうして、山にいるほぼ全てのスピリッツを解放し終えた後、

 一行はベルが探しているファイターを探していった。

「確か、こっちじゃねぇか?」

 勘が鋭い柊蓮司は、先程までミルタンクがいた場所の近くに向かって走る。

 マリオ達も彼の後を追って走っていくと、そこにはファイターが捕まっている台座があった。

 彼の隣には、リセットさんの兄、ラケットさんのスピリッツもいた。

「よし、ビンゴ! あんたが探していたファイターって、こいつか?」

「そうよ」

 台座に縛られていたのは、スマブラ四天王の最後の一人、リンクだった。

 このリンクは今までと違い、右手に剣を持ち、水色の服を着て、帽子は被っていなかった。

 しかし、マリオ、カービィ、ピカチュウは彼の事をよく分かっているようで、

 強い気持ちが湧き出ていた。

「「リンク!」」

「リン兄! 今、助けるよ!」

 カービィは急いで、リンクを拘束していた光の鎖を砕く。

 すると、光の鎖から解放されたリンクがマリオ達に剣を向けて襲ってきた。

「コロス……コロスコロスコロスッ!」

「……っくそ! せっかく一緒に乱闘できると思ったのに、こうなるのかよ!」

「……仲間を意のままに操るとは、許しませんね」

「俺もだ! 卑怯で卑劣な最低野郎なんて、絶対にやっつけてやる!」

 マリオは悪態をつき、アルトリアと柊蓮司は武器を構えて操られたリンクを迎え撃つ。

「だから、キーラは女だってベルが言ってたよ」

「そんなの関係ねぇっての!」

 ランスも柊蓮司に突っ込みを入れつつ槍を構えて彼らと一緒に戦う。

 カービィとピカチュウも構えを取り、最後のスマブラ四天王リンクの解放に挑んだ。

 

「……」

 リンクはブーメランを六人に向けて投げ飛ばす。

 六人はシールドを張り、リンクのブーメラン攻撃を防ぐ。

「せいや!」

「急所突き!」

 柊蓮司は魔剣を操ってでリンクに斬りかかり、ダメージと共に痺れさせる。

 ランスは柊蓮司に続いて槍でリンクを貫いた。

「リン兄、元に戻って! ストーン!」

 カービィは石に変身してリンクを押し潰し、元に戻った後、

 ピカチュウはフェイントをかけて10まんボルトを放った。

「まさか、こいつが弟の身体を使うとは……でも、こいつも解放しないとな!」

 マリオはルイージのボディに宿っているラケットさんを殴り、ダメージを与え怯ませる。

 アルトリアと柊蓮司は怯んだラケットさんを剣で切り裂いて追撃した。

「ググ……ナマイキナ……」

「おっと!」

 リンクは不愉快な表情で立ち上がり、弓を構えて柊蓮司に光属性の矢を放つ。

 光属性が弱点の柊蓮司は飛び上がって攻撃をかわすが、

 壁に跳ね返った矢は正確に柊蓮司に当たり、彼の背中を貫いて一撃で戦闘不能にした。

 

「くそっ、柊蓮司がやられた!」

 柊蓮司が倒された光景を見たピカチュウは舌打ちして

 リンクにでんこうせっかで体当たりするが、リンクは盾でピカチュウの攻撃を防ぐ。

 アルトリアはどうすれば優勢になれるかをじっくり観察していた。

 マリオはリンクの隙を見てファイアボールを連発する。

 そして、ランスの槍がラケットさんの急所を突いて彼のスピリッツを解放した。

「よし、ベル! ラケットさんを助けたよ!」

「やりぃ!」

「……」

 ベルが喜んでいると、リンクがマリオとカービィをブーメランで攻撃する。

 二人が怯んだ隙に、リンクは同時に斬りかかる。

「いたっ!」

「うわぁ! 何するのリン君!」

 カービィはリンクに大声を浴びせるが、リンクは怯まずにもう一度カービィを斬りつける。

 マリオはリンクの攻撃を庇った後、ファイア掌底でリンクを吹っ飛ばす。

「ポンプ!」

「からの、10まんボルト!」

「グアアアアアアアアアアアアアア!」

 吹っ飛んだリンクの傍で待機していたマリオがポンプでリンクの身体を濡らし、

 ピカチュウが濡れたリンクに10まんボルトを放って大ダメージを与えた。

 水に濡れた身体は電気に非常に弱くなったのだ。

「……柊蓮司、死んじゃダメよ」

 ベルが天に祈りを捧げると、意識を失った彼に光の羽が降り注ぐ。

 すると、柊蓮司の閉じていた目が再び開いた。

「ふっかーつ!」

「私が蘇生魔法を使ったわ。もう大丈夫よ、柊」

「ありがとう! よぉーし!」

 ベルの魔法で意識を取り戻した柊蓮司は、魔剣を構え直す。

 リンクは舌打ちしながら、同じようにマスターソードを構え直す。

 カービィは柊蓮司と一緒に戦おうとするが、柊蓮司は「これは一騎打ちだ」と彼を止めた。

「おい、リンク……お前はそんな奴じゃないだろ?

 俺達に剣を向けるような奴じゃないだろ?」

「……」

 柊蓮司はいつもと違う真剣な表情で操られたリンクと向かい合う。

 彼の鋭い一言にも、リンクは反応しなかった。

「お前……いつから分からず屋になったんだ? 敵と味方の区別も分からなくなったのか?」

「……」

「黙ってる、という事は、YESという事だな」

「……」

「じゃ、遠慮なくいかせてもらうぜ!」

 柊蓮司は魔剣を振り抜いてリンクに風の刃を叩きつける。

 その直後、リンクはマスターソードで斬りかかるが、

 柊蓮司は攻撃をかわして腹部にパンチを叩き込む。

「グハァ!」

 柊蓮司は高くジャンプし、魔剣に風を纏わせそれをリンクの胸に向ける。

「これで、とどめだぁぁぁぁぁ!」

 そして、柊蓮司は落下しながらカラドボルグをリンクに突き刺す。

 その直後、大爆発が起こって、リンクにとどめを刺したのだった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 リンクを倒した柊蓮司が息を切らす。

 マリオ、カービィ、ピカチュウ、アルトリア、ランスが見つめていると、

 正気に戻ったリンクの姿が見えた。

 ボロボロになりながらも息があり、生きている事が証明された。

「……リンク……戻ってきてくれたんだな」

「心配したんだよ、リン兄」

「自由になれて、よかったな」

「ああ……みんな、ありがとう……」

 リンクはゆっくりと、マリオ、カービィ、ピカチュウにそう言った。

「自分の身体なのに、誰かに勝手に動かされているっていうのは、

 そういう感覚だったんだな……」

 リンクは、以前の事件でゼルダが操られていた事を思い出す。

 その時、ゼルダは辛い思いをしていたようで、まさか自分も味わうとはと苦い顔をした。

「……でも、これでスマブラ四天王は全員揃ったんだな?」

「そうだぜ。よかったじゃないか、みんな」

 スマブラメンバーの象徴的存在、スマブラ四天王。

 キーラの襲撃でバラバラになっていたが、今、ここに全員集結したのだ。

 四人の強い絆に、ベルとアイシャは感心し、シャドウも僅かだが羨望の目を向けていた。

 

「俺達は、ずっと一緒だ」

「どんな困難があっても、それを乗り越えてやる」

「一人じゃ難しくても、みんながいれば勝てるよ」

「この絆は、永遠だ」

 もう、二度と離れたくない。

 マリオ、リンク、カービィ、ピカチュウの四人はそんな思いを込めて、

 互いの手を握るのであった。

 

「……ここ、は……」

 所変わって、光の中。

 そこには、青いハリネズミが閉じ込められていた。

 彼の名はソニック・ザ・ヘッジホッグ。

 ピカチュウを守るために彼の手を伸ばしたが、

 間に合わずにキーラの光線を受けてしまい、今はこの世界に縛られている。

「そっか……俺、ピカチュウを助けるために手を伸ばして……光を浴びちまって……。

 身体が思うように動かない……。自由になりたいのにどうしようもならない……」

 右も左も上も下もない世界で、ソニックはなすすべなく光に蹂躙されていた。

 自分はこのまま、キーラの傀儡として身も心も利用されてしまうのだろうか。

 ソニックは目を閉じて、覚悟を決めようとした。

 すると、ソニックの身体に、不気味な無数の触手が巻きついた。

「No!」

 突然、自分以外のものが出てきた事により、ソニックは珍しく慌てるが、

 身体はまともに動かせず、何もできないまま触手はソニックの四肢に絡みつく。

「気持ち……悪い……!」

 触手がソニックを束縛すると、ソニックは体内に黒い力が入り込んでくるような、

 不快な気分になった。

 キーラの光とはまた違う不気味で気持ち悪い感覚にソニックは脂汗を掻く。

 しかし、しばらくするとその感覚は徐々に消え、

 代わりに自分の身体が無くなるような感覚に襲われた。

 まるで、自分がそこにいるのにそこにいないかのようで、

 ソニックはだんだん意識を失っていく。

 

「……シャドウ……」

 ソニックは薄れていく意識の中で、自身とよく似た黒いハリネズミの名を呟いた。




~ベルのスピリッツ名鑑~

スネークマン
出身世界:こことは異なる世界
性別:男性型
狭い地形を調査するために作られたロボット。
慎重な性格だが、執念深い。蛙に強く蛞蝓(なめくじ)に弱い。

フィオルン
出身世界:ゼノワールド・並列世界3
性別:女性
ダンバンの12歳違いの妹。シュルクとは幼馴染。
明朗快活な性格で、シュルクに好意を抱いている。

アンナ
出身世界:戦記の世界
性別:女性
赤い髪をポニーテールにした商人の女性。
ほとんどの戦記の世界に存在するが、その全てが別人であるらしい。
基本的に歴史には関わらない人物である。
軍の中で一番、へそくりや副業が多い者もいる。

チョップス先生
出身世界:DKアイランド
性別:♂
眼鏡をかけた豚。通称「おたすけピッグ」。
何度もドンキー達が死ぬと、助けてくれる存在。

ビッグキューちゃん
出身世界:ヨッシーアイランド
性別:不明
大型のキューちゃん。島の主もやっているとか。

ミルタンク
出身世界:ゲフリアース
性別:♀のみ存在する
栄養満点のミルクを生み出す、ちちうしポケモン。
ノーマルタイプで、特性はあついしぼう、きもったま、隠れ特性はそうしょく。
ミルタンクのミルクを飲んで育った子供は、健康でたくましい大人になるという。

ラケットさん
出身世界:どうぶつの森
性別:男性
リセットさんの兄で、温厚な性格。星座は牡牛座。
普段はリセット監視センターに住んでいて、どうぶつの森の「現実」を守るために働いている。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。