グリムロックは宇宙最強   作:オルペウス

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明けましておめでとうございます!今年も『グリムロックは宇宙最強』を宜しくお願いします。
今月は月末にアースライズ版スカイワープ&サンダークラッカーが届く予定なのに、我慢出来ずにNetflix版メガトロンとスマッシュダウンを買っちゃった作者です(苦笑)

そして丑年、遂にありふれ一の爆乳を持つティオの登場です。タイトルは爆竜戦隊アバレンジャーを捩ってみました(笑)


爆乳変態!ティオ・クラルス

 その竜は体長7m程、漆黒の鱗に全身を覆われ、五本の鋭い爪が生えた長い前足を持ち、背中に生えた大きな翼は魔力で纏われているらしく薄らと輝いていた。

 その翼を空中ではためかせる度に、翼の大きさからは考えられない程の風が渦巻く。だが何より印象的なのは、夜闇に浮かぶ月の如き黄金の瞳だろう。爬虫類らしく縦に割れた瞳孔は、剣呑に細められていながらもなお美しさを感じさせる光を放ち、空中より亮牙達を睥睨していた。低い唸り声が、黒竜の喉から漏れ出している。

 その圧倒的な迫力は、かつてライセン大峡谷の谷底で見たハイベリアが小鳥に見える程で、まさに空の王者というに相応しい偉容さだ。蛇に睨まれた蛙のごとく愛子は硬直してしまい、ウィルはこの黒竜に見覚えがあるのか顔を青くしてガタガタと震えていた。

 ハジメ・ユエ・シアも、目の前の黒竜から感じる魔力や威圧感から、警戒を強めた。川に一撃で支流を作ったのも、青褪めたウィルの様子からして、おそらくコイツの仕業だろう。奈落の魔物で言えばヒュドラには遠く及ばないが、90層クラスの魔物と同等の力を持っている筈だ。

 だが、亮牙とスラッグは目の前の黒竜に対して何も感じていなかった。何せ彼らの本来の姿と比較して、目の前の黒竜は小さ過ぎる。本来の恐竜だった頃の彼らより小さいぐらいだ。同じ翼竜なら、もっと巨大で威厳のある者を彼らは知ってる。

 

「グルルル、グルルォオオオオオオオッ(何ガン飛ばしてやがる、死にたくなかったら失せろ)」

 

 亮牙はそう獣の言葉で、黒竜に向かって吠えた。別に無闇に殺すつもりはない。頭の良い野獣なら逃げていく筈だ。

 その咆哮に、恐怖で固まっていた愛子とウィルはギョッとなるが、吠えられた黒竜は答えなかった。代わりにウィルの姿を確認するとギロリとその鋭い視線を向け、おもむろに頭部を持ち上げ仰け反ると、鋭い牙の並ぶ顎門をガパッと開けてそこに魔力を集束し出した。

 

キュゥワァアアア‼︎

 

 不思議な音色が夕焼けに染まり始めた山間に不思議な音色が響き渡り、黒竜の口内にエネルギーが集まった直後、黒色のブレスが黒竜の口から一直線に放たれた。音さえ置き去りにしたレーザーの如きそれは、歴戦の冒険者や軍人ですら消し飛ばせる威力を持っていることだろう。

 だが、黒竜の判断は間違いであった。目の前の相手は、常識を踏み壊していく究極の規格外。喧嘩など売って良い相手などではないのだ。

 

爆炎大砲(ビッグファイアキャノン)!」

「グギャアアッ!!?」

 

 そう叫ぶと、亮牙の口から巨大な火炎弾が発射され、黒竜のブレスに直撃した。人間が放つ火球とは桁外れな威力の火炎弾は、下手人のブレスを相殺した。

 だが黒竜は死んではおらず、フラフラと飛びながらもまだ健在だ。普通なら丸焼きになってるところだが、亮牙の方はチャージ時間が短く、更にブレスを相殺した事で威力が削がれてしまい、持ち合わせたタフネスさで難を逃れたのだろう。

 

「「は?え、ええっ!!?」」

 

 黒竜のブレスをあっさり打ち破った亮牙に、恐怖で固まっていた愛子とウィルは目をぱちくりさせて驚いた。ハジメ達四人は亮牙の反撃に予想はついていたが、それを耐えた黒竜に少し感心していた。

 一方の亮牙は目の前の黒竜に、怒りではらわたが煮え繰り返っていた。情けをかけて見逃してやろうとしたのに、警告を無視した挙句、一番の雑魚である貴族のバカ息子を殺そうとしていた。事もあろうに、自分達の事など眼中にないと言わんばかりに。

 おかげで、シアや愛子とのじゃれ合いで忘れかけていた、昨晩のデビッド達や早朝の優香達への苛立ちも再び蘇ってきた。それらの怒りの矛先は今、ふらつきながらも宙を舞う目の前の無礼者に向けられた。

 

「シア」

「はい!」

「あれ頼む。あのカラスぶっ飛ばしてくる」

「はい、愛の共同作業作戦Part1ですね!お任せください!」

 

 シアは嬉しそうにそう言うと、全身に身体強化を施した。亮牙と恋仲になってからは「ダイナボットの祝福」により、従来より更に強化されるようになっており、本来のサイズのドラゴントゥースメイスすら振り回せるようになった程だ。

 一方の亮牙も重力魔法を自分自身に施し、体重を軽くした。重力魔法は物・空間・他人にかける場合や重力球自体を攻撃手段とする際は、多大な魔力と準備時間必要になるが、自らにかける場合はさほど消費の激しいものではない。亮牙自身もまだ完全にマスターした訳ではないが、今回は自分自身に施すため、その心配はない。

 ハジメ・ユエ・スラッグは二人がこれからする事を把握しているが、愛子とウィルは何をするつもりなのか分からず頭に?を浮かべた。そんな二人にお構いなしに、シアは軽くなった亮牙を片手で持ち上げた。

 

「行ってらっしゃいですぅ〜!!!」

「行ってきまーす!!!」

 

 その掛け合いと共に、シアはまるで槍を投擲するかの如く、黒竜目掛けて亮牙を投げ飛ばした。体重の軽くなった亮牙は、まるでメジャーリーガーの豪速球のように黒竜目掛けて突っ込むと、その土手っ腹に強力な頭突きをお見舞いした。

 

ドゴォォォォッ‼︎

 

「グギャアッ!!?」

 

 亮牙の頭突きを喰らい、黒竜は苦しそうに呻き、逆流した胃液を口から吐き散らした。だが吐血してないあたり、腹を守る鱗のおかげで、内臓損傷には至らなかったようだ。

 だが怒りに燃える亮牙の攻撃はまだ止まらない。激突した衝撃で黒竜の身体がぐらつくと、そのまま突き抜けてその頭上まで高く飛び上がった。そしてそのままビーストモードへと変身すると重力魔法を解除し、全長40mを超える巨体で、自身より遥かに軽い黒竜へとのし掛かったのだ。

 

「キャノンボールアタック‼︎」

 

ドスゥゥゥゥゥゥゥン!!!

 

「グガァアアアアアアッ!!?」

 

 グリムロックの何十トンもの巨体でのし掛かられた黒竜は、そのまま勢いよく地上に墜落した。流石に頑強な鱗を以てしてもこれには耐えられなかったらしく、苦しそうな呻き声を上げた。

 地上では墜落の衝撃により、まるで小さな隕石が墜落したかのような余波があったものの、こうなる事をある程度予測していたハジメ達は、ユエがすかさず結界を張った事で難を逃れていた。四人には見慣れた光景だったが、愛子とウィルはそうはいかなかった。

 

「アイエエエ、ママ〜…」

 

 ウィルは尻餅をついたまま、急性ニンジャリアリティショックでも発症したかのように呟きながら震え上がっていた。唯でさえ冒険者に向いてないのに、並の冒険者でも驚きを隠せないであろう光景が目の前で繰り広げられれば、無理もないだろう。

 

「ほげぇえええええ⁉︎な、灘くぅぅぅぅぅぅん!!?」

 

 一方の愛子は、勢いよく宙に上がった生徒が、突然巨大な恐竜のロボットに変貌するというありえない光景に、まるで某海賊漫画の如く盛大なエ○ル顔となっていた。

 

「な、な、南雲君‼︎これは一体!!?」

「あ、言ってなかったですか?実は、亮牙自身トランスフォーマーなんです」

「いやいや聞いてませんよ⁉︎本当にあの怪獣ロボットが灘君なんですか⁉︎」

「アハハハ。まあ、普通はそうなりますよね。僕らも最初は同じ反応でしたから」

「いや、笑い事じゃないですよ!!!」

 

 そんな愛子達にお構いなしに、地上に降りたグリムロックは立ち上がると、腹の下にいる黒竜を睨みつけた。普通の魔物や並大抵のトランスフォーマーならとうに死んでいる筈だが、未だしぶとく生きているタフネスさには感心したものだ。

 しかし、先程の無礼を許すつもりは一切ない。彼は鋭い牙の並んだ口を大きく開いた。

 

『ちょっ、ま、待──』

 

ガブリッ!!!

 

 何か聞こえた気がするがお構いなしに、グリムロックは黒竜に噛み付いた。体長7mはある黒竜だが、40mを超えるグリムロックの前では小動物も同然、そのまま彼の口内に加えられ、硬い鱗に無数の牙が突き刺さった。

 

 

 

 

 

『アッーーーーーなのじゃああああ〜〜〜〜〜!!!』

 

 

 

 

 

 やはり何か聞こえた気がするが、怒りで昂ったグリムロックは気にも留めない。口からはみ出している黒竜の首と尾が痛みに悶える中、口に炎を溜め込むと、そのまま大きく回転し始めた。

 

灼熱大車輪(フライトブレイズスピン)!!!」

 

『た、頼む待っ── ぬぅおお熱ゃアアアアアアッーーー!!?

 

ビュンビュンビュンビュン‼︎ !

 

『あんっ!あひぃん!お願いらめぇ‼︎あぁん!だけどイッちゃう、イッちゃうのじゃあ〜!!!』

「ち、ちょい待ち亮牙!空耳かと思ったけど、やっぱり其奴なんか喋ってない⁉︎」

 

 空耳かと思ったが、やっぱりあの黒竜から女性らしき声が聞こえることに気付いたハジメが、大慌てで止めに入った。昂っていたグリムロックも親友の言葉に気付き、回転するのをやめた。しかし、黒竜はまだ口に咥えたままだ。

 

『はぁ、はぁ、死ぬかと思ったのじゃ…』

 

 女の声はやはり、亮牙の口内に捕らえられた黒竜から聞こえてきた。と言っても直接声を出しているわけではなく、広域版の念話の様に響いていた。竜と人間じゃあ発声器官など当然異なっているので、空気の振動以外の方法で伝達しているのだろう。

 だが、そもそも人の言葉を話せる魔物自体が有り得ないのだ。現在のところ唯一確認されているのは、シアが目撃したエイだけだ。一般的な認識でも、人の言語を解する魔物など唯一の例外を除いて存在しない筈である。

 更に言えば、眼前の黒竜の存在自体がおかしい。いくらなんでも大迷宮以外でグリムロックと同等のブレスを吐ける上、彼の顎と牙に耐えられるような強力な魔物が、こんな場所にいる筈ないのだ。もし生息していたのなら、その危険性故に広く周知されている筈だ。

 故に、ここで推測出来る可能性は二つだけだ。一つはこの黒竜が、五つ目の山脈地帯よりも向こう側の完全に未知の魔物である事だ。そしてもう一つは…

 

「…もしかして、竜人族なの?」

『む?如何にも、妾は誇り高き竜人族の一人じゃ。偉いんじゃぞ?凄いんじゃぞ?だからの、いい加減吐き出して欲しいのじゃが…。そろそろ魔力が切れそうなのじゃ。この状態で元に戻ったら妾、間違いなく噛み潰されてしまうのじゃ…』

 

 ユエがまさかと思いつつ黒竜にした質問の答えは、予想通りの大正解だった。ハジメとグリムロックは内心、この世界に来て一体何度「レアな存在」と出会うのかと、自分達の運に呆れるのであった。300年前に滅びたはずの吸血鬼族のユエに、この時代の先祖返りであろうシア、生き別れた盟友スラッグに、極め付けは500年以上前に滅びたはずの竜人族である眼前の黒竜だ。

 

「…何故、こんなところに?」

 

 グリムロックとハジメが自分に呆れている間に、ユエが黒竜に質問した。彼女にとっても竜人族は伝説の生き物だ。自分と同じ絶滅したはずの種族の生き残りとして興味を惹かれるらしく、瞳に好奇の光が宿っていた。

 

『いや、そんなことより口から出して…。魔力残量がもうほとんど──ってひゃん♡いやぁん⁉︎止めるのじゃ!お、お腹をペロペロするのはダメじゃ!感じちゃうのじゃ〜‼︎』

 

 ユエの質問を無視して自分の要望を伝える黒竜だが、グリムロックの舌がお腹を擽るように動き、嬌声を上げて身悶えた。出会った当初の偉容はまるで夢幻だったとでも言うように微塵も見受けられなかった。

 

「滅んだはずの竜人族が何故こんなところにいるのか、僕も気になるな。ここまで来る時に見た破壊の痕や、ウィルさんの様子からして、明らかに下手人みたいだし」

 

 ハジメとしても、伝説の竜人族の行動にしては余りに不自然なので、本来敵であるなら容赦はしないのだが、少し猶予して話を促した。

 だがまずは、グリムロックの口から出してやるべきだろう。当の本人は、未だ黒竜を咥えたまま、吐き出そうとしなかった。

 

「あ〜亮牙さんやい。話聞きたいから、吐き出してやってよ」

ほへふひむほっふ(俺グリムロック)ふぃひゃふぁ(嫌だ)

 

 だが当のグリムロックは、黒竜を吐き出すのを拒んだ。それを聞いて一行は黒竜を含めて、えっ?となる。

 

「ち、ちょっと灘君⁉︎南雲君の言う通り話を聞く必要があります!早く吐き出しなさい‼︎」

ほへふひむほっふ(俺グリムロック)ほひふほはひ(コイツの味)ふぃにひっは(気に入った)ふぁはふぁほへ(だから俺)ふぉひふふう(コイツ食う)

「俺スラッグ、どうやらグリムロック、ティラノサウルスの本能が目覚めたみたいだ」

「スラッグ、言ってる場合じゃない…」

『ま、待って欲しいのじゃ‼︎このまま食べられるのは嫌じゃ!お願いだから出し──あはぁ〜ん♡そ、そこは胸なのじゃ!変なところを舐めないで欲しいのじゃ////』

 

 スラッグの言う通り、今のグリムロックは興奮状態で黒竜に噛み付いた結果、口内に流れる血の味に肉食動物としての本能が目覚めてしまったらしい。このまま黒竜を食べたいようだ。

 だが当の黒竜からしてみれば堪ったものじゃない。それだけは勘弁してくれと言わんばかりに、グリムロックの口からはみ出た首や尾をうねらせてもがいた。彼の舌が敏感な箇所に当たって悶絶しながらだが。

 ハジメ、ユエ、愛子がどうしたものかと頭を悩ませていると、思わぬ人物が黒竜に救いの手を差し伸べた。そう、我らがヒロイン、シアだ。

 

「こらっ、亮牙さん!メッですよ!今すぐペッしなさい!」

へほひは(でもシア)ふぉひふふふぁひ(コイツ美味い)ほへふひむほっふ(俺グリムロック)ふぉひふふひはひほ(コイツ食いたいの)

「でもじゃありません‼︎あんまり我儘言うと私、亮牙さんの事嫌いになっちゃいますよ‼︎」

ほへふひむほっふ(俺グリムロック)ふぉへはふぃひゃふぁ(それは嫌だ)!」

 

 恋人にそう言われてしまい、慌てたグリムロックはウゲェ〜と黒竜を吐き出した。漸く自由の身となった黒竜だが喜ぶのも束の間、勢いよく吐き出されてしまい、『のじゃあ〜!!?』と悲鳴を上げながら滝壺にザバァンと墜落した。

 だが当のグリムロックにはそんな事どうでも良かった。彼には不安そうな顔でシアを見つめた。

 

「俺グリムロック、言うこと聞いたぞ!ねえ嫌いにならないで、お願い‼︎」

「ふふっ、私がそれくらいで亮牙さんを嫌いになる訳ないじゃないですか。私も言い過ぎちゃいましたね」

 

 そんな恋人の様子に、シアは呆れつつも優しく微笑みながら、よしよしと頭を撫でた。彼女としてもそんなつもりはなかったのだが、明らかに女性だと思われる黒竜が変な嬌声を上げる度に少しヤキモチを焼いてしまい、少し意地悪をしたくなったのだ。

 グリムロックも落ち着きを取り戻して人間態に戻ったものの、再びシアに甘え出した。

 

「その、シア。キスもして欲しいんだが…////」

「も〜、亮牙さんったら本当に甘えん坊さんなんですから〜♡キスぐらい好きなだけしてあげますよ♡」

 

 そう言いつつもシアは嬉しそうに、照れ臭そうな亮牙にキスしてあげるのであった。何だかんだで仲の良いカップルである。

 そんな光景にハジメ・ユエ・スラッグの三人は呆れつつも苦笑し、愛子は「コラ〜!不純異性交遊です‼︎」と顔を真っ赤にして怒った。ウィルに至っては完全について行けず蚊帳の外だ。

 

「あ〜、その〜、そろそろ妾の方にも気づいて欲しいのじゃが…」

「「「「「「「あっ」」」」」」」

 

 聞き覚えのある声に漸く七人ともハッとなり、声のした方へ振り向くと、滝壺の岸にずぶ濡れの女性が這い上がっていた。ハジメと同じ黒髪だが腰まで伸びた艶やかなストレートの金眼で、身長170cm前後の20代前半くらいの美女だ。

 だが何より目を惹くのは…

 

(………シアよりデカいな)

 

 そう、亮牙が感じたように、見事なバストの持ち主だった。シアの巨乳をメロンと例えるなら、スイカとでも形容すべき爆乳だ。日本の着物に似た衣服を着ているが、乱れたのか遊女の如く肩口まで垂れ下がっており、今にもその爆乳がこぼれ落ちそうになっている。

 黒竜の正体が爆乳美女だった事に、ユエと愛子はこの世の終わりとでも言わんばかりの絶望した表情で、自分自身の胸元を摩っていた。一方シアは、自慢の巨乳を上回るナイスバディの持ち主が突然現れたために、

 

「見ちゃダメです亮牙さん!おっぱい好きの亮牙さんには刺激が強過ぎますぅ〜‼︎」

 

と叫びながら、必死に恋人の目線を隠そうとしていた。

 黒竜は岸に上がると、息も絶え絶えになりながら自己紹介を始めた。若干、興奮したような目で亮牙を見ていたが…。

 

「面倒をかけた。本当に、申し訳ない。妾の名はティオ・クラルス。最後の竜人族クラルス族の一人じゃ。…と、話は変わるが治癒師はおらんか?このままでは妾死ぬかも…」

「…ああ。そう言えば俺、お前を半殺しにしてたな」

 

 どうやら竜形態のダメージが反映されているらしく、よく見るとティオ・クラルスと名乗った女は全身から血を流していた。一度は滝壺の水で洗い流されたようだが、傷口は塞がっていないらしくまだ所々出血していた。

 そう言われて漸く自分のした事を思い出した亮牙は、神結晶の塊を取り出すと魔力を込めて握り締めた。たちまち神水が溢れ出て、ティオの身体に滴り落ちて傷を癒した。

 漸く回復したのかふぅと息を吐く彼女の胸ぐらを、亮牙は容赦なく掴みかかった。決して彼女の爆乳の感触を楽しみたかったわけではない。

 

「んぐぅ!!?」

 

 おおよそ女性が出しちゃ駄目なタイプの悲鳴を上げるティオだが、何処か恍惚の表情を浮かべていた。

 

「さてと、お互い落ち着いたところで話し合いと行こうか。周囲の破壊の痕やこのクソガキの様子からして、お前が下手人のようだが、何の目的でそんな真似した?それに絶滅した竜人族が何故こんな場所にいやがる?全て洗いざらい話してもらうぞ。少しでも怪しい素振りを見せたら、この滝壺にいる魚どもの餌にするからな」

「くふぅ!妾を女としてどころか、まるで家畜小屋の豚でも見るような目で見おって…。よ、良かろう。何でも答えようぞ。ただ、少し聞きた──のじゃああああ〜!!?」

 

 ティオが言い淀んだ瞬間、亮牙はその剛腕で容赦なく彼女を揺さぶった。彼女は爆乳をブルンブルンと揺らしつつ、何故か嬌声をあげた。

 

「俺は気が短いんだ。さっさと言わねぇとその乳房もぎ取って、ユエと先生のペチャパイに一つずつ移植するぞ」

「「誰がペチャパイだ(ですか)!!?」」

 

 堂々とティオの爆乳と自分達の貧乳を比べられ、余計なお世話だと言わんばかりにユエと愛子の怒りの声が響いた。

 

 

 

 

 




まともなティオさんを見たかった皆様、すみません(苦笑)
ケツこそ掘られなかったけと、グリムロックは容赦してくれなかったのでMになっちゃいました!

技名は恐竜キングや『アドベンチャー』のグリムロックから、台詞が幼稚っぽいのはザ・ムービーや2010へのオマージュです。

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