伐刀者ランク:A
伐刀絶技:妃竜の息吹(ドラゴンブレス)
ステータス
攻撃力A 防御力A 魔力量A 魔力制御B+ 身体能力B+ 運A
ここはヴァーミリオン皇国にある孤島。そこで二人の若き騎士が火花を散らし刃を合わせていた。
彼女は今まで同年代に負けたことがなく、今では教育係の自国の騎士にさえ難なく勝星を収めてしまう。
まさに天より愛されたし天才であり真の強者である。中にはそんな彼女に対して「努力すれば天才にも勝てるということを証明しよう」と
ステラはいつだって才能に見合う努力をしてこそ今の自分を作り上げてきた。それなのに敗北すれば、〝やれ才能が違う〟〝お前はは恵まれて良いよな〟などと彼女の努力汚す言葉ばかり吐く者達に嫌気を差していた。
そんな時に日本のAランク騎士との対戦の話が舞い込んだ。今まで戦った
あの《闘神》の弟子にして《夜叉姫》の弟弟子である一つ上の少年との対決は彼女の心に一筋の光が射し込む話だった。すぐに了承し、今か今かと待ち望んだ。彼とならばいい試合が。燃え上がるほど熱い戦いが。自分の全力が出せるのではないのだろうかと期待に胸を膨らませた。
そして迎えた当日。彼女の願いは成就する。
「
「
開始の合図が鳴ると同時に、彼女は大剣を上段に構えて魔力放出による加速で速効を仕掛ける。剣を振り下すステラに対して歩太は刀で弾き、そのまま返す刃でステラに斬り込む。
ステラは剣を弾かれた勢いに乗り、刃を避けるべく後退する。だが、歩太は逃がす気がなく追撃とばかりにステラに踏み込んでくる。
息をつく暇もなく斬撃を何とか捌くが、徐々に歩太の速度が上がり剣閃が上下左右縦横無尽と言わんばかりに周囲から襲ってくる。
「舐めるなぁ!」
ステラは炎を燃え上がらせ、周囲に放出する。その熱量と勢いは周りを焼き尽くさんとばかりに燃え上がる。歩太はそれを見て危なげなく下がり距離を取った。
ステラは追い詰められるが魔力のゴリ押しにより、下がらせることに成功し一息つく。対して彼は、あれほどの連撃を繰り出していたにも関わらず開始前と何ら変わらない姿勢を見せていた。
ステラの心は燃え上がる。〝これだ。これこそ自分が求めていたものだ〟と。
彼女の感覚は今までにないほど研ぎ澄まされ、魔力は唸りを上げるかのように練り上げられる。
ステラは初めて同世代で敗北するかもしれない相手に、今まで味わえなかった充足感を感じた。しかも相手の力量は全く見えない。
これが
今度は魔法はどうだと火球を次々と放つ。歩太はそれに対し、自身を中心に水を出現させる。水はやがて龍を型どり、彼の身体に守るように巻き付く。
「甘いわよ!アタシの
彼女の言う通り火球がぶつかる度に水龍はその身を蒸発させる。歩太の狙いはそれだった。
蒸発した水はは
ステラは視界が不透明になったことが己の失敗だと気づき、心の中で舌打つ。気持ちを切り替え、いつでも来いと反撃に備える。
すると背後から高速で来る何かを感じ、剣で迎撃する。弾いたそれは槍のように鋭く尖った氷だと把握する。
それを皮切りに地面以外のあらゆる方向から次々と襲ってくる。なるほど。水龍は攻撃をただ受け止めるだけでなく霧を作り出し視覚を殺し、この状況に持っていくための布石。あえて受けたのかとステラは感心する。その無駄の無さ、流れるような動作への繋げ方。並の騎士ならばここで終わるだろう。
だがAランク騎士なのはこちらも同じ。そこらの騎士と同じと思われるのは心外だ。ステラは自分の気持ちを行動で表現した。
「チマチマといいかげん鬱陶しいのよ!消し飛びなさい《
灼熱の爆風により、全て吹き飛ばす。彼女の視界に彼の姿が映らない。
今日は快晴で雲一つ無いのに平地が影に覆われている。ならば、自然現象ではなく誰かが行ったということになる。影は徐々に大きくなっている。
可能な人間は一人しかいない。そう考えて上を見上げると、隕石かと見紛う大きな氷塊が彼女に向かって落ちてきている。まるで象が一匹の蟻を踏み潰さんばかりの異様さだ。
「そうよ…これこそ私が求めていたものよ!良いわ、気に入ったわ。アタシの全力を見せて上げる!」
滾らせた炎で氷塊を蒸発させ消し飛ばしながらステラは宣言する。その先には水龍の頭上に立ち次の攻撃を放たんとする歩太の姿だった。
彼女は自身の
「
《
間もなく戦いは終わる。
ステラ・ヴァーミリオンの作中に出してなかった技名
・火球…《焦土蹂撃》(ブロークンアロー)
・火龍…《妃竜の大顎》(ドラゴンファング)
当作の主人公の技名
・水龍…魔力制御の練習がてらディティールに拘った
・氷の槍…様子見の波状攻撃。
・氷塊…氷の槍を潜り抜けた相手にプレゼント。
つまりは技名つけるまでもない見せ札。あと何で水龍浮いてんのかの理由は空気中に水分含まれてる訳で…つまりそういうことだ。
2021/5/4、文章を少し変えました。