大乱闘スマッシュブラザーズ Stern des Lichts   作:アヤ・ノア

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リュカって結構数奇なキャラでしたよね。
DXで出る予定だったけど紆余曲折あって結局参戦せず、Xでネスと共演、
Forでは一度は脱落したけどDLCで復活……と。


39 ~ タツマイリに住む少年

 ストームを助けた一行は、キーラの目が届かない安全な場所でゆっくりと身体を休ませていた。

「なるほど……君が使うのはそういうタイプの武器なんだね」

「そういうタイプとは……銃を知らないのか?」

「ああ、僕の元いた世界には無かったよ」

「シャドウの銃は重たいけどとってもかっこいいよ! 私が初めて見た時はちょっと驚いたよ」

 ストーム、シャドウ、マールは、射撃武器(マールは「ブキ」)を使う者同士、

 という事である意味親近感を抱いた。

「矢にトルネイドの竜巻を纏わせ、矢の速度と威力を上げて……」

「この拳銃と機関銃は僕の手に合ってな、戦いが終わるまでは手放せなくなった」

「私が愛用するブキのわかばシューターは、サポートが得意で、誰もが持ってるんだよ」

 武器(ブキ)関連で三人の話は一気に盛り上がる。

 周りの姿や声がほとんど目に入らないほど、彼らは武器(ブキ)の話題で熱くなっていた。

「よし、試し撃ちするか」

「やるぞー!」

「いくよ」

 そして、ストームが弓、シャドウが拳銃、マールがわかばシューターを構え、

 試し撃ちをしようとしたその時――

 

「やめろーーーーーーーーっ!!」

 柊蓮司の叫び声が聞こえてきて、ストーム達は一斉に彼の方を向いた。

 もちろん、それぞれの武器(ブキ)を構えながら。

「いや、その武器、しまってくれ」

 柊蓮司がツッコミを入れると、三人はすぐに武器(ブキ)をしまうのだった。

 

「こんな笑えない時なのに、笑わせてくれてありがとよ」

 ははは、とドンキーコングが笑っている。

 今はキーラのほとんどに戦力を奪われており、とても笑えるような状況ではない。

 が、ストーム、シャドウ、マールのやり取りはドンキーに笑いを与えてくれたようだ。

「「真面目にやったつもりだが」」

「なんで笑ったのかな?」

 ストーム、シャドウ、マールは呆れていた。

 しかし、笑いによってスマッシュブラザーズの緊張は一気にほぐれた。

「ありがとよ。おかげで、リラックスできたぜ。さ、みんなで仲間を探すぞ」

「……ああ!」

 

 一行は、山岳地帯にいる残ったファイターを解放しに向かった。

 ストームの次に見つけたファイターは、タツマイリに住む金髪の少年、リュカ。

 彼には、ドンキー、バンジョー、カズーイ、シャドウ、アイシャで立ち向かった。

「リュカ、ボク達を信じてね」

 

「はっ!」

 シャドウが拳銃から放った弾丸が、吸い込まれるようにリュカの腹部を撃ち抜く。

「おらぁ!」

「そぉれ!」

「……」

 リュカはバンジョーとカズーイの攻撃をかわし、ドンキーをPKフラッシュで惑わす。

「うおっ! 眩しっ!」

「コレガキーラサマノヒカリダ……マブシイダロウ……」

「ああ、眩しいぜ。だが、それがどうした? オレのパワーは眩しさになんか負けないぜ!

 おりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 ドンキーはジャイアントパンチをリュカに食らわせる。

 しかし、リュカは痛くも痒くもない表情をした。

「なっ!? オレのパンチが効かない!?」

「オマエノチカラハ……ボクニハキカナイ」

「ふざけやがって……うぐっ!?」

 ドンキーが再び殴ろうとすると、彼の身体から力が抜ける感覚がする。

「なんで、力が出ないんだ……!?」

「コノPKフラッシュハ……アイテカラチカラヲウバウノサ」

「何、だと……!?」

 ドンキーはふらつきながらもゆっくり起き上がる。

 しかし、確実に立つ力は減ってきていた。

「ドンキーに何をするんだよ!」

 バンジョーはパンチで攻撃するが、リュカはシールドで攻撃を防ぎ、PKサンダーで反撃する。

 その攻撃をアイシャが代わりに受け、彼女は皿を投げつけてリュカを攻撃した。

「あまり攻撃は得意ではありませんが、リュカさんを助けるためならこれくらい……」

 シャドウは再び、拳銃でリュカを撃つ。

 攻撃を食らったリュカは、PKサンダーでドンキー達を痺れさせた。

「ぐっ……!」

「動けない……」

「コレデ……トドメダ。PKスター……」

 リュカが強力なPSIを発動させようとした時、

 唯一動けるカズーイがリュカの方に飛んでいき、嘴で彼を攻撃した。

 頭をつつかれたリュカは集中力が途切れ、PSIを発動できずに終わる。

「うぐっ!?」

「バンジョーもドンキーも動けないけど、あたいまでは止められなかったみたいね!」

「カズーイ、よくやった!」

 相棒の活躍を褒めるバンジョーに、カズーイはへへへと照れる。

 彼女はすぐに真剣な表情に戻り、再びリュカに突っ込んでいく。

 リュカはPSIで反撃しようとするが、カズーイに頭をつつかれたため上手く発動できなかった。

「これで、とどめよ!」

 そして、カズーイがリュカを掴むと、彼を地面に叩きつけ、戦闘不能にする。

 こうして、リュカとの戦いは、終わるのだった。

 

「……ボクは一体、何をしてたの……?」

 正気に戻ったリュカは、他の助けたファイター同様、

 キーラに操られていた記憶は無くなっていた。

 しかし、傷はしっかり残っており、リュカが操られてドンキー達と戦ったという事実は残った。

「大丈夫でしたか、リュカさん? 今、わたしが治しますわ」

 アイシャは治癒の力を使い、戦いで傷ついたリュカを治療する。

「……身体の痛みが消えてる……キミが治したの?」

「ええ。もう大丈夫ですわよ」

 起き上がったリュカにニッコリと微笑むアイシャ。

「ところで、あなたはどうしてこちらにいらっしゃいましたの?」

「あ、実はネス君と一緒に光から逃げたんだ。

 でも、光だから凄く速くて……ネス君も、ボクも……」

 リュカは落ち込みながらアイシャ達に事情を話す。

 アイシャは「なるほど」と頷いた。

「それで、ネスさんは一体どこにいったんですの?」

「それは覚えてないから分からないよ。だけど」

「確実に無事ではなさそうですわね」

 ネスもキーラに操られた被害者だ。

 今もなお、母体をキーラに利用されている……そう思ったリュカは身体が震え出した。

「でも、大丈夫だよ。ボク達が必ず、みんなを助けてあげるから」

「くよくよしないで! あんたの元気がなかったら、あたいらも元気じゃなくなるわよ!」

 バンジョーとカズーイが落ち込むリュカを元気づける。

 確かにこんな調子では、スマッシュブラザーズを助けるための気力が足りなくなる。

 立ち止まってはいられない、とリュカは立ち上がった。

「ありがとう、熊さん、鳥さん。キミ達のおかげでボク、元気になったよ」

「あ、名前を言い忘れちゃったね。ボクはバンジョーだよ」

「あたいはカズーイよ、よろしくね」

「よろしくお願いします、バンジョーさん、カズーイさん!」

 そう言って、リュカはバンジョーの腕を右手で、カズーイの羽を左手で握った。

 ちなみにバンジョーとカズーイは、後で「呼び捨てでいいんだけど」とリュカに言った。

 こうして、スマッシュブラザーズは、光の鎖からリュカを解き放つのだった。




射撃武器使い組をちょっと暴走させてみました。
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