はい、思いっきり時空列がガバって急遽出すタイミングを繰り下げたクソ作者です。いやね?本来は三馬鹿を出して次に銀髪眼帯っ子を出すつもりでしたけど……あの子来るのタイミングがね……?(白目
あと、みなさん某仮面の人って決まったわけじゃないのよ?ホントウダヨー?((目逸らし
はい、そしてこれはキラ君のメンタル回復パート2です!(白目
あっ、ちなみに割と久々の予約投稿だったりします(
「朝からなんで曖昧な顔をしてんのよ?数日ぶりの登校なんだから喜べばいいじゃない」
「……ちょっとね」
数日ぶりに登校することにはやっぱり不安に駆られてしまう。『ストライク』が公になったことについては整理できたけど、みんなの前でこの力を使い戦闘を行った……その後クラスに行けばどんな風に思われているのかと想像すれば足が竦んでしまう。
「もし行き辛いとか考えてんなら安心しなさい。アンタの所のクラスメイトは全員心配してたから。むしろ顔出した方が喜ばれるわよ」
「……そう、なのかな」
「なにー?アタシが嘘でもついてるって思ってる?そんなことで一々アタシは嘘なんてつかないわよ。とりあえず、うじうじするぐらいならサッサと行動するっ!動かないのなら蹴っ飛ばすわよ」
「……ああ、うん、それは嫌だからそうすることにするよ」
鈴音さんの言う通り今は考えていても仕方がない。登校しないという選択肢をとれば他の人にも迷惑をかけてしまう。それに鈴音さんが嘘をついているとは思えない。はっきりと言葉にして伝えてくれる彼女なら信用できる。
「アタシはクラスが違うから昼休みとかじゃないと面倒見れないけど、同じクラスの一夏たちが見てくれるはずだから。なんかあったら素直にみんなに口にする。はい、返事は?」
「う、うん……」
「その吃った返事に不満はあるけど……まっ、いいわ。それじゃあ、ちゃんとクラスまで自分で行くのよ?それともぉ、アタシが連れて行ってあげようかー?」
「そ、それは遠慮しておくよ……」
口元に手を当ててニヤニヤとしているのは絶対に揶揄っているよね……一応は怪我人ではあるけど、流石にそこまでされると色々と駄目なような気がする。実際された日にはそこそこ落ち込む自信があるよ、僕。
「それならアンタはサッサと教室に向かうこと。戸締りとかはアタシがしておくからさ。とりあえず、先輩とかに話しかけられても適当に返事を返しておきなさい。ほいほい、ついていきそうだし」
「そこまで子供じゃないよ?……なんか、鈴音さんの中で僕って子供認定しているよね?」
「なに?アタシの中でアンタをどう思ってるか知りたいのならはっきり答えてあげるけど。……まっ、それを聞いてへこむのは自己責任だけどね」
「……ああ、うん、それなら聞かないでおくよ……」
嫌われたり拒絶されたりするよりは遥かにマシではあるけど、子供認定はそれはそれで釈然としないというか何というか……言葉に甘えて僕は先に部屋を出る。教室に向かう途中に実際に先輩に話しかけられたけど言われた通りに曖昧に返事を繰り返せば話したこと自体に満足したのか去っていく。……僕ってそこまで子供じゃないんだよ?
「ここまでは来たけどやっぱり緊張するかどうかは別だよ……」
あと少しで教室に辿り着く寸前で足が止まる。鈴音さんの言葉を信用していないわけじゃない。だけど、それでもアークエンジェルの時のように自身とは違う存在に恐怖を抱かれるているのじゃないのか……?
「よっ、どうしたんだよ。ここで呆けてたら遅刻して、千冬姉に怒られるぞ?」
「あっ、一夏……うん、ちょっと久しぶりだから緊張してさ」
「あー、それは少しわかる。長期で学校休んでると少し登校しにくいよなぁ。よしっ、そんなら一緒に教室入るか。それなら大丈夫だろ?」
気さくに笑う一夏のおかげで少し不安が和らぐ。彼とこうやって話しているときはやっぱり落ち着く。一夏自身が裏表のない性格をしていることもあると思うけど。意を決して一夏と共に教室に入れば、その瞬間にその場にいるクラスメイトから一斉に視線が集まる。……これ、帰っていいかな?
「あっ、キラ君だっ!!」
「キラ君が帰ってきたぞー!!」
「朝からキラ×イチ、キテル……」
クラスメイトからは主に僕が戻ってきたことを喜んでくれる。どうも最後に意味を理解したら深い場所へと誘われそうな言葉が聞こえたけど気のせいだよ……そんな言葉は聞こえてないよ。
「キラキラだー!戻ってきてくれて、私嬉しいよ」
「……心配をかけてごめんね。でも、僕はもう大丈夫だから」
心配して駆け寄ってきたのほほんさんに僕はなんとか笑って答える。左肩を見て彼女の表情は僅かに曇るけど、すぐにいつものように表情を和らげその手に持っているモノを僕に渡してくれる。
「はいー!これは私からのキラキラへ退院お祝いなのだー!後で時間がある時にゆっくり食べてねー!」
「うん、ありがとう」
のほほんさんの言葉から察するに食べ物であるのは間違い無いだろう。SHRホームが始まるチャイムがなれば、集まっていたクラスメイトは自分の席に戻っていく。まぁ、席についていないと織斑先生の出席簿で頭を叩かれちゃうからね……そして織斑先生が入室してきて教室全体を見渡せば表情は変わらないものの満足気なのは気のせいでは無いだろう。
「どうやら今日は久しぶりに全員揃ったようだな。ヤマトは見てわかる通りまだ怪我が完治しているわけでは無い。もし困っているところを見かけたら全員手を貸してやれ、わかったな?」
「「はーいっ!!」」
「よろしい。ならば今からSHRを始める――――」
◇◇◇
「ぐったりとしているが大丈夫か、キラ?傷が痛むのなら遠慮なく言ってくれていいんだぞ?」
「……ううん、大丈夫だよ、箒さん。ぐったりしてる理由は別のことでだからさ……」
「……確かにこの時間になるまで合間に質問されていたからな」
昼休みに入れば食堂で僕は力なく座り込み、箒さんはそんな僕を見て心配そうに顔色を伺う。やっぱり彼女と再度当たり前のように話せるようになれて心の奥底からよかったと安堵する。箒さんも登校すること自体は久しぶりで、あの時に危険な行動をしたことはお咎めなしとはいかず1週間の停学を命じられた。彼女自身もそれは罰として当然だと受け入れ、1週間自室で過ごしていたらしい。
「まっ、これぐらい予測してたでしょ?新聞部からこんな記事が出されてるなら当然よねー」
「『まるでヒーロー。第二操縦者、キラ・ヤマトっ!!』っとデカデカと書かれていましたもの。キラさんは休養でご存じないと思いますが、この新聞が出回った以降はこの話題で持ちきりでしたのよ?」
「なんなら今でも大人気だよ。私たちにもこの記事について聞いてくる人がいるぐらいに」
「俺たちもその時がキラのISを初めて見たから全く知らないの繰り返しだったけどな。その記事の本人が登校したら質問されるのは当然だよな。……ほんとっ、その辺は助けられなくて悪かった」
「……それについては大丈夫なんだけど、問題はこの記事かな……」
昼食を取りながらその噂の新聞を僕は顔を顰めながら見る。記事の一面には中継室から狙撃した時の姿を写真を収められていていつの間に?っと疑問があるが、この記事にデカデカと書いてあるヒーローという文字には複雑な心境だ。
「……私が言うのは大いに間違っているがあのタイミングは確かにそう書かれても仕方がない」
「そうそう。キラとしては当たり前に行動したつもりでも周りはそう思わないんじゃない?そりゃ、目立つのとか苦手なアンタとしてはいい迷惑だけど。どうにしろ、そのことを気にしてたら身が持たないわよ?ほら、止まってる箸を動かす。今すぐ動かさないなら無理矢理口に入れるわよ」
「ああ、うん……」
鈴音さんに急かされて新聞から視線を外し、しぶしぶ食べることにする。この記事についてはもうどうすることもできないかなっとため息を吐けば何故か鈴音さん以外から妙に視線が集まっていることに気がつく。
「……えっと、みんなどうしたの?」
「なによ、みんなしてアタシたちを交互に見てさ」
「んー、鈴とキラって結構仲良いんだなって思ってな。俺としては仲良くしてて嬉しいけど」
「一夏の言っていることはわかるがどうしてそこに着眼する……私が気になったのは前の時よりもお前たちの距離感が近くないか?」
「そうですわよ、一夏さん。前からキラさんが鈴さんに頭が上がらないのは分かっていましたが……前よりも距離感が近くなった気がしますわ。物理的ではなく精神的にですが」
「そ、そんなことはないんじゃないかな?私は結構2人がこんなやりとりしてるの見てるしさ」
「あのねぇ、アタシとキラはこれでもルームメイトよ?流石にコイツの生活習慣ぐらいはわかってくるわよ。放っておいたら飯は食わないわ、放課後はふらっと姿は消してどこかにいるか自室で寝て過ごすのどちらか。そんで朝弱いかどうかは知らないけど基本自力で起きないし。挙げ句の果て昨日は今してる包帯は邪魔とか呟いてた。そんな大馬鹿のコイツを目を離した方が逆に不安よ」
指を一つづつ折りながら言っているのを聞いてると、結構僕って鈴音さんに甘えすぎではないだろうか……?彼女が言っていることは正しいため特に訂正どころか口を挟む気にはなれない。
「……薄々思っていましたがキラさんは割と自堕落な生活をしていますのね」
「……キラが自堕落というのは薄々は気付いていたがそれほどだったのか?」
「わ、私はそんなキラでも気にしないよ?ほら、誰だって苦手なこともあるから!」
「千冬姉とは違うベクトルで自堕落だよなぁ。前からも言ってたけどもっとキラは意識して生活した方がいいんじゃないか?」
シャルロットさんが唯一フォローを入れてくれるがむしろその優しさが一番心に堪える。どれほど言い訳をしてもこれだと聞き入れてくれなさそうなので大人しく頷いておくことにしよう。……まず織斑先生が自堕落って情報は割と知られたら不味いんじゃないかな?
「アタシとルームメイトの時は別に自堕落でもなんでもいいけど、1人になった時にきちんと起きれるように最低限はできるようになりなさいよ?いつまでも面倒見るわけじゃないんだからさ」
「……努力はするけどその時はその時かなぁ」
「それってしない奴が言う台詞だって、アタシはよーく知ってるわよ。ルームメイトの期間が終わって朝遅刻した時はアンタ覚えてなさい。その時はたっぷりと説教してやるから」
「まぁ、キラさんは鈴さんがルームメイトとして来るまでは少なくとも遅刻したことはないですので大丈夫だとは思いますわよ?ただ食事の時については姿を見ることは余りありませんでしたが……」
「私も探してたりしてたけど何処にいるかは分からなかったからなぁ。部屋は基本鍵がかかってたし……今から思えばキラって本当にフラフラしてるよね」
「俺たちは基本放課後はアリーナで訓練してることが多いからなぁ。よくよく考えたら放課後の時のキラが何処にいるかは知らないことが多い。……もしかして、職員室か?」
「それはないだろう……いや、一時期千冬さんによく呼ばれてることを考えれば一理あるのか?」
いつの間にか僕の生活を改めることより、放課後は何処で何をしていることについて話が変わっていく。確かに一時期職員室には呼び出されてたけど、それは基本的に僕自身に関わることがあるためだからだ。少しお説教されたりもしたけど……。
「まぁ、なんにしてもキラも専用機持ちになったことだしこれで一緒に練習ができるようになったな。怪我がちゃんと治ったら放課後一緒にやろうぜ」
「う、うん。時間がある時には手伝うよ」
「それにしてもキラさんはいつISを受け取ったのですか?そんな素振りは一切ありませんでしたので。少しばかりそれは気になりますわ」
「私もキラの専用機には興味あるかな。
「あっ、えっと……」
「キラがいつ専用機を受け取っていたことについては別に私たちが気になる程でもなかろう。そのことを気にする時間よりも、昼休みの時間を気にするべきだ。早く食べなければ千冬さんの出席簿で叩かれるぞ」
「そうそう、別にキラのISが新型だろうが別にどうでもいいじゃない。本人がある程度把握してるんならそれでいいでしょ」
どう答えようかと迷っていたら、箒さんと鈴音さんが困っている僕を見かねてなのかフォローをしてくれる。2人とも実際興味がないからかも知れないけど正直助かったよ……。
「そういえば今日放課後はどうするつもりなの?アンタがどっか行くつもりならアタシはそれに付き合うつもりだけど」
「今日の放課後は織斑先生に用事があるから大丈夫だよ。ちょっと、やらないといけないこともあるからね。一夏の訓練に付き合ってあげなよ」
「ふーん、アンタがそう言うならそうさせてもらうわ。そんじゃ、今日は久しぶりに一夏の訓練手伝ってあげるからありがたく思いなさいよ」
ストライクの状態を調べる以上はできる限り僕1人でやらないと。鈴音さんなら別にデータを見られたとしても頼めば秘密にしてくれるとは思うけど……ううん、やっぱり駄目だ。ストライクは僕の世界で兵器として作られた存在なんだ。それを誰かに不用意に見られたり、教えたりしてはいけない。
(……今のうちに調整もしないと。いつまた襲撃されるかわからないんだから)
片手でやることにはなるし、時間はかかるだろうがそれでも今日の内に終わらせてしまいたい。最悪今日は夜遅くまでかかるけど仕方がないかっと割り切りながら1人でにため息を吐いた――――
◇◇◇
「織斑先生、少しいいですか?」
「どうした?時間なら大丈夫だが」
「えっと……ここじゃ話しにくいので職員室でお願いします」
教室で流石に話すわけにはいかず織斑先生と一緒に職員室へと向かう。この時点で織斑先生は僕に関することだって察しているのだろう。ストライクの調整をする以上は端末を借りないと何もできない。もはやいつも通りである職員室にたどり着いて入室すれば他のクラスの先生たちには声をかけられて、同じく退院祝いなのかお菓子などを貰う。
「後で袋を渡すからそれらはきちんと隠しておけよ。それで?用事はなんだ。教室で話しにくいということはお前に関することなんだろう?」
「はい。ストライクのことを調べたいので端末を借りたいんです。ISとしてのストライクについて僕は最低限のことしか把握していませんし……それに今のうちに調整もしておきたいんです」
「……せめて怪我が完治した後にやっても問題はないだろう。お前が懸念しているのは再度この学園に脅威が現れること、違うか?なら――――」
「……何かがあった後にやっても遅いんです。我が儘なのはわかってます……でも、今できることをやっておかないと、もしもの時に間に合わなくなるのは嫌なんです。だからお願いします……っ」
後で後悔することになってしまうことだけは嫌なんだ。ストライクに不具合が起き、その手を掴むことが出来なくなることだってあるのかも知れない。それを想像するだけで恐怖で怯えて眠ることもできない。
「……わかった。端末については私が前に使っていたこれをやる。普通にパソコンとしても使えるからそのまま使え」
「……すみません」
「構わん。キラがそれをやりたいのならできる限りのことは手を貸すのは決めていたからな。それとだがストライクのデータはお前しか回覧できないように厳重にロックしろ。できるか?」
「はい、それについては大丈夫です。初めからそうするつもりでしたから」
織斑先生から前使っていたであろう端末を僕は受け取る。ストライクも僕と同じようにこの世界には手に余る存在だ。ISとして見るのならば恐らくは未完成でもあるため欠落品と見られるかも知れないけど兵器としてなら別だ。PS装甲や今はないストライカーパックのデータ、そしてストライク本来の姿であるMSのデータとして流出してしまえば世界は混乱に包まれるかも知れない。……それこそあの人が望んでいたようなことに。
「調整する場所は整備室を使え。後でお前が使っても問題ないように私が対処しておく。場所は知っているか?」
「はい、一通りは覚えていますから大丈夫です。我が儘を言って本当にすみません……」
「気にするな。なんであれ、お前が今やりたいと思うことを見つけてくれただけでいい。……念を押しておくが夜遅くまで取り掛かるなよ?」
「ぜ、善処はします……」
今日中にまとめて終わらせようとしてるのが見透かされていたのか織斑先生に睨まれて僕は笑いながら誤魔化して、その場から逃げるように職員室を後にする。……食べるものはのほほんさんや他の先生たちには貰ってるから夕食は食べなくても大丈夫かな。目的地である整備室にたどり着きまずはストライクを待機状態から解除する。
「……また僕を助けてくれてありがとう、ストライク」
かつてはコックピットであった場所にそっと手を添える。ストライクが人と近いサイズになっているのは未だに馴染んでいないけど、こうやって本来は届かない場所に触れることができるのは感慨深かった。
(……調整とストライクが現在何ができるかを早く調べないと。片手しか使えないから時間がかかりそうかな)
ストライクと先程貰った端末を接続してすぐに取り掛かる。前はコックピットに乗ってOSを書き換えていたのが少し懐かしい。調整をしていて、ひとまずわかったことはストライクのOSは僕が最後に搭乗していた時と同じで、PS装甲もデータ上は無事に作動している。
「比べたことがないからわからないけど……やっぱり他のISとは違ってエネルギーが少し低いのか?ストライカーパックがあれば解決はできそうだけど……」
やっぱり素のストライクだということもあるのかエネルギー量は少し心許ない。ビームサーベルとビームライフルを使用する際には前のようにエネルギーを気にしながら使用する必要があるだろう。当分はアーマーシュナイダー、ストライクバズーカをメインとして立ち回ることになるかな。
「……けどPS装甲が作動しているのならエネルギーは徐々に減っていくはず。それについては怪我が治った後に直接確認した方が早いのかな」
やっぱりMSからISに変化したことにより一部のシステムが変わっている可能性がある。PS装甲が恐らくはその一つだとは思うけど……戦闘をする際にどれほどMSの時と違いがあるのかも把握しないと。やることが山積みだなっとキーボードを打ちながら小さくため息を吐いてしまう。
「……ねぇ、君がそのISのパイロットなの?」
「そうだけど……えっと、君は?」
突然と話しかけられたことに驚くけど話しかけてくれた彼女の姿は誰かに似ている。その水色髪と眼鏡のその先の赤い瞳を見て脳裏には更識先輩の姿がどうしてか思い出してしまう。
「……私は一年の更識簪。そのISにちょっと興味があったから……少し見ていいかな……?」
「……うん、ストライクを見るぐらいなら別に大丈夫だよ」
断ろうかと一瞬悩んだけど不安そうにしながらも目を輝かせている姿を見たら断るわけにもいかないよね。ありがとうっと小さいけどハッキリとした声が聞こえ、興味津々にストライクを隅々まで見ている姿は微笑ましい。流石に人前でストライクのデータを見せるわけにはいかないため一度端末を閉じて作業を中断する。
「……ごめん、作業の邪魔をしたよね?」
「ううん、気にしないで。疲れてきたから少し休憩しようとは思ってたからさ。えっと、勘違いじゃなければ更識さんってもしかして更識楯無先輩の妹さんなのかな……?」
「……そうだけど。貴方もお姉ちゃんのことは知ってるの?」
「生徒会長ってことはなんとか……むしろそれぐらいしか先輩のことは知らないかな」
「……それって知ってるって言えないと思うよ」
更識先輩の話題を切り出せば表情が沈んだようだけど、僕の言葉を聞いて呆れた表情に変わっていた。他に思いつくとしたら……カリスマ性があることと、変装してくること……?正直言って更識先輩が一番苦手だと思う……いつも見透かしてそうなあの瞳が特に。
「貴方の名前はキラ・ヤマトなんだよね?あの新聞の記事が本当だったらだけど……」
「……名前についてはちゃんと事実だから安心して、うん」
「……えっと、新聞のこと気にしてたらごめんなさい。でも、貴方には少し聞きたいことがあって……」
「聞きたいこと?答えられる範囲なら大丈夫だけど……」
更識さんから聞きたいことがあると言われても、今日が初対面だということもあって何も思い浮かばない。ううん、一つだけ思い浮かぶものはあるけれど新聞の記事についてはノーコメントを貫くつもりだ。
「貴方のISは多分未完成だよね……?」
「う、うん。ISとしては未完成であると思うよ」
「……それなのにあの時、貴方は怖くなかったの?未完成のISで戦いに行くのは。あの時は私も観客席に居たから……それが少し気になったの」
「更識さんもあの時あの場所に居たんだね……うん、少しだけ怖い気持ちはあったよ。……でも、僕は大切な人を目の前で失う方がもっと怖いから」
彼女の問いに僕は隠すことなく正直に答えた。目の前で大切な人を失う方がもっと辛い。彼女の恐怖と僕の恐怖の意味は違うけど……それを初対面である彼女に流石に言うわけにはいかない。
「……そっか。うん、貴方が立ち上がったのはそのためだったとしてもお礼が言いたい。あの時に立ち向かってくれてありがとう……あの時、貴方のおかげで私は勇気づけられた」
「そう言ってもらえて嬉しいよ。あの時の僕の行動は間違っていなかったんだって、そう思えるよ」
「……嫌じゃなければ次からはキラ君って呼んでいいかな?」
「えっ、うん、全然大丈夫だよ。それなら僕は更識さんって呼んでいいかな?」
「……うん、キラ君の呼びやすい方で大丈夫だよ」
更識さんも箒さんと同じで名字で呼ばれるのは嫌いなのだろうか?更識さんの場合は多分更識先輩のことが原因だとは思うけど。……そういえば僕は箒さんが名字で呼ばれるのが嫌いな理由を知らないや。今度聞いてみようかな?
「……ずっと気になっていたけど、キラ君のその怪我はその時の?」
「えっと、そんな感じかな?特に大したことはないから全然大丈夫だよ。治るのも、もう少しだしね」
左腕を固定しているから、彼女は心配そうに見るけどこれぐらいなら平気だと意味も含めて笑って答える。不便なだけで別に最低限なことはできるから特に困っているわけでもないしね。
「……えっと、今後も整備室に来たりするかな?」
「うん、当分はストライクの調整とかをするつもりだからね。もしかして更識さんも?」
「……うん、私も似たような感じ。迷惑じゃなかったら次も話しかけていいかな?」
「全然大丈夫だよ。僕の方からも話しかけたりしても大丈夫かな?」
コクリと頷いたところを見ると次からは僕から話しかけても大丈夫だということだろう。整備室でずっと1人で作業するのもいいけどやっぱり誰かがいる方が安心するのは確かだ。そのまま更識さんと談笑していればいつの間にか食堂に行かないといけない時間らしく明日また会う約束をしてそのまま別れる。……やっぱり時間指定されてるのは大変そうだなぁ。
「……それじゃあ、できる限りのことをやろうかな」
「――――なーにができる限りのことをやろう、ですってぇ?」
「り、鈴音さん……っ!?」
「今の時間が一年の食堂を利用できる時間だってのはキラでもきっちりと覚えてるはずよねぇ?それなのに、アンタはいったいこれから何をしようとしてるのかしらぁ?うん?ほら、怒らないから言ってみなさい?」
「……ストライクのデータ入力、調整です……」
「そうそう、データ入力と調整ね。……アンタ、バカァ!?そんなの終わる頃には食堂の時間どころか浴室の時間だって過ぎてるわよっ!!徹夜でもするつもりっ!?ほら!サッサとその端末とISを片付けるっ!!やらないんなら今すぐアタシが適当にやるわよ!!」
鈴音さんの怒声には逆らうことは出来ずに僕は急いで取り掛かる。……ちなみに食堂に着くまで彼女からお説教をされて身も心も別の意味で擦り減ることになった――――
はい、もう少し銀髪眼帯っ子の出番はお待ちください。次のキラ君のメンタル回復パート3が終われば待望の彼女も参戦しますよっ!なんならあざトインである彼女の話も進みます。そりゃ、メンタル回復させないと誰がとは言いませんが折れちゃうでしょ?((
それでは誤字&脱字報告お待ちしております!!感想はいつもありがとうございます!とても励みになっております!次回の更新は未定ですが気長にお待ちください!