どうやら吸血鬼になったみたいです   作:やきとり

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お久しぶりです。
かなーーーーーり間が空いてしまい申し訳ありません。
コロナが悪いんですコロナが。
(コロナと言っておけばなんでも許されると思っている顔)


十二

「うーん、暑い」

 

 

レミねぇ墜落事件から早数か月。私とフランねぇもレミねぇとの練習によって翼での飛行ができるようになった。未だに皮膜の無い翼でなぜフランねぇが飛べるかは謎だけどノーレッジ先生曰く「魔力もしくは妖力で飛んでいるのだろう」とのことだった。空を飛べるようになったフランねぇは日が落ちてから近くの山に行って下級妖怪や妖精相手に自作のハンマーの調子を試しているみたいで、たまにべっとりと返り血を浴びて帰ってくるのでバッタリ会うとかなり怖い。というか私を見ると笑顔で手を振ってくれるのだけどそれが余計に恐ろしい。まあそれはともかく夏になった。吸血鬼にとっては日差しは強いし夜は短いしといいことが無い上に暑さで昼まで寝ていられないといった最悪の季節なのだ。

 

「えいっ」

 

毎日寝起きの恒例になりつつある氷魔法で部屋に巨大な氷を出現させる。少し前まではときどき私に挑みに来るチルノを口八丁でベッドに連れ込んで氷枕にするという手口で暑さを防いでいたが、つい一週間前に湖の底で夏眠に入ると言ってパッタリ来なくなってしまったのでその手はもう使えない。後で本で調べたところ夏眠というのは夏の暑さによって動けなくなるのを防ぐために涼しいところで体を休めて秋の訪れを待つというものらしく冷気を操る彼女にとって夏は寝て過ごすものらしい。それにしてもさすがにこのままでは寝不足になりそうなのでそろそろ何とかすべきかもしれない。

 

そうと決まったら早速書庫に向かおうと思うのだが・・・

 

 

「リリー 図書館に行きます。あなたも氷に引っ付いていないで行きますよ。」

 

氷に引っ付いて離れない駄メイドを引っぺがして図書館に向かう。リリーは悪魔なので魔法は一応使えるのだが氷は出せないらしく私が出すであろう氷を目当てに私が起きるタイミングを待って部屋にやってくるのだ。そうこう言っていても始まらないので書庫で早速目当ての本を探す。

 

「まずは・・・  この本は魔法の理論の棚か」

 

以前書庫に積み上げられていた本はその分類を進める一方で、どの棚にどんな本が入っているかというものを一冊の大きな本に記録しているのだ。まあ、記録は私ではなくリリーに空いた時間に勧めさせているのだが。ともかくその本をもとに必要な本の探し、リリーに取ってきてもらう。

 

「魔法理論の総論の棚から『魔法の動力についての考察』と『魔法機関論』、それから水系魔法の棚から『氷魔法中級』と『魔力と冷気』、次に・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐったりしたリリーと指示した30冊ほどの本が集まったので早速作業に取り掛かる。部屋の温度を下げるために持続して冷気を出す魔法を発動させ続ける必要があるのでまずは私の魔素をためる魔素タンクを作る必要がある。そのためにはまず・・・・・・

 

 

 

 

・・・・・・魔力回路はこんな感じでいけそうかな いやでもこれだと三時間程度で魔素が空気中に拡散されちゃうから・・・・・・

 

 

 

・・・・・・外側は魔素をできるだけ通さない素材がいいんだけど、うーん・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

「よし、とりあえず魔素の貯蔵は何とかなりそうだから今日はこの辺にしておくか」

 

夕飯もリリーに持ってきてもらって十時間ほど作業したおかげで何とか形になりそうだ。部屋に戻ろうとリリーを探すがなぜか見当たらない。

 

「あっ、魔素タンクの材料を取りに行かせたんだっけ」

 

そういえば魔素タンクの外側に亀の下級妖怪の甲羅がよさそうだったので取りに行かせたのだった。少し疲れたので部屋に戻ろうと書庫から出て部屋に向かう。

 

 

 

「では また来月にでも」

 

「お待ちしております。門まで送りましょう」

 

自室に向かう途中通りかかった部屋から女の人らしき声とお父様の声が聞こえてくる。どうやらお父様への客人らしくちょうど帰るところのようだった。あまりお父様の客人には会わないので珍しいなと考えていると目の前の扉がギィィと音を立てて開き中から白いナイトキャップのような帽子をかぶり白い手袋とフリルの付いたドレスを身に着けた女性だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは”異様”だった。一瞬にして私の脳は目の前で見たものに強烈な違和感を感じた。客人の姿はまさしくドレスを着た少女であったがとてもそうとは思えないほどの上位者のオーラが全身からにじみ出ていた。そしてそういうものをはるかに超える”胡散臭さ”がすべての印象を上書きするほどの強烈なものを私の脳に刻み込んでいた。もしかしたらチルノが冷気を操るようにこの客人は相手への印象を操るような能力を持っているのかもしれない。おそらく面倒なかかわりを避けるために胡散臭さを出して関わる気を失せさせるという能力の使い方なのだろう。

 

「うんっ?もしかして・・・」

 

もしそんな能力を持っていたら交渉に使えるのでは?相手に好意的な印象を抱かせれば交渉を有利に進められるだろう。お父様はこの客人、いやこの妖怪に騙されているのかもしれない。

 

私はこの胡散臭い妖怪からお父様を守ることを固く誓うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ゆかりん登場。主人公は妖々夢以降はプレイしていないので八雲紫のことは知りません。

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