思いついちゃったので、おまけです。
回答者 ・ 匿名の医療従事者
「あなたにとって、オリオンとは?」
「……藪から棒になんだマスター。頭になにか異常が? そうは見えんが」
「至って正常なのでご安心を。それより質問に答えてよ」
「健康体ならさっさと帰……待て、オリオン? 確か、アルテミス伯母さんの旦那だったか」
「え、恋人じゃないの?」
「知らん。どっちでもいい。単純な肉体構造については常人からかけ離れているので、
しっかり測量してサンプルを取りたいものだが。それをすると伯母さんが煩いんでね」
「あぁ、分かる」
「だが、強いて言うなら。女神にしては伯母さんは男の見る目が有る方なんじゃないか?
少なくともオリオンという男性と恋仲になれるような女性なんて、そういるもんじゃない」
「へぇ。意外と高評価なんだ」
「常に健康体で医者の手を煩わせないだけでも、僕にとってはありがたいことなんだよ。
それにこのカルデアで会って分かったことだが、彼は医者の命令を必ず守り実行する。
当たり前のことと言えばそれまでだけれど、これを真面目にやっている彼は好ましいとも」
「オリオンは絶対に約束破らないタイプだよね」
「だろうな。ああ、それともう一点。彼とは気が合いそうなポイントがあったか」
「というと?」
「―――――あのクソッタレ
回答者 ・ 匿名の双子神
「あなたがたにとって、オリオンとは?」
「……オリオン? ああ、アルテミスと恋仲になったとかいう、狩人風情か」
「兄様! もう……すみません。海神ポセイドンの子とはいえ、人の母から生まれし半神。
そういった理由で好ましく思っていないのでしょう。変なところで子供っぽいのです」
「ポルクス!」
「あはは……じゃあ、ポルクスはどう?」
「おい貴様。マスターと言えど俺の許し無く妹と言葉を交えるなど」
「シャラップです兄様。コークスクリューで鳩尾を抉られたいんですか?」
「くっ、よせポルクス! 構えるな! 呼吸を整えるな! ええいシャドーするな!」
「分かればいいんです。それで、オリオンについてですか……かの狩人は英雄に非ずとも、
それらに勝るとも劣らぬ伝説を幾つも打ち立てています。間違いなく、強き者でしょう」
「なら、強い人ってイメージなのかな」
「それもあります。しかしながら、ただ強いだけでなく、かの狩人は何よりも深い慈愛と
高潔なる精神を持ち合わせし稀有な強者でした。これに比肩し得る者は、世界広しと言えど
十本の指で収まる程度しかいないのではないかと、私は勝手ながらそう思っています」
「ふん! 下らん。ただ人間や神々と恋愛ごっこに興じていた愚か者ではないか……」
「シィッ‼」
「ごっ―――⁉」
「カストロ!」
「お気になさらず。ちょっとお灸を据えただけですから」
「えぇ…」
「まったく。かつての我らならばいざ知らず、今の我らは同じマスターを仰ぐ同志にして
同郷の英霊。彼の人は女人のみならず数多の女神すら魅了した、いわば『恋愛王』なのに」
「れ、恋愛王…?」
「そうです! 始めに育った村にて美しきシーデーを妻に娶り、その後はメロペー姫に
暁の女神エオスに、それからそれから!」
「あの、ポルクス?」
「………はっ! す、すみませんマスター。その、こちらに現界してから、後世に伝えられた
彼の物語や伝説を読み漁っていたので……幾多の乙女を射止めたのも頷けるなぁ、と」
「それは実際そう」
「実際に彼とお会いして、確信しました。彼にまつわる伝説に一切の虚偽も虚飾もないと。
穏やかにして聡明な人。戦いの場においては、苛烈にして慈悲深き人。ああ、間違いなく
彼は狩人オリオンなのだ。そう思わせてくれる、優しくも気高い御方でした」
「すっごく高く評価してるんだね」
「それはもう! 私とて女神であり、乙女なのですから! 憧れますよ!」
「ん?」
「あっ」
「―――――はっ⁉ ここは、俺はいったい?」
「……どうやら兄様も御目覚めの様子。楽しいお話はここまでとしましょう」
「う、うん。分かった」
「……ポルクス。何故か兄は腹が、鳩尾がズシリと痛むのだ。心当たりはないか?」
「あー、えっと、ひとまずお医者様に診てもらいましょうか」
「医者だと⁉ い、要らん! 行かんぞ俺は! もう消毒(物理)はごめんだ!」
「あっ、兄様! すみませんマスター、失礼します!」
「なんというか、気を付けて?」
「ふふ。はい、気を付けます。ああ、それとマスター」
「ん、なに?」
「…………先程の『楽しいお話』のこと、兄様には内緒ですよ?」
回答者 ・ 匿名の亡国の王子&太陽神
「ぼくにとって、オリオンさんはどんな人か。ということですか?」
「うん。簡単な印象を答えてくれるだけでいいんだけど」
『ヤツの名前を不用意に口にしないでくれ二人とも。寿命が縮む』
「えっと、あの………それはそもそもアポロン様が悪いのでは」
『違うんだパリスちゃん。アレはアルテミスの為を思ってやったこと。即ち正当防衛だとも。
マスター君の国にも「やられる前にやれ」なんて言葉が有るくらいなんだし、それと同じさ』
「へー! そうなんですか、流石物知りですね、アポロン様!」
『そうだろうそうだろう。もっと私を讃えなさいパリスちゃん。実に気持ちがいい』
「話を脱線させて逃げようとしないでアポロン」
「あっ。そ、そうですよアポロン様! そういうのは男らしくありません!」
『君がそれ言うの? そんなカワイイ
「カワイイ、ですか? そうかなぁ。ぼくはもっと強くてカッコいいのがいいのに…」
『それはいけない。人は皆、個性を持つ。それらはそれぞれが異なる輝きを放つ才能だ。
誰かと同じであろうとする人らしさの中にあって、人の枠を超えるための可能性の塊。
それこそが個性。何よりも得難いものだ。なので、君は今の姿のままでいておくれ』
「アポロン様…!」
「質問する相手間違えたかなぁ……」
『自分で好き放題しておいてなんだが、そこまで言わなくてもよくないかい?』
「自覚している分、余計タチが悪い……」
『はっはっは。ま、冗談はこのくらいにして。パリスちゃん、答えてあげなさい』
「あ、ハイ! そうですねぇ。ぼくは生前、オリオンさんと関わったことはありませんが、
そのお名前は聞き及んでいました。その頃にはもう、ギリシャ一の狩人としての通り名を
確立させていましたねぇ。噂に名高き狩人にお会いできて、本当に光栄でした!」
「じゃあ、憧れの人に出会えた、って感じかな」
「それが一番近いかもですね! なにせあの方は、乙女の憂いを晴らす為だけに空を射抜いて
雲を貫き、太陽の輝きで以て乙女の心を照らしたという伝説を持つ人ですから!」
『アレね。当たらないって分かっててもビビり散らしたもんだよ。思い出すだけで寿命縮む』
「寿命って……有って無い様なものでしょ、神様?」
『まあね。けど、驚いたのは本当さ。あの男がキオス島から天空に大穴開けてみせたアレ、
後世じゃヘファイストスに鍛造された神器あってこそ、みたいに言われてるようだけど。
純然たる奴自身の腕力の成せる技だよ。たかが人の身で、よくぞあそこまでやるもんだ』
「神器って、あの弓と棍棒?」
『ああ。奴がヘファイストスから与えられた神器は、あくまで奴が最初の妻であるシーデーを
助けられなかった罪悪感を払拭させようとする力しか込められてない。いわば浄化宝具だ。
そんなものに、天空を射抜く権能なんてあるわけがない。アレこそ本当に奴の伝説さ』
「………アポロン様」
『ま、今更になって言うのもどうかと自分でも思うけど。それくらいには認めていたさ』
ギリシャ鯖って多いようで少ないから書きづらい……。
ご意見ご感想、並びに批評や質問などお気軽にどうぞ!