グリムロックは宇宙最強   作:オルペウス

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漸く私の住んでいる地域は緊急事態宣言が解除されましたが、まだまだ油断できないこの頃。

上野で開催されている「大地のハンター展」に行きたいのですが、流石に厳しいかな〜(泣)


語られる侠客の過去

「ふんふんふふ~ん、ふんふふ~ん!いい天気ですねぇ~、絶好のデート日和ですよぉ~」

 

 翌日、フューレンの街の表通りを、上機嫌なシアがスキップしそうな勢いで歩いている。今日は次の旅に向けて、ハジメとユエ、スラッグは消耗品などを、料理番である亮牙とシアが食材の買い出しに出ているのだが、実質二人っきりでデートしているようなものなので、嬉しくて堪らないのだろう。

 なお、ストレイフはまだ病み上がりな事もあり、ティオが懲罰任務も兼ねて看病しているが、だいぶ回復してるようなので一安心だ。

 本日のシアの服装は、何時も着ている丈夫な冒険者風の服と異なり、可愛らしい乳白色のワンピースだ。普段と違い、彼女のチャームポイントでもある括れたウエストとおへそは見えてないが、肩紐は細めで胸元が大きく開いており、少なくともFカップ以上はある彼女の巨乳が歩く度にぷるんぷるんっ!と震えている。腰には細めの黒いベルトが付いていて引き絞られており、シアのくびれの美しさを強調していた。豊かなヒップラインと合わせて何とも魅惑的な曲線を描いている。膝上15cmの裾からスラリと伸びる細く引き締まった脚線美は、弾む双丘と同じくらい男共の視線を集めていた。

 もっとも、何より魅力的なのは、その纏う雰囲気と笑顔だろう。頬を染めて、楽しくて仕方ありません!という感情が僅かにも隠されることなく全身から溢れている。亜人族であるとか、奴隷の首輪らしきものを付けている事とか、そんなものは些細な事だと言わんばかりに周囲の人々を尽く見惚れさせ、あるいは微笑ましいものを見たというようにご年配方の頬を緩ませている。

 そんなシアの後ろを、恋人である亮牙は苦笑いしながら歩いていた。よほど心が浮きだっているのか、少し前に進んではくるりとターンして彼に笑顔を向け追いつくのを待つという行為を繰り返すシアに、周囲の人々同様、亮牙も思わず頬が緩んでしまうのだ。

 

「おいおい、はしゃぎすぎだよ。前見てないと転ぶぞ?」

「ふふふ、そんなヘマしませんよぉ~、亮牙さん達に鍛えられているんですからッ⁉︎」

 

 亮牙から注意されるも、シアは再びターンしながら大丈夫だと言いつつ足を引っ掛けて転びそうになってしまう。だが、すかさず亮牙が腰を抱いて支える。シアの身体能力なら特に問題なく立て直すだろうが、今日は丈の短いスカートなので念のためだ。彼女を鼻息荒く凝視している男共にラッキースケベなど起こさせるつもりなど、亮牙には毛頭なかった。

 

「まったく、お調子者なところは相変わらずだな」

「しゅ、しゅみません」

「ほら、浮かれているのは分かったから、隣を歩いてくれ」

 

 腰を抱かれて恥ずかしげに身を縮めるシアは、亮牙の手を恋人繋ぎしたまま、今度は小さな歩幅でチマチマと隣りを歩き始めた。その頬を染めて恥らう愛らしい姿に、周囲の男達はほぼ全員ノックアウトされたようだ。若干名、隣を歩く恋人の拳が原因のようだが。

 

「ふふ、こうしていると私達、新婚夫婦みたいですね〜」

「そう、なのかな…?俺は元恐竜だったから、そういう事にはいまいち疎くてな。…にしてもシア、それなら尚更、その首輪外した方が良かったんじゃないか?」

 

 嬉しそうなシアに、亮牙はすまなそうな顔をして彼女の首輪を見ながら問いかける。厄介事を避ける為に色々隠す必要が消えた以上、シアも奴隷の首輪も無理につける必要は無い。手を出されたらその場で返り討ちにしてやればいいし、今の彼女なら余裕で自分の身を守れる。

 元々、シアと恋仲になってからと言うもの、彼女を守るためとは言え奴隷のふりをさせてしまう事に思う所があった亮牙は、これを期に首輪も外して良いと考えていた。

 

「いえ、これはこのままでいいです。亮牙さんが私の事を思って用意してくれたものですし。それに、これを着けてると私は亮牙さんの女なんだって言う証でもありますから♡」

 

 当のシアはそれをやんわりと断った。ウサミミが恥ずかしげにそっぽを向きながらピコピコと動いており、目を伏せて俯き加減に恥じらう今の彼女の姿はとても可憐だった。亮牙の視界の端で男の何人かが鼻を抑えた手の隙間からダクダクと血を滴らせている。

 それにシアの首輪は交際を始めてから、せめてなるべく不快に感じないデザインにしてあげようと考えた亮牙によってリメイクされていた。ユエからも意見を貰いながら、シアの見た目や服装に合わせてデザインを考え、ハジメに錬成し直してもらった。そのお陰で今では、黒の生地に幾何学的に入った白と青の装飾に、正面に取り付けられた神結晶の欠片を加工した僅かに淡青色に発光する小さなクロスと、チョーカーの様に一つの装飾品と呼ぶに相応しいデザインとなっていた。

 首輪の神結晶のクロスがマッチして、更に美しさを醸し出す蒼穹の瞳を輝かせながら、幸せそうな表情となる恋人の姿に、思わず亮牙は優しく抱きしめた。

 

「俺が作った訳じゃないんだけど、そう言ってもらえると嬉しいよ」

「も〜、本当に甘えん坊さんなんですから〜♡」

 

 対するシアもにへら~と実に幸せそうな笑みを浮かべながら、亮牙の胸元に額をぐりぐりと擦りつけた。ついでに、ウサミミもスリスリとに擦り寄せながら。

 そんなある意味バカップルとも言える二人の作り出した桃色空間に、ある者は砂糖を吐きそうになり、ある者は嫉妬の炎を燃やし、ある者は「青春ねぇ〜」と微笑ましそうに見つめるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 亮牙とシアは必要な食材を買い揃えた後、時折菓子などを買って食べながらフューレンの街を見て回っていた。その途中、休憩する為にオープンカフェに立ち寄ると、席の一つに陣取る二人組に気づいた。

 

「ストレイフ。もう大丈夫なのか?」

「ん?ああ、グリムロックとシアの嬢ちゃんか。おかげさまでな」

 

 そう、ストレイフとティオだ。どうやらストレイフが回復したようで、気晴らしに外出していたみたいだ。

 そのまま二人は相席すると、各々飲み物やスイーツを注文して舌鼓を打ちつつ休憩をしていた中、ふと亮牙がストレイフに声を掛けた。

 

「そう言えばストレイフ、今朝お前の分のステータスプレート渡したが、もう結果は反映されているか?」

「ん?ああ、あれか。ちょっと待ってくれよ」

 

 それを聞いてストレイフは思い出したかのように懐からステータスプレートを取り出すと、自身のステータスを亮牙とシアに確認させた。

 

 ストレイフ・クラルス 66000603歳 男 レベル:測定不能

 天職:ダイナボット狙撃戦士

 筋力:測定不能

 体力:測定不能

 耐性:測定不能

 敏捷:測定不能

 魔力:測定不能

 魔耐:測定不能

 技能:言語理解[+獣語理解]・騎士化[+部分武装化]・変形・獣の王・魔力操作・エネルギー吸収・レーザーファイヤー・風雲児[+風刀切刻] [+分身術攻] [+暴風乱打][+ 幻舞連爪] [+ 朋鋼翼撃] ・ブリッツウィングボウ

 

 二人がふむふむと確認していると、今度はストレイフが質問してきた。

 

「なあグリムロック。この世界で600年もこの姿で生きてきて今更なんだが、一体何で俺達はこの世界に来ちまったんだ?最初は俺だけかと思ってたら、お前やスラッグまで来てるしよ…」

「…まあ、知らなくて当然だよな。俺もオルクス攻略するまで知らなかったしよ」

 

 そう呟きながら、亮牙はオルクスで知った真実を語り始めた。

 このトータスに隠された真実、悪神エヒトと協力者であるメガトロナス、それに立ち向かった解放者達と六人のプライム、そして自分達ダイナボットは解放者側の切り札としてこの世界に召集されたこと。

 あまりにスケールがデカ過ぎて信じられないような内容だが、ストレイフもティオも落ち着いた様子で聞き、納得したような表情だった。

 

「そういう事か…。ならアストロトレイン達も、大方メガトロナスの野郎の手引きでこの世界に来たってところか…」

「だろうな…。そう言えばストレイフ、それはそうと気になる事があるんだが…」

「ん、何だよ?」

「お前が竜人族として育った事は分かったがな。何でそのデカパイと親戚になってるんだ?」

 

 そう、亮牙が気になっていたのは、ストレイフがティオの叔父となっていた事だ。竜人族の姿となった以上、彼らの仲間として育ったのは分かるが、何故族長の家系の親類となっているのだろうか?

 

「ご、ご主人様⁉︎まさか早速、叔父上にプロポーズ報告するつもりで⁉︎ああ〜ん♡妾まだ心の準備が〜‼︎」

「黙ってろ痴女が‼︎…で、どうしてだよ?」

「あ、ああ…。話せば長くなるんだがな…」

 

 隣でハァハァと鼻息を荒くしながらイヤンイヤンと身体をくねらせる姪にドン引きしつつ、ストレイフは飲んでいた紅茶のカップを置くと、真剣な表情で語り始めた。

 

「地球でのあの戦いの後、お前達と別れた俺は故郷のブラジルに帰還した。まあ6600万年も経って大分風景は変わってたが、自然豊かだし充分満足してたよ」

 

 そう懐かしそうに語るストレイフ。亮牙としてはそれが羨ましく感じられた。彼やスラッグの故郷であるサウスダコタは、既に白亜紀とは様変わりしていたからだ。

 

「そんな最中、俺もあのスペースブリッジでこのトータスに飛ばされたんだが、俺が降り立ったのは竜人族の都市でな。気づいたら人間の赤ん坊になってて本当ビックリしたよ…」

「アハハ……亮牙さんといいストレイフさんといい、大変でしたね…」

 

 思わず苦笑いするシア。突然異世界に飛ばされた挙句、他種族の赤ん坊に変わっていたら、自分でも正気を保てるか分からない。

 スラッグに至ってはその機能が麻痺していたらしい上、元々の性格から特に気にしてなかったらしいが…。

 

「まあビックリしたがな…。そんなこんなでどうすりゃあ良いのか混乱していたんだが、そんな俺を引き取ってくれたのが、クラルス家当主であるアドゥルの親分だったのさ」

「ちなみに、アドゥルは妾のお祖父様じゃ」

「俺は親分の実子であるハルガの兄ぃと共に育てられてな。二人とも血の繋がりどころか、竜人族ですらねぇ俺の事を家族同然に扱ってくれてよ。あの恩は一生忘れられねぇ…。それからお互い成長していって、俺は戦士に、兄ぃは親分に代わって族長の座を継いで、幼馴染のオルナの姐さんと夫婦になって、そんでお嬢が生まれたのさ」

 

 感慨深そうに語りながら、懐から煙管を取り出して一服するストレイフ。

 

「今でこそアホな宗教概念で魔物扱いされてる竜人族だが、かつては全種族の中で一番高潔で清廉と謳われ、このトータスの守護者とされてたんだよ」

「へぇ、ユエの言ってた通りなのか…」

「ああ、あらゆる種族、国、その全てを受け入れ、共に手を携え平穏を守ってきたんだ」

「なんか、今の考えとは真逆ですね…」

「変えられちまったのさ。愚かな神どもにな…」

 

 そう悔しそうに表情を曇らせるストレイフとティオ。その様子に、やはりエヒトによる世界全体を洗脳した認識操作があったのだと、亮牙とシアは実感した。

 

「兄ぃと姐さんは先進的な考えの持ち主でな。当時はトータス史上最悪の大罪人とされていた解放者達について独自に調べてたんだ。そうしている内にエヒトの本性と、その裏に潜む協力者について突き止めつつあった。だが、それを疎ましく感じた奴等は、俺達を滅ぼしにかかった…」

 

 竜人族は魔物であり、あらゆる種族をその力で支配している。その牙は何時、偉大なる我らが神に向けられても可笑しくない。竜人族は神敵であると。

 

「そうは言うが、何故お前ら竜人族は敗れたんだ?人間なんぞに早々遅れを取るとは思えないが…」

 

 竜人族が本気で抵抗すれば人間相手に負ける道理は無い筈だ。何より彼らの仲間であったストレイフの力の強大さは、盟友である亮牙自身もよく分かっている。

 

「…それなんじゃが、父上や嘗ての竜人族も解放者同様、人相手に抵抗する事は出来なかった。いや、しなかったのじゃ…」

 

 そうティオは、先程までの様子とは裏腹に、声のトーンが下げて顔を少し伏せる。ストレイフも「お嬢…」と心配そうに彼女を見つめる。

 今でもハッキリと覚えている、焼け落ちて行く自分達の国。見せしめと言わんばかりに張り付けにされたオルナ達の遺体、それらを目にして尚、敗北と淘汰を受け容れたハルガの最後の姿。

 

「解放者達と同様、守るべき相手に力は振るえなかったってか?」

「そうだ。何より竜人は神敵であると言う世情においてなお、竜人族と共にあろうとしてくれた奴等まで無闇に犠牲にしないため、神によって引き起こされた竜人族を巡る人々の争いを早急に鎮める為に、王であった兄ぃは滅びを受け入れたのさ」 

「何故そんな選択に反対しなかったんだよ。お前らしくもねぇ…」

「俺だって最初は受け入れられなかったさ。姐さんや殆どのダチが無惨な目に遭わされたのを目にした時は、兄ぃに反撃しようって訴えた。獣扱いされるなら獣らしく、二度と歯向わないよう徹底的に叩きのめそうって…」

「ならなんで…」

「それでも兄ぃが選んだからさ。竜人族が世界の守護者として、人々から受け入れられる存在として終わる道をな…」

 

 竜人族がトータスの守護者と受け入れられたのは、トータス人にとって味方だったからだ。その牙は何時も人々の脅威に向けられ、強靭な鱗は人々の盾となっていた。

 けれど味方にとっては頼もしい存在も、敵にとっては脅威。竜人族がその強大な力を自衛の為とは言え、人々に向けた時点でその信頼は崩れ去る。何せ、竜人族の牙は自分達に向けられる事もあると見做されてしまっては…。

 

「だからこそ父上は、母上を殺されようが報復には及ばなかった。下手に抵抗すれば人々も傷つけてしまう。故に自分達が敗れ滅び去る事で争いを止め、人間達の犠牲を少なくする唯一の方法だと、そう言っておった…」

「『時が来るまで耐え忍んでくれ』兄ぃはそう言い残すと、姐さんを独りで死なせまいと言わんばかりに戦場に戻り、玉砕する事で戦いを終わらせた…。残された俺達は、せめて竜人の血筋は絶やさないようにと、生き残った仲間達を連れて、人間どもの手の届かない山脈の向こうに逃げ延びたってわけさ…」

「そんな…何故そこまで…」

 

 シアには竜人族がそんな選択をした理由が理解出来なかった。彼女は忌み子として生まれたが、ハウリア族はそれを潔く受け入れて彼女を処分することなどなかったからだ。

 それを察したストレイフは、優しく微笑みながら話を続けた。

 

「俺だって簡単には受け入れられなかったさ…。だけど、息子夫婦を喪って俺より辛いはずの親分から、竜人としての在り方を諭されてはな…」

「竜人としての在り方、ですか…?」

「ああそうさ──」

 

『汝等、己の存在する意味を知らず』

『その身は獣か、あるいは人か、世界の全てに意味あるものとするならば、答えは他ならぬ己の中に』

『人か獣か、答えを欲するならば決意を以って魂を掲げよ』

『竜の眼は一路の真実を見抜き、欺瞞と猜疑を打ち破る』

『竜の爪は鉄の城を切り裂き、巣喰う悪意を打ち砕く』

『竜の牙は己の弱さを噛み砕き、憎悪と憤怒を押し流す』

『仁、失いし時、汝らはただの獣なり。されど理性の剣を振るい続ける限り──』

 

「「──汝らは気高き竜人である」」

 

 その言葉を、亮牙とシアは黙って聞いていた。

 

「このお言葉があったからこそ、妾達竜人族は『恐れられる存在』ではなく『畏れられる存在』となり、その畏れを畏敬へと昇華させておったのじゃ」

「ああ、力を無闇に振るい続ければ、やがては恐れられる存在に成り果てる。だからこそ俺は、怒りに任せて人間達に復讐する道を選ばなかった。お嬢や生き残った若者達を守り、この誇りを受け継がせていこうって誓ったのさ」

「そうか…」

 

 全てを聞き終えた亮牙は、いつの間にか伏せていた目をそっと開くと、改めてストレイフに向き直った。

 

「ストレイフ、お前がこの世界でどう生きてきたかよく分かった。その上で頼みたい。俺達と共に戦ってくれないか?」

「……」

「生憎俺はこの世界に来て半年くらいしか経ってないから、お前程この世界に思い入れがない。何より優先したいのは仲間達だから、いざこの世界の連中が敵対してきたら、俺は容赦なく其奴らを滅ぼす。仲間を失いたくないからな…。それでも、俺達に力を貸してくれるか?」

 

 そう言いながら優しくシアの頭を撫でる亮牙。かつて大切な家族を喪った彼にとって、仲間達が危険に晒された際に妥協する選択肢は一切なかった。

 ストレイフが加われば頼もしいのだが、竜人族として育ち、その在り方を重んじてきた彼にとって、それは受け入れられないかもしれない。

 暫く沈黙が続いた後、ストレイフは真っ直ぐ亮牙を見つめながら口を開いた。

 

「グリムロック。その戦い、俺にも協力させてくれ」

「…良いのか?竜人としての在り方に反することをするかもしれんぞ?」

「もしお前のする事がやり過ぎだと思ったら、その時は友人として止めるまでだ。それに何より、俺はこの時を500年間ずっと待ち続けてたんだ。お前達と再会できる日が来るのをな…」

「俺達との再会を…?」

「ああ。500年前に散っていった、兄ぃと姐さん達の無念を晴らすためには、俺だけじゃどうしようもなかった…。でも俺がこのトータスに来た以上、お前達もいずれ来てくれる。その日をずっと待ち続けてきたんだ。だから俺の方こそ頼む。俺の敵討ちのため、お前達の力を貸して欲しい…!」

「叔父上…」

 

 そう言って頭を下げて頼み込むストレイフ。彼にとってエヒトは家族の仇、その協力者があのメガトロナスだったのだから、彼なりに竜人族を巻き込んでしまったのではと責任を感じているのだろう。

 

「顔を上げろよストレイフ。俺とお前の仲じゃないか。どの道メガトロナスもエヒトも倒すつもりなんだからな。お前の敵討ち、俺達も力を貸すよ」

「忝い、恩に着るッ…!」

 

 亮牙の了承に、ストレイフは改めて頭を下げる。大切な人達の無念を晴らす、旧友達のおかげで漸くそのチャンスが巡ってきたのだ。

 亮牙としても、ストレイフが協力してくれるのは大変嬉しかった。彼はスラッグよりこのトータスで長く暮らしてきたので、16年間樹海を出た事のないスラッグよりこの世界についての知識がある。

 それに彼はこう見えてダイナボットで一番科学知識に富んだインテリ派であり、仲間の負傷を治療したり、武器や宇宙船のメンテナンスもこなしてきた。同じ技術者であるハジメも大いに助かるだろう。

 

「ふむ、叔父上がそこまで仰るのなら、妾も微力ながらご主人様達に力を貸そうぞ!」

「いや、お前はいらん」

「な、何故じゃ⁉︎妾だって充分強いし、何よりご主人様のストレス解消に──」

「結局それが目的なだけだろうが!!!」

「あひぃ〜ん♡」

 

 またしてもティオが余計な一言を漏らして、亮牙にぶん殴られて更に興奮する。折角の感動の場面が台無しである。

 

「…なあ、シアの嬢ちゃん。グリムロックはお嬢に何しちまったんだ?あんな姿見たら親分達が寝込んじまうよ…」

「アハハ…。まあ色々あったんですぅ…」

 

 姪の変わり果てた姿に激しく動揺するストレイフに対して、事情を知っているシアはただ苦笑いするしかなかった。

 

 

 

 

 




ストレイフをインテリ派としたのは、テックボットに由来してます。










感想についてですが、これまでは非ログインユーザーの方からも受け付けてましたが、結構非ログインの方には本作は評判が良くないみたいでして、「本作のせいでトランスフォーマーが嫌いになった」と言う方もいらっしゃったので、誠に勝手ながら今後はログインユーザーからのみにすることにしました。
色々な評価があるのは私も理解しているのですが、今回はかなりショックを受けた為、ご理解して頂けると幸いです。

今後とも本作を宜しくお願い致します。
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