もしも、オリオンがクソ真面目な堅物だったら   作:萃夢想天

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どうも皆様、萃夢想天です。

好評につき、モチベが上がって筆が進みます。
皆様からの感想やコメントに反応することができず
すみません。ですが、いつも心待ちにしております。

しかし、改めて一部初期のストーリーと二部のソレを
比べてみるとテキスト量も表現も何もかも違いますね。
良い意味でですけど。ホントFGOと出逢えて良かった。


それでは、どうぞ!





第三特異点オケアノス編・その2

 

 

 

 

 

四方を終焉に囲まれたる有限の海洋で、カルデアは真の敵と相対する。

 

これまでカルデア一行は魔術王の聖杯を所有する〝黒髭〟を特異点化の原因と睨んでいた。

ところが、その部下として潜んでいたトロイア戦争の英雄【ヘクトール】の裏切りにより

本当の黒幕の正体を知ることとなる。ヘクトールが聖杯と女神エウリュアレを捧げた相手、

それは――世界最古の海賊団とも呼ばれる、英雄船団の長【イアソン】であった。

 

ギリシャ神話に刻まれる英雄の集う船『アルゴー号』を駆る、自信過剰な自称賢人。

彼は傘下であるヘクトールと若き日の己の妻【メディア・リリィ】、そしてアルゴー号に

集った英雄の中で最強の名を冠するギリシャの雄【ヘラクレス】を従え、カルデアを襲う。

 

当初はヘクトールとメディア・リリィがそれぞれ攻撃してきたが、どうにか撃退に成功。

しかし、これによりカルデア勢の現行戦力の把握を終えたイアソンは、最強最大の鬼札の

ヘラクレスを戦線へ投入。数多無数の英雄の中でも最高峰の知名度を誇る、生きた災害を

相手に、カルデアは苦戦を強いられていた。

 

 

「ごめんなさい、私では押し切れないわ。ヘラクレス、やっぱりアナタの出番ね?」

 

■■■■■■■――――!!!

 

「く……っ!」

 

 

岩塊のような大剣を手に、『アルゴー号』の甲板を踏み鳴らす鉛の巨人。

その赫奕と燃え盛る炎のような瞳は、理性を失い凶暴性を剥きだしになって血走っている。

対話は不可能。カルデア管制室からの通信でクラスは「バーサーカー」と確認された。

 

迫りくる破壊の化身。カルデア一行に緊張と悪寒が奔る。

 

 

「はな、れる、な!」

 

「なに言ってるの!? 迷わず逃げるのが当然でしょ! アレはヘラクレス!

 人類史上最強の英雄(かいぶつ)なの! 災害と変わらない! 立ち向かって勝てる目はないわ!」

 

「ですがっ!」

 

「雪崩に立ち向かう人間は勇者じゃなくてただの無能、でしょ?

 そんな無能を、私………何人も何人も見てきたもの。だから、ここは逃げるの」

 

 

女神エウリュアレが即座に撤退を叫ぶも、マシュや人類最後のマスター藤丸立香は未だに

応戦の構えを解いていない。人間の諦めの悪さを甘く見た彼女は、少年少女を更に叱責

しようとするが、そんな小柄な彼女をヘラクレスから遮るように、アステリオスが立つ。

 

 

「なに、してるの? ダメ、やめなさい! アステリオス! 勝てないんだってば!」

 

「……わかって、る」

 

「だったら!」

 

「――でも、だれかが、やらな、きゃ。それなら、おれが、いい」

 

「なんで…?」

 

「だって、おれ、かいぶつ。なんにんも、こども、ころした。おそろ、しい、ばけもの。

 なんにんも、なんにん、も。ころし、て、きた。だから、おれが、やらなきゃ……!」

 

 

雷光(アステリオス)は自責の念を吐き連ねる。それは、彼が迷宮の怪物(ミノタウロス)であった時に背負った罪業。

奇しくも英雄と化け物は表裏一体。人類史を救わんとする英霊である彼は、同時に人を

喰らい殺して無数の屍を積み上げた恐怖の怪物でもある。この罪からは逃れられない。

 

バーサーカーの霊基故、理性をほぼ消失した状態であっても、彼は苛まれ続けていた。

 

 

「おれが、やるんだ…! おれが、たたかう…! かいぶつ、は、かいぶつ、が…‼」

 

 

四肢に力が籠められる。ミシミシ、と『アルゴー号』の甲板の木板が悲鳴を上げる。

鉛色の荒ぶる怪物に相対するは、牛の頭に人の身体で生まれ落ちた怪物。

人の及ばぬ領域に至った二匹の化け物が、言語も感情も捨て、本能のままに対峙した。

 

 

「う、あ、アアアァアアアァァアアァアアッッ‼‼‼」

 

■■■■■■■――――!!!

 

 

咆哮、轟く。

 

二匹の怪物がそれぞれ、岩塊が如き武骨な剣と二振りの大剣斧を振りかざし、激突。

片や理性を奪われようと肉体が記憶している研鑽された武練を遺憾なく発揮しており、

片や理性を持たずとも我武者羅に人の鍛えた武具を振るい、英雄の最高峰へ追い縋る。

 

ぶつかり合う、巨躯と巨躯。荒れ狂う嵐よりもなお激しい戦闘が繰り広げられる。

だが、それも長くは続かない。ヘラクレスが横薙ぎに振るった剣を両手の剣斧で一度

受け止めたアステリオス。その直後、すぐさま懐へ潜り込み、牡牛が鉛の胸を貫く。

 

 

■■■■■■■――――………

 

 

そして、鉛の巨人が膝をつく。あれほど恐ろしい威圧感を放っていた怪物が倒れたのだ。

アステリオスの剣斧で刺突された胸から夥しく血を流しており、並の英雄ならば確実に

事切れているであろう。そう思わせる光景を一笑に付して、イアソンは現実を告げた。

 

 

「おー、頑張るじゃないか雑魚のくせに。大健闘した君らに、とっておきの情報だ。

 いいか? ヘラクレスはね―――死なないんだよ」

 

「……え?」

 

「コイツの最も有名な伝説(エピソード)、知ってるかい? 神より与えられし十二の試練の事を。

 凡百の英雄なら一生をかけて一つを攻略できるかどうか、って難易度のソレらを、

 全て踏破してみせた逸話さ! その報酬として、十二回分の命のストックを付与された」

 

「十二回分の命、だぁ…?」

 

「ま、つまり……あと十一回殺さなきゃヘラクレスは止まらない。健闘を祈るよ」

 

 

軽薄な嘲笑を顔に張り付けて嗤うイアソンに、改めて大英雄の理不尽さを痛感する。

 

 

『ふ、不可能だ…! イカサマ過ぎるぞこんなもの…!』

 

「――撤退だ! 野郎ども、撤退するよ! 船に戻りな‼」

 

 

通信越しに蒼褪めたドクター・ロマンを揶揄う者など誰もいない。

眼前に迫る圧倒的脅威を前に、イアソンの言うところの凡百程度でしかない彼らは、

慌てふためきながら戦線からの離脱を決意したドレイクの言葉に、カルデアも動く。

 

命からがらの敗走劇。それを()()()側のイアソンは、たまらないとばかりに哄笑する。

 

 

「はははははっ! いいねぇ、最高だ! 圧倒的な武で敵を完膚なきまでに駆逐する!

 これが『正義』の醍醐味さ! そう思うだろう、なぁ? ヘクトールよ!」

 

「ん~……まぁ、ヘラクレスが出張ってくれんなら、楽でいいですけどねぇ。

 ああ、それから。ほい、こちらが聖杯ですぜ」

 

「おお、コレが聖杯か! うん、いいじゃないか! 英雄に相応しい輝きだ!」

 

 

ギリシャ中の英雄を乗せ海を渡った『アルゴー号』の舵に肘を置き、物見遊山気分で

戦場を見物するイアソン。その背後で頭を掻きながら溜息を吐いたヘクトールは、

黄金に輝く魔力塊――聖杯を手渡す。膨大な魔力の結晶に魅入られた男は笑みを深める。

 

 

「この世界の王として君臨する私への献上品としての資格は、充分と言えるだろう。

 私の前の所有者が愚劣で野蛮極まる海賊であったことだけが、残念でならないがね」

 

「それに関しちゃ今更どーこー言われてもどうしようもないんですが」

 

「安心しろ、私もそこにケチはつけないさ。後はエウリュアレと、『契約の箱(アーク)』だな。

 それで全てが揃う! この二つを手にした時こそ、世界は私を王として迎え入れる!」

 

 

高らかに、最高の気分であることを唄うように、イアソンは己の目的を口にした。

ヘラクレスという絶対的な障害と対峙せざるを得ない状況でも、通信を常時オンにして

周囲の音声を緻密に拾い上げるカルデア管制室には、敵首魁の狙いが聞こえていた。

 

 

『アーク……!? 契約の箱(アーク)だって!?』

 

「……あの、キャプテン? それバラしていいんですかねぇ?」

 

「ハハ! 構わんさヘクトール! どうせここでヘラクレスに潰されて海の藻屑となる

 運命なんだ! 聞かせてやったところで、何の問題がある?」

 

「いや、まぁ、ねぇ。キャプテンが問題ない、ってんならいいんですが」

 

「いいんだよ! 聞こえたところで何が分かる? この世界の事も! この時代の事も!

 我らの真意も! 何一つ理解できやしないのさ! 愚かで矮小な海賊風情にはねぇ!」

 

(……なぁんも理解できてやしないってのは、お互い様だと思うが。黙っとくか)

 

 

既に勝利を確信した物言いで、逃走の準備を始めるカルデアを眺める英雄船団長。

まるで新しいおもちゃを買ってもらった子供のように御機嫌な様子の彼は、すぐ背後で

冷徹な視線を向けてくる部下がいる事に気付かない。視線の主は気付かせないのだが。

 

ドクター・ロマンが拾ったイアソンの目的。それを達成する手段の一つは、こちらの

女神エウリュアレだという事は判明している。なら彼らに残された反抗手段の最善手は、

何としてでも女神を彼らの手に渡さない。たったそれだけであった。

 

 

「さぁ、ヘラクレス! いつまで遊んでいるつもりだ? さっさとトドメを刺せ!」

 

 

だが、現実は無情である。

 

健気にも抵抗するカルデア一行に、さらなる絶望がイアソンの命令として襲い来る。

足止めだけでも精一杯だというのに、船長の指示でいよいよ力を入れ出した大英雄の

重く速い一撃が英雄たちを蹴散らす。堅牢な守りを持つマシュすら剛腕で弾き飛ばし、

同等の巨躯を誇るアステリオスを目にも止まらぬ斬撃の雨で屈服させ、前進を許す。

 

結果、遊撃手として牽制射撃を続けていたアルテミスとオリオン以外に有効打は無く、

遠方からの狙撃など『心眼(偽)』スキルで無効化できるヘラクレスを止められない。

 

ただ守られるだけではない、という小さな反骨心で戦線に出ていたエウリュアレの前に

ヘラクレスがやってくるのは、当然の事である。

 

 

■■■■■■■――――!!!

 

 

狂戦士の咆哮を浴びせられた愛の偶像は、弓を構える事すら止め、諦観を受け入れる。

 

 

「――これは、ダメね」

 

 

此処は海上であり、船上である。サーヴァントならば霊体化も可能ではあるものの、

それができるからなんだ、というレベルの話なのだ。なにせ相手はヘラクレスなのだから。

 

ギリシャ神話が誇る無双の大英雄が、自らを狙う。その絶望に、女神は耐え切れない。

 

心の底すら冷え切ったエウリュアレ。そんな彼女を、鉛の巨人の影が覆う。

岩塊のような剣を振り上げ、今まさに目の前の小さな少女へ振り下ろさんとする姿で。

 

 

「はぁ!? おいバカ! やめろ! テメェ、ヘラクレス! 止めろ!

 段取りが狂うだろうが! よせ、その女を殺すな! オレの命令が聞けねぇのか!?」

 

 

これに驚いたのはカルデアだけではない。アルゴー号で高みの見物を決め込んでいた

イアソンの度肝まで抜いていた。彼の目的はあくまで女神エウリュアレを手に入れる事。

手にかける事では断じてない。脳の溶けたバーサーカーに生け捕りを要求する時点で

イアソンの落ち度ではあるのだが、そうとは思わない彼は隠していた本性を剥きだしに

してまでヘラクレスの蛮行を止めようとする。

 

もう間に合わない。ヘラクレスの一撃を止められる英雄が、何処にいるだろう。

その戦場に居合わせた誰もが、エウリュアレの惨死を確信し、絶望で心を染め上げた。

 

――ただ一人を除いて。

 

 

「ぅ、ガあああアあぁぁァァぁッ‼‼」

 

「……っ! あすてり、おす…? アステリオス――!?」

 

 

大英雄の振り下ろした剣を、寸でのところで剣斧が受け止める。

それを握るのは、奪われた女神を取り戻し、必ず守ると誓いを立てた一人の英雄。

怪物の忌み名を背負った彼は、小さな愛の偶像を背に庇い、暴虐の巨人へ立ち向かう。

 

まさしく、雷光の如く力強い咆哮を轟かせたのは、アステリオスである。

 

 

「ダメよ、もう! 敵わない! 私たちはソイツに、ヘラクレスには勝てないの!」

 

「ぐ、う、ううううっっ‼」

 

「無理なのに……立ち向かっちゃダメなのに…! どうして…!」

 

 

女神はその愛らしい貌に悲壮を湛え、全身を軋ませながら英雄の一撃を耐える男の背を

見上げる。彼女は自らの死を半ば受け入れていた。それで世界が救われるのなら、と。

 

しかし、彼は、雷光は。小さな女神の死を、傷を、決して認められなかった。

 

それは単に愛情や恋慕の絡みではなく。ただ、彼が彼である為の、贖罪。

 

 

「……なにも、しらない、こどもを。ころ、した。ころして、ころして、ころした!」

 

 

既に命を失い、伝説に刻まれ、死後に人理の影法師として魂とは分離した英霊となって

今なお彼の心を苛む後悔。英霊アステリオスは、永遠に怪物としての所業を赦せない。

 

 

「ちちうえ、が、そうしろ、って! おまえは、かいぶつ、だから、って!

 めいきゅう、に、いれられ、て、いけにえ、ささげ、られて、ぜんぶ! ぜんぶ!」

 

 

子は親のいう事を聞くものだ。何時の時代でも、どんな場所でも、変わらないものだ。

彼は純粋であったが故に、言われるがまま実行した。それが過ちと気付いた頃にはもう、

全てが遅過ぎたのだ。

 

 

「ぜんぶ……オレの、せい、だ。はじめから、きっと、ぼくのこころは、かいぶつだった」

 

 

英雄の大剣に力が籠められる。怪物の持つ剣斧にヒビが入り、均衡が崩れていく。

地に伏せさせようとする巨大な一撃から彼を救おうとする立香少年とマシュ。

けれど悲しいかな。凡人と少女の力だけでは、神すらも下す超人には無力である。

 

諦めずにヘラクレスへの攻撃を続ける彼らの耳に、アステリオスの言葉が突き刺さる。

 

 

「でも、みんな、よんで、くれた…! ぼくの、なまえ…! よんで、くれたから…!」

 

「アステリオスっ…!」

 

「だから、もどるん、だ! ゆるされなくて、いい! みにくいままでも、いい!

 おそろしい、かいぶつの、ままでも……こころ、だけは、にんげんに、もどるんだ!」

 

 

それは罪の懺悔か、あるいは人として生きようとする力の限りの宣言か。

砕かれかけた剣斧を握りしめる怪物――否、女神にとっての英雄がゆっくりと立ち上がる。

大英雄ヘラクレスの振り下ろした剣をそのままに、押し上げる形でアステリオスが立つ。

 

彼が宿しているAランクの『怪力』スキルの恩恵か。決意が全身に漲ったが故の力か。

悉くを捻じ伏せる怪力無双の権化を、その心に輝きを取り戻した英雄が跳ね退けた。

 

 

「えうりゅあれ、は、わたさない…!」

 

 

誰もが、彼を見つめる。その戦場に立つあらゆる英雄が、凡人が、雷光を目に留める。

それは英雄たちをまとめ上げたイアソンも、智謀に長けたトロイアの守護者も例外でなく。

決意に満ち満ちたアステリオスという一人の男を、その場の誰もが目に焼き付けていた。

 

 

――その覚悟を初めから信じていた、一人の狩人を除いて。

 

 

「よくぞ言ったものだな。それでこそだ。女神を守る気概、見せてもらったぞ」

 

「―――っ!? イアソン‼」

 

「は……?」

 

 

そう。誰も彼を気に留めていなかった。

何故なら、彼はこの戦場に於いて、あまりにも無力であったから。

 

英雄は勿論、人類最後のマスターも、彼を守る盾の少女も、海賊も、守護者ですらも。

小さく惨めな姿に堕したその存在――英霊オリオンの奇襲に、気付かないでいた。

 

 

「油断したな、アルゴノーツの恥晒しめ。我が身を侮り、いない者とした貴様の不覚だ」

 

「な、な、なんだ?」

 

 

突如、首元にもふもふの感触を押し当てられたイアソンは混乱する。

同時に耳元からもドスの効いた男の声が響いてくれば、背筋も泡立つというもの。

 

いきなりの事態に敵味方が一瞬膠着する。

が、即座に動き出した者が二人。側近兼護衛のヘクトールと、メディア・リリィだ。

 

自分たちのリーダーの喉元を押さえられた、という致命的な状況を打破しようとするが

それを許すほどオリオンも甘くはない。

 

 

「動くな、トロイアの守護者。そして若かりしコルキスの姫君よ。

 少しでも抵抗してみろ。即座にこの男の眉間を射抜くぞ………我が女神(アルテミス)がな!」

 

「キャ~~~‼‼ ダーリン素敵~~‼ 今すぐ抱いて~~‼‼」

 

「後にしてくれ頼むから! 今はそういう雰囲気じゃないから!」

 

「はぁ~いっ! ダーリンに頼られるなんて……アルテミス張り切っちゃう!」

 

「……と。そういうワケだ。あんなのでも十二神の一柱、容赦など期待するな」

 

 

イアソンの首をぎゅっと抱きしめるようにして押さえるオリオンに睨まれ、初動が遅れた

ヘクトールは内心で臍を噛む。時代は違えどギリシャに生きた同胞ならば、いかに神という

存在が厄介極まるかなどよーく理解している。だからこそ、迂闊に動けなくなった。

 

 

「何をやってる!? ヘクトール‼ メディア‼ 今すぐオレを助けるんだよ‼」

 

(それが出来りゃそうしてるっての……マズいな。こんな一手で追い込まれるとは)

 

「どうした!? お前らそれでも栄えあるアルゴーの一員か!? ああ、クソっ!

 オレ以外のヤツらはどうして、どいつもこいつも果てしなくバカなんだよ!」

 

 

ようやく自分の身に危険が差し迫っていることを理解したイアソンは、腹心の部下たちに

助けを求める。無論、ヘクトールもメディア・リリィも、動けるのならそうしている。

だが、動けない。狩猟を司る女神たるアルテミスが敵方に居る。その射線の先にイアソンが

いるのだと暗に伝わっているからこそ、ヘクトールは槍を構えない。詰みである。

 

 

「イアソン様! すぐにお助けを!」

 

「やめておけメディア嬢。知らないようだから教えておこう。我が女神の宝具はな、

 我が身を目掛けて放たれる愛の矢なのだ。決して逸れず、外さず、絶対に命中する。

 例え射線上に障害があろうと、その全てを貫いて必ず我が身へ届く。不可避の一撃だ」

 

「なっ…!?」

 

「そうなると……さて。この状況だと、もし彼女の矢が放たれてしまえば。

 我が身と彼女の間に立つことになるこの男の脳天は、いったいどうなってしまうのやら」

 

「ひ、ひぃっ!?」

 

 

オリオンの言葉を受け、メディア・リリィは高速詠唱を中断し、完全に沈黙する。

敵の言葉を真実、真に受ける必要などない。純真ではあれど、彼女は莫迦ではない。

こちらを騙る為の虚言という可能性も有り得る。……それがオリオンでなければ、だが。

 

クマのヌイグルミの姿をしているが、アレは海神の息子オリオンその人だ。

ならば神話に曰く、「高潔にして清廉潔白。公正無私なる穢れなき男」に他ならない。

オリオンは嘘を吐かない。彼の人間性を知る同郷の者なら、その情報は疑えない。

 

だとすれば、彼の言葉は本当に起こる事だろう。かの女神の矢が放たれたら最後、

イアソンの頭の中身がアルゴー号の甲板を汚す事になる。火を見るより明らかだ。

 

 

「兜輝くヘクトール、貴様は槍を捨てろ。ソイツはかの【不毀の極槍(ドゥリンダナ)】だろう?」

 

(チッ…! 喋って時間を稼ぐ暇すら与えねぇってか…徹底してやがるぜ)

 

「王女メディア、貴女は――」

 

 

智謀に長けるヘクトールにとって、思考と会話の並列作業など造作もない事。

むしろ喋る事で時間を稼ぎ、その間に突破口を閃くのが彼の持ち味であり専売特許と

言っても過言ではない。それすらも許さないオリオンの対策に、流石の彼も舌を打つ。

 

そして流れるようにメディア・リリィの行動も制限しようと口を開きかけたその時。

 

 

「ヘラクレス! その牛男にトドメをさせ!」

 

「っ! イアソン、貴様っ!」

 

 

オリオンが生殺与奪を握っていて動けないはずのイアソンが、ヘラクレスに指示を飛ばす。

 

すぐさまアルテミスが宝具の発動段階に入るが、船長の命令を受諾してしまった大英雄の

再起動には間に合わない。エウリュアレを守る為に全霊を使い果たしたアステリオスへ、

血走った瞳を向けるヘラクレス。もはやイアソンを殺して解決できる段階ではなくなった。

 

 

「は、は、ハハハ! そうだ! さっさとそのウスノロを殺してしまえ!

 お前に対抗できる戦力なんてそのデカブツぐらいなものなんだ! コイツらにはな!

 だから一刻も早く怪物を殺してオレを助けろ! 怪物殺しはお前の十八番だろうが!」

 

■■■■■■■――――!!!

 

 

腐っても英雄たちをまとめあげた男。その機転と頭の回転の速さは群を抜いていた。

的確にカルデア側の戦力を見抜き、どこを潰せば最も有利になるかを心得ている。

 

これによりカルデアは、エウリュアレを守るアステリオスを守る、二重苦を背負う。

再び戦場の意識が雷光と女神のいる方へ移る。そのほんの僅かな隙が、運命を別つ。

 

 

「……へっ。オリオンさんよ。捨てろってんなら、捨ててやりますよ」

 

「なっ!?」

 

「お望み通り捨ててやるってんだ―――(やっこ)さんの方へなぁッ‼」

 

 

即断即決……機を見逃さない護国の将は、この一瞬で宝具の真名解放を繰り出す。

投降の意でもって伝えた言葉を返す皮肉を含めながら、ヘクトールは槍を振りかぶる。

 

 

()めろ、アルテミス‼」

 

「止めたきゃあの野郎(アキレウス)かアイアスの盾でも持ってこい‼ 【不毀の極槍(ドゥリンダナ・ビルム)】‼」

 

 

慌ててアルテミスへ迎撃を指示するオリオンだが、間に合わない。

魔力を充填した宝具である槍を全力で投擲。一直線に海上を往く一条の光となって、

ヘクトールの放った一撃がヘラクレスの猛攻を耐えているアステリオスへ突き刺さる。

 

 

「ぐぅ……‼ ぁ、うぁ、ぁぁぁぁぁ……‼」

 

 

立ち位置の関係上、その射線上にいたヘラクレス諸共に貫くことになってしまったが、

なんら問題は無い。ヘラクレスには十一回……今の一撃分を含めあと十回分の蘇生が

約束されているのだから。鉛の巨人と牛頭の怪物は、仲良く極槍で串刺しになった。

 

 

「ぁ、ああ…! いや…! いや! アステリオス…‼」

 

■■■■■■■―――……

 

 

自らを守ろうと貫かれた英雄の血飛沫を浴びて、小さな女神の顔が絶望に歪む。

共に果てたはずの大英雄も、見る見るうちに生気を取り戻していくのが遠目に見える。

 

 

「イアソン様っ!」

 

「ぐっ! く、そぉッ‼」

 

「ダーリン‼」

 

 

アステリオスの悲愴な姿を目の当たりにしたオリオンの隙を突き、封殺されていた

メディア・リリィが魔術を行使。オリオンをイアソンの首から引き剥がすことに成功する。

 

叩き落とされたオリオンに気付いたアルテミスが救出に向かうも、メディア・リリィの

魔術攻撃の弾幕が激しく容易に近付くことが出来ない。形勢が一気に逆転してしまった。

 

 

「よくやったぞヘクトール! 牛頭の怪物め、串刺しであの世行きとは贅沢な!

 まぁいいさ。ヘラクレスもじきに蘇る。さぁ、一度死んで頭も冷えただろう!

 とっとと起き上がってエウリュアレを奪って俺の元へ戻ってこい!」

 

 

イアソンの怒号が飛ぶ中、徐々に肉体の傷を修復させていくヘラクレスを前にして

カルデア一行の戦意が折れかかる。あの大威力の宝具で以ってして、一度しか殺せない。

そんな相手をあと十回も倒さなければならない。そんな非現実的な現実に打ちひしがれる。

 

それでも、それでも。カルデアは、エウリュアレを守る者たちは、諦めない。

 

 

「……すげぇな。敵ながら感心するぜ、アステリオス」

 

「どうした? ヘクトール?」

 

「野郎、我が身を貫こうとする槍をあえて受けたんですわ。ヘラクレスを封じるために」

 

「な、何だと!?」

 

「テメェが致命傷負ってでもこっちの槍を楔にして、何が何でもヘラクレスを止める。

 エウリュアレを逃がす為だけに、文字通りに体張ってのけたってわけですなぁ」

 

 

そう呟いて、ヘクトールは顎の無精髭を擦る。もう自身のメイン武装を投擲してしまった

以上、このまま突っ立っていてやる事が無い。魔力を消耗して動けない、が正解だが。

そんな状態のヘクトールに気付き、イアソンは追っ手を差し向けられずに歯噛みする。

 

 

「ます、たぁ…! ますたぁ、ますたぁ! ますたー!」

 

『藤丸君!』

 

「………ごめん、アステリオス」

 

 

命懸けの足止めを果たすアステリオスは、最後の力を振り絞り人類最後のマスターへ

懇願する。怪物と人という関係でなく、サーヴァントとマスターとして接してくれた、

そんな優しい少年だからこそ、アステリオスは躊躇いなく命を賭けることができた。

 

 

「ううん…ありが、とう、ますたー!」

 

「マスター…」

 

「マシュ、撤退する!」

 

「ますたー、も、ましゅ、も! なまえ、よんで、くれた! あすてりおす、って!

 みんな、みんな、オレを、きらわない、で、いて、くれた! あり、がとう!!」

 

 

心臓を槍で貫かれ、頭の角も片側はヘラクレスとの攻防の間に折られ、満身創痍状態で

あるにも関わらず、アステリオスは笑った。血を吹き溢しながら、晴れやかな笑顔で。

 

 

「うまれて、はじめて、たのしかった! うまれて、よかった! うれし、かった!」

 

「ぁ――アステリオス、さん…!」

 

「えうりゅあれ、を、おねが、い…! ぜんぶ、えうりゅあれ、の、おかげ…!」

 

「アステリオス!」

 

 

必死に『黄金の鹿号』を動かし、迫るヘラクレスから逃げようとするドレイクら海賊も。

短い間でもこれまでの航海を共にしてきたカルデアの友たちも、言葉を失う。

 

 

「ぼくは、えうりゅあれが、だいすき、だ!」

 

 

その姿を、誰が怪物と罵れようか。

 

傷だらけの躰で女神を救け、贖いきれぬ罪業を背負いながらも彼の心は救われた。

その救いとは、彼を怪物としてではなく、人間として、雷光(アステリオス)として受け入れる事。

 

たった、たったそれだけの事だった。

 

 

「おり、おん……おりおん! えうりゅあれと、みんな、を、おねがい!」

 

「……アステリオス」

 

「あなたも、ぼくを、みとめて、くれた! あすてりおすと、みとめて、くれた!

 にんげん、になる、のを、ゆるして、くれた! あなたは、ぼくの、えいゆうだ!」

 

「ッ……ああ。約束は守る、そうだったな」

 

「うん! うん! おとこと、おとこの、やくそく、だから!」

 

 

脈拍を取り戻し、その強靭な四肢に力がこめられ始めたヘラクレスを抑え込みながら、

アステリオスは最期の願いをオリオンへ託す。死力を奮い、懸命に声を張り上げて。

 

その声を、イアソンの脚に踏みつけられながら聞いていたオリオン。

 

あまりの情けなさに涙が込み上げる。あまりの不甲斐なさに苛立ちを覚える。

何が天下無双の狩人。何が文武両道の超人。何が、なにが、彼にとっての英雄か。

 

それでも立つしかない。男と男の約束を交わしたのだから。

無力でも、非力でも、役に立たなくても。オリオンは立ち向かわなければならない。

自分が人理を救う英雄であるという自負はなく、まして己を英雄と思った事もなく。

 

なのに、彼は己を英雄と呼んだ。そう呼んでくれたのだ。

 

 

「………此処は、オケアノスの海上だったな」

 

 

奇しくもその想いは、アステリオスと同じものであった。

 

 

「ならば、我が身に残された僅かな力も、発揮できるやもしれんな…!」

 

 

誰かが自分を呼んでくれたから。そう認めてくれたから。だから、立ち上がる。

 

 

「……この一時、貴女以外の力を借り受ける事を許し給え、我が女神」

 

 

人は其れを―――英雄と呼ぶのだから。

 

 

「おい、イアソン」

 

「おや。なんだね、惨めでちっぽけなオリオンくん? ああ済まないね。

 君があまりに小さく弱々しいもので、つい足蹴にしてしまっていた事を忘れてたよ」

 

 

へらへらと薄っぺらい笑みで心底からどうでもよさそうに謝意を示すイアソンに、

踏みつけられたままの状態でオリオンは笑ってみせる。

 

 

「ははは! なに、それはお互い様だとも。気に病む必要はないぞイアソン。

 貴様があまりにも器の小さい男なのでな、我が身もこうして下から見上げねば

 何処にいるのか小さ過ぎて分からなかったのだ。いや、本当に済まないと思っている」

 

「こっ……! このヌイグルミ野郎! 何も出来ねぇクセに!」

 

「そうだな。今や我が身はヌイグルミ。戦闘も支援も、何も出来ん人形でしかない」

 

「ハッ! なんだ、意外に物分かりが良いじゃないか」

 

「だがな。そこで偉ぶってふんぞり返ってる()()()()()()より幾分マシだ!」

 

 

そう言い放ってみせたオリオンは、イアソンの額に青筋が浮かび上がるより早く、

自身の仮初めの身体に魔力を集束させた。それが宝具の真名解放前の予兆であると

悟ったヘクトールやメディア・リリィが妨害に動き出す。

 

しかし、運命の女神はオリオンに微笑んだ。

 

 

「真名解放―――【暁よ、我が闇を照らせ(エッフェリスト・エオス)】‼」

 

 

瞬間、オリオンの周囲が夕焼け色に発光し、近くにいた者の視界を焼き焦がす。

 

 

「ぐああああっ!?」

 

「くそッ!?」

 

「きゃああっ‼」

 

 

踏みつけていたイアソンは勿論、すわ宝具の攻撃かと構えていたヘクトールたちも

まとめてオリオンの策略にはまってしまう。三者は瞳を暁に染められ、苦しみ悶える。

 

蹈鞴を踏んでよろけた隙に足の拘束を抜け出たオリオンは、すぐ突撃してきたアルテミスに

掴まってアルゴー号から脱出する事に成功。そのまま黄金の鹿号へと舞い戻った。

 

 

『うわぁ! なんだ今の光!?』

 

「今のは我が身に与えられた宝具の一つ、【暁よ、我が闇を照らせ(エッフェリスト・エオス)】によるものだ。

 本来は女神エオスとヘリオス神に我が眼を癒していただいた神話を再現するという、

 それだけのものでな。副次効果的な扱いとして、一種の目暗ましのようにも使える」

 

『それって、焼き潰された眼を暁の光で元通りにした、って伝説の…!?

 すごいぞ! 眼を癒すだけの能力がスタングレネード扱いになるだなんて!』

 

 

まさかのヌイグルミ大活躍により、アステリオスの決死の足止めと合わせても充分に

逃げるだけの時間を稼ぐことが出来た。ひとまず脅威から逃れられた事を喜ぶ一同。

 

しかし、素直に喜べない部分も当然ある。

 

 

「……アステリオス。ほんと、バカなんだから」

 

 

ポツンと呟かれたエウリュアレの一言で、彼らは水をかけたように静まりかえる。

 

 

「エウリュアレさん…」

 

「聞いたでしょ? あの子、私たちが名前を呼んだから、ヘラクレスに挑んだのよ。

 たったそれだけの理由で……それだけであの子は、命を賭けられてしまったの」

 

「……アイツにとっちゃ、それが何より嬉しくて幸せな事だったのさ。きっとね」

 

 

ドレイクが励ますように、自分が納得するように、空を見上げてそう語った。

 

 

「分かってるわ、そんな事は。でも、あの子は初めから怪物なんかじゃなかった。

 誰が何と言おうと、あの子は、アステリオス以外の誰でもなかったのに……なのに」

 

「そう思ってくれる奴がいるだけで、アイツは救われるんだよ。しゃんとしな、女だろ?」

 

「……豪快で粗暴な貴女と一緒にしないで。私はか弱くて可憐で、繊細なんだから」

 

「そいつは失敬。ならせめて、歌でも歌ってやりな。あんなおっかない大男と二人っきりで

 海の底でおねんねなんて、アタシだったらゴメンだね! アンタがアイツを送りゃいい」

 

 

湿っぽいのは嫌いなのさ。海賊ってな、そういうもんだし。ドレイクの言葉に海賊が頷く。

 

 

「そうだそうだ! エウリュアレちゃん、アイツの為に歌ってやってくれよ!」

 

「そいつぁいい! しみったれた悲しい歌じゃなくて、とびっきり陽気なのにしてくれ!」

 

「俺たちゃいつだって好きに生きて好きに死ぬ海賊だからな! アステリオスの旦那も、

 好きでアンタ守って死んだんだ! なら、旦那も俺たち海賊と変わらねぇわな!」

 

「違ぇねぇや! ハハハ! おし、酒出せ酒! 先に死んだ仲間の分まで呑もうぜ!」

 

「よしきた! 待ってろ、とびっきりのラム酒持ってくっから!」

 

「その宴会、アタシも混ぜな! っておいコラ、そのラム酒はアタシんだよ‼」

 

 

途端に賑わいを見せ始める黄金の鹿号の船員たち。ついさっきまで災厄の化身のような

大英雄と戦っていた時の緊張感はどこへやら。あっという間に宴会を始めてしまった。

 

気持ちの整理が追い付かないカルデアを差し置いて、笑って飲んでを繰り返す海賊。

そんな、ある種豪快どころか奔放過ぎる面々に、エウリュアレは呆れを孕んだ溜め息一つ。

 

 

「……嫌よ。海賊なんて野蛮な連中に、私の歌なんか勿体ないにもほどがあるもの」

 

「ちぇっ! ケチくさいこと言うんじゃないよ!」

 

 

既に酒瓶を煽り顔を赤らめたドレイク船長が、エウリュアレの拒否に文句を垂れる。

状況に流された方が利口かもしれない。そう思い始めるカルデアも、海賊たちに誘われて

宴会に参加する事にした。少なくとも、騒いでいる今だけは、悲しみを思い出さずに済む。

 

呑めや歌えやのどんちゃん騒ぎに、愛される偶像である女神の言葉が掻き消される。

 

 

「……私の歌は、私の英雄だけに捧げるものだから」

 

 

エウリュアレは辺りを見回すが、ドレイクもカルデアのマスターもマシュも、誰も彼も

宴の喧騒に紛れてしまったささやかな想いを聞いていた素振りはない。

 

だったら明かすこともない。そう決めた女神は、古代ギリシャの言葉で歌を紡いだ。

 

 

「…あら? なに、この歌? ダーリン知ってる?」

 

「いや。知らない」

 

「聞いた事ない歌ね~。でも、なんだか、すっごく嬉しくなっちゃう」

 

「……そうだな」

 

 

甲板の宴会から離れた、マストの上の見張り台。そこで二人きりの静けさを楽しんでいた

女神と狩人は、喧騒の隙間を縫うように聞こえてくる歌声に、耳を傾ける。

 

 

「……ふふ。〝雷光を携えた女神の、広大な海原を往く旅の歌〟か」

 

 

誰も知らない、ただ一人の為に謳われる英雄譚を、狩人は心に刻み込んだ。

 

 

 

 

 








いかがだったでしょうか?


やっぱり原作があると話を書き進めやすいの!
ところどころ原作との違いを考えて書くのも
楽しくてしょうがないの! 

いやぁ、雷光と女神って何度見てもいいね…。


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