かなりの独自設定が含まれています。
グリムロックと名付けられたティラノサウルスは、自身を改造した生物によって新たな住処、サイバトロン星へと連れていかれた。彼はその惑星の姿に驚いた。なぜなら水と植物に覆われた地球とは異なり、惑星全体が金属で覆われた世界だったのだ。
さらに驚いたことに、あの生物によって姿を変えられたのは彼だけではなく、まだ3頭いたのだ。彼らもまた、従来の姿とは大きくかけ離れた外見となっていた。
一頭目はかつてグリムロックの獲物の一つであったトリケラトプスであった。しかし口には鋭い嘴の代わりに無数の長い牙が生えており、3頭の中でも特に気性が荒かった。彼はスラッグと命名されていた。
二頭目は地球では空を舞っているのをよく見かけた翼竜だった。しかし驚きだったのは、まるで二頭を繋ぎ合わせたかのように二つの頭と二つに分かれた尾を生やしていた。そのような異形な姿とは裏腹に人懐っこい性格の彼はストレイフと命名されていた。
三頭目はグリムロックも今まで見たことない肉食恐竜だった。彼よりも大きな体躯を誇りながら、顔はワニのように細く、前足も長く発達していた。そして何より、背中には無数の長い針が3列に渡って生えていた。スコーンと命名された彼の種族は、後にスピノサウルスと命名される別の大陸の恐竜であったが、当時のグリムロックには知る由もなかった。
「この星の種族は儂が創り上げた。君たちは現在この星の統治するプライム王朝の兵士となってもらう。そのために君たちを進化させ、金属を集めたのだ」
そういうとその生物は、地球から持ち出した金属化した有機物に、あのキューブの光を当てた。するとたちまち金属から新たな生き物たちが生まれた。体格こそはるかに小柄だが、グリムロック達のように直立二足歩行で立ち上がる生物だ。
グリムロック達は、それがかつての自分の同族たちの亡骸から生み出されたのを理解すると、腸が煮えくりかえった。しかし怒りを露わにしてその生物に飛び掛かろうとしても、見えない力で動きを封じられてしまい、どうすることもできなかった。
「わしは君たちの創造主だ。子なら親に従いなさい」
その生物は子を諭すように告げるが、その言葉に子を想う気持ちがない事はグリムロック達にも分かった。
やがてグリムロック達は、この星の支配者たちのもとへと連れていかれた。彼らこそがこのサイバトロン星を統治する7人のプライムであった。
「プライム達よ、この者たちが諸君の眷属となる者達だ。まずは彼らを導き文明を築くがよい。繁栄のため、我が英知たるオールスパークを諸君らに託そう。楽しみにしているぞ」
そう告げて創造主は艦隊を率いて去っていった。プライム達は新たに生まれた同族としてグリムロック達を歓迎した。グリムロック達は複雑な気分だったが、今となってはこの星で暮らすしかないことを悟り、彼らの歓迎を受け入れた。だが彼らには、プライムの一人が、特に自分たち4体を嫌悪するかのような目つきで見ていることに気付いていた…。
それから何千万年も時が流れた。グリムロック達4体は、プライム王朝を守る直属騎士として仕えていた。彼らは自分達の寿命が異常なまでに延びたことに驚愕していたが、何より自分たちが他のサイバトロン人のように直立二足歩行の姿に変身した時の能力にも驚いていた。自分たちが戦うときになると、身体から戦うために特化した道具を展開できるのだ。他のサイバトロン人はこれを武器と呼び、様々な形のものを用いていた。その中でも彼ら4体のものは大きく破壊力があった。
スラッグは長大な二振りの剣トレイルカッターソード、ストレイフは高速の矢を放つ弩ブリッツウィングボウ、スコーンはその巨体に比べれば小さいが鋭い切れ味を誇るスクラップメーカーソードに長い尾がそのまま変化した左腕を、それぞれ武器としていた。そしてグリムロックは、己の身の丈ほどもある槌矛ドラゴントゥースメイスに、拳から展開するモーニングスターを武器としていた。
望んで選んだ生き方ではなかったが、彼らにとってそうした能力は嫌いではなかった。
やがてサイバトロン星では、サイバトロン人の命の源である「エネルゴン」が枯渇し始めてきた。これを機に、プライム王朝はエネルゴンを求めて大規模な宇宙遠征を行うことにした。その中には、当然グリムロック達4体も召集されていた。
そして遠征隊は、エネルゴンを生成できるほどのエネルギーが満ちた恒星を見つけた。そして恒星を破壊しエネルゴンを生成する装置「スターハーベスター」を設置するために、その恒星を周回する惑星へと降りたった。
グリムロックはその惑星に降り立ったことで、ようやくこの星が何千万年も前に去った故郷であることを思い出した。4体はそれぞれ、自分たちのかつての同族を探したものの、分かったのは既に同族が滅び去り、新たな生物が生態系に君臨していることだった。
同族と再会できなかったことにグリムロック達は悲しみに暮れたが、それでも故郷が存続していたことが嬉しかった。彼らは主君であるプライム達に直談判した。
ここが自分たちの故郷であり、あの恒星と共に成り立っていることから、エネルゴンを得れば今度こそこの星の生命は死に絶えてしまう。それだけは勘弁してほしいと。
もともとプライム達は「生命体の住まう星は滅ぼさない」という掟を掲げていたこともあり、グリムロック達の望みを聞き入れた。
だが一人、この掟に背いた者がいた。かつてプライムの中で唯一グリムロック達に嫌悪感を抱いていた、メガトロナス・プライムだ。
「我らサイバトロン人はこの宇宙の頂点に立つ種族である。それに引き換えこの星の種族は原始的な下等生物だ。そんな連中に生きる権利などない。それに卑しい生まれの貴様ら如きの言い分をプライムである俺が聞くとでも思ったか。身の程を弁えろ。我が種族の存続のため、この星の連中には滅びてもらう」
そう告げると彼は、自らに賛同する眷属たちを率いて「ディセプティコン」を結成、スターハーベスターの起動を強行するため、作動の鍵となる「リーダーのマトリクス」を奪ってしまう。
当然他のプライム達もグリムロック達も、メガトロナスとディセプティコンの暴挙を許さなかった。彼らは一致団結して「オートボット」を結成、ディセプティコンの野望を阻止すべく、サイバトロン初の内戦が勃発した。
激しい戦いの中、グリムロック達もプライム達も地球の生命を守らんと奮戦し、多くのディセプティコンを討ち取った。だが敵将たるメガトロナスはプライム達の中でも最強の実力を誇り、討ち取ることは叶わなかった。しかしグリムロック達は諦めず、激闘の末にメガトロナスに深手を負わせて宇宙へと敗走させ、マトリクスの奪還に成功、戦争を終結させることに成功する。
話し合いの末、マトリクスを自分たちの命と引き換えに地球に封印することを決めたプライム達は、別れる際グリムロック達にこう告げた。
「君たちは故郷に住まう全ての命とその未来を守るために勇ましく戦った。これより君たち4人をダイナボットと呼び、子孫たちにその偉業を語り継がせよう。我らが君たちにできる唯一の褒美は、自由だ。もうサイバトロン星に縛られる必要はない。この故郷に留まっても、新たな新天地を見つけるのも構わない。何者にも屈せず自由を謳歌せよ」
こうしてプライム達は去り、自由を手にしたダイナボット達は生き残ったオートボット達にサイバトロン星を任せ、自分たちもただ自由の名のもとに、安息の地を探す旅へと出るのであった。
ありふれの2次創作なのに、未だ原作キャラ出せずにすみません。次回でロストエイジから最後の騎士王まで書き上げたいと思います。
感想、評価お待ちしております。