空に浮かぶは大きい雲   作:あろえよーぐると

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ある日の主人公と爺様の会話

「なぁ爺様。高校は武曲に行かなくて良いのか?」
「別に気にせんでええよ。好きにしなさい」
「姉弟子は武曲だったのにいいの?」
「寧々が武曲に入ったのは理由があってのう。」
「姉弟子曰く、『あの頃ウチはやんちゃだった』だっけか」
「盗んだバイクで走ったあと売っぱらってたじゃろうな」
「いやいや。足が届かないことにイラっときて絶対スクラップにしてるでしょ」
「それもそうじゃの」


「「ハハハハハッ!」」




姉弟子「…」

 


雲さん、高校生になる(第4話)

 ステラと戦ったあの日から時間が過ぎ、今年から高校生。魔導騎士たる伐刀者(ブレイザー)のための学校の1つである破軍学園に入学した。ランク主義で面接時に学生騎士の大会である七星剣武祭に1年生でも自分(Aランク騎士)なら問題なく出場できると言われたからだ。爺様が特別顧問をやってる武曲学園だと学内で予選をし各学園出場者数の6人の席を勝ち抜け戦で争う。この前、粉ものが食べたくなり店に行ったらリトルリーグ時代(小学4年と5年時)に印象に残ったお好み焼き焼き屋の息子(魔力無効化能力を持つ槍使い)がそこの学生だそうで行くのを止めた。アイツ狡猾だからノリか遊びとかで集団をけしかけたりしてこちらの弱点を探るなんてこと平然とするだろうし。正直、風使い(同じAランク騎士)より面倒。

 (転生特典など)や身体を鍛えつつ学生生活を満喫してたわけだが、胸糞悪い光景が視界に入った。

 

 

 

「さぁ。今が頑張り時だよ。固有霊装(デバイス)を出して先生や皆に君の実力を見せつけるんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 今年の破軍学園には伐刀者ランクの最高峰である《Aランク騎士》出雲 歩太(いずも あゆた)が入学したと騒がれていた。

 

 その一方で平均の十分の一しかない過去最低の魔力量を持つ騎士についても密かにウワサになっていた。

 

 少年…黒鉄 一輝(くろがね いっき)は入学試験時。試験担当官であった教師に、あまりにも資質のなさ故に落とされそうとしていたが彼は担当官にこう言った。

 

『あなたに勝てます』

 

 Fランク…自分の伐刀者としての資質で普通に受験しては落ちるのが分かっていたために強い言葉で挑発し己の力(武芸者としての強さ)を示し入学をもぎ取った。

 しかし、今年から実戦教科を受講する最低能力水準(・・・・・・・・・・・・・・・)という他の学園にはない規定(・・・・・・・・・・)がつくられ、一般教科以外の全ての実戦教科を受講することができないでいた。例え資質が低くても実力を示し道をこじ開けてみせると考えていた彼にとって悪夢(歯がゆいこと)だった。それでも腐らずにチャンスを待ち続ける姿勢を見せていたせいだろうか?

 

 

 

『ごめん…黒鉄。俺はもう、お前と仲良くできない』

 

 

 

『アイツと仲良くすると、理事長に(にら)まれるらしぜ』

 

 

 

『一輝に関われば内申が悪くなる』

 

 

 

そんな噂が(ささ)やかれれば、友達や他の生徒達から距離を取られるのも当然の成り行きだった。そして今回の出来事である。今年の《入学首席(Aランク騎士)》に話題を取られて余り目立っていなかった《入学次席》である桐原 静矢(きりはら しずや)が中庭で昼食をとっていた一輝に話しかけてきたのだ。

 

 

「そうやっていつまでも先生達の言うことに従ってるばかりじゃ、一生かかっても先生達に実力を認めさせるなんて不可能だろ?だからさ、今ここでボクと決闘しようじゃないか」

 

 

 一輝は何故こんな目にあうのか理由を知っていた。それは彼の出生した家が原因だ。《黒鉄家》は代々、優秀な伐刀者(ブレイザー)を輩出してきた明治から続く日本の名家で騎士の世界にもとても強い影響力を持っている。その《黒鉄本家》から破軍学園に直接圧力をかけてきたのだ。

『黒鉄の家を出奔したはぐれ者。黒鉄一輝を卒業させるな』

 伐刀者は緊急時には固有霊装の展開を認められているがこの場で少しでも戦意を見せれば周りにいる理事長の一派である教師達がそれを不祥事として取り上げ黒鉄本家と直接繋がっている理事長は嬉々として一輝を退学に追い込むだろう。

 一輝は申し出を断って広場を後にしようとした。しかし、

 

「そんなこと言うなよ。ボクはクラスメイトとして君が心配なんだ」

 

 (きびす)を返した背に、桐原が固有霊装(デバイス)朧月(おぼろづき)》による射撃を打ち込んできた。こちらは決闘の申し出を断り固有霊装も出していないのにだ。そんな桐原の行動を誰一人として戒めるものはいなかった。近くにいる生徒や様子をうかがっているまともな教師達も。

 

「ほらほらどうした。立ち上がって固有霊装を構えるんだ。まだまだ平気だろ。Fランクでもやればできるとこを見せてく・れ・よっ!ほら見てみなよ。広場にいる皆も君のことをこんなに注目してくれてるんだ期待されてるんだ。そんなうずくまってるだけじゃなく立ち上がってみせるんだ。男を見せるんだ、黒鉄君。いま輝かないでいつ輝くのさ?騎士に成りたいんだろ?実力を示して入学してきたんだろ。七星剣武祭(しちせいけんぶさい)にも出場したことがあるこのボクがわざわざ君のために協力してるんだ。こんな機会を作ってくれたボクに感謝しなくちゃね。だってここで成果を上げればこれから皆が君の力を認めてくれて授業だって受けられるようになるかもしれないよ。さぁさぁ、もっと速度を上げて撃ち込むよ。あーもしかして勝てないと分かってるから手を出さないのかな?大丈夫っ!皆、分かってることだから落ち込むことはないよ黒鉄君。なんたってボクは君と違って優秀だからね!そんなボクと戦えるこのチャンスをものにするんだ。栄光を掴め、黒鉄一輝っ!」

 

 伐刀者の能力が低い…それだけでここまで仕打ちを受けなければいけないのか。回避も戦意ありと捉とらえられる可能性があるために一輝にできることは、ただ黙って攻撃を受け続けることだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにやってんの?」

 




原作主人公
・黒鉄 一輝(くろがね いっき)
伐刀者ランク:F
伐刀絶技:一刀修羅(いっとうしゅら)
二つ名:落第騎士(ワーストワン)
攻撃力F 防御力F 魔力量F 魔力制御F 身体能力A 運F

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