トランスフォーマー関連では、遂にDJDのターンが今年度末に玩具化!ボルカニカスも新しいタイプの合体形態で発売の噂も!
突然の結界の消失と早くも伝わった敵襲に、王都は大混乱に陥っていた。
家から飛び出しては、初めて目にする飛行物体と砕け散った大結界の残滓を呆然と眺める人々に、警邏隊の者達が「家から出るな!」と怒声を上げながら駆け回っている。決断の早い人間は、既に最小限の荷物だけ持って王都からの脱出を試みており、また王宮内に避難しようとかなりの数の住人達が門前に集まって中に入れろ!と叫んでいた。
夜も遅い時間であることから、まだこの程度の騒ぎで済んでいるが、もうしばらくすれば暴徒と化す人々が出てもおかしくないだろう。王宮側もしばらくは都内の混乱には対処できないはずなので尚更だ。なにせ今、一番混乱しているのは王宮なのだ。全くもって青天の霹靂とはこの事で、目が覚めたら喉元に剣を突きつけられたような状態だ。無理もないだろう。
急いで軍備を整えているようだが、手遅れだった。
スタースクリームのミサイルが、遂に最後の結界を破壊し、大地を鳴動させながら魔人族とディセプティコンの連合軍が大挙して押し寄せた。残る守りは、王都を囲む石の外壁だけ。最新鋭の銃火器で武装したディセプティコンの軍勢を前にしては、余りにも貧弱過ぎる。
先陣を切るのは、ディセプティコンのプロトフォーム兵達だ。特にビークルモードの形質を持たないトランスフォーマー達だが、ミサイルやブラスターを連射して、砂の山でも崩すかのように外壁を破壊していく。更に上空には、無数の飛行艇・オービタルアサルトキャリアーが、かつてホルアドに甚大な被害を齎したジェットストームの大群と共に飛び交い、外壁を無視して王都内へと侵入を果たした。
外壁上部や中程に詰めていた王国の兵士達が必死に応戦しているが、全く想定していなかった大軍相手では、その迎撃も酷く頼りない。突進してくる鋼鉄列車にエアガンで反撃しているようなものだ。
そんな様子を、城下町にある大きな時計塔の天辺からどうしたものかと眺めていたティオの傍に、王宮から飛び出してきた四人が降り立った。
「俺スラッグ、コンズどもは誰が来てる?」
「ティオさん、あのサイクロナスとかいうゴミ野郎は何処ですか?」
「お主等…。いや、まぁ、気持ちはわかるがの?必死に説得しておったリリアーナ姫が少々不憫じゃ…。あっさり放り出して来おって」
「知るか。こんなクソみたいな国に尽くす義理も、あんな小娘なんぞに顎で使われる筋合いもない」
「ん、同感」
ティオが呆れたような表情をするが、四人とも全く気にしていないようだった。元々、興味のない相手には実にドライだが、ミュウの件もあり、リリアーナ達王都の連中への心象はゼロを通り越してマイナスへと振り切っていた。
リベンジに燃えるスラッグとシアが目を皿のようにしてサイクロナスを探していると、亮牙からの通信が入った。
『おう、俺だ。ティオはいるか?』
『ぬおっ!ご主人様?どうしたのじゃ?』
『先生の救出には成功したが、ちょっと面倒な事になってな。暇ならテメェもこっちに来い』
『うむ、相分かった!直ぐに向かうのじゃ!』
亮牙が面倒と口にするとは、何か厄介な相手と相対しているのだと直ぐに悟ったティオは、一瞬で竜化すると咆哮一発、標高8,000mの本山目指して一気にその場を飛び立った。
『亮牙さん!あのサイクロナスとかいう屑鉄は私達がぶっ壊してやりますから安心して下さい!』
『なに?サイクロナスの野郎も来てるのか…っうおっと!中々やるじゃねえか!取り敢えず気をつけてな。通信終わり』
シアの言葉に、サイクロナスも来ているのかと疑問を抱いた亮牙だったが、戦闘が激しくなったのか直ぐに通信を切ってしまった。シア達女性陣は、愛子を庇いながらとはいえ、あの亮牙に「中々やるな」と言わせる程の相手が居るという事に、一瞬、自分達も救援に駆けつけるべきかと考えた。だが、彼女達より付き合いの長いスラッグとスコーンは全く心配していなかった。
「俺スラッグ、グリムロックなら大丈夫だ。それにストレイフと、ついでにティオもいるから問題ない」
「同感だな。それより俺達は、コンズ共をぶちのめすのに集中すべきだ。海底遺跡の時みたく、また厄介な生物兵器でも導入してくるだろうしな…」
そう、シア達が戦場に出てきたのは、グリューエン大火山での報復というのもあるが、同じ神代魔法の使い手達を野放しにしたくなかったからという理由もあったのだ。
連中が神山の大迷宮の詳しい場所を知っていた場合、先を越されるとグリューエン大火山の時のように、また魔法陣を破壊されかねない。大迷宮は気が付けば魔物も構造も元通りになっている場合が多いので、グリューエン大火山も時間経過で元に戻る可能性はあるが、どれくらい掛かるかは分からない。その為、それだけは何としても避けたいマキシマル達としては、こっちから連中を襲撃してやろうと考えたのだ。
もっとも、シアの中の比率はサイクロナスへの報復が99%だったが…。
と、その時、時計塔の天辺にいる一行に気がついたのか、体長3〜4m程の黒い鷲のような魔物が二体、左右から挟撃するように彼らを狙って急降下してきた。
クェエエエエエ!と雄叫びを上げて迫ってきた黒鷲に、シアは見もせず射撃モードのドリュッケンを宝物庫から取り出し、躊躇いなく炸裂スラッグ弾を撃ち放った。ユエもまた、見もせず右手をフィンガースナップするだけで無数の風刃を上方から豪雨のごとく降らせる。
今まさに二人の少女を喰らおうとしていた二体の黒鷲は、頭部を衝撃波によって爆砕され、また、ギロチン処刑でもされたかのように体の各所を切り落とされてバラバラになり、無残な姿となって民家の屋根に落ちていった。今頃、家の中のいる人達は屋根に何かが落ちてきた音にビクッとなって戦々恐々としていることだろう。
黒鷲が無残に絶命させられたことでシア達の存在に気がついた飛行型の魔物達が四人の周囲を旋回し始めた。よく見れば、その三分の一には魔人族が乗っており、黒鷲を落とされたことで警戒して上空を旋回しながら様子を見ていた。だが、その相手が兎人族と小柄な少女、初老の海人族に人間の青年と分かる馬鹿にするように鼻を鳴らし、魔法の詠唱を始めた。
マキシマルとしては、王都を守るために身命を賭して大軍とやり合うつもりなど毛頭なく、ただディセプティコン幹部達だけが目的だったので、行きたければ勝手に行けという気持ちだったのだが、舐めた態度を取られたとあっては黙ってるわけにはいかない。
まずスコーンが直ぐにビーストモードへと変身した。それを見て、取るに足らない相手だと侮っていた魔人族達は、馬鹿にするような笑みから一転、顔から血の気が引いた。
「
次の瞬間、スコーンは既に発光させていた背中から大量の棘を射出し、上空の魔人族と魔物達目掛けて嵐の如く襲い掛かった。魔人族も魔物達も、断末魔の悲鳴をあげる暇もなく、電柱並みに太い棘に貫かれて、原型も留めず木っ端微塵となっていく。その棘は容赦なく町中に降り注ぎ、先行していたディセプティコン達を民家ごと貫き破壊する。
その攻撃を逃げ延びたジェットストームが一頭、ユエとシアに襲い掛かった。しかし、その姿は全くの予想外。なぜなら二人とも追撃態勢に入っているどころか、襲いくる生物兵器を見てすらいなかったのだ。最初と同じく、ただ外壁の外を何かを探すように眺めているだけ。その背中は「眼中にもない」と言う事を、何よりも雄弁に物語っていた。
ジェットストームはそんな態度など気にした様子もなく、本能のまま巨大な口を開けて襲い掛かった。あと一人が、その場にいない事に一切気付かずに…。
「
「チャクバライッ!!?」
次の瞬間、空高く飛び上がっていたスラッグが、急降下しながらロボットモードに戻ると、電撃を纏わせた文字通りの鉄拳を振り下ろした。まるでゼウスの雷霆の如く、その鉄拳はジェットストームの背中に振り下ろされ、一撃で背骨を粉砕すると共に丸焦げにした。
そのままドシィン!と地上に降り立ったスラッグはビーストモードに変形し、スコーンの隣に並び立つと、2体は天を衝く雄叫びを上げた。
「「ガオオオオオッ!!!」」
「「「「「ギャアアアアッ!!?」」」」」
「うわぁっ⁉︎おいどうした⁉︎」
「こら待て!逃げるな!おい!」
「言うことを聞…ギャアアアッ!!?」
「よ、よせ!何す…ぐわぁ…!!?」
まるで雷鳴の如く凄まじい雄叫びに、攻撃を逃れた魔人族配下の魔物達の表情は、一瞬で恐怖のあまり青褪めた。目の前に立ち塞がる4体の敵、特に2体の金属の巨獣達が、自分達とは比べ物にならないレベルの強者である事を、動物的第六感で感じ取ったのである。
彼らが選んだ選択は単純明快、
今度は魔人族達がパニックに陥った。一瞬で同胞や同盟軍達が大打撃を受けたと思ったら、配下の魔物達が制御不能になり、一斉に逃走し始めたのだ。必死に落ち着かせようとするが、逆に魔物達に噛み殺される始末だその様子はまるで「よくも俺達をあんな化け物なんかと戦わせようとしたな!」と怒り狂っているようだった。
魔人族どもは仲間割れに近い形で自滅していくが、ディセプティコン達はそう甘くはなかった。第二陣と言わんばかりに新たなオービタルアサルトキャリアーやジェットストーム達が飛来し、クイックストライクの大群も大地を揺らしながら駆けてくる。
「完全に、王国側の戦力と思われたんじゃないですか?」
「これだけ建物ぶっ壊したのに仲間だと思ってんなら、奴等の目ん玉は相当節穴だな」
「…関係ない。思いたければそう思ってればいい」
「俺スラッグ、戦えればそれでいい」
四人は軽口を叩き合いながらも、サイクロナスをはじめとする敵幹部を探した。だが、連中は中々見つからないので、よもや、既に大迷宮の場所を把握していて空間転移したのでは、と内心不安になり始めたその時だった。
「ッ⁉︎皆さん!」
「んっ!」
「おっ!」
「任せろ!」
シアが警告を発すると同時に、ユエは躊躇うことなく時計塔から飛び退いた。直後、何もない空間に楕円形の膜が出来たかと思うと、そこから大量のミサイルが放たれ、ユエ達が直前までいた時計塔に襲い掛かった。すぐさまスコーンが口から大量の水を吐き出して、巨大な水の盾を作り攻撃を防いだが、一部は彼らとは別方向へと飛んでいくと、建物を根こそぎ吹き飛ばしていく。
「クソが!虫ケラの分際で、予知能力なんて反則だろ…!」
苛立たしそうな男の声が響くと同時に、楕円形の膜から身長9m程の逆三角形のロボットが現れた。スタースクリームだ。唾を撒き散らしながら浮かべる表情には、渾身の不意打ちが簡単に回避されたことに対する苛立ちが見て取れる。
そんな彼に対して、マキシマル一行はつまらなそうに鼻を鳴らすと、代表してシアがドリュッケンを突き付けながら啖呵を切った。
「オメーみたいな愚か者なんてお呼びじゃないんですぅ!今すぐサイクロナスのゴミ野郎を呼んでこいですぅ!」
生前は破壊大帝メガトロンの副官で、メガトロナス・プライムの補佐も務めた程の実力者であるスタースクリームに対して、並のオートボット戦士顔負けの挑発をするシア。亮牙と出会ってから、彼女も随分と逞しくなったものだ。隣では仲間達が笑いを堪えている。
一方のスタースクリームは、元来プライドの高い性格な上、多くのディセプティコンと同じく有機生命体を見下していた事から、シアの挑発に怒り心頭だった。通信を部下達に送ると、飛行艇が数百単位で集まり、シア達四人を包囲した。
同時に、何とかスコーンの攻撃から逃れ、逃げ出した魔物達を呼び戻すのを諦めた少数の魔人族が、クイックストライクやジェットストームに乗って王都への侵入を果たすと。マキシマル一行へ猛然と駆け寄ってきた。どうやら、ここで彼らを完全に仕留めるつもりらしい。
「下等な有機生命体と旧式ロボットどもの分際で、このスタースクリーム様を馬鹿にしやがったな!その巫山戯た口からたっぷり悲鳴と呻き声を聞かせてもらうぞ!」
片手から回転式の丸鋸を展開しながら、憎しみすら宿っていそうな暴言を唾とともに吐き散らすスタースクリーム。だが、ユエもシアも、スラッグもスコーンも、一切気にした様子もなく、不敵に笑みを浮かべながら言い返す。
「「「「お前達が聞くのは、俺/私達がお前達をぶっ潰す音だけだ(ですぅ)!!!」」」」
その言葉が合図になったかのように、マキシマル一行とディセプティコンの決戦が幕を開けた。
常人が喰らえば一瞬で骨まで焼き尽くされるブラスターの一斉照射に、大量のミサイルが雨のように降り注がれる。四方上下全てにディセプティコンがおり。視界は攻撃の嵐で埋め尽くされている。
しかし、ユエもシアも、スラッグもスコーンも、逃げ場のない死に囲まれながら焦りは一切なく、まして回避する素振りも見せずに佇んでいた。彼らが諦めたと見做したのか、飛行艇に乗ったディセプティコンの兵士達は、勝利を確信して歪んだ笑みを浮かべる中、参謀たるスタースクリームは警戒を怠らなかった。
「界穿!」
ユエが不敵な笑みとともに神代魔法のトリガーを引く。直後、二つの光り輝くゲートが飛来するミサイルとレーザーの前に重なるようにして出現し、マキシマルの四人は眼前のゲートに飛び込んだ。
最初は怪訝に思ったスタースクリームだが、直ぐにハッとなり振り向くと、自分達の背後にゲートが開いていた。
「なっ⁉︎畜生!」
ユエ達がゲートの向こう側に消え、大量のミサイルがゲートを通る瞬間、漸く罠にかかった事に気づいたスタースクリームは、自慢のスピードで回避が間に合ったものの、彼の部下の多くはそういかなかった。背後から自分達の放った一斉射撃の直撃を受け、大半が乗っていた飛行艇ごと爆散した。
「クソッ、まさか同時発動できるとはな…」
まんまと敵に出し抜かれたという屈辱に震えながらも、同時にゲートの二対同時発動という至難の業を実戦で成功させたユエに、スタースクリームは警戒を露わにすると、敵が何処に逃げたのか探す。
「スタースクリーム殿!あそこにっ!」
その時、部下の一人、
マキシマル一行としては、最早ハイリヒ王国は敵なので容赦するつもりはなかったが、好き好んで虐殺をする程歪んではなかったし、何より真下に民家が多過ぎて巨体のスラッグやスコーンには戦いづらかった。スタースクリーム自身が対決を望むなら、そのまま王都侵攻に踵を返すとも思えなかったので、外壁の外へ空間転移したのである。もちろん、万一、此方を無視してディセプティコン達が王都侵攻を続行すれば、その背中に向けて死神の鎌を振り下ろすだけだ。
スタースクリーム達もそれがわかっているので、ユエ達に背を向けることはない。そして、遠目にユエが右手をこちらに伸ばし手の甲を向けると指をクイクイと曲げる仕草をした時点で、ディセプティコン達の怒りは軽く沸点を超えた。
明らかな挑発だが、旧式のオートボットと、トランスフォーマーにとって下等生物に過ぎない有機生命体の餓鬼どもにしてやられ、戦力に大損害を被った上で「相手をしてあげる」という上から目線。自分達を宇宙一の高等種族と誇ってはばからない、ディセプティコン達にとっては最低最悪の侮辱だった。
「舐めんじゃねえ!ディセプティコン、あの屑どもを完膚なきまでに叩きのめせ!」
スタースクリームの罵声にも似た号令と共に、ディセプティコン達は一斉に襲いかかった。タイムラグのない致死性の魔法を連発するユエを警戒して、再びジェットストームの軍団を先行させる。地上からも、クイックストライクの大群がユエ達を標的に定め猛然と襲いかかってきた。
スラッグとスコーンは、大量に湧いてくる生物兵器の軍団に、さながらご馳走が来たと言わんばかりに迎え撃った。得意の水撃や雷撃よりも、純粋な肉弾戦で、ジェットストームやクイックストライク達を叩きのめしていく。
シアも宝物庫のおかげで、実質無制限と言ってもいいくらい大量に保管している炸裂スラッグ弾を惜しむことなく連発する。空で、あるいは地上で、シアの魔力が青白いムーンストーン色の波紋となって広がり、次の瞬間には衝撃波に変換され、ディセプティコンの飛行艇を破壊してゆく。
と、そこへ、スタースクリームが発射した大量のミサイルが殺到する。直撃すれば身体強化中のシアといえどもただでは済まない破壊の嵐。しかし、シアが慌てることはない。
「絶禍」
シアの眼下にユエの放った黒く渦巻く球体が出現する。超重力を内包する漆黒の球体は、さながらブラックホールのように彼女に迫っていたミサイルの軌道を下方に捻じ曲げてその内へと呑み込んでいった。
「ブラックホール…!メガトロン様がいたら欲しがったろうな…。おい、あのガキは俺が仕留める!他の連中はお前らに任すぞ!ちょうど追加の援軍も来たみたいだしな!」
「「「「「了解!」」」」」」
どうやらまずは前衛を務めるシアと後衛のユエを引き離して、各個撃破するつもりらしい。そうはさせじと、シアがユエの近くに退避しようとした時、背中に誰かを乗せたジェットストームが一頭、砲弾の如く突撃してきた。
空中にいたシアは、咄嗟にドリュッケンを振るって弾き飛ばそうとしたが、絶妙なタイミングで何台かの飛行艇も特攻を図ったため、そちらの対応に追われることになった。ドリュッケンの激発の反動を使用してその場で一回転し、襲い来た全ての敵をを放射状に吹き飛ばす。
急いで、正面から突撃してきたジェットストーム達と相対し直すものの、流石にカウンターを放つ暇はなく、また回避も間に合いそうになかったので、ドリュッケンを盾代わりにかざして防御体勢をとった。ドリュッケンのギミックが作動し、カシュンカシュンと音を立てて打撃面からラウンドシールドが展開される。
「貴様等だけはぁ!必ず殺すっ!」
ジェットストームの背中の上でそんな雄叫びを上げるのは、まるでミノタウロスのように一対の角を生やした、牛のような頭部を持つ醜悪な金属生命体だった。どうやらディセプティコンのようだが、ただ仲間を殺された怒りだけとは思えない壮絶な憎悪を宿した眼でシアを射貫きながら、彼女の構えたドリュッケンに衝突した。
押されるままにユエ達から引き離されそうになったシアは、体重を一気に増加させて離脱を試みるが、それを実行する前に、背後で空間転移のゲートが展開されてしまった。チラリと視線を向けてみれば、ユエ達の方も特攻を受けているところだった。
『皆さん!すみません!離されます!』
『ん、問題ない。こいつは私が殺っておく』
『シアちゃんなら大丈夫だろうが、気をつけろよ!』
『俺スラッグ、援軍どもをぶちのめす!』
ゲートに押し込まれる寸前、仲間達が「グッドラック!」とでも言うようにサムズアップしている姿を見て、シアは小さく笑みを浮かべた。その笑みを見て眼前の大黒鷲に乗った魔人族が再び憤怒に顔を歪めるが、シアは特に気にすることもなく、そのままそのディセプティコンと共にゲートに呑み込まれてユエから引き離された。
「そのヘラヘラと笑った顔、虫酸が走る!四肢を引きちぎって、貴様の飼い主の前に引きずって行ってやろう!」
ゲートを抜けた先で、相対するディセプティコンの第一声がそれだった。どうも他の連中違って、個人的な恨みあるようだと察したシアは、訝しそうに眉をしかめて尋ねてみる。
「…どちら様ですか?敵対してるとは言え、初対面の相手にそんな眼を向けられる覚えがないんですが?」
「赤髪の魔人族の女を覚えているだろう?」
シアは、なぜそこで女の話が出てくるのか分からず首を捻る。しかし目の前のディセプティコンは、それを覚えていないという意味でとったのか、ギリッと歯を食いしばり、怨嗟の篭った声音で追加の情報を告げた。
「貴様等が、オルクス大迷宮で殺した女だぁ!」
「……………………ああ!あの人!」
「きざまぁ~!」
明らかに今の今まで忘れてましたという様子のシアに、既に怒りのせいで呂律すら怪しくなっているディセプティコンは、ブラスターを展開して発砲した。しかし、射撃の腕前はお粗末なもので、シアは何でもないようにひょいひょいと避ける。
「ちょっと、貴方と彼女が何なんですか?さっきから訳わからないです」
「我が名はミハイル!カトレアの婚約者だ!」
「!ああ、なるほど……って、ディセプティコンと婚約してたんですか!!?」
漸く得心したシアだったが、あまりにも衝撃的な事実に仰天する。
どうやら目の前のディセプティコンは、オルクス大迷宮でハジメに殺された魔人族の女・カトレアが最後に愛を囁いた相手らしい。誰に聞いたのかは知らないが、自分の婚約者がマキシマルに殺された事を知り、復讐に燃えているようだ。
しかし、てっきり同じ魔人族だと思っていたので、まさかディセプティコンと交際していたのかと驚きを隠せないシアだったが、ミハイルはそれを否定する。
「俺は魔人族だ!ショックウェーブ殿に懇願し、神代魔法で肉体を改造して貰ったのだ!優しく聡明で、いつも国を思っていたカトレアを殺した貴様達に復讐するためにな!」
如何やら、ミハイルは元々魔人族だったようだが、マキシマルへの復讐心から、自ら志願して肉体をショックウェーブに改造させたらしい。醜悪な顔を更に歪ませながら恨みを吐くが、当のシアは普段の明るさが嘘のような冷たい表情となって、実にあっさりした言葉で返した。
「知りませんよ、そんな事」
「な、なんだと!」
「いや、戦士なら死と隣り合わせなのは当然でしょう?そもそもあの人だって虐殺に加担してましたら自業自得ですし…。確かに愛しい人を殺されれば、恨みを抱くのは当たり前ですけど、殺した相手がどんな人だったか教えられても……興味ないですし……あなたなら聞きますか?今まで自分が殺してきた相手の人生とか……ないでしょう?」
「う、うるさい、うるさい、うるさい!カトレアの仇だ!苦痛に狂うまでいたぶってから殺してやる!」
「まあ!その見た目にふさわしく随分醜い言い分ですね!亮牙さんは戦士として一撃であの人にトドメを刺して、首は取ったとは言え亡骸は辱められないよう荼毘に伏してあげたというのに!」
「黙れぇ〜!」
ミハイルは、癇癪を起こしたように喚きたてると、ジェットストームを高速で飛行させながら、再び銃を乱射しながらシアに突っ込んで来た。
シアは呆れたように鼻を鳴らすと、ドリュッケンを大きく振りかぶり、勢いよく振り抜いた。
「
次の瞬間、亮牙の「狩紅羅」にも匹敵する強烈な衝撃波が放たれ、ジェットストームに直撃、一瞬でその巨体を粉砕した。ミハイルは寸前のところで飛び退いて無事だったが、近くに飛んでいた飛行艇に飛び乗ると、操縦するディセプティコン兵を引き摺り落として乗り込んだ。
敵がそうしているうちに、シアは宝物庫から取り出した円盤に飛び乗ると、空中に躍り出た。目の前には未だ大量のディセプティコンが対峙している。尤も大半の連中は、元魔人族でありながら指揮官面し、あまつ仲間から飛行艇を奪ったミハイルに「何様のつもりだ」と罵声を浴びせていたが。
「ふっ、如何に貴様が強かろうと、空は我々の領域だ!貴様に勝ち目などない!」
自分のせいで士気が低下している事を気にした様子もなく、得意げにそう曰うミハイル。魔人族故の傲慢さか、改造の副作用で知性が鈍っているのか定かではないが、その姿はあまりにも滑稽だった。
シアもそう感じたのか、呆れたように溜息を吐くと上空を見上げる。しかし、彼女が見つめるのはディセプティコン達ではなく、地上の騒乱など関係なしとばかりに夜空を照らす満月だ。
「はぁ……
「ふっ!何を戯言を──」
さっさと終わらす。シアのその一言は聞き、ミハイルやディセプティコン達は嘲笑うような顔をするも、次の瞬間全員が驚きのあまり目を見開いた。
先程からはるか上空の満月を眺めていたシアが、凄まじいオーラを放ちながら、徐々にその姿を大きく変化させていったのだ。
「ガオオオオオオオッ!!!」
愛する亮牙に匹敵する、凄まじい雄叫びを上げるシア。あまりの気迫に、上空のミハイル達は硬直して、攻撃すら出来ない。やがて雄叫びが鳴り止むと、彼女の外見はすっかり変貌していた。
まず目を引くのは、その肌だ。お腹や手足など衣服から露わになっている部分はおろか顔に至るまで、まるで雪兎のように白くて柔らかそうな体毛に覆われ、文字通りの獣人のような姿と化している。頭髪も普段より長く伸び、普段は兎らしく丸っぽい尻尾も、まるで神獣のように長く伸びていた。顔つきも兎っぽさの滲み出たフォルムとなり、普段は蒼い両眼も恋人の瞳の如く赤く輝いている。
これこそシアが努力と鍛錬の末に、新たに得た力「
先程までとは一転して威圧的な雰囲気と、それでいて妖艶さも放つシアに、ディセプティコン達は硬直したままだ。当の彼女はそれを気にした様子もなく、宝物庫にドリュッケンをしまい、代わりに新たな武器を取り出した。
それは、一組の籠手だった。但し騎士がつける甲冑の籠手とは異なり、ティラノサウルスの頭部を模した形状となっていた。牙のように刃が並んだ巨大な口の部分の内部には、大砲のような砲口が備わっている。これこそドリュッケンに並ぶシアの新たな武器・トロススである!
「さてと、行きますよぉ!!!」
そう告げると共に、シアは肉食獣のように、なおかつ妖艶な笑みを浮かべながら、勢いよく大地を蹴り上げて、上空の敵達目掛けて舞い上がった。
ミハイルとディセプティコン達は漸くハッとなり、攻撃を再開するが遅かった。今のシアは先程までとは比べ物にならない程俊敏に動いており、照準を定める余裕すらなかった。敵が右往左往しているうちに、彼女は一台の飛行艇を標的に定めると、巨大な顎のようになった拳で思い切り殴り飛ばした。
身長2mにも満たない少女の腕力とは信じられない、何十トンレベルのパンチによって、飛行艇は乗っていたディセプティコンごと叩き潰され、そのままバラバラに砕け散って地上へと墜落していった。
しかし、シアは止まらない。最初の敵機を撃墜した瞬間には、次の標的に飛び移り、トロススで操縦するディセプティコンを掴んで引き摺り出し、別の飛行艇目掛けて投げ飛ばしては撃墜した。仲間の仇を討とうと別の飛行艇がブラスターを連射するが、彼女は素速くそれを避けると、トロススの内部に装備された砲口から炸裂スラッグ弾を発射し、更に敵を撃墜する。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラですぅ〜!!!」
某スタンド使いみたいな雄叫びをあげながら、王都の夜空を駆け回り鉄拳を振るうシア。月光に照らされながら敵を次々と仕留めていくその勇姿と、ときおりみせる妖艶さはまさに、月と狩人の女神・アルテミスのようであった。
対するミハイルとディセプティコン達は、完全に劣勢だった。これがスタースクリームが率いていたならシアも苦戦を強いられただろうが、所詮は多種族でしかないミハイルが偉そうに指示を出したところで、誰も従う筈もなかった。自分達だけで勝手に突き進んでいくも、悉くシアに撃墜され、あっと言う間に数を減らしていく。
「おのれぇ〜!これでも食らえ〜!」
最早自棄糞になったのか、ミハイルは懐からサッカーボール代の球を取り出すと、ブラスターに装填してシア目掛けて狙撃した。ちょうどシアはミハイル以外では最後の飛行艇を撃墜したところだったが、ミハイルの狙撃に気付き、トロススに内蔵されたブラスターで相殺しようとする。
しかし、これこそが敵の狙いだった。ミハイルはニヤリと嗤うと、何処から取り出したスイッチを押す。すると、発射された球から、大量の石の針が飛び出してきた。そう、この球の正体は、ディセプティコンの技術で製作された、一種のクラスター爆弾だった。
咄嗟に危険を察知したシアは、両腕を前に交差させ、頑強なトロススを盾がわりにして頭部や腹部などを守った。しかし、内包された石の針が多過ぎて完全には防げず、いくつかは肩や腕に突き刺ってしまった。
「フハハハハ、引っ掛かったな!それはコートリスの石針だ!これで終わりだ!」
石の針自体はそれほど大きなダメージではないのに、石針を喰らったのを見て一様に勝利を確信したように笑い出すミハイルに、シアは怪訝そうな表情をする。
その疑問の答えは直ぐに出た。針の刺さった部分から徐々に石化が始まったのだ。この石針の正体は、魔人族が好んで使役する魔物・コートリスの固有魔法である毒針だったのだ。普通は、状態異常を解くために特定の薬を使うか、光系の回復魔法で浄化をしなければならない。今、この戦場にはシア一人なので、これで終わりだとミハイルは思ったのだろう。仮に薬の類を持っていても服用させる隙など与えず攻撃し続ければ、そうかからずに石化出来るからだ。
しかし勝利を確信した表情は次の瞬間、唖然としたものに変わり、そして最終的に絶望へと変わった。
「むむっ、不覚です。けど、この程度じゃ私は倒せませんよ!」
何故なら、シアがそう言って刺さった針を抜き捨てると、広がろうとしていた石化がピタリと止まり、次いで、潮が引くように石化した部分が元の白い毛に覆われた肌に戻っていった。そして、最終的には、針が刺さった傷口も塞がり、何事もなかったかのような無傷の状態に戻ってしまった。
「な、なんで!!?どうなってるんだ!!?」
回復魔法が使われた気配も、薬を使った素振りも見せず、ただ少しの集中により体の傷どころか石化すら治癒してしまったシアに、ミハイルは一転して恐怖を浮かべ始めた。それは理解できない未知への恐怖だ。声も狼狽して震えている。
シアの傷が治ったのは、どうということもない。ただ再生魔法を使っただけである。適性はハジメに次いで高くないが、亮牙の派生能力により、自分の体の傷や状態異常を癒したり、亮牙にだけの専用治癒魔法「癒乳」などが出来るようになった。
更にはユエの「自動再生」程ではないにしろ、自動で発動する事も可能になり、多少の傷や単純な骨折、進行の遅い状態異常なら容易く癒すことが出来るようになったのだ。時間をかければある程度の重症でも大丈夫だ。
ミハイルが絶望するのも仕方ないことだろう。亜人とは思えないくらい圧倒的な破壊力に変身能力、回復機能まであるのだから、攻略方法が思いつかない。次第にシアを「歩く絶望」として見るようになった。かつて亮牙と敵対した連中が、彼に対してそう感じたのと同じように。
「それじゃあ、終わらせますよ!」
「ッ!!?うわぁぁっ!く、来るなぁ!」
狼狽えて硬直するミハイル目掛けて、シアは不敵な笑みを飛び上がってくる。その姿に、復讐心よりも恐怖を刺激されたミハイルは、先程までとは一転、怯え切った表情で銃を乱射する。飛行艇だけではなく改造した自身の肉体からも武装を展開して、如何に超人化しているとはいえシアの動きが止まった隙に仕留めるつもりだ。ミサイルも弾丸もレーザーも、あまりに高速かつ大量なので、認識して避けるなど不可能だ。
しかし、直後、ミハイルは信じられない光景を見ることになった。なんと、シアが降り注ぐ射撃の嵐避けているのだ。いや、正確には最初から当たらない場所がわかっているかのように、直撃する前に移動しているのである。
ミハイルの誤算。それは、シアには認識できなくても避ける術があったことだ。それこそが、彼女の固有魔法「未来視」の新たな派生技で、最大2秒先の未来を任意で見る事ができる「天啓視」だ。「仮定未来」の劣化版のような能力だが、それより魔力を消費しないので、何度か連発できる使い勝手のいい能力だ。日々、亮牙のパートナーとして相応しい女になろうと、鍛錬を続けてきたシアの努力の賜物である。
「何なんだ、何なんだ貴様は!」
「マキシマル指揮官夫人、シア・ハウリアです!!!冥土の土産に覚えておきなさい!!!」
狼狽するミハイルにそう返したシアは、全ての銃撃を避けると、右腕で飛行艇の操縦席な窓を破壊した。そして噛み付くかのように左腕のトロススでミハイルの胸ぐらを掴み、その怪力で5m以上の巨体となっていたミハイルを飛行艇から引き摺り出した。
「ぬぐぉお!離せぇ!」
「放しますよぉ、お望み通りぃ!」
苦しそうに呻くミハイルを、シアは勢いよく地面に向かって投げ落とした。しかしそれだけでは終わらない。彼女はトロススに魔力を込めて、エネルギーを高めると、墜落しつつあった飛行艇から飛び退いた。
そして、シアは大きく右腕を振りかぶると、声にならない悲鳴を上げながら落下していくミハイルの土手っ腹を殴り飛ばした。
「
「ゴバァァァァァッ!!?」
重力魔法と身体強化によって更に高められていたシアの鉄拳は、肉体を金属化して頑強になっていたミハイルの腹を粉砕し、同じく機械化していた内臓すらも容赦なく粉砕した。そのまま地面に勢いよく墜落すると、衝撃で墜落地点は、まるで隕石が墜落したクレーターのように地面に亀裂が入った。当然、大ダメージを受けていたミハイルの身体がそれ程の破壊力に耐えられる筈もなく、口から油圧オイルのような血を吐き散らし、上下真っ二つに両断されてしまった。
シアは叩き下ろした拳を上げると、処刑人の如くツカツカとミハイルに歩み寄る。最早虫の息となったミハイルは、朦朧とする意識を何とかつなぎ止めながら、虚ろな瞳をシアに向けた。その口元には、数で圧倒的に勝っていたのに全滅させられ、仇を討てなかった自分の不甲斐なさからか、ミハイル自身にも分からない自嘲気味の笑みが浮かんでいた。ここまで完膚なきまでに叩きのめされれば、もう、笑うしかないという心境なのかもしれない。
自分を見下ろすシアに、ミハイルは己の最後を悟り、内心で愛しい婚約者に詫びを入れる。それは仇を討てなかった事だけでなく、共に戦線から離脱してでも彼女の未来を守ってやれなかった、己の不甲斐なさも含まれていた。
「……ごほっ、このっ…げほっ……化け物めっ!」
「ふふ、有難うございます!」
掠れた声で吐き捨てたミハイル最後の口撃は、むしろシアを喜ばせただけだった。直後振り下ろされた、竜の顎門を模した籠手を見た後、ミハイルの頭は粉々に叩き潰された。
止めを刺したシアは、ミハイルの最後の言葉に頬を緩める。
「どうやら、ようやく私も、化け物と呼ばれる程度には強くなれたようですね…。ふふ、少しは亮牙さんに相応しい女になれたみたいです。さて、皆さんの方は……」
シアは、かなり離された仲間達のいる方を仰ぎ見ると、もしかしたら居るかもしれない仇敵を仕留めんと、仲間達に合流すべく一気に駆け出した。
〜用語集〜
・オービタルアサルトキャリアー
『ダークサイド・ムーン』から登場する、ディセプティコンの飛行艇の正式名称。ちなみに玩具化もされていたりする。
・スパイダーボット
ムカデに似た姿の小型ディセプティコン。腕時計に変形して人間の神経系に喰らい付き、実質的な監視下に置く。『ダークサイド・ムーン』でも悪役ディラン・グルードがサムに忍ばせた。
本作では腕時計だとトータスの世界観に合わないので、チョーカーに変形する設定にした。
・爆撃獣ミハイルダウロス
魔人族のミハイルが、ホルアドの戦いで戦死したカトレアの仇を討つべく、ショックウェーブに懇願して肉体を改造した姿。
生成魔法を獲得したショックウェーブによって、肉体は完全にサイボーグ化されており、頭部はミノタウロスのようになっている。一方でその副作用の影響か、憎悪が原作以上に増しており、思考も正常ではなくなっていたので、魔法は一切使えなくなった。
当然元が有機生命体なので、ディセプティコン達からの仲間意識はなく、スタースクリームからも捨て駒扱いされていた。
モデルは『超神マスターフォース』に登場したデストロンのプリテンダーの一人・爆薬攻撃参謀ダウロスから。当初は英名であるスカルグリンにする予定であった。
・雷蹄・威碗
電撃を纏った拳で落雷の如く殴り飛ばす、スラッグのオリジナル技。
元ネタは『ONE PIECE』のビッグマムの技「雷霆」と、ロシア史上最大の暴君と謳われたイワン雷帝から。
・威月
本作オリジナルのシアの技。
元ネタは勿論ビッグマムの「威国」。
・月の狩人
本作オリジナルとなるシアの能力。満月を見る事で、文字通りの獣人へと変貌し、身体能力を極限まで高める強化形態。
元ネタは『ONE PIECE』の「月の獅子」から。普段は可愛い兎キャラのキャロットが、この状態になると美人キャラになったのがお気に入りだったので、同じ兎キャラのシアの能力として採用した。名前は無論、『ビーストウォーズⅡ』のアルテミスの由来にもなっている、月の女神アルテミスから。
ちなみにこの能力を獲得できた理由は、主人公との情事を繰り返しているうちに、彼の遺伝子を取り込んだ事が影響している。シア当人は最初驚愕したが、身体に異常はなかったし、亮牙もその美貌の虜になったので、結構気に入っている。
・トロスス
本作オリジナルの武器。意味はギリシャ語で「逞しい」や「屈強」など。ティラノサウルスの籠手を模したガントレットで、ドリュッケン同様に重力魔法によって破壊力が強化されている。
モデルは『ゴッド・オブ・ウォーⅢ』の武器・ネメアのカエストス。名前の由来はティラノサウルスの仲間であるダスプレトサウルス・トロススから。
・王打兎満
シアの本作オリジナル技。「月の狩人」発動時にトロススを装備した状態で、何十トンもの破壊力を誇るパンチで殴り飛ばす。
名前の由来はバットマンやスーパーマンと並ぶDCコミックのヒーローであるワンダーウーマン。ちなみに彼女の本名ダイアナは、アルテミスのローマでの呼び名から由来しているとか。
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