ウルトラマンイカロス   作:リョウギ

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第3話「未来への飛翔」

NEXT GUYS隊長、海野 剛は緊張した面持ちでフラッシュの海の中にいた

 

『怪獣頻出期が70年振りに到来した、というのは事実なのでしょうか?』

 

最前列にいた記者がボイスレコーダーを突きつけながら迫る

 

「えー、我々の研究部門の見解としてはそう見ています。再びの怪獣頻出期が訪れた、公式に発表された通りでございます」

 

剛の言葉に会場がどよめく

 

「皆さんが不安に思う気持ちもわかります。突然の怪獣頻出期の再発、いつ怪獣が現れるかわからないという恐怖……ですがご安心ください」

 

剛が表情を改めて告げる

 

「我々NEXT GUYSは友好種族同盟とも協力し、これから起こるであろう怪獣災害に立ち向かい、皆さんの生活を守ると誓います」

 

剛の言葉にどよめいていた会場が静まる

実際、ゴルバゴス出現時には犠牲が出てしまったが突然市街地のど真ん中に出現したジャスキープの被害は大きく抑えられていた。剛の宣言に説得力を感じた人々も多かったのだろう

 

『海野隊長、数週間前から確認されているあのウルトラマンについては何か知っていることはあるのでしょうか?』

 

改めて投げかけられた質問に剛が答える

 

「かのウルトラマンに関してはまだ不明点が多く、断言できないことがほとんどですが、これだけは決定しています」

 

「ー彼の名は、ウルトラマンイカロス。我々の星に新たに現れてくれたウルトラマンなのです」

 

場面変わってNEXT GUYS指令室

 

「あ゛〜疲れた……」

 

グロッキーな様子で剛が自分の椅子に体重を預けてのびている

 

「お疲れ様でした、隊長。大変ですねぇ記者会見?って」

 

ケリスがコーヒーを置きながら労いの言葉をかける

 

「正直私にはこういうの向いてないと思うんだよ……あの質問責めがどうも苦手なんだよね……」

 

渋い顔して剛がコーヒーをすする

はたと思い出したように輝に向き直る

 

「そういえば、そろそろ採用試験の結果とか出てくるんじゃなかったっけ?こんな時期だしそろそろうちにも有望な若者が欲しいところなんだけど」

「それが……」

 

輝がばつの悪そうな顔を見せる

 

「先週の2次審査なんですが、殆どの人が辞退してしまってまして…」

「へぇ、そうかい……………へ?」

 

剛が素っ頓狂な声を上げる

 

「ジャスキープの出現やらゴルバゴスの出現が重なりましたから、資格目当てな人らがみんな辞退してしまいまして…」

「あー………」

 

輝の言葉に剛が頭を抱える

 

「………じゃあ、もしかして今期の入隊者はゼロ……?」

「いえ、ギリギリ2人辞退せずに残った隊員が両方受かったらしいです。今日中にでも配属されてくるはずですよ」

「お、そうなの?」

「朝の定例会議で言ったじゃないですか…」

「……そうだったか……会見で緊張して頭から抜けてた……」

 

と、話し込んでいた中指令室の扉が開き、3人ほど人が入ってくる

 

「さぁ、こちらが君たち2人が配属されるNEXT GUYSの指令室となります。どうぞ入って」

 

まず入室してきた士官服のようなデザイン違いの服を着た男は真田 右京(さなだ うきょう)。NEXT GUYSの補佐官である

真田補佐官に続く形で2人、若い男性と女性が入ってきて姿勢を正す

 

「本日付けでNEXT GUYS実働部隊入りをしました。立花 翔真(たちばな しょうま)と申します」

 

「同じく本日よりこちらに配属となりました。百瀬 花(ももせ はな)と言います!」

 

少し目つきの悪い青年ー翔真とおっとりした雰囲気の女性ー花が敬礼する。少し遅れてデスクから立った剛たちも敬礼を返す

 

「NEXT GUYS実働部隊長の海野 剛と言います。まぁ、こんな挨拶で迎えるのは少し違うかもしれないけど……ようこそ、NEXT GUYSへ。これからどうぞよろしくお願いしますね、2人とも」

 

剛が微笑みながら2人に歩み寄り、握手を交わす

 

「怪獣頻出期も再発して大変な時期だけど、2人には新入隊員として私や総監も多大な期待を寄せているから、頑張って下さいね」

 

真田補佐官がにこやかに告げるが早いか、指令室にサイレンが鳴り響き、すぐに鳴り止んだ

一瞬身構えた6人も首を傾げる

 

「なんだ?なんの警報だ?」

 

素早くコンソールを操作してケリスが答える

 

「空間振動の感知ですね。ただ一瞬だけだったのでゴーストの可能性もありますが…」

「空間振動……?」

 

花が首を傾げる

 

「音波とか風で自然に発生する振動よりも強い振動のことだね。飛行怪獣とか異星人の飛空艇とかのソニックブームでよく感知されるヤツのはずなんだけど、その割には一瞬だったからな……」

 

解説するケリスも首を傾げながらコンソールを確認し続けている

 

「念のため警戒を強めておこう。観測されたのはどの辺りだ?」

「えーっと……ポイントN7……あれ?この辺りって確か……」

 

思い出したようにぽんと手を叩いた

 

「日向重工の本社ビル兼自社工場の近くだったはずですね」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

くあぁっ、と翼があくびを漏らす。そんな翼の横腹に肘鉄がめり込む

 

「なに気ぃ抜いてるのよ。最終メンテもうすぐなんだからしゃんとしなさい」

 

コンの叱責を受けて翼が横腹をさすりながらヘルメットを正し、正面を向く

 

そこには銀色のボディを輝かせる大型戦闘機があった

 

シルエットはガンフェニックスとよく似ているが、細部は微妙に異なっているその戦闘機は多数のエンジニアの手によって最終メンテナンスが行われようとしていた

 

「最新型メテオール搭載機ガンドラグーン……ようやく完成できた」

 

満足げな様子で翼が頷く

整備されている機体は翼と日向重工の技師が開発、設計したガンフェニックス型機体の正統後継機

来るべき新たな怪獣災害に向けて作られていた機体ではあるが、その災害には一歩出遅れた形で完成することにはなってしまった

 

「中々カッコいい機体じゃない。戦闘機とかなんて興味ないけど、見てくれは合格かしら」

 

「見た目だけに終わらないよ。ガンドラグーンにはガンフェニックスに負けないメテオール兵装と性能を共存させてる。これから現れるかもしれない怪獣や侵略者から必ず地球を守る力になるはずだ」

 

感慨深そうにガンドラグーンを翼が眺める

 

「エンジニアのみんなの協力もあってだけど、ガンフェニックスレガシーや今のNEXT GUYS用の兵装、ウルトラマンイカロスと違ってじいちゃんが手伝ってとか、じいちゃんが残したものからじゃない。僕たちが一から作った機体だ……なんだか達成感がすごいよ」

 

日向重工の作った兵装や戦闘機のほとんどのノウハウは翼の祖父である日向 千明が残したものだった。量産が可能になり、各国支部に配備が進んだガンフェニックスレガシーのノウハウも千明がまとめている

翼も千明の課した課題を突破して海外留学なども交えて勉強し、立派なメテオール技術に精通した技師になっているが、現在までの仕事は祖父が残したメソッドの改良がほとんどだった

そんな翼にとってガンドラグーンは正真正銘、彼と彼の社員だけで作り上げた『新世代機』だった

 

「はいはい、達成感を味わうのはもう少し後にしなさい。明日にでも実機試験を交えて最終調整してやっと配備なんだから」

「それもそうだね。それまでは気を引き締めておかないと」

 

コンの忠告を受けた翼は技師に混じって作業を再開した

 

日向重工本社ビル 社長室フロア

 

「最終メンテナンスは終了、問題無し、各部に異常無し……よし、あとはNEXT GUYSの皆さんを交えた最終調整で終わりだ」

 

コンを連れて社長室へと向かいながらタブレットを通してガンドラグーンの状態を確認する

 

「そういえば、実働部隊に新しい隊員が2人入るって言ってたな…最終調整の時に挨拶しとかないとー」

「日向社長!」

 

そんな翼を聞き慣れない声が呼び止めた

振り返ったそこにはスーツを着た青年がいた。どうやら日向重工の社員らしい

 

「突然すみません、至急ご確認をお願いしたいことがありまして…」

 

「ー誰だ、君は」

 

底冷えのするような厳しい声音で翼が青年を睨みつける

コンも青年を疑いの目で睨む

 

「……嫌だな、ここの社員で、営業課の暗木 優(くらき すぐる)ですよ」

「……君は知らないようだが」

 

翼が首に下げたカードを見せる

社員証に見えたそれはシルバー単色で何やら異質に見える

 

「この社長室のあるフロアは、諸事情で簡単に人を通せないようになっていてね。アポイントと厳重な検査を終えた信頼ある社員にのみ預けるこのインスタンスキーがないとこのフロアまでエレベーターが開通しないようになっているし、エレベーター以外にここに来る手段は無い」

「……ッ」

 

暗木と名乗った男が言い淀む

 

「いや、嫌だなぁ社長……先日アポイントは取り付けておいたじゃないですか……」

「先日取り付けておいて、『急用』とは随分都合のいいことだね」

「別件で‼︎ 急用ができてー」

「ー取り繕おうとしているところ悪いが」

 

翼がトドメの言葉を口にする

 

「暗木 優、なんて名前の営業課社員はうちの日向重工には存在しない」

 

言い訳を許さないトドメの根拠を聞いた暗木は表情を消え失せさせ、右手を掲げた

 

『ー流石は地球の先端技術を担う存在、一筋縄では行かないか』

 

男が構えた右手、そこに握る装置を起動する

それと同時に男の背後と翼たちの周りに黒いサイバースーツのような姿の異形が現れ、手にした銃のようなものを向ける

瞬間、向けられた銃口が勢いよく跳ね上がる

同時に翼が異形の一人から銃をひったくり、2人、3人と異形を殴り昏倒させ、遠くで銃を構え直した異形を撃ち抜き沈黙させる

 

『動くな』

 

手にした銃を構え直し、次の異形を狙いかけた翼の動きが止まる

その視線の先には、暗木と呼ばれた男がコンにハンドガンを向けている光景がー

ドガッ

 

「ーッ⁉︎」

 

その瞬間の隙を逃さず、異形の一人が翼の後頭部を銃身で殴りつけ昏倒させる

 

「⁉︎ このッ‼︎」

 

コンが暗木を見据え、瞬間暗木の手にしたハンドガンが跳ね飛ばされる

周囲の異形が素早く銃を放つが、コンの寸前で光弾は全て静止し、跳ね返される

 

「舐めんじゃなーぐッ⁉︎」

 

いつの間にか肉薄した暗木の腕がコンの首を掴み、その小さな体を持ち上げる

 

『調子に乗るな。悪戯程度のサイコキネシスしか能の無い下等種族が』

 

暗木がコンを投げ捨て、壁に叩きつける

 

「ーガッ‼︎」

 

頭を強く打ちつけたコンはそのまま意識を手放し、倒れる

コンに銃口を向ける異形を手で制し、暗木が告げる

 

『捨ておけ。サイコキノ星人一匹程度で何ができるかなどたかが知れている』

 

昏倒していた翼を乱暴に抱え上げると、暗木は再び装置を起動

それに合わせて周囲の異形が暗木の下に密集する

 

『ーフェーズ1は完了。本番はここからだ』

 

赤い光に包まれて消える寸前、暗木の姿は多数現れた異形とよく似た赤いマントを纏う姿にブれ、消えた

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ーッ⁉︎」

 

翼が目を覚ました場所は、薄暗い室内

壁らしい部分には計器類が点滅する光が瞬いている

咄嗟に身をよじるが、どうやら椅子のようなものに手と足を拘束されているらしくビクともしない

 

『お目覚めのようだね。日向重工社長、日向 翼』

 

ノイズの走るような、機械音声のような声が響く

翼の目前に現れたのは、逆立ちした暗木の顔。天井に張り巡らされたパイプラインの一本からぶら下がっているらしい

 

「……暗木……⁉︎」

『ハハッ、従業員全ての顔と名前を把握する記憶力は本物か。そこは大きな誤算だったよ』

 

手を広げ、逆立ちしたまま笑う暗木は翼に背を向け、離れると改めて向き直る

 

『だが覚えてもらったところ悪いが、それはもういらない顔だ。改めて紹介しよう』

 

暗木の背から現れたコウモリの羽のような赤いマントが暗木の体を包み、開く

 

そこから現れた姿は、襲撃してきた黒いボディスーツの異形とよく似ていた

だが胸のアーマーやヘルメット部分は白金に近い色で塗られており、ヘルメットの嘲笑う顔のようなスリットからは青白い光が漏れている

頭部には触角のような数本のツノが伸びていた

 

『バット星軍事課一等将軍、レジオラ。ああ、君たち向けに言えばバット星人レジオラ、と名乗った方が良いかな?』

 

慇懃に名乗ったバット星人レジオラはゆっくりと天井から脚を離し、くるりと身を翻して着地した

 

「……レッドリスト登録異星種族、バット星人……」

『まだまだ辺境の星だと思っていたが、どうやら我々のことをよく知っているようだな。恐れ入ったよ』

 

ぱちぱちと、余裕綽々といった様子で手を叩く

 

『しかしレッドリスト……《特別指定警戒種族》と言ったか?随分な言われようだな。我々地球外種族に門戸を開いているという割には、酷く不躾な定義付けに思えるが…』

 

わざとらしく頭を抱え、悲しげな様子を見せるレジオラを睨みつけ翼が口を開く

 

「……異星種族管理リストは、僕たち地球人側と友好種族同盟の綿密な調査によって厳正に決められている……」

 

レジオラが翼を興味深そうに見やる

 

「バット星人は元々ドキュメント:MATにも侵略の記録のある危険種族だったが、友好種族同盟からの情報提供により自星の別種族を滅ぼし、新たな星への侵略行為が積極化したと聞く。貴方がたを危険種族とするにはその情報でもあまりに十分だ」

 

『……下等な田舎星と思いきや、一枚板ではなかったということか』

 

声色が変わったレジオラが翼の腹を踏みつける

 

「っぐ‼︎」

『そこまで知れているなら話は早い。貴様の言う通り我々はこの星を侵略しにきた。既に攻撃の準備は整っている』

 

レジオラが手を振ると、翼の眼前に映像が浮かび上がる

そこに映っていたのは一機の大型円盤とそれを取り囲む数十機の小型円盤。どうやら彼らの移動艇と攻撃艇らしい

 

『何故貴様をさらったのか、理由は簡単だ。取引をしたいのだよ』

「取引……?」

 

『ー貴様が知るメテオール技術の全てを我々に提供しろ。そうすればこの星の侵略は見送ると誓おう』

 

レジオラの提案に翼が眉をひそめる

 

『この星は辺境の田舎星……潤沢な資源と土地以外に利用価値は感じられ無い。だが、まだ興味深いことはある。超越技術メテオールとー』

 

底意地の悪そうな顔でレジオラが翼に顔を近づける

 

『ーウルトラマンイカロスだ』

 

翼が目を見開く

 

『バレていないと思ったのかね?残念ながらリサーチは既に終了している。作戦段階で地球に再びウルトラマンが降り立ったと聞いた時は肝を冷やしたが、蓋を開けてみれば人間が作り出したハリボテとは』

 

くっくっくっ、とレジオラが余裕の笑みを浮かべる

 

『だが、それでもその技術力は目を見張る。このまま滅ぼして失われるのは惜しい』

「だから僕を襲ったのか」

『その通り。この取引の場に呼ぶため、そして人間から選択肢を奪うため。ハリボテとはいえ、ウルトラマンの存在は十分脅威となるからね。逆を言えば、それさえ奪ってしまえば楽なものだ』

 

レジオラが翼に背を向ける

 

『考える時間は与えよう。どうせ地球人のみで我々に歯向かう手段など無いのだから…』

「フッ」

『……何がおかしい?』

 

不快感を滲ませ、レジオラが翼を睨む

翼は笑っていた

 

「あまり舐めない方がいい。地球人も、他の種族たちも」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ッ……」

 

頭を押さえながらコンが立ち上がる。咄嗟に痛む頭を触ると血が滲んでいた

社長室へ続く廊下には襲撃してきたバット星人の兵士たちの亡骸であるスーツとアーマーが転がっている

 

「………」

 

無言で血の滲む額を拭い、落ちているアーマーの一つを掴むとコンは廊下からエレベーターへと進む

 

「コンさん、お疲れ様でーどうしたんですかその怪我は⁉︎」

 

コンが向かった先は自社工場内の整備部門。今は定期メンテナンス中だったガンフェニックスレガシーが停泊している

怪我を心配する技師を無視し、近くのコンソールから何かを確認する

 

「本社の方に被害報告や侵入の形跡は社長室フロア以外無し、こちらには……ッやっぱり…‼︎」

 

コンが確認している画面に映るのはガンフェニックスレガシーの状態

技師もその画面を確認し、目を見開く

メンテナンスが完了し、異常箇所がなくなったはずのガンフェニックスレガシーに数十の異常箇所が見つかったのだ

 

「これは……⁉︎そんなバカな⁉︎」

「やってくれたワケね、バット星人ども……‼︎」

「バット星人……?」

 

コンの周囲に異変を察知した他の社員や技師も集まってくる

 

「翼社長が侵略種族に誘拐された。襲撃はさっき。しかも連中、ご丁寧にガンフェニックスレガシーに細工までして行きやがった…‼︎」

 

「そんな……⁉︎」

 

驚愕する社員たちを余所にコンはインカムを取り出し、タブレットを弄りながら指示を下す

 

「早急にガンフェニックスレガシーの点検と異常箇所の排除を、私たちだけじゃ手が回らないだろうからNEXT GUYSからも応援の技師をよこすように頼むわ。秘匿ドックだから万一にも大丈夫だろうけどガンドラグーンの方の点検も急いで‼︎」

 

コンの指示にも社員たちは中々動き出せない。社長がいきなり誘拐されたのだ。混乱が大きいのだろう

 

バンッ‼︎

 

コンソールを強く叩く音が響く

 

「舞村 僚‼︎ 鈴木 新‼︎ 香村 巡‼︎」

 

コンが突然叫んだのは名前

どうやら社員や技師の名前だったらしく、ハッと何人かが顔を上げる

 

「伊勢 巽‼︎ アンヌ・テリーヌ‼︎ 間宮 透‼︎ 響 侑斗‼︎」

 

次々と社員たちのものらしい名前を呼び上げていくコンに社員たちが注目し、どよめきが収まる

 

「………名前まで覚えてるのは社長だけって思ってた?私だって、アイツから面倒な信頼をされた社員の一人なのよ。アイツのバカみたいに真っ直ぐな信頼に応えてやらなきゃアイツは本物のバカじゃない…‼︎」

 

コンが振り返り、社員を睨む

 

「アンタらはなんだ⁉︎ アンタらも、アイツが信頼して仕事を任せてきた社員だろ⁉︎ 社長がいなきゃ仕事一つできませんって、そんな腑抜けをアイツは信頼しない‼︎」

 

「あのクソ侵略者は、コイツを傷つけて社長まで奪った。率直に言うわ。めちゃくちゃナメられてるのよ。地球人なんか目じゃねぇって、この会社で作ったこの翼を、地球を守るための威厳を踏みにじって得意顔してる‼︎ 許せないわよね。ふざけるなって話よね⁉︎」

 

コンの言葉を聞いていた社員たちの顔つきが変わる

 

「ー私たちであのクソ侵略者の鼻明かしてやるわよ。社長を、本物のバカにしないために、今アイツの信頼に応えてやるの。アイツが言った《僕たちの翼》で‼︎」

 

ハイ!!!!

 

コンの言葉に士気を取り戻した社員や技師たちが動き出す

 

「コンさん、まずは怪我の治療を…」

「要らないわ。私もこれから大仕事あるワケだし」

 

心配する社員を制し、コンはインカムをNEXT GUYSの指令室に繋ぐ

 

「翼くんが拐われた⁉︎」

 

剛が驚愕の顔を見せ立ち上がる

 

『拐った連中は恐らくバット星の連中よ。あの趣味の悪いマスク姿、アイツら以外見たことないし』

「バット星人……侵略大好きなレッドリスト登録の異星人ですねぇ。危険指定なので排除に移しても問題ないです」

「翼くんの位置の特定は可能かね?」

『念話で辿ってるんだけど……ポイントN6付近に何か異常無い?』

 

コンの指定したポイントをケリスが調べる

 

「……ビンゴですねぇ。異常粒子反応検知。連中がよく使う迷彩チャフと見て間違いなさそうです。恐らく移動艇をこの辺りに隠蔽しているのかと」

「良し、ならばガンフェニックスレガシーで直ちにー」

『それなんだけど、もう少し待って。バット星人がガンフェニックスレガシーに細工したらしくて緊急メンテ中だから』

 

剛が唇を噛み締める

 

『……ただまだ手はあるわ。NEXT GUYSの手も借りたいけど』

「‼︎それならお易い御用だ。すぐに向かう‼︎」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

『地球時間で2時間、そろそろ答えは出そうかね?』

 

余裕を崩さず、レジオラが翼を見下ろす

 

「………」

『沈黙、ということは協力はしないと?』

 

くっくっくっ、とレジオラが勝ち誇った笑みを漏らす

 

『残念だ。ならば侵略を再開すー』

 

突如、移動艇内にアラートが響く

 

『何事だ⁉︎』

 

予想外の事態にレジオラが狼狽し、モニターを開く

そこに映っていたのは、一機の大型戦闘機

 

『バカな⁉︎メテオール搭載型機は発進不可能にしたはずだ‼︎』

 

モニターを見た翼は一瞬驚いたような顔を見せ、ニヤりと微笑む

 

「コン、やってくれたんだな」

 

「指定されたポイントに到着しました。目視では何も確認できませんが……」

 

コクピットに座る翔真がN6ポイントに広がる山間部の森林を見下ろしながら報告する

 

『チャフ妨害素子弾を発射してみて』

「G.I.G」

 

翔真が引き金を引くと共に放たれた弾丸が炸裂、銀色の粉末が散布される

と、同時に山間部から数十機の円盤が停泊している姿が現れる

 

「ターゲット確認しました‼︎」

『よし、翼くんの救助はコンくんに任せて敵対異星人への攻撃を始める‼︎』

「G.I.G‼︎」

 

剛の指示が終わるが早いか、現れた円盤たちが離陸し翔真たちが乗る機体に光線による攻撃を始めてきた

 

「百瀬さん、分離して攻撃を始めます」

『わ、わかりました。行きましょう!』

 

「『ガンドラグーン、スプリット‼︎』」

 

翔真と花が乗る戦闘機ーガンドラグーンが中央部から分離

中型機ガンブレイバーと大型機ガンバスターが光線を回避しながら別方向に離脱していく

 

「えっと、コンさん、どこかに着陸しておけばいいですか?」

ガンバスターのコックピットに乗る花が後ろに乗るコンに声をかける

「必要ないわ。ここから行けるから」

「え?」

 

呆けた声を漏らす花を他所に、コンの姿が消える

「へ、あれ⁉︎」

 

慌てる花だが、バスターに迫る光線を見て気を取り直し、光線を回避する

 

「わっとと……ともかく円盤をどうにかしないと…」

 

照準を展開、操縦桿を握り直し光線を放って隙を見せた一機の円盤に狙いを定める

 

「バリアブルレイザー、発射‼︎」

 

バスターから放たれた重粒子光線が正確に円盤を射抜き、撃墜する

 

「やった……」

 

最後尾に貼りつき追撃を繰り返してくる中、光線を掻い潜りガンブレイバーが舞う

 

(操作感はシュミレーター訓練通り……)

 

高速機動を繰り返すブレイバーのコクピットに座る翔真には多大なGが振り返る

Gの重圧に顔をしかめながら、それでも翔真の目は冴えていた

 

(ここだッ‼︎)

 

円盤の追撃が止んだ一瞬を突き、ブレイバーが反転

円盤の直上を捉えた

 

「ウイングブルーブラスター‼︎」

 

ブレイバーから放たれた青い光線が2機の円盤を貫く

水平姿勢に戻ったブレイバーの正面から新たな円盤と光線が迫るが、素早く回避、すれ違いざまにウイングブルーブラスターで更に2機を撃墜する

 

「行ける……‼︎」

 

『バカな……‼︎ 何故だ⁉︎ メテオール搭載戦闘機は既に完封していた筈だ!!』

「バーカ、地球人が足踏みしてばっかなわけないでしょ」

 

振り向いたレジオラの肩口に光弾が直撃、レジオラが膝をつく

眼前にいたのは、トライガーショットNEXTを構えたコン

 

「信じてたけど、予想以上のことをしてくれたね、コン」

 

いつの間にか拘束を解かれた翼がコンの側に立つ

 

「お礼なら私より社員たちとNEXT GUYSにいいなよ。今回踏ん張ったのはアイツらよ」

『貴様……‼︎ どうやってここに来た⁉︎』

 

レジオラが怒声を上げる

 

「散々サイコキネシスを舐めてたクセに、念力対策はお粗末ねバット星の頭でっかちさん。これくらいテレポートで余裕よ。少し疲れるけど」

 

懐に伸ばしたレジオラの手にトライガーショットの光弾が再び直撃する

 

「テレポートするわ。翼、捕まっときなさい」

「頼むよ、コン」

 

翼が肩に捕まると同時に、コンと翼の姿が円盤内から消える

 

『おのれ……‼︎ おのれおのれおのれ‼︎ 貴様らがその気なら、身の程を教えてやる……‼︎』

 

よろめきながら立ち上がったレジオラはコンソールのケースで保護されたスイッチを割り押す

 

『圧縮凍結解凍……‼︎ 目覚めろ…ハイパーゼットン ・ギガント‼︎』

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「隊長‼︎ 翼は救助したわ。心置きなくやっちゃって」

『わかった。よくやったなコンくん』

 

自社工場入口近くに転移した2人を凄まじい地響きが襲う

 

「隊長‼︎ 円盤が……」

 

花が驚愕の表情で見つめる先では一際大きかった円盤が発光、地面に墜落すると同時にそれを中心に黒い巨大な影が膨張を始めていた

膨張する黒い影から伸びる触手が残る円盤を捕え、取り込んでいく

 

ーゼェェェェェェェェットォォォォォォォォォォン

 

おぞましい咆哮と共に、黒い影が産声を上げる

現れたのは黒い体表に背中に2つの黄色い発光体を持つ巨体

芋虫のような巨大な体に対してあまりにも小さい頭部の中央にも黄色い発光体が光っている

胴体前面からは鎌を持つ巨大な腕が一対伸びる

 

「ッ‼︎超巨大怪獣出現‼︎」

 

現れたハイパーゼットン・ギガントは背中の発光体を脈動させると、そこから火球を次々と発射

 

「くっ⁉︎」

「きゃっ⁉︎」

 

突然の攻撃だがすんでのところでブレイバーとバスターは回避

しかし、火球のほとんどは2機の後方に

ー日向重工の工場へと飛来していた

 

「しまった⁉︎」

 

だが火球は直撃することなく、施設を覆った青いバリアーに弾かれた

 

「あれは…‼︎」

 

「キャプチャーフィールド展開、間に合ってよかった」

 

コンソールを操作していた翼が安堵の息を溢す

工場に向かった翼がギリギリ防衛用のメテオールを展開したのだ

 

「ご無事で何よりです。社長」

 

直前まで作業していた技師が翼に頭を下げる

それに続いて周りの社員も一様に微笑み頭を下げた

 

「ー労いの言葉でもかけておきたいけど…」

「行かれるのでしょう?御武運を祈っています」

 

全てわかっているかのように、技師が道を示す

日向重工の社員や技師には、翼からウルトラマンイカロスについて説明が既にされているのだ

 

「ーあぁ、行ってきます‼︎」

 

技師と社員たちに礼を言い、翼が地下へとーイカロスの格納庫へと足を向けた

 

《タイマーリアクター・オールグリーン。各部正常。感度良好》

 

アナウンスと共にイカロスを格納するカタパルトが点灯していく

その胸部、コクピット内で翼が起動キーを差し込み、イカロスを起動する

 

「ーイカロス、テイクオフ‼︎」

 

機械の巨人の双眸が輝いた

カタパルトが稼働、その巨体が上昇していく

その道中で機体の迷彩機能が働き、イカロスの姿が一時的に不可視になる

自社工場から少し離れたダム湖より地上へ現れたイカロスは透明のまま飛行体勢を取る

 

ーデァアッ!

 

イカロスの巨体が飛翔した

 

ーゼェェェェェットォォォォォォォォン

 

不気味な咆哮を上げながらギガントの鎌がキャプチャーフィールドに振り下ろされる

なんとか一撃を受け止めるも、フィールドは明らかに軋み始めている

その背にブレイバーとバスターの光線が命中するが、その堅牢な表皮にあまりダメージを与えられている様子はない

 

「クソッ、このままじゃ…‼︎」

 

焦る翔真のすぐ側、ブレイバーの直上を銀色の光が貫く

ーデァアッ!!

ウルトラマンイカロスの飛び蹴りが、ギガントの小さな頭部に直撃

流石の衝撃にギガントが僅かばかり後退する

 

「……ウルトラマンッ‼︎」

 

眼前に現れた銀と青の巨人に、翔真は何故か責めるような視線を投げかけた

 

イカロスが疾走、再び工場に進軍しようとするギガントの胸部分にタックルし、その巨体を押し戻そうと力を込める

だが、ギガントの圧倒的な巨体は小揺るぎもせず、胴体側面から生えた鋭い節脚がイカロスに突き立てられていく

 

「ぐっ、ぅ……ッ‼︎」

 

何度か耐えたイカロスだが、止むことのない猛攻に流石によろめく

 

ーゼェェェェェットォォォォォォォォン

 

胴体から離れ、後退したイカロスに頭部が向けられ、中央から放たれた火球がイカロスに直撃しその体を吹き飛ばす

 

「がァァァァっ⁉︎」

 

なんとか立ち上がりかけたイカロスに、追い討ちとばかりに背中からの火球が降り注ぐ

イカロスだけでなく、工場を守るフィールドにも火球は直撃。フィールドが揺らぎ始める

 

ーゼェェェェェットォォォォォォォォン

 

トドメとばかりに、跪くイカロスにギガントの鎌が振り上げられた

 

「ウイングレッドブラスター‼︎」

「バリアブルパルサー‼︎」

 

ギガントの頭部に赤と黄色の光線が直撃、イカロスに向けられた注目が逸らされる

飛来してきたのはレガシーウインガーとレガシーローダー

 

『待たせてすまなかった、翔真くん、花くん‼︎』

 

ウインガーに乗る剛からブレイバーの翔真とバスターの花に通信が入る

 

『これよりウルトラマンイカロスを援護する。メテオール解禁‼︎』

『『『G.I.G‼︎』』』

「………G.I.G」

 

「『『バーミッション・トゥー・シフト、マニューバ‼︎』』」

 

メテオール解禁命令と共にウインガー、ローダー、ブレイバーがそれぞれパーツを展開、金色の粒子を纏うマニューバモードへと変化する

 

「着陸位置確認、バーミッション・トゥー・シフト、マニューバ‼︎」

 

遅れて平らな地面の近くに移動したバスターもマニューバモードを解禁、翼を畳み格納されていた履帯と大砲を出したバスターは戦車のような形態へと変化して着陸する

 

ーゼェェェェェットォォォォォォォォン

ーデァアッ‼︎

 

ギガントの振り向いた鎌をイカロスが横腹で受け止め、踏ん張る

そこに間髪入れずにもう片方の鎌が振り上げられる

 

「スペシウム弾頭弾、ファイア‼︎」

「シネラマグレネード、発射‼︎」

 

ウインガーとブレイバーから放たれた弾頭が装甲の薄い鎌足に次々と着弾し、炸裂していく

ビキキッ、と鈍い音を立て甲殻にヒビが入る

 

ーデャッ‼︎

 

それを見逃さなかったイカロスは受け止めた鎌足をなんとか蹴り飛ばし、上腕部に纏った光刃を発射、破損した関節部に直撃させて鎌足を切り落とす

 

ーゼェェェェェットォォォォォォォォン

 

先程までと違う、明らかに狼狽したかのような咆哮が響く

 

「ウルティメイトシェル装填、照準確認‼︎発射‼︎」

 

バスターの砲身が稼働、もう片方の鎌足へと狙いをつけたと同時に赤熱した実体弾が放たれる

砲弾は狙い違わず鎌部分に直撃、その腹を豪快に砕き折れた鎌先が地面に突き刺さる

 

ーォォォォォォォォ、ゼットォォォォォォォォォォォン

 

悲鳴のような咆哮と共に苦し紛れの火球が背中から放たれる

 

「ファンタム・アビエーション、スタート‼︎」

 

黄金の粒子をより多く噴出させ、ウインガー、ローダー、ブレイバーが空を駆ける

火球が、飛び交う三機を撃ち落とすーように見えたが、火球が捉えた機体はどれも高速機動により生まれる残像に過ぎない

火球を生み出す発光体に肉薄したブレイバーが砲身を展開する

 

「リミッター全解除、ブレイジングデトネイター、発射‼︎」

 

砲身を軋ませながら赤黒い重粒子の光線が発光体を貫き爆発させる

 

「コイツもおまけだ‼︎」

 

更にもう片方の発光体にもスペシウム弾頭弾とバリアブルパルサーが突き刺さり、粉々に粉砕される

武器を失い、ギガントがその巨体を軋ませながら後ずさる

 

ーゼェェェットォォォォォン……

 

ギガントを正面に捉えたイカロス

そのコクピットの中で翼がボディスーツの胸元、ちょうどカラータイマーと同じ位置に存在する発光器を捻る

 

ーガチリ

 

何か歯車が噛み合うような音と共に、イカロスの全身を走るエネルギーラインが展開、青い光を放つ

赤く明滅するカラータイマーの前で腕を交差し、そのタイマーにエネルギーを収束させていく

ギガントの顔がイカロスを捉え、火球のチャージを始めるがもう遅い

 

「ーアポロニウム、コアバースト!!!」

 

勢いよく開かれた腕の間、イカロスのタイマーリアクターからスパークするエネルギーの奔流が放たれる

発射された火球を奔流は易々と貫き、そのままギガントの頭部に突き刺さる

勢いはまだ失われず、首から胴にかけて光線がギガントを切り裂いた

光線が止み、一瞬の静寂が訪れ、ギガントの頭部と胴体が大爆発を起こす

残された超巨大な肉体が、その場に崩れ落ちる

 

各部から薄く余剰エネルギーの粒子を放出しながら立つイカロス

その目前を4機の戦闘機が通りすがる

目に映ったパイロットはこちらに敬礼をする剛が精一杯だったが、そこには確かに飛翔する『翼』があった

 

祖父から受け継ぎ、繋いできた翼と

自身が一から紡ぎ上げた、いずれ未来へ繋ぐ翼

 

イカロスの銀の瞳を通してその銀翼を眺めた翼は、一人苦戦していた工作が初めてできた時の子供のように、無邪気に笑っていた

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「いやぁ、着任早々大変な任務だったなぁお二人さん」

 

剛がデスクに向かった翔真と花の肩を叩く

 

「いきなりで緊張してしまいました……うまくできて何よりでした…」

 

花が緊張した面持ちながら安堵のため息をつく

翔真は剛の言葉に軽い会釈だけ返す

 

「翔真くんは、シミュレーションでもかなりの好成績を残していたようだが、実戦でも遺憾なく発揮できていたようだね」

 

「……やるべきことをやっただけです」

 

ぶっきらぼうにそれだけ返した翔真は、どこか険しい表情を覗かせる

 

「さて、それじゃあ事件も落ち着いたことだし、花ちゃんと翔真くんの歓迎会でもやりますか‼︎」

 

輝が朗らかに手を挙げながら提案する

 

「いいね、輝センパイ。私はまだ地球のそういう文化は未経験だからご教授頼むよ〜」

「任せてくれたまえケリスくん。早速買い出しに行かないと‼︎」

「あ、あの…お手柔らかにお願いします…」

「あまり羽目を外しすぎるなよ〜今はいつ何が起こるかわからないんだからな」

 

わいわいと騒がしくなる指令室の中、翔真はただ一人険しい顔をして俯いていた

 

「……できなければ意味がない。俺は、そのためにここにいるんだ」

 

翔真は手にしていたロケットペンダントを固く握りしめた




次回予告

マケット怪獣・アギラが中々制御できず苦悩する輝
そんな中、一人ぼっちの少年と出会う
少年が友達と呼ぶそれは本当に友達か、それとも

次回
『心の中の怪獣』

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