グリムロックは宇宙最強   作:オルペウス

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前話に続く原作崩壊です。ご注意下さい。

どうしても原作のハジメが苦しむ様が見るに堪えなかったため、まさかの展開となってます。


語り合いと食事

 グリムロックとしての姿となっていた亮牙は、戻ってきた親友・ハジメを見下ろした。まさか、こうも早く正体を明かさねばならないとは。

 そう思いつつも彼は力を抜くと、またしても全身の金属が折り畳まれていき、20mを超える金属の巨人から次第に人間の姿へと戻り始めた。

 完全に人間・灘亮牙としての姿に戻ると、彼は親友に語りかけた。

 

「びっくりさせてすまんハジメ。だが安心してくれ。俺はお前が知ってる灘亮牙本人だ」

「ほ、ほ、本当に亮牙なの?」

「ああ。もし証拠が欲しいなら俺たちしか知らない事を言ってやろう。前に菫さんと一緒にお前の部屋を片付けた時、お前が密かに集めてたエロ同人誌をベッドの下から見つけて、綺麗に整理して本棚に並べ直してやったな。たしかジャンルは「OK OK!確かに亮牙だ!」そうか、分かってくれたか」

 

 自分達しか知らないハジメの黒歴史を明かしたら、どうやら信じてくれたようだ。暫くすると、ハジメは亮牙が火を吐いた時とは比べ物にならない絶叫を周囲に響かせた。

 

「マ、マジかよぉぉぉぉぉっ⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハジメの絶叫が収まり落ち着きを取り戻すと、二人は腰を下ろして話し始めた。因みに亮牙が仕留めた魔物の残骸は、流石に周囲に散らばってると臭うだろうと考えた彼が一箇所にまとめておいた。

 

「それで、亮牙、さっきの姿は一体どうしたの?まさか、不明だったステータスが発動したの?」

「いや、そういう訳じゃないと思うんだが、取り敢えず確認してみるか」

 

 そう言って亮牙はケツポケットにしまっていたステータスプレートを取り出し、ハジメにも見せながら確認した。

 

 灘亮牙/グリムロック 66000047歳 男 レベル:測定不能

 天職:ダイナボット指揮官

 筋力:測定不能

 体力:測定不能

 耐性:測定不能

 敏捷:測定不能

 魔力:測定不能

 魔耐:測定不能

 技能:言語理解(+獣語理解)・騎士化・■■・獣の王・魔力操作・エネルギー吸収・レーザーファイヤー・モーニングスターナックル・ドラゴントゥースメイス

 

「…マジどうなってんの⁉︎」

 

 そうハジメに突っ込まれながらも、亮牙は自分の力が戻った事を確信した。狭い場所だったから使おうとは思わなかったが、どうやらドラゴントゥースメイスも使えるようだ。だが、まだ変形は出来ないみたいだ。まだ文字化けしているステータスがそうなのだろうか?

 そう考えていると、ハジメが質問してきた。

 

「り、亮牙。このステータスはどういう事?それにダイナボットって一体…?」

「本当はもっと早く伝えるべきだったのかも知れんが、流石に信じて貰えないと思ってな…。こうなった以上教えよう。俺についての全てを」

 

 そう言うと亮牙の赤い瞳から光が発射され、人類の技術とは比べ物にならないリアルな立体映像がハジメの前に映し出された。

 ハジメはそれに驚愕しつつも、立体映像を交えた親友の自分語りを聞いた。

 

 

 

 曰く、亮牙は元々ティラノサウルスだったが、創造主なる存在に金属生命体へと改造され、その時グリムロックという名前を与えられ、同じく改造された恐竜達と共にサイバトロン星と言う金属生命体の惑星に送られたらしい。

 それから何千万年も後に地球へと帰還し、そこで地球を滅ぼそうとした指導者の一人を死闘の末に追放に成功、その功績を褒め称えられ自由を手にしたが、暫く後に再び創造主の魔の手にかかりそうになり、若い世代の金属生命体や善良な人間と協力して自由を勝ち得たそうだ。

 だがそれも束の間、突如として別次元の地球であるハジメ達の世界に飛ばされ人間の姿となっていたと、余りにも衝撃的な事実であった。

 

 

 

 まさかのSF展開に頭がオーバーヒートしそうになりながらも、ハジメは落ち着きを取り戻し、親友に語りかけた。

 

「…成る程、つまり簡単にまとめると、亮牙は恐竜であると同時に宇宙人でもあるって事なんだね。その事は、育ての親だった人達には話したの?」

「いや、父さんと母さんは慕っていたが、この事は流石に信じて貰えないと思って遂に話せなかった…。それに異次元に飛ばされたという可能性は、お前や愁さんからSFについて教えてもらった事でその考えに至ったからな」

「そっか…」

 

 再び沈黙が訪れる。だが、直ぐに亮牙が話し始めた。

 

「やはり俺が怖いか?」

「え?」

「別に無理しなくてもいい。俺は本当は人間でないんだからな。それに俺は捕食者としても戦士としても、多くの命を殺して来たんだ。無論、人間も大勢な…。お前は本来暴力が嫌いだから、怖がって当然だ。だがこれだけは信じて欲しい。俺にとって父さんや母さん、愁さんに菫さん、そしてお前は大切な存在であり、悪意や殺意を抱いた事は一切ないし、これからも害をなそうなどとは企んでいない」

「亮牙…。」

「どうしても信じれないなら、ここから脱出するまで我慢してくれ。俺の(スパーク)に懸けて、お前を傷つけないと約束する」

 

 そう言って頭を下げる亮牙の姿にハジメは、騎士として相応しい誠実さを感じ取る事が出来た。やがてハジメは口を開いた。

 

「亮牙、正直僕も君が人間でない事にはビックリしたけど、これだけは言わせて。君が何者であろうと僕にとっては最高の親友で、頼れる兄貴分である事に変わりはないんだ!父さんや母さんだって同じように答えるはずさ!それに多くの命を奪って来たって言ってたけど、それは食べる為や、自分や仲間を守る為にして来たことなんでしょ?もし殺しを楽しむ奴なら、参戦に反対した時や訓練時のような命の重さを語ったりしないし、さっきみたいに僕を守ろうとはしないよ」

「ハジメ…」

「だからさ、僕は君を拒絶しないし、君も僕の事を信じてよ。そりゃ君より若過ぎるし頼りないけど、何か少しでも君の力になれるはずだからさ。僕らは親友なんだし」

 

 そう優しく語りかける親友の姿に、亮牙の目に久々に涙が流れ出た。

 

「ありがとう、親友(とも)よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでハジメ、その背中に背負ってるのは何だ?」

 

 落ち着きを取り戻すと、亮牙はふとハジメが何かを背負っている事に気づき問いかけた。ついさっきまで衝撃的な事ばかりで、その事をすっかり忘れていたハジメはハッとなり、慌ててそれを取り出した。

 

「この石、さっき掘り進んでいた時に見つけたんだけど、どうやらこれから流れ出る水に回復効果があるみたいなんだ!僕も少し飲んでみたんだけど、墜落した時の青痣とか倦怠感がすっかり治ったよ」

「そうか、お手柄だ。これなら万が一の時に役立つな」

 

 そう言って亮牙はハジメの頭をわしゃわしゃと撫でた。ハジメは照れ臭かったものの、自分の手柄を褒めてもらえた事が嬉しかった。

 

 それから暫くして、亮牙は一箇所に集めていた魔物達の死骸に近づいていった。そしてそのうちの一匹、一撃で叩き潰した熊の死骸からあの長い鉤爪を引き抜くと、それをナイフ代わりにして魔物達の死骸を解体し始めた。

 

「ちょ、亮牙!何やってるの⁉︎」

 

 ハジメはギョッとしつつも、親友に問いかける。亮牙はハジメに向き直ると真剣な顔つきで答えた。

 

「ハジメ、今の俺達は食料など持ってない。こんな所じゃ、まともに食えそうなのは、こいつらの肉ぐらいしかない」

「でも、魔物の肉は人間には猛毒で食べたら死んじゃうって、本にも書いてあったじゃん!」

「ああ、分かってるさ。だが何時地上に戻れるか分からん以上、何か食わねば脱出する前に飢え死にしちまう。俺は本来の力が戻ってるから、人間には毒だろうと分解してエネルギー源として吸収できるはずだ。問題は常人のお前だったんだが、もしかしたらその水が解毒薬になってくれるかもしれない。不安だろうが、試してみないか?」

 

 あのエネルギー吸収って技能はそういう能力だったんだ、と思いつつ、ハジメも考えた。確かに脱出が何時になるか分からない以上、食料が何もないんじゃ飢死しかねない。唯一食えそうなのは魔物の肉ぐらいだが、いくら回復アイテムがあるとはいえ毒だと分かっているものを食べるのには相当な勇気がいる。

 悩み抜いた末、ハジメは答えを出した。

 

「…うん、分かった。生き残るにはそうするしかない。賭けてみるよ!」

 

 こうしてハジメも熊の鉤爪を使い、解体を手伝った。たちまち魔物は綺麗に解体され、肉と骨、皮と内臓、そして魔石に分けられた。(流石に内臓のうち、胃や腸などは内容物が混じってるだろうからと、ハジメが錬成で掘った穴に遺棄した。)

 

 解体が終わると、亮牙は先程のようにレーザーファイヤーで肉を焼き始めた。墜落してから長い時間何も口にしていなかったこともあり、肉の焼ける香ばしい香りに二人とも涎を垂らした。

 亮牙はそのうち、最初に焼き上がった狼の肉を取り、ハジメの分を切り分けると、そのまま齧り付くと豪快に食いちぎった。

 

「…食えるにゃ食えるが、やっぱ犬なだけあって不味いな」

 

 そう苦笑する親友に、ハジメも覚悟を決め、恐る恐る肉に齧り付き、咀嚼した後にごくんと飲み込んだ。

 

「…確かに、筋張って硬いし、臭みが強いや…」

 

 そう言ったハジメだが、突然彼の身体に変化が起きた。急に身体中に変な感覚が伝わって来たのだ。

 

「あ、ぐ、な、何か、き、気分が悪い…」

「おい、大丈夫か⁉︎」

 

 亮牙はハジメに近づくと、慌てて神水を飲ませた。だが、すぐにハジメの体調は回復した。

 

「ハジメ、もう大丈夫か?」

「う、うん、何とかね…。今のが副作用かな?」

「かもな、やはり俺には毒は効かないようだな。…にしてもお前、何か体つきが少し良くなってないか?それに何か模様みたいに赤い線が走ってるし」

「え、本当?」

 

 そう言われたハジメは自分の身体を確認してみた。確かに少し筋肉がついた気がするし、腕には薄らと赤黒い線が浮かび上がっていた。気になった彼は、ステータスプレートを取り出し確認してみた。

 

 南雲ハジメ 17歳 男 レベル:8

 天職:錬成師

 筋力:100

 体力:300

 耐性:100

 敏捷:200

 魔力:300

 魔耐:300

 技能:錬成・ダイナボットの祝福[+エネルギー吸収][+ダメージ緩和]・魔力操作・纏雷・言語理解

 

「…なんでやねん!」

 

 ハジメのツッコミが周囲に響いた。自分はクラスメイトの中でステータスは最弱だった筈だ。だが魔物の肉を食べた途端、あっという間にランクアップしていた挙句、技能まで増えていた。その内の「魔力操作」と「纏雷」に気づいたハジメは、亮牙に問いかけた。

 

「ねえ亮牙、この狼みたいな魔物、何か電撃みたいなもの使ってなかったかい?」

「ん?ああ、確かに赤い電撃纏って飛ばして来たぞ。俺には静電気ぐらいにしか感じなかったがな」

「それ先に言ってよ…」

 

 良くも悪くも少しマイペースなところのある親友に呆れつつもハジメは、先程から感じる奇妙な感覚は魔力なのではと推測し、集中して「魔力操作」とやらを試みた。

 暫くすると赤黒い線が再び薄らと浮かび上がり、体全体に感じる感覚を右手に集束するイメージを思い描くと、ゆっくりとぎこちないながらも魔力が移動を始めた。

 

「おっ、おっ、おぉ~?」

 

 なんとも言えない感覚につい声を上げながら試していると、集まってきた魔力がなんとそのまま両手袋に描かれた錬成の魔法陣に宿り始めた。ハジメは驚きつつも錬成を試してみると、あっさり地面が盛り上がった。これには亮牙も驚いた。

 

「凄いなハジメ。確か人間は魔力の直接操作はできない筈なんだろ?」

「うん、唯一の例外が魔物だからね。…やっぱり魔物の肉食べたせいでその特性が獲得できたのかな?」

 

 そう言いつつ彼は次に「纏雷」を試してみる事にした。最初は魔力のように感じるわけではないために取っ掛かりがなくどうすればいいのか分からなかったが、錬成するときはイメージが大事だと教わったのを思い出し、バチバチと弾ける静電気を想像してみると、右手の指先から紅い電気がバチッと弾けた。

 

「で、出来た!出来たよ亮牙!」

「やったな!どうやらこいつらの固有魔法はイメージが大事みたいだな」

 

 その後もハジメは放電を繰り返したが、亮牙が見たように飛ばすことはできなかった。おそらく「纏雷」とあるように体の周囲に纏うか伝わらせる程度にしかできないのだろう。電流・電圧の調整は要練習だなとハジメは考えた。

 

 続いて、ハジメは「ダイナボットの祝福」に注目した。これには[+エネルギー吸収][+ダメージ緩和]などと言った派生がある。これがさっきの毒の副作用を緩和してくれたのだろうか?

 答えを得るには試してみるかと考えたハジメは、ちょうどこんがり焼き上がっていた兎の腿肉に齧り付いた。亮牙は心配そうに見ていたが、先程のような気分の悪さは一切感じなかった。ただ、やっぱり味は不味い。

 兎を食べ終えると、ハジメはまたステータスを確認した。

 

 南雲ハジメ 17歳 男 レベル:12

 天職:錬成師

 筋力:200

 体力:300

 耐性:200

 敏捷:400

 魔力:350

 魔耐:350

 技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査]・ダイナボットの祝福[+エネルギー吸収][+ダメージ緩和]・魔力操作・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・言語理解

 

 早速親友に「天歩」とやらに聞いてみると、なんか宙を蹴る技みたいだ。まずは自分なりに踏み込みをイメージし、足元が爆発するイメージで一気に踏み込んでみた。すると彼の体内の魔力が一瞬で足元に集まり、踏み込んだ足元がゴバッと陥没、ハジメは吹き飛んで顔面から壁に激突した。

 

「おい!大丈夫か⁉︎」

「痛たた、か、加減が難しいや…」

 

 だが、成功は成功だ。これから鍛錬を続ければあの兎のような動きもできるようになるだろう。これから脱出する時も、親友の足手纏いにならずにサポートが出来るかもしれない。

 

「そ、そう言えば亮牙は何か変化あった?」

「いや、俺は変化なしだ」

 

 そう言うと亮牙はステータスを見せた。やはり最初に見せてくれた時と変わっていなかった。どうやら、自分より弱い魔物を食っても変化は起こらないのかもしれない。

 

「…もう全部亮牙一人でいいんじゃないかな、この戦い」

「いや、だから俺はこの世界の連中の奴隷なんざ御免だって言ってるだろ」

 

 呆れたように感想を述べる親友に、亮牙が何処かズレたツッコミを入れた。

 

 最後に二人は、亮牙か本来の姿に戻り一撃で叩き潰した熊の肉を食べたが、やはりこれも不味かった。地球では高級食材とされる掌も試しに食べてみたものの、二人の口には合わなかった。

 

「なんか、高級食材とか珍味って、いざ食べてみるとあんまり美味しくないのが多いよね…」

「…まあ、今は調理方法が焼くしかないからな。上手く下処理すりゃ、案外いい味になるかもしれんぞ」

 

 そう軽口を叩きつつも、二人は熊を完食した。食後のステータスは、結局亮牙は何も変化しなかったが、ハジメは以下の通りとなった。

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:17

天職:錬成師

筋力:300

体力:400

耐性:300

敏捷:450

魔力:400

魔耐:400

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合]・ダイナボットの祝福[+エネルギー吸収][+ダメージ緩和]・魔力操作・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・風爪・言語理解

 

「もうツッコむのも疲れたよ…」

 

 そうハジメのぼやきが響いた。一方の亮牙はまだ食い足りなくて口寂しいのか、魔物の骨をスナックみたいにバリボリと噛み砕いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




グリムロックの火炎放射の名前はG1に因んでおります。
なんか書いてて、ハジメがパーセプターみたく絶叫要員になった気がする(苦笑)
次回以降から仕事の関係上、投稿ペースが落ちるかもしれません。

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