意外なメンツと思われるかもしれません。
あと、ここで回収する気のない伏線を張る暴挙。
こっちはいつか友人が書いてくれるのを気長に
待ちましょうそうしましょう(丸投げスタイル)。
回答者 ・ 匿名のコサラ王子
「あなたにとって、オリオンとは?」
「オリオン。その名には聞き覚えがあるぞ。夜空に輝ける三つ星の狩人の事だな!」
「うん。君は彼をどう思ってるのかなって」
「随分あやふやな質問だな……しかし、うむ。無理難題を遂げてこそ王にして英雄!
その問答、受けて立とうではないか! ん? 問答? これは、知恵を競う問答なのか?」
「単純な質問だよ…」
「なんだ余の早とちりか。済まなかった」
「謝ることでもないって」
「で、あの狩人殿について余が思うところはあるか、そういう問いであったな。ふむ」
「なにかある?」
「……そう、だな。彼もまた英雄に他ならぬ者であることは間違いないのだろうが、
あまりにも余や並び立つ万夫不当の豪傑とは成り立ちが異なる故、言葉にし難い…」
「言われてみれば、オリオンは誰かと戦ったとかそういう話はあんまりないもんね」
「ああ。しかし、だからこそ余は憧れる。神々に愛され、人々に愛されし綺羅星の如き男!
伝説的な偉業や英雄的所業を成さないながらも、その力で以て英雄の領域へと至った男!」
「やっぱりラーマも男の子だよね」
「はは、そういうマスターこそ。オリオンは男として生まれたからには目指すべき山頂だ。
そしてこのカルデアには、彼が在る。正直、余は召喚されたクラスをどうにかして変更
したいとすら思ったほどでな。ううむ。やはり無理やりセイバーになるのは早計だったか」
「…そういえばラーマの宝具って、元々は射出武器だったんだっけ」
「そうだ。かの悪王を貫く刃【
しかし余はセイバーとして現界したかったので、ちょっと強引に宝具を弄って、な」
「……弓矢だってカッコいいと思うけど」
「弓矢を侮るつもりは毛頭ないぞ! ただ、その、刃を振るう余の方が……」
「ああ。そっちの方が〝っぽい〟って思ったわけか」
「ぐっ……くっ、否定しきれん!」
「まぁまぁ。宝具はいいとして、オリオンについてはどうなの?」
「ん、そうだったな。あの御仁とはよく話をさせてもらっている。とても理知的で博識で、
狩人とは思えぬほどの賢人ぶりであると感じたな。流石に神器を賜るほどの器は格が違う」
「話って、どんな?」
「……それは、その」
「???」
「し、シータ……妻の話をしている。彼もまた、強大なる存在に妻を奪われし者である。
一方的に親近感を覚えてしまっていて、ついそういった話を持ち掛けてからは幾度も」
「そんな共通点で…」
「無論。彼と言葉を交え、すぐに己の愚かさを呪ったよ。余のなんと浅はかなことかと」
「どうして?」
「……余は、シータを一度は取り戻すことが出来た。その後で結局離れ離れになったが、
再会を喜び合う時をほんの僅かながらに噛み締める事は叶った。けれど、彼は」
「……そっか」
「己の迂闊さに気付き、すぐさま頭を下げたさ。そんな余に、彼は何と言ったと思う?」
「……なんて言ったの?」
「――『王よ。どうか頭をお上げください。御身の思い一つとて、我が身に余る光栄だ』と」
「…オリオンらしいね」
「態度で以て示すことよりも、余が「申し訳ない」と心の内で感じたことすら身に余る。
彼はそう言ってくれた。不甲斐なく軽薄な感情で歩み寄った余を、優しく赦してくれた」
「……そういう人だから」
「きっと彼は、自らの命を奪った相手ですら、ああして微笑みながら許すのだろう」
「………」
「なんという清廉。なんという誠実。なんという聖心。その心は人としての高みにある。
余にはできない。愛する妻を奪われる憤りを納得させることも、己への冒涜を微風のように
受け止めてしまうことも。あるいは彼こそ、〝施しの英雄〟の名に相応しいのかもな」
「それをオリオンは望むのかな?」
「……世に言う聖人に比肩しうる精神性であろう。つくづく、理想とは遠いものだ」
回答者 ・ 匿名の憤怒の化身
「あなたにとって、オリオンとは?」
「あァ? オリオンだァ? それって、あのオリオンのことか?」
「そう。カルデアにもいる、あのオリオン」
「……俺にとってのアイツ、か。一人の男として、一人の戦士として、一人の英雄として。
その悉くが俺より遥か高みに位置する存在だ。ムカつくしイラつくが、認めるしかねェ」
「でもオリオンは狩人であって、戦士じゃないよ?」
「同じだマスター。俺たちの生きた時代、生きた世界じゃ、狩りは戦士階級の者が行う儀式。
それだけの技量と実力を伴わなければ出来ないことだからな。アイツはそれを生業とした。
ならば、ならば。あのオリオンは間違いなく、戦士としても超一級の存在なんだよ」
「なるほど…アシュヴァッターマンはそう思うんだ」
「まったく業腹だけどなァ。俺はバラモンにて最強と謳われし戦士! 誇りも当然ある!
だが、俺はあの大戦争で禁忌を犯した。戦士としての法を、掟を、破り背いたんだ」
「……夜襲、だよね」
「あァそうさ! やってはならないとされていた、騙し討ち! 卑劣なる手段を敢行した!
その結果として俺は多大な戦果を挙げた! 多くの敵を殺し、多くの血を流した! しかし!
それはもはや戦士としての所業に非ず! ただの殺戮! ただの騒乱に成り果てたんだ!」
「………ごめん」
「謝るンじゃねぇよ! テメェは何も悪くねぇだろうがマスター! 俺が言いたいのはなァ!
戦士としての逸話もなく、戦士としての功績もなく、しかし士道に背く愚行を一度たりとも
犯すことなく堂々たる己を誇り生きた、あの最強の狩人が羨ましいってだけなのさ‼」
「羨ましいの?」
「当然だろ! 戦士とはすなわち、正しきに則り悪を滅する〝倫理の体現者〟に他ならねぇ!
俺たちの時代もそうだった! 卑怯卑劣をした者はもはや戦士ではない、悪辣なる外道!
人としての道を踏み外す愚者も、人に仇なす害悪も、真正面から打ち倒す正当性の具現!」
「それが、戦士」
「そうだ! それこそが戦士! それこそが俺たちの生き方、生き様だった!」
「……だから。最期まで自分を曲げずに生きられた彼が、羨ましかった?」
「――多分な」
「自分でもよく分かってないんだ」
「……きっと、似てるからってのもあんだろうな。あのバカ野郎によ」
「え、誰のこと?」
「ハッ! 決まってんだろ!
回答者 ・ 匿名の授かりの英雄
「あなたにとって、オリオンとは?」
「……いきなりですね。しかし、マスターからの問いかけであれば、答えねばなりません」
「そんなに難しく考えなくてもいいよ」
「そうですか。ええ、了承しました。かの三つ星の狩人について、ですね」
「うん。なにか印象とか、感じたこととかはある?」
「印象、感じたこと……彼の人柄はとても高潔で、誠実で、まさしく英雄然としています」
「ふむふむ」
「私にはそれが、少々眩しく思います」
「眩しい?」
「ええ。あるいは、羨ましいと言い換えてもいいでしょう。彼は、理想の英雄像ですから」
「アルジュナだって立派な英雄じゃないか」
「……いえ、いいえ。マスターのお言葉は嬉しく思いますが、それは正しくありません。
私は立派などではない。醜く薄汚れた、唾棄すべき悪。戦士としての誇りを持つことすら
烏滸がましい邪悪なる者。いったいどうして私と彼が対等な英雄として並び立てましょう」
「そんなこと…」
「彼は同じです。あの男――私が撃った、
「……アシュヴァッターマンも、似たようなことを言ってたよ」
「そうでしょう。彼は私に憤怒を向け、あの男には友好を向ける。私とはまた違う視点で、
オリオンという綺羅星をあの男と同一視したのだと思います。その一点だけは同意します」
「でも、どうして?」
「どうして、ですか。それは……」
「それは?」
「同種、同類、と。そう呼ぶべき人物像だからでしょうか」
「どういうこと?」
「あの男も彼も。ともに、
寄り添う者を、大切なものを、想いを、理想を、願いを、尊厳を。そして、その命までも」
「…………確かに」
「ですが彼らは、それらを受け入れた。よしとした。奪われることに納得し、承諾した。
何度貶められようと、何度手酷い仕打ちを受けても、誰かから奪い返すことをしなかった」
「………」
「私にはそれができない。できるわけがない。与えられ、授けられ、奪い続けてきた私には」
「そんなことは」
「しては、いけないのです。マスター。私は『授かりの英雄』、即ち〝略奪〟の象徴」
「違うよ。アルジュナ、君はそんな人じゃない」
「……こればかりは誰にも、私自身にすらも否定できるものではないのです」
「………」
「だからこそ。ええ、だからこそ私には、オリオンという綺羅星が眩しく見えてしまう」
「アルジュナ……」
「持つ者と持たざる者。奪う者と奪われる者。この関係性が覆ることはない。未来永劫」
「だとしても俺は、アルジュナが英雄だって信じてる」
「……ありがとう、マスター」
「ううん。当たり前のことを言っただけだから」
「……ああ。貴方も、そうだったのですか」
「え?」
「いえ。何も。ただ、少し。私には貴方たちが眩しく思えてしまいます」
回答者 ・ 匿名の施しの英雄
「あなたにとって、オリオンとは?」
「俺にとっての彼への評価が、マスターにどう益するかは不明だが…」
「ああ、うん。俺にというより、お願い事みたいなものだから」
「そうか。分かった。俺が抱く彼への心象を解答すればいいわけだな」
「そういうこと」
「了解した。そういうことであれば……ふむ。うまく言語化できる自信は無いが。
そうだな。夜空を彩る三ツ星の狩人。その人柄は何より誠実で高潔。懐の広い男だ」
「オリオンはそういう人だってみんな思うんだね」
「ああ。しかし、彼の本質は――
「孤独…?」
「神と人との間に生まれし種の超越者。人間という存在の臨界を極めし〝窮極の
「窮極の……」
「通常の人間とは異なる出自、異なる力量、異なる才覚。これらは紛れもなく誇るべきもの、
誉れあるものであることは想像に難くない。だが、
「それって……」
「人は誰かを羨まずにいられない生き物だ。神は誰かを恨まずにはいられない
何者かにとっての誇りは、何者かにとっての驕りであり、誉れもまた同様である。
少なくとも俺や彼は、そのように生を受け、終えた。理不尽に、苛まれ続けた」
「………」
「それ自体に否や不服はない。俺は自分の生涯に満足しているし、あれでいいと思っている。
ただしこの感慨は俺個人の意思だ。俺如きが、オリオンの意思を語ることなどできない。
似ていると客観視することは可能だろう。しかし、
「オリオンは、カルナとは違う? そんなの当り前じゃ…」
「その通り。当然のことだ。故に俺は、彼に後悔の感情があったかどうかを語れはしない。
後悔があったかもしれない。慙愧があったかもしれない。憎悪が、あったかもしれない」
「それは……」
「彼に友はいない。彼に伴侶はいたが、再会は叶わない。彼の生涯に、理解者はいない。
どこまでも孤高で、孤独で、孤立した星空の綺羅星。それがオリオンという男の本質だ」
「そんな、それじゃあ」
「勘違いするな、マスター」
「え?」
「オリオンは孤独だったのだろう。しかし、それはあくまで彼の生涯においての話」
「それってどういう…」
「今は、このカルデアに召喚された現在では、彼を孤独に追いやる人も神も、誰もいない。
時代も国も超えた友誼を交わし、かつての旧交を温め、思わぬ再会を享受している」
「………」
「そしてマスター、お前に出会えた」
「お、俺?」
「そうとも。遥か未来に生まれ、そして今を生きる者。己の刻んだ生涯に憧憬を抱く者。
それを拒む彼ではない。それを厭う彼ではない。彼は、お前の全てを受け入れるはずだ」
「すべてを…?」
「ああ。おぼろげながらに俺の霊基が―――
「カルナ…?」
「……あの時もそうだった。オリオンはいつだって、
「え?」
「俺は知っている。俺は証明できる。彼は、正真正銘の、英雄であると」
いったいどこの聖杯戦争の記録なんだろうね⁉
なお書くことは無い模様。
友人U、頑張ってね。期待してるよ。
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章分けについて…おまけ編と本編の順序を入れ替えても良いでしょうか?
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いいよ
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ダメだよ
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どっちでも