大乱闘スマッシュブラザーズ Stern des Lichts   作:アヤ・ノア

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その名の通り、解放するのはダッシュファイターが中心です。


70 ~ ダッシュファイターズ

 ベル一行はリドリーをメンバーに加えた後、仲間を救出するために一度上に上がった。

 三階まで上がり、奥まで行くと、

 城の外に闇の鎖に縛られたケン・マスターズと豪鬼の姿があった。

「グギャォォォォオオォォォォ!」

「こいつらが捕まった仲間やな?」

「ええ、そうよ。リュウの戦友、ケン・マスターズと、彼らの師匠の弟、豪鬼よ。

 まずは……それっ!」

 デイジーとリドリーは、かなりやる気満々だった。

 ベルは鎌を構えると(洒落ではない)、ケンと豪鬼の鎖を一閃した。

「おぉ! 真っ二つ~!」

「ギャォォォオオオォォ!」

 デイジーとリドリーが叫ぶと、ダーズに操られたケンと豪鬼が襲ってきた。

 二人はすぐに、彼らと戦う構えを取る。

「フォースと共に」

「グギャアアアアアァァァァ!」

「『あらんことを!』って言ってるわ」

 今ここに、ストリートファイターと、狡猾の死神と、お転婆姫の戦いが始まった。

 

「ギャォォォッ!」

「ぬうん!」

 豪鬼はリドリーの攻撃を見切ってかわす。

「せいやっ!」

「……波動拳」

「いったぁ!」

 デイジーは野菜を引っこ抜いて、ケンにぶつける。

 ケンは反撃としてデイジーに波動拳を放った。

「ギャォォォォォッ!」

「ふんっ」

「それっ!」

 リドリーはケンのフェイントをギリギリでかわし、デイジーはケンに突っ込んでビンタする。

 豪鬼の拳とリドリーの爪が同時に命中する。

「ギャォォォッ!」

 豪鬼の攻撃をリドリーは軽くかわし、渾身の一撃を放ち吹っ飛ばした。

 しかし、豪鬼はすぐに崖に掴まって復帰する。

「ケン! ウチが目ぇ覚ましてやるでぇ! デイジーボンバー!」

 デイジーはお尻をケンに向け、突っ込んでいく。

 花の爆発が起こり、ケンは軽く吹っ飛んだ。

「ぬうん!」

「うわぁ!」

 豪鬼とケンがデイジーに突っ込んで攻撃する。

 デイジーは豪鬼の攻撃を食らい、シールドを削られてしまう。

「何するんや!」

「……」

 デイジーは怒るが、ケンと豪鬼は何も反応しない。

「わわっと!」

 デイジーはギリギリでケンの攻撃をかわすも、豪鬼の攻撃で大ダメージを受ける。

「あかん、ウチらもうヘバりそうや。

 真剣勝負に水差すようで失礼やけど、ピーチ、助けてくれへんか!?」

「え、え、いいわよ」

 ピーチはデイジーとリドリーに「みんなげんきになあれ」をかけた。

 おかげで減少していた二人の体力は回復した。

「形勢逆転や!」

 デイジーは花の魔力を纏ったビンタを豪鬼にぶちかます。

 その威力は相当なものであり、豪鬼が一撃の下に倒れた。

「ギャオオオオオオオオオオオオ!!」

 そして、リドリーがケンに飛び蹴りを放ち、ケンを場外まで吹っ飛ばした。

 

「回収完了!」

「ケンさん、もう大丈夫ですよ」

 豪鬼のスピリッツはスピリッツボールの中に吸い込まれ、ケンも正気に戻った。

 ケンは、ルキナが持ってきた傷薬で全快した。

「……ん、ん……ここ、は、どこ、だ」

 ようやく、意識を取り戻したケン。

 デイジーやリドリーと戦っていた時の記憶は残っていないようだ。

 ベルはケンにこれまでの事情を(適当に)話した。

「なるほど……つまり、散らばった仲間を探している事になるのか」

「ま、そんな感じね」

 ケンは真面目で素直な性格のため、ベルの適当な話もしっかり理解できた。

 まだ仲間が全員揃っていない以上、下手に動くのは危険だ。

「で、あんたはこれからどうするの?」

「俺も一緒に行こう。リュウが心配だからな」

「あら、仲間思いね~。もちろんいいわよ!」

 そう言って、ベルとケンは互いに握手した。

 

 こうしてケンを仲間にした一行は、一旦右まで戻る。

「とどめなのだ!」

 クッパはヒュー・ボールドウィンを倒し、奥にあった銀の砲弾を手に入れる。

 次に、近くの梯子を登り、四階に行ってディディーがカナンを倒し、銀の砲弾を手に入れる。

「これで砲弾は二つね」

 その後、一行は梯子を使って三階に降りる。

「シールドブレイカー!」

 ルキナはキングクルールのボディに宿ったドーガを倒し、階段で四階に登った。

 しかし、五階に行くための階段には、

 ルフレのボディに宿った死神のスピリッツが立ち塞がっていた。

「さあ、勝負よ!」

 エース級の死神には、もちろん、本物の死神であるベルが挑んだ。

 死神の鎌をギリギリでかわしながら、ベルは死神の解放に成功した。

「伊達に私は死神と呼ばれてないわよっ!」

「さっすが~」

 くるくると鎌を回すベル。

 白い服に軽い性格と、とても死神には見えないベルだったが、実力は本物だった。

 次に、ベルは丸い額縁の下にある暖炉を覗く。

「ここから中に入れそうね」

「そうだね」

 ベルを先頭に一行が暖炉の中に潜っていく。

 そこには、キノコワールドの幽霊・テレサと、彼らを率いるキングテレサがいた。

 テレサとキングテレサにはベルが挑み、勝利した。

「あんたの魔法、ドリィ並に役立つと思うけど。死神として頼むわ。協力してくれない?」

「断る。俺様はテレサのキング。そう簡単に仲間にはならねぇからな」

「あら、残念……じゃあ、大人しくスピリッツボールの中に入ってね」

「……」

 ベルはスピリッツボールをテレサとキングテレサに向け、彼らを中に吸い込ませた。

 まるで、ルイージのオバキュームのように。

「あああ! スポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポスポ

 吸い込みやがってぇ~~~~!!」

 キングテレサは断末魔を残し、スピリッツボールの中に入った。

 

「さて、ここにもファイターがいるらしいけど……」

 ベルが能力で近くにいるファイターを感知する。

 すると、ピットと瓜二つだが、全体的に黒系の容姿となっている、

 闇の鎖に縛られたブラックピットを発見した。

 彼の周囲には三体の自然軍の一員、ポックリ、ブレイダー、カーカーがいる。

「ブラピ! キミの身体、これ以上利用されたくないでしょ?」

「……」

 ディディーはブラックピットに呼びかけるが、やはりブラックピットは全く反応しない。

「聞こえないみたいだね。なら……オイラが助けてあげるよ!」

 そう言って、ディディーはピーナッツ・ポップガンを放ち、

 ブラックピットを縛る闇の鎖を砕いた。

 すると、ブラックピットは赤い目を光らせてディディーに襲い掛かってきた。

「危ないっ!」

 不意打ちを受けようとしたディディーを守ったのはトゥーンリンクとジョーカー。

 さらには、りょうとマール、リドリーもいる。

「グオオォォォォォ!」

「みんな……!?」

「困った時はお互い様だよ。……ダーズの被害者はまだまだたくさんいる。

 ボク達が一人でも多く助けないとね!」

「お前に潜む心の闇は、心の怪盗にとっては最高のオタカラだ。是非、いただこう」

「オノレ……」

 ブラックピットは、ディディーを倒そうとしたがそれを阻まれたため、舌打ちする。

 ディディー、トゥーンリンク、りょう、マール、リドリー、

 ジョーカーの六人は真剣な顔で構える。

「オノレ……ミナゴロシダ!!」

 ブラックピットは神弓シルバーリップを双剣に変え、同時に抜いて宣言する。

 ダーズに操られたブラックピットと自然軍の敵との戦いが、始まるのだった。

 

「えいっ!」

 トゥーンリンクはポックリにブーメランを投げる。

 ポックリは攻撃をかわし、ジョーカーにフェイントをかける。

「怪盗にフェイントとは、いい度胸だな」

「あ~ん、当たらないよ~!」

「こっちもだよ!」

 ポックリのフェイントをかわしたジョーカーは、素早くナイフで切りかかり、

 ブラックピットをエイハで攻撃する。

 ディディーとりょうはポックリに突っ込むが、ポックリは身を隠して無敵になった。

「……」

 ブラックピットは神弓シルバーリップから黒い矢を放つが、矢は明後日の方向に飛んでいく。

「うわっ、危ない!」

「グギャォォォォォォォォォォ!!」

 マールはポックリの攻撃をギリギリでかわし、ローラーでポックリを地面に埋めた。

 リドリーはブレイダーをブレスで攻撃した。

「スクンダ!」

 ジョーカーはポックリの攻撃をかわし、スクンダでポックリを弱らせた。

 リドリーの攻撃はポックリにはギリギリで当たらなかった。

 マールはインクの中に潜ってポックリの攻撃をかわし、スプラッシュボムで反撃した。

「……」

「当たらないよ!」

 トゥーンリンクはブラックピットの黒い矢を盾で防ぎ、勇者の弓から矢を射る。

 ディディーはそのまま追撃しようとするが、カーカーとブレイダーに阻まれる。

「痛いじゃないか!!」

 ディディーはピーナッツ・ポップガンでブレイダーを攻撃する。

 りょうはカーカーの攻撃を防ぎ、ボウリングの玉で反撃した。

「……」

「グギャオォォォォォ!」

「ウオッ!!」

 ブラックピットの攻撃は、マールには当たらない。

 さらに、リドリーが渾身の一撃を放ち、ブラックピットを吹っ飛ばした。

「グ……」

 ブラックピットは何とか崖に掴まり、復帰する。

 トゥーンリンクは勇者の弓でブレイダーを撃った。

「えーいっ!」

 りょうはポックリに思いっきり斧を振り下ろす。

 自然軍であるポックリに、効果は抜群だ。

「わっと!」

「エイハ!」

 マールはブレイダーの攻撃をかわし、ジョーカーと共に遠くから射撃。

 これにより、ブレイダーは倒れた。

「やぁっ!」

「それ、それっ!」

 ディディーもポックリを平手打ちで吹っ飛ばし、トゥーンリンクも続けてポックリを倒した。

 そのままの勢いでディディーはブラックピットに突っ込んでいき、彼を掴んで拘束する。

「今だよ、ジョーカー!」

「ああ……。お前のオタカラ、いただくよ!」

「グウッ!」

 ジョーカーはブラックピットの背後に忍び寄り、アルセーヌと共に致命的な一撃を与えた。

 ブラックピットは致命傷を受け、ばたりとその場に倒れるのだった。

 

「……安心しろ。怪盗は命までは取らないからな」

 ジョーカーは倒れているブラックピットを見て、静かにそう呟くのだった。




豪鬼(ごうき)
出身世界:こことは異なる世界
性別:男性
(けん)を極めし者」と名乗り、強者との「死合い」を求める格闘家。
暗殺拳を基本とし、そこに殺意の波動の力を取り入れた独自のスタイルで戦う。
リュウとケンの師匠、剛拳の弟。必殺技は瞬獄殺。

ヒュー・ボールドウィン
出身世界:こことは異なる世界
性別:男性
ネイサン・グレーブズの兄弟子で、かつてドラキュラを封印したモーリスの息子。
モーリスが自分ではなく実力が低いネイサンを鞭の継承者に選んだ事をよく思っていない。

カナン
出身世界:最後の物語の世界
性別:女性
ルリ島の城主である現アルガナン伯爵の姪。
とある理由で叔父に幽閉されており、城の「外」に憧れている。
戦闘では聖なる魔法で味方をサポートする。

ドーガ
出身世界:戦記の世界
性別:男性
アリティア王国の重騎士。
実直な性格で、マルスを守る盾として活躍した。

テレサ
出身世界:キノコワールド
性別:♂♀両方存在する
人を驚かす事が好きな、可愛らしい幽霊。
こちらを向くと恥ずかしがって動けなくなる。

キングテレサ
出身世界:キノコワールド
性別:♂
テレサ達の王で、強大な魔力を有している。
マリオを騙してお化け屋敷に誘い、絵に閉じ込めた張本人ならぬ張本霊。
ルイージに敗れて以降、彼に執着するようになる。
最近はマリオカートやスポーツに出ているとか。

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