「あれ、一輝も理事長室に用があんの?」
「うん。ちょっと部屋割の件について聞きたいことがあってね」
「生徒会長と一緒だけどもしかして…」
「部屋が同じだったんだ」
「ラッキースケベでもした?」
「えっ」
「俺はラッキースケベされた」
「えっ!?」
理事長室には現在4人の生徒が訪れている。寮の部屋割に問題があったからだ。破軍学園理事長、
しかしAランク騎士、
彼は一輝に話を詳しく聞き、優勝したことによってできたコネを使い教育委員会を動かした。本来であればそれくらいなら理事長自身の力で如何様にもできた。しかし、歩太が一番最初に話を持っていった相手が悪かったのだ。
教師という仕事に誇りと責任を持っていたし、生徒も大事にしていた彼がそんな話を聞けば血が騒がないわけがない。総理になった今でも昔の教え子と交流があるグレートティーチャーだ。話はトントン拍子で進みあの狸じじいはクビになった。ざまぁみろ。
そして新たに任されたのが元騎士である
「確かに去年までルームメイトは同性同士だったが今年からは違う」
黒乃が理事長を主任してきてから学園の体制はガラリと変わった。中でも一番大きいのが完全な実力主義。徹底した実戦主義だ。
「ということだ。納得したか?」
「納得できるわけないでしょうッ!?」
四人の内の一人であるステラ・ヴァーミリオンは理事長室にある机を強く叩いて抗議を続ける。
「だ、だいたいアタシ達みたいな年代の男女が一緒の部屋で生活するなんて…ひ、非常識だわ!間違いが起こったらどうするんですか!」
「おやおや。ヴァーミリオンは年頃の男女が一緒にいるとどんな間違いが起こると思っているのかな?是非聞かせて欲しいな~」
「そ、それは…その、ぅぅ……トーカさんもなんか言ってよっ!」
「えッ!?そげなことふられてもこまるばいッ!?」
顔を赤くしながら破軍学園、生徒会長
「なんだ、二人して顔を赤く染めてムッツリなのか?なんなら東堂からでもいいんだぞ~」
この女、実にイキイキとしている。雲行きが怪しくなってきたため
「理事長、それセクハラっす」
「なに
黒乃は冗談だと言って薄く笑った。
「ともかくこれは決定事項だ。君たち以外にも男女でペアになってもらう者はいる。その全員に便宜を図っていては本末転倒もいいところだ。それにヴァーミリオン、君も皇女だからといって特別待遇は無しだ。気に入らないというなら、退学にしてくれても結構だぞ?」
「………」
黙り込んだステラを見て黒乃は彼女に近づき耳元でささやく。
「ちなみに出雲は料理が旨かったぞ?」
「仕方ないですね。それが学園の方針なら従います」
「よし、話はまとまったな。これにて解散だな」
ステラとて別に知り合いである歩太と一緒に暮らすのが嫌ではない。ただ色々と覚悟決めてこの学園に入って早々のハプニングにパニクっただけなのだ。断じて淫らな妄想をして興奮したわけではなし、皇女としての倫理観的にごく普通の抗議をしただけなのだ。別に食べ物で釣られたわけではない。学園の方針に仕方なく、そう仕方なく従うだけなのだ。SUSHIやテンプラ、スキヤキを前に屈したわけではない。
「ステラさん。いま涎を拭いましたけど、どうしたんでしょう?」
「腹減ってんじゃないですか?朝バタバタして俺も食べてませんし」
「なら皆で食事に行こうか」
「じゃあアタシッ、回るお寿司が食べたい!」
「ラッキースケベって女子でも起こすんだな。少女マンガとかでよくある展開なわけ?」
「知らないわよッ!私にあんなもの見せておいてその態度はどうなのよっ。反省しなさいよッ!」
「ガン見してたヤツが言って良い言葉じゃないかなぁ」
「いいから私に謝りなさいよ、今なら五分の四殺しで済ましてあげるからッ」
「えっ。誰が誰を?はははっ、ご冗談を」
「ぶっ殺スッ!」