空に浮かぶは大きい雲   作:あろえよーぐると

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《黒鉄 珠雫》(くろがね しずく)
固有霊装:宵時雨(よいしぐれ)
伐刀者ランク:B
伐刀絶技:障波水蓮(しょうはすいれん)
攻撃力D 防御力B 魔力量C 魔法制御A 身体能力E 運C


実妹、襲来(第12話)

「は~い、新入生のみなさん。入学おめでとーーー!」

 

 新入生達に目掛けてクラッカーを鳴らす、教壇に立つ若い女性教師は満面の笑顔を浮かべた。

 本来なら一輝の学年は2年生になるのだが、去年は授業を受けたくとも学園がそれをさせなかった。今年からはそんなことはないが、どんな理由があろうと単位が取得できなかった学生が進学などできる筈がない。故に一輝は新入生と同じ教室で入学説明を聞いている。

 歩太はちゃんと2年生である。それはそれ、これはこれ(友情も大事、単位も大事)だと考えているからだ。大体、七星剣王が留年なんて教育機関として問題である。他の学園の辻斬り紛いなことをしている学生だって3年に上がれているのだ。留年などしようものなら脳筋(おバカさん)の称号が贈られてしまう。

 

「……なんか疲れる先生ね」

 

 縁があるのか隣の席になったステラが、目の前の担任折木 有里(おれき ゆうり)の変なテンションにぼやく。

 

「あはは、まぁね。でも、良い先生だよ」

「知り合いなの?」

「前にちょっとね」

 

 去年、入学試験時に彼女を斬り伏せて合格をもぎ取った仲だ。

 

 折木教員は説明を続ける。それは『七星剣舞祭代表選抜戦』についてだ。去年は能力値(・・・)で選手をある程度決めていたが、今年からは全校生徒参加(・・・・・・)の実戦選抜に変わる。そして全校生徒が選抜戦を競い成績上位6名を代表選手とする実力制だ。

 ステラは疑問が浮かび手を上げる。

 

「先生」

「ノンノン。ユリちゃん☆って読んでくれないと返事してあげないゾ?」

「……ゆ、ユリちゃん」

「はい、なーにステラちゃん」

 

 出鼻を挫かれながら選抜戦は何試合するのか質問すると一人十試合以上あり、三日に一度は必ず試合があると答える。

 それを聞き一輝は安堵する。彼の伐刀絶技(ノウブルアーツ)《一刀修羅》は一日一度しか使えないため、連戦だと厳しいからだ。

 それを聞いて生徒の一部が不満を漏らす。伐刀者(ブレイザー)として高収入を得て平穏に暮らそうと考えているものだ。

 折木は一瞬、一輝の方を見やり優しく微笑みを浮かべる。

 

「確かに大変だと思う。だけど、誰にでも平等にチャンスがあるという事だけでも、この制度は素晴らしいものだと、先生は思うな♪

 それは、ここにいる誰もに、七星剣舞祭の優勝者『七星剣王』になれるチャンスがあるってことなんだから。

 だからできればみんな参加して、目指してみて欲しい。その経験はきっと掛け替えのないものになると思うから」

 

 向けられた眼差しに一輝は頭を下げて感謝する。彼女のおかげで破軍学園に入ることができたのだから。

 

「じゃあみんな。これからの一年、全力全開でがんばろーっ!

 はーい、みんなも一緒に。えぃえぃおブォファーーーッッ!!」

 

 折木は盛大に吐血した。

 

「「「ユリちゃぁぁああぁあああん!?!?」」」

 

 この教師、生まれつき病弱なのだ。

 

 

 

 突然の惨劇にクラスメートは騒然としたが一輝が対処し、教室は落ち着いた。折木を保健室に運んでいる際に、無理にテンション上げて入学を祝っていた折木にウザがられたことを伝える。吐血量が増したが本人ためである。

 教室に戻り今日は終わりだと伝言を預かりクラスメートに伝える。一輝は妹を探しに行こうとするが女子クラスメートに捕まった。なんでも一輝とステラの試合が動画でネットに上げられているの見たらしい。それを見たらしい他の女子達も好意的な目を一輝に向けているが、それを気に食わないクラスの男子達が一輝に突っ掛かり襲ってくるが、敢えなく撃沈。それを見た女子達はより好意的になり次々と一輝に声をかけ始める。そんな時だ。

 

「雑魚を歯牙にも掛けない圧倒的強さ。流石ですお兄様」

「しず、く…?」

「はい。……お久しぶりです。お兄様」

 

 四年ぶりに再会する妹にたまらず駆け寄りその小さな手を取った。

 

「うわ、やっぱり雫か!こっちこそ本当に久しぶり!なんだかすっごく大人っぽくなったね!見違えたよっ!」 

「当然です。四年も逢っていなかったのですから。変わらない方がおかしいですよ」

 

 大きく成長した雫に逢い、言葉を掛けようとするが興奮して考えが纏まらず何から話して良いやら上手く言葉が出ない。

 

「ねぇイッキ。その子ってもしかして今朝話してたイッキの妹さん?」

「え、あ。うん!そうなんだ!みんなにも紹介するよっ」

 

 そのとき、一輝の頬を両手に挟み自分の方に視線を引き戻す雫。その瞳は潤みなんともいえない雰囲気を放つ。

 

「お兄様…ずっと、お逢いしたかった……」

 

 雫はそのまま自分の顔を近づけ淡い色の唇を一輝の唇に押し付けた。

 

「「「ナニゴトーーーッッッ!?!?!?」」」

 

 雫はそのまま自分の舌を一輝の口内に潜らせてより深く一輝を求める。

 

「ッッッッ!?!?」

 

 一輝は声なき悲鳴を上げるが頭が真っ白になり雫から与えられる快楽に染められてゆき、次第に……

 

「って、ちょっと!あ、ああ、アンタ達なにやってるのよッッ!?イッキも戻ってきなさいッ!!」

 

 ステラのお陰で意識を戻し、自分から雫を離す。

 

「…ハッ!ありがとうステラ、助かった!珠雫!い、今のは一体なに…?」

「何って…もちろん口づけですよ?」

「それはわかってる、だから驚いてるんだよ!そうじゃなくて、どういうつもりなのかって話っ!?」

「どういうつもりもなにも、口づけとは親愛の証。ならば同じ血と肉と骨を分かつ、鉄よりも固い絆で結ばれた兄妹が口づけするのはごくごく自然なことなのです。むしろしない方が不自然でしょう。今さら何を驚くことがあるのでしょう」

「えっ!?日本の兄妹ってそうなの!?」

「ち、違うよ!?え、そうだよね?僕がおかしいの?」

 

『ステラさん違うよー』

『多分この兄妹が特殊なだけだよー』

『日本を誤解しないでねー』

『ありえないからー』

 

 外野にいるクラスメートがステラに歪んだ常識を否定して説明する。

 

「えー珠雫。やっぱり君の意見はおかしいという判決がでたんだけど」

「他所は他所、うちはうちです。何も問題ありませんわ、お兄様。他の皆さんの兄妹関係はツンドラのように冷え切っているのでしょう。でも私とお兄様は違います。

 そんな些末なことよりも…お兄様。珠雫にもっとお兄様を感じさせてください。口づけ程度では四年分の愛おしさを伝えられません。そのたくましい身体で珠雫の身体を強く抱きしめて感じて下さい。離れていた分をいまここで愛し合いましょう。

 

 この四年間、本当に恋しかったのですから………」

 

 珠雫は再び一輝に近づき、優しくその場に押し倒した。(みどり)色をした瞳が潤みを増して一輝の瞳を離さず熱く見詰めている。四年ぶりに見た妹は美しくなり色香を放ち一輝を逃がさない。一輝も脳内が桃色に染まりだし、意識が朦朧とし始め…やがて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 救い(歩太)がやってきた。

 

「……何してんの?珠雫」

 

 珠雫は素早く身体を直立させカクカクと声の主の方を向く。

 

「し、し、師匠……ッッ」

「ステラから連絡があって来てみれば……ふむ。状況はなんとなく分かった。とりあえずお仕置きな」

「慈悲をっ!どうか慈悲をお与えくださいッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あきらめろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




歩太&珠雫
歩太「今日から一週間ほど、お前を鍛えることになった出雲だ」
珠雫「私より弱い人に教わる気は有りませんので」
歩太「とりあえず模擬戦からやるから」
~上下関係構築~
歩太「もっと素早く水を展開させろ」
珠雫「ちょ、ちょっと待っブォホォ」
 水球に顔にぶつけられたり。
歩太「ほらほら早く制御権を奪わないと溺死するぞー」
珠雫「ブァ…ボォブビベブ……」(あ、もう無理)
 制御緩めで水の檻に閉じ込められたりした。
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