家族の介護など家庭内トラブルが相次いでしまい、そのストレスなどもあって中々執筆することが出来ず、半年近くもお待たせしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
トランスフォーマー関連の話題ですが、最新作『ビースト覚醒』の映像や情報も続々と出て来てますね。個人的にはスカージが予想以上にカッコよくて、どんな活躍をするのか期待してます。
玩具の方では、スタジオシリーズ版のザ・フォールンとレガシー版ターンを購入しましたが、どちらも最高傑作でした!
今回は久々の投稿なので、少々短く物足りないかもしれませんが、ご了承頂けると幸いです。
月下に銀翼がはためいた。だが、それは飛翔のためではなく、その翼から殺意をたっぷり乗せた銀羽の魔弾を射出するためだ。恐るべき連射性と威力を秘めた銀の魔弾は、標高8000mの夜闇を切り裂き、数多の閃光となって標的に殺到する。
それに対するは、伝説の騎士のもう一つの姿である鋼鉄の竜王の口から放たれる、強烈な爆炎。あらゆる敵を焼き尽くしてきた業火に、飛来する銀羽は無惨に焼き散らかされた。計算され尽くした弾道が、たった一撃で焼き尽くされた。
「うひゃああ!!?」
地獄のような戦場に似つかわしくない、可愛らしい悲鳴が響いた。場違いな声を我慢しきれず出してしまったのは愛子だった。
銀羽の弾幕を撃ち放つ「神の使徒」ノイントに対して、瞬時にビーストモードに変身したグリムロックの頭上に乗せられた彼女は、そのまま重力魔法で浮かび上がった彼の頭にしがみ付いて、人生初のドッグファイト(生身バージョン)を経験中なのである。
「俺グリムロック、先生、俺の頭で吐くなよ」
「が、頑張りましゅッ!?か、噛んじゃった…」
呑気な忠告をするグリムロックに、早速涙目になっている愛子。いや、空中戦が始まった時点で涙目だったので、噛んだことだけが原因ではない。
グリムロックを基準にすると無理があるが、愛子は特別身体能力が優れているわけでもない。いきなり人間態だった彼がビーストモードに変形し、愛子は悲鳴をあげながら頭上に乗せられ、更にお尻の下から強烈な火炎放射器となっているのだ。パニックにならない筈がないし、下手をすれば乗り物酔いの如く嘔吐しているだろう。
かといって、そのへんに放り出しておくわけにもいかない。ノイントの攻撃に容赦がない以上、放り出した途端、愛子の方を狙われかねない。彼女を背にしながら戦うより、こうして一緒に動く方がずっとマシだった。
ギュッと目を瞑って必死に鋼鉄の頭にしがみついている愛子に、グリムロックは話しかける。
「先生、もう少し頑張れ。俺グリムロック、直ぐに終わらせる。あのブサイク破壊してな」
「は、はい!足手纏いですみません…」
「俺グリムロック、全く気にしてない」
自分がお荷物になっていることを自覚して歯噛みする愛子だが、焦りや苛立ちの感じられない、いつも通りのグリムロックの口調に、そんな場合でないとわかっていながら妙な安心感を得てしまう。ほんとに、こんな状況で何を考えているんだと自分を叱りつけながらも、より一層強くグリムロックの頭にしがみついて身を委ねる。
もちろん、グリムロックが言ったのは、神代魔法を修得するために教会側と衝突するのは想定内という意味であって、愛子を助けるためだけという意味ではないのだが、ちょっとシチュエーションに酔ってしまった愛子は見事に勘違いする。そして、ロマンチックの欠片もないが、現在進行形で異性に抱きついた状態で、守られているという状況が、勘違いを加速させていく。一刻も早く目を覚ます必要があるだろう。
「…雑談とは余裕ですね、イレギュラー」
「俺グリムロック、実際余裕だからな」
銀色の砲撃と銀羽の弾幕を焼き尽くした直後、グリムロックのすぐ傍で機械的で冷たい声音を響かせながら、ノイントが再び銀翼をはためかせ、銀羽を宙にばら撒く。だが今度はグリムロック向かって射出されることはなく、ノイントの前方に一瞬で集まると、何枚もの銀羽が重なって魔法陣を形成する。銀色に輝く巨大な魔法陣がノイントの眼前からグリムロックを睥睨する。
「劫火浪」
そして発動された魔法は、天空を焦がす津波の如き大火。
どうやら、魔弾だけでなく属性魔法も使えたようだ。今まで使ってこなかったのは、単純に銀の魔弾だけで十分だと判断していたためだろう。つまり、本気になったということだ。
うねりを上げて頭上より覆い尽くすように迫る熱量、展開規模共に桁外れの大火に、一瞬、世界が紅蓮に染まったのかと錯覚する愛子。どうする気なのかとグリムロックを見下ろすも、当の彼は全く焦った様子を見せない。
「パワードレイン!」
グリムロックはそう叫ぶと、ノイントが発動した属性魔法を凄まじい勢いで飲み込み始めた。
ノイントの発動した魔法は超広範囲魔法であり、神山全体を昼と見紛うほどに照らす大規模なもの。数百mにも及ぶ炎の津波なのだが、彼はブラックホールの如く、その大火を飲み干していく。
「げぷっ、酷い味。俺グリムロック、こんな不味い炎、初めて」
「…これも凌ぐのですか」
無傷な挙句、呑気に呟くグリムロックの姿に、ノイントが呆れるように呟いた。無論、頭上の愛子も無事だ。
「はわ、はわわ……何が、どうなって……」
「…俺グリムロック、いい歳してはわわわって、ぶりっ子してるのか?」
「ぶ、ぶりっ子⁉︎灘君!こんな時にまで揶揄わないで下さい!」
やっていることはコンマ数秒で勝敗が決してしまうような息つまる超高等戦闘だというのに、合間に入る愛子の可愛らしい悲鳴や、グリムロックの呑気な呟き。もしこの場に第三者がいれば「此奴ら余裕過ぎるだろ」と呆れ果てるだろうが、実は半分くらいは正解だ。グリムロックは気づいていないが、彼が傍にいる事による安心感が、愛子を落ち着かせていたのだ。
「…足手まといを抱えて尚、これだけ凌ぐなど…。やはり、あなたは強すぎる。主の駒としては相応しくない」
「そりゃ結構。俺グリムロック、メガトロナスの腰巾着なんかに従うつもりなんてない」
「…私を怒らせる策なら無駄です。私に感情はありません」
「俺グリムロック、これ本心アルヨ。お前、馬鹿?」
「……」
ノイントは、スッと目を細めると大きく銀翼を広げ、双大剣をクロスさせて構えた。果たして本当に感情がなく、ただ無駄な会話をしたと仕切り直しただけなのか不明だが、どこか怒りを抱いているように見える。だが、グリムロックにとってはどうでも良かった。目の前の物が何を考え感じていようが、壊す事に変わりはない。
と、その時、突如、神山全体に響くような歌が聞こえ始めた。
グリムロックと愛子が何事かと歌声のする方へ視線を向ければ、そこには、イシュタル率いる聖教教会の司祭達が集まり、手を組んで祈りのポーズを取りながら歌を歌っている光景が目に入った。どこか荘厳さを感じさせる司祭百人からなる合唱は、地球でも見たことのある聖歌というやつだろう。
一体何しているんだあのゴミ共、とグリムロックが訝しんだ直後…
「あうっ、な、何ですか、これ…」
「ッ、俺グリムロック、大丈夫か!!?」
グリムロックの頭上にいる愛子の体に異変が訪れた。
体から力が抜け、魔力が霧散していくのだ。まるで、体の中からあらゆるエネルギーが抜き出されているような感覚。しかも、光の粒子のようなものがまとわりつき、やたらと動きを阻害する。
イシュタル達は「本当の神の使徒」たるノイントが戦っている事に気が付き、援護すべく「覇堕の聖歌」という魔法を行使しているのだ。これは、相対する敵を拘束しつつ衰弱させていくという凶悪な魔法で、司祭複数人による合唱という形で歌い続ける間だけ発動するという変則的な魔法だ。
「イシュタルですか。…あれは自分の役割というものをよく理解している。よい駒です」
恍惚とした気色悪い表情で、地上からノイントを見つめているイシュタルに、感情を感じさせない眼差しを返しながらノイントがそんな感想を述べる。イシュタルの醜悪な表情を見れば、ノイントの戦いに協力しているという事実自体が、人生の絶頂といった様子だ。さぞかし、神の思惑通り動く便利な存在なのだろう。
そんなイシュタル達司祭の腐り切った中身はともかく、現在、展開している魔法は厄介なこと極まりないものだった。
「…あのゴミ屑どもの仕業か。俺グリムロック、もう怒った」
だが、イシュタル達にとって予想外の事が起きた。本来なら、徐々に敵の力が抜けていく筈だが、グリムロックはスペックが高過ぎて、精々蟻が噛み付いた程度の効果しか与えていなかった。だから、愛子にしか効果は及ばなかった。これが不味かった。
愛子はグリムロックにとって、守るに値する大切な存在だ。そんな彼女が今なお苦しめられているのだ。それも、あの醜悪な生臭坊主どもによってだ。彼女が散々農地改革などに手を貸してやったというのに、連中はその恩義を忘れて仇で返したのだ。
イシュタル達の事は元々殺すつもりでいたが、たった今、怒りと殺意は頂点に達した。
「俺グリムロック、お前と遊ぶのはやめだ」
「……………は?」
超速で踏み込もうとしたノイントだったが、急に呑気な口調でそんな事を言い出したグリムロックに、思わず呆気に取られてしまう。
当の彼は、そんなノイントに目もくれず、ギゴガゴゴとロボットモードに変形すると、優しく愛子を掌に乗せる。
「な、灘君?」
「ちょっと狭いが、この中にいろ。あのゴミ屑どもの音痴でキモい歌声は遮断できる筈だ」
「は、はい」
そう言うと、グリムロックは胸部の装甲をギゴガゴゴと展開する。中は人一人が入るには充分なスペースがあり、その中へ愛子を優しく降ろすと、再びギゴガゴゴと胸部装甲を変形させ、元の頑強な状態へと戻す。
「…たかが体内に足手まといを隠した程度で、自分が有利になったというつもりですか?愚かしいですね」
呆気に取られていたノイントだったが、すぐに無機質な眼差しに戻すと、これで終わりですと言わんばかりにそう吐き捨て、大剣を振りかぶろうとした。
だが、グリムロックは焦る様子もなく、逆に嘲笑という形で応えた。
「ハッ!下衆の玩具だけあって、勇者のペットのアホ猿並みの知性だな。テメェより殺したい奴らに標的を変えただけだ。それに、
「?何を訳の──」
分からない事を言ってるのですか、とノイントは言おうとするが、その言葉は続かなかった。
「ッ!!?ギャアアアアアッ!!?」
突如、ノイントの遥か上空から、凄まじい勢いで何かが突っ込んできた。それは狙い違わずノイントへと襲いかかると、その右の銀翼を貫いた。
ノイントの銀翼はあらゆる物を分解する能力があるので、普通なら最強の盾となる筈だ。だがこの攻撃は、一切分解する事が出来なかった。あまりにも凄まじい勢いの一撃に、ノイントの右翼は容赦なく破壊され、先程までの無機質な表情から一転、激しい痛みに悲鳴を上げる。
下方からイシュタル率いる司祭達が上げている悲鳴が聞こえる。信望する神の使徒が、片翼を吹き飛ばされるという深手を負わされ動揺しているようだ。
「ぐぅっ……い、一体何が…?」
激痛に苛まれながらも、攻撃の正体を確かめようと上空を睨みつけるノイント。だが、右翼を吹き飛ばされ、残った左翼で必死にバランスを取ろうとするその姿は、襲撃時の神々しさは一切感じられない。寧ろ、翼を怪我し、瀕死の状態の小鳥とでも形容した方がいいだろう。
そして遥か上空に、ノイントは先程の攻撃の下手人を見つけた。グリムロックと同じ金属の体を持つ、双頭の翼竜が羽ばたいていた。そう、ストレイフだ。今もノイントの事を、養豚場の豚でも見るような冷酷な目で睨みつけている。
ストレイフはその冷酷な瞳のまま、左側の頭部の口先で、右側の頭部のトサカを咥えた。
するとあら不思議。トサカを引っ張るとともに、ギゴガゴゴと右側の頭部が変形し、長い嘴が完全に顔に埋まるレベルにまで引っ込んでいくではないか。この光景には、ノイントも痛みを忘れ呆気に取られてしまう。
「竜の怒りを思い知れ────
────
そう呟いたかと思うと、ストレイフは左の頭部の口先で咥えていた右の頭部のトサカを離した。次の瞬間、右側の嘴は勢いよく元の長さに戻り、その反動で凄まじい衝撃波が発生した。衝撃波はそのままレーザーの如く収束し、真っ直ぐ真下のノイントへと襲いかかり、残っていた左翼も容赦なく穿つ。
「ギャアアアアアッ!!?」
実体のない、衝撃波による攻撃とあっては、自慢の分解も発動する筈もない。左翼も吹き飛ばされ、ノイントは再び襲い掛かる激痛に悲鳴をあげ、武器の大剣を二振りとも手放してしまう。更に、両翼を完全に破壊されてしまっては、最早飛ぶ事などできる筈もない。翼の溶けたイカロスの如く、ノイントはそのままゆっくりと地上へ落下を始めた。
「まだ終わりじゃねぇぞ。テメェの主人がしでかした事のツケ、しっかり払ってもらうからな!」
「ッ!!?ひ、ヒィィ…」
だが、ストレイフは容赦しない。500年前の怨みを晴らさんと言わんばかりに、勢いよく急降下し、猛禽の如くノイントに襲い掛かる。対するノイントは、襲撃時の無機質な表情から一転し、捕食者を前にした獲物の如く、その美しい顔には恐怖一色に染まっていた。
「
「グギャアアアアアアアッ!!?」
まるで銃弾の如く回転しながら、ストレイフはノイントの胴体目掛けて突っ込むと、その勢いでその身体を上下真っ二つに両断した。
断末魔の叫びを上げるノイント。上下泣き別れになった身体は、そのまま勢いよく大地へと落下し、グシャアアッ!と鈍い音を立てて墜落した。内臓や血を撒き散らし、潰れた頭部から両目が飛び出たその様は、余りにも滑稽で無様な最期だった。
「フン!空の王者に気付かぬまま空中戦に挑むとはな。つくづく愚かな奴だよ」
かつて同胞達を弄んだエヒトに一矢報いたストレイフ。地に堕ちた偽りの天使の屍を見下ろしながら、思い知ったかと言わんばかりにそう呟いた。
一方、この一部始終を目の当たりにしたイシュタル率いる数百人規模の司祭達と神殿騎士団は、人生の絶頂から一転し、どん底に叩き落とされたかのように凍りついていた。何せ、自分達の援護にもかかわらず、真なる「神の使徒」が瞬く間に討ち取られてしまったのだ。先程までは、恍惚として醜悪極まりなかったその顔は、恐怖と絶望のあまり驚く程青褪めている。中には膝から崩れ落ちて失禁する者までいる始末で、最早聖歌を歌う事など出来る筈もなかった。
故にこの愚か者共は、上空から自分達に振り下ろされる裁きの鉄槌に気づく余裕などなかった。
「テメェらも仲良く地獄に堕ちな──
──
「「「「「ギャアアアアアッ!!?」」」」」
信頼する仲間にノイントの相手を任せたグリムロックは、上空から勢いよく降下すると、炎を纏わせたドラゴントゥースメイスを、イシュタル達目掛けて勢いよく振り下ろした。
死神の鎌の如く振り下ろされたメイスは、爆弾の如く強烈な爆発を引き起こし、張られていた結界を易々と破壊し、愚かな司祭達を叩き潰した。爆音や悲鳴に混じって骨が砕け肉の潰れる音が響き、ミンチになった肉片と血が撒き散らかされる。
しかしこれで即死出来た者達は、まだ運が良かった。一部は爆発の余波で吹き飛ばされ、手足の一部が失われたり内臓が飛び出た状態で、辛うじて生きている者もいる。中には総本山から投げ出され、標高8,000mから地上目掛けて断末魔の叫びを上げながら墜落していった。
教皇であるイシュタルも例外ではなかった。爆発により右足は吹き飛ばされ、左足は折れた骨が皮膚を突き破っているという深手を負った。
衣服に自らの血や他の司祭達の返り血が飛び散って真っ赤に染まったその姿は、まさに敗残兵も同然だ。
「あ。あぁ……エ、エヒト様……どうか…お助けを……」
既に命運が決したというのに、この期に及んで尚もエヒトに祈るイシュタル。これまでの生涯を神への献身に捧げてきたというのに、何故自分がこんな目に遭わなければならないのか。この老害は心の底からそう感じていた。
しかし運命は残酷だ。この狂信者が敬虔な祈りを捧げてきたのは、他人の不幸を最高の娯楽とする偽りの神なのだから、救いの手を差し伸べる筈もない。代わりに聞こえてくるのは、これまでの悪行を裁きに来た死神の足音である。
「…このジジイ、まだくたばってなかったか。錆みたいにしぶとい野郎だよ」
あれ程の攻撃を喰らいながらも生きていたイシュタルのしぶとさに呆れるグリムロック。だがすぐにどうでも良くなり、片足を上げると、惨めに這いつくばるイシュタル目掛けて振り下ろした。
「これはハジメの分」
「これは先生の分」
「最後に俺の分だ」
何十トンもの重量で3度にわたって踏みつけられ、遂に狂信者イシュタル・ランゴバルドは絶命した。完全に原形を留めておらず、ただの挽肉の塊と化したその死骸は、神への狂信に溺れた愚か者に相応しい、無様な末路であった。
一方のグリムロックも、イシュタル達を殺した事など、精々害虫を潰した程度にしか感じていなかった。つまらなそうに鼻を鳴らすと、彼は胸元を軽く叩き、中に避難させていた愛子に呼びかける。
「おう、先生。起きてるか」
「は、はい。大丈夫です」
「終わったぞ。生臭坊主どもの大半はぶっ殺しておいた。残ってる奴らは心配いらん。どうせビビって逃げ出すのに必死だろうからな」
「…すみません。再び君に汚れ仕事を押し付けてしまって…」
「気にするな。元々連中は殺すつもりだった。世の中には、ああいう死んだ方がいい屑どもいる。アンタが気に病む事はねぇよ。取り敢えず、外のストレイフを呼ぶぞ」
イシュタル達の末路を聞かされ、再び生徒に汚れ仕事を押し付けてしまった事を悔いる愛子。だが、グリムロックは気にしていなかったし、愛子が気に病む必要はないと励ます。
外ではストレイフもノイントとの戦いを終えている。彼を呼んで、大迷宮が何処にあるか探そうと考えたその時だ。
「わわっ!!?じ、地震ですか⁉︎」
「ッ、いや違う!地震じゃねぇ!」
突如として、総本山全体が激しく揺れた。思わず地震かと愛子が叫ぶが、グリムロックはこれが自然のものではない事にすぐ気付いた。
そもそも神代魔法を狙っているのは、自分達マキシマルだけではない。その彼らなら、これ程の規模の揺れを引き起こす兵器くらい、容易く導入してくる筈だ。
「チッ!一旦退くぞ!どうやら別の客もお出ましみたいだ!」
「ふぇっ!!!は、はい!」
グリムロックは悔しげにそう呟くと、再び上空へと避難する。直後、揺れは激しくなり、やがて総本山は崩壊を始めるのであった。
〜用語集〜
・グリムロックの胸の中
元ネタはアメコミ『モア・ザン・ミーツ・ジ・アイ』及び続編『Lost Light』から。同作でグリムロックは監獄惑星ガーラス9に収監された際、同施設で保管されていた秘宝・マグニフィセンスを守るため、最も安全な場所として胸部の内部にマグニフィセンスを保管出来るよう改造されていた。
その後もメガザラック(スコルポノック)がディセプティコン再興を目論んで生み出した人造生命体を、その追手から守る為に胸部へと保管して守りきっている。
・貂自尊皇
ご存じ『ONE PIECE』のキングの必殺技の一つ。尾田栄一郎先生のネーミングセンスには感服せざるを得ない。
ノイントの分解魔法も、実体のない衝撃波には無力と考え採用した。
・戒戦皇
前述した貂自尊皇に触発され、作者が思いついた技。由来は海鮮丼から。
・禍紅鎚
モデルは『ゴッドオブウォー』シリーズにおける、ブレイズオブカオスの炎属性。由来は日本神話の炎の神、カグツチから。
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