はい、みなさんが待ちに待った某眼帯銀髪っ子の初登場です。これで一応はヒロイン全員が登場したことになるかな?えっ、アーキタイプブレイカー……?……いやぁ、ちょっと資料足りないから無理そうかなぁ……出せそうな子はいそうだけど……ね?((吐血
――――厄介な奴だよ、君は!在ってはならない存在だというのに。知れば誰もが望むだろうっ!!君の様になりたいとっ!!君の様でありたいと!!……故に許されない君という存在はっ!!
「……また、か……また、この夢なのか……」
荒い呼吸を落ち着かせる様に胸を押さえながら上半身を起こす。薄暗い部屋の中で唯一デジタル時計の光が見え、時刻はまだ深夜の3時だった。この時間帯に目が覚めることはもう珍しくも何もない。最近はこの世界に来る前にあの人と戦闘をしていた夢、そしてあの時にあの人が口にしたことを永遠に繰り返し見ている。
「………わからないよ……」
あの人は僕という存在は在ってはならないと否定をした。けれど、織斑先生と厳さんは僕という存在を生きていることに喜んでいてくれる。どちらが正しいのだろうか……?何度考えてもその答えはわからなかった。いつものように脱力感と虚無感に襲われれば再度眠りにつく気力もわかない。
「……フレイ……僕は、僕は……」
そして僕は縋るようにまた彼女の名前を呼ぶ。いるのならどんな言葉でもいい、恨言、罵倒、憎悪だった構わない……ただ彼女の声が聞こえるのだったらなんでも良かった。けれど彼女の声を再度聞けることがないのは一番僕が知っている。
「……フレイ……フレイ……っ」
何度も僕は彼女の名前を譫言のように呟き続ける。彼女がもうどの世界にも存在しないという現実を認めたくなかった。だけど彼女がまるで宇宙の星屑のように消滅していく姿はコックピットからはっきりとこの目で捉えていた。結局この日は再度眠ることなく朝を迎えるまで、僕はただ何度も彼女の名前を呼び続けた。
◇◇◇
「キラ大丈夫……?少し顔色悪いような気がするけど」
「……うん、大丈夫だよ。ちょっと寝る時間が遅かっただけだから気にしないで」
朝の時間ギリギリで教室になんとか入ることができたら、それに気づいたシャルロットさんが心配そうに声をかけてくれる。結局僕は遅刻寸前まで自身の部屋から一歩も動くこともできず蹲っていた。今でも本当は部屋に戻り、何もせず蹲っていたいがそれだとみんなに余分な心配をかけてしまう。そのことを思い出してなんとか今日は教室に来ることができた。SHRが始まることもあり彼女とはあまり話すこともなく席へと戻る。
(……駄目だ。今は、彼女のことを考えたら駄目なんだ……)
今このタイミングで彼女を、フレイのことを考えてしまったらこの後の全てのことに手をつけられなくなってしまう。何かの拍子で彼女の名前を無意識に呟き、それを誰かに聞かれてしまうわけにはいかない。
「諸君、おはよう」
「みなさん、おはようございます」
織斑先生と山田先生がいつものように教室に入ってくればまだ話していた女子もピタリと会話は止まる。織斑先生が来てくれたおかげか僕も僅かばかり頭を切り替えることができたけど、それでも本調子というわけにはいかない。
「今日から本格的な実戦訓練を開始する。訓練機ではあるがISを使用しての授業になるので各人気を引き締めるように。各人のISスーツが届くまでは学校指定のものを使うので忘れないように」
(……そういえば僕のISスーツはあの時に着ていたパイロットスーツなんだっけ……)
パイロットスーツもこの世界に来てからの影響か極力この世界のISスーツに近しいものに変わっている。ストライクもそうだけど元の状態を知っている身としては助かってはいるけど……本格的な実戦訓練が始まることについてはいい思いは抱いてはいないけど僕はこの世界で部外者という立場な以上は迂闊な発言は控えるべきだ。僕の世界とこの世界は異なる世界だと割り切るにはやっぱりもう少し時間が必要だよ。
「私からは以上だ。山田先生、ホームルームを」
「はい。それではですね、今日はなんとみなさんに転校生を紹介しますっ!」
「「「えぇー!!」」」
いつものようにホームルームが続くと思えば山田先生の口から予想外の言葉が出てきて教室内は驚きの声が響く。こんな時期に転校生は珍しいっと不思議に思いながらも僕は耳を塞いでいた。山田先生が呼び掛ければ扉が開き転校生である少女は入室してくる。
(……もしかして、あの子は……)
転校生として教室に入ってきた彼女の雰囲気はこの教室内では異質な存在だった。輝くような銀髪に、彼女のその片目には黒い眼帯を付けており、赤い瞳は教室を見渡すどころか織斑先生、たった1人に向けられている。彼女の纏う空気は冷たく鋭い気配には心当たりがあった。……勘違いでないのなら彼女はきっと軍人だ。
「……挨拶をしろ、ラウラ」
「はっ、教官」
「ここではそう呼ぶな。私はもうお前の教官でなければ、このIS学園の教師の1人だ。次からは織斑先生と呼べ、いいな?」
「了解しました」
僕の予感は的中していて彼女はやっぱり軍人だった。そのことについては薄々思っていたからこそ良かったが、僕にとって衝撃が大きかったのは織斑先生が教官をしたことがあることについてだ。……よくよく考えてみれば僕は恩人である織斑先生のことを何一つ知らないでいる。IS学園の教師で一夏のお姉さんぐらいしか……。
「ラウラ・ボーデヴィッヒ、以上だ」
これ以上は話すつもりがないのか彼女は口を閉ざす。そして誰かを探すように赤い瞳を周囲を見渡せば、それを見つけた彼女は迷うことなく一夏の元へと向かっていく。そして教室内に乾いた音が響く。
「――――私は認めない。貴様があの人の弟などと、認めてなるものか」
「いきなりなにすんだっ!!」
僕も含めてクラス全員がなにが起きたのかわからず呆然とする。一夏も一瞬何をされたのかわからず呆けていたけど、我に返り自分が何をされたのかを理解して怒るものの、そんな彼を相手することなく空いている席へと彼女は座る。
「HRはこれで終わる。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合するように。今日は二組と合同でIS模擬戦闘を行う、解散!」
なにが起きたのかわからない中で次の授業の時間が迫っているため織斑先生の一喝でみんなは準備に入る。一夏は納得いかなさそうな顔をしているけど、このまま教室に居れば女子の邪魔になるため一緒に教室を出る。
「……一夏、大丈夫?」
「……んっ、まだ少し痛むけどな。そんなことより急ごうぜ、ここでモタモタしてたら遅刻しちまう」
「うん、そうだね。それじゃあ、行こうか」
あの様子だと一夏と転校生である彼女は初対面なのは間違いないはずだ。けれど、彼女が一夏の頬を叩く際に一瞬だけ感じた感情にどうも引っ掛かりを感じる。多分、怒りがメインではあると思うけど、それ以外にも他の感情が入り混じっていた気がしたけど……どうなんだろう?そのことが気になりながらも一夏と談話しながらアリーナ更衣室に辿り着き急いで着替え、第二グラウンドに向かう。
「……今日は無事に間に合っていそうだね」
「……第二グラウンドに千冬姉がいたらその時は死刑宣告と同義だからな」
僕と一夏は遠い目で空を見上げながら呟く。遅刻した場合は織斑先生の手によって制裁が行われる。あくまで噂で聞いたがそのためにワザと遅刻する人もいるとかいないとか……完全にそれを否定できないのがこのIS学園だよね、この学園の一種の闇だと思うよ……。
「はーい、キラ、元気にしているかしら」
「…………うん、とっても元気にしているよ。でも、今急にちょっと疲れてきたかなぁ」
「ええ、それなら昼休みに後でたっぷりと聞いてあげるから。それで、今日はコイツ遅刻はしてないんでしょ?」
「ああ、時間ギリギリではあったが教室に入ってきてシャルロットと話している姿は見た。だが、朝食の時は姿を見かけてはいない」
「私も同じく話している姿は見かけましたわ。朝の食堂の時は見かけませんでしたが」
やけにニコニコとして不機嫌な鈴が話しかけてきて全力で目を合わさないようにする。だけど現実はいつも非情で箒さんとセシリアさんによる告発で朝食を食べていないことはバレてしまう。
「今日の朝は部屋に行って呼びかけても応答はなかったし、鍵はキッチリと施錠してたから先に朝食を食べに行ったと思ってたけど……やっぱり、鍵閉めて部屋にいたのね」
「……あっ、えっと……」
今日の朝、誰かが僕の部屋を訪ねてきたのはかろうじて気づくことができたけど彼女だったことに何と答えればいいのか言葉が詰まる。あの時は返事を返す余裕もなく蹲っていたこともあるから、そのことを正直に話すわけにもいかない。
「別に怒ってるわけじゃないわよ。……朝の時はアンタにもなんか理由があったんでしょ?ちょっと顔色も悪いし……んっ、体調とか崩してない?アンタって多分我慢するタイプだと思うからキツいのなら言いなさいよ」
「う、うん……」
とても心配するように鈴は顔を覗いてきて僕はコクリと頷く。僕と彼女のルームメイトは解消されたはずなのだが、一緒にいた頃よりもこうやって頻繁に心配してくるのが多くなった気がする。僕のことよりも一夏の方を気にかけてあげればいいのに……。
「ふむ、遅刻者はいないようだな。では、本日から格闘及び射撃を含む実戦訓練を開始する」
「「はい!!」」
二組と合同していることもあって人が多いなぁ。みんなも訓練機が使えることもあってか気合いのある返事だ。その中で転校生であるラウラさんは興味なさそうにしているものの、織斑先生が指示をしていることもあるか最低限参加はしている。
「今から戦闘を実演してもらう。ここには専用機持ちが6人もいることだしな。――――一夏、シャルロット前に来い」
「お、俺っ!?」
「私ですか……?」
「……ぐぬぬっ、なぜ一夏さんとのタッグはわたくしではなくシャルロットさんなのですか……っ!」
「……ま、まぁ、私は専用機がないから仕方があるまい。う、うむ」
「……そりゃ、バランス的にはシャルロットが組みやすいのはわかるけど、アタシでもいいじゃない……!」
(……今関わったら碌なことにならないから見ないふりをしよう)
2人とも自分が呼ばれるとは思っていなかったようで戸惑いながらも前へと出る。内心で僕が呼ばれるんじゃないかと冷や汗をかいていたけど……3人ほど一夏とシャルロットさんがタッグを組むことに不満そうだけど全力で見て見ぬふりをする。触らぬ神にはなんとやらだし……。
「その、戦闘をするのはいいですけど相手は誰なんですか……?」
「ああ、伝えていなかったな。相手は――――」
「み、みなさん危ないのでどいてくださいー!?」
聞き慣れた空を裂く音と声の聞こえる方向を見ればISに身を纏い突っ込んでくる山田先生の姿がそこにあった。さっきまで完全に別のことを考えていたので僅かながら僕は避難が遅れる。
(あっ、これって直撃――――)
戦場で身に付いてしまった感で回避するのは不可能とわかれば咄嗟にストライクを身に纏う。そして次の瞬間には減速することなく突っ込むことになった山田先生とそのまま衝突、もちろん受け身を取ることもできなかった僕は山田先生と一緒に地面へと横転する。
「ストライクの展開が間に――――」
ストライクがギリギリ展開したことに安堵する前に、自分の片手が妙に柔らかいものを触れている感覚に違和感を感じる。……地面はこんなに柔らかいわけじゃないし……それにこの感触って……っ!?
「す、すみませんっ!!」
自分の片手が今、山田先生のどこを触ってしまっているのかを理解し急いで飛び退く。事故とはいっても押し倒すような体勢になっていて、しかも触っているなんて最悪じゃないか僕は……。
「う、ううん。大丈夫だよ、キラ君。キラ君の方こそ怪我はなかった?大丈夫?どこか痛んだりしていない?」
「だ、大丈夫です……本当にすみません……」
心配して体を触ってくれる山田先生に僕は震えた声で謝る。山田先生の顔が僅かに赤くなっているのを見て自己嫌悪に苛まれる。好きでもない異性に事故とはいえど胸を触られることになったのは酷く苦痛なはずだ。山田先生に何と声を掛ければいいのか分からず項垂れてしまう。
「え、ええとね……そのね、キラ君は何も悪くないからね?その、むしろ気を遣わせちゃってごめんね!私の方が悪いから気にしなくて全然大丈夫だから!……で、でもキラ君が元気になるなら――――」
「や、山田先生……?」
「――――あー、ゴホン。山田先生、キラ、2人とも大丈夫か?」
「ひゃ、ひゃい!私は大丈夫ですよ!!」
いつの間にか心配して織斑先生が近寄ってきて、それに驚いた山田先生が不思議な声を出す。織斑先生がこのタイミングで声をかけてくれたのは正直助かった。……あのままの空気だと酷く心臓に悪いことになりそうな気がしたしね。
「キラ、お前の方は大丈夫か?全身装甲タイプのためこちらから怪我をしてるかどうかについては目視できない。痛むところはあるか?」
「いえ、それについては大丈夫です。ストライクの展開はなんとか間に合いましたから」
ストライクの展開が間に合わなかったら流石にアレは意識を失う程度じゃすまないというか……けど、回避できなかった自分の責任なのは変わりないかな。……今からストライクを解除するのが憂鬱になる。多分、僕の顔は酷く歪んでいて到底みんなには見せられないと思う。何度も心の中で大丈夫だと自己暗示するように何度も呟く。意を決してストライクをいざ解除しようとするが解除できずに困惑する。
「あ、あれ……?」
「どうしたの、キラ君」
「え、えっと、ストライクを解除して待機モードにしようとしたんですけどそれを受け付けてくれなくて……」
「なに?もう一度試してみろ」
織斑先生の指示通り再度待機モードに戻そうとするがストライクがそれに応える気配はない。少なくともさっきまでは正常に機能していたのにどうして……?調整していた時にどこか不具合を見逃していたのかっと不安に駆られる。
「……ふむ、ISが搭乗している人の命令を拒絶しないのはまずないはず。なにか心当たりはあるか?」
「……えっと、一応はあります……」
「それならキラ君のその命令を未だに遂行しているんじゃないかな?ISは搭乗者と同じで成長していくから。……うーん、だけど解除するの命令を拒絶するのに矛盾が起きちゃうから……」
織斑先生と山田先生が難しい顔をして僕を見る。ISにはISコアというものがあってそれがないとISは動かないらしい。ストライクにもそのコアはあったんだけど……そのコアを詳細に調べるには膨大な時間が必要そうなため未だに手を出せていない。
(……ストライクが解除を拒んだのは僕がそれを望んでいたから?)
命令を拒んだのは僕が本心ではストライクを解除するのに躊躇いがあったから。もし、そうならストライクは僕の本心を理解し、尊重してくれるということになる。それが事実ならストライクにも意思があり、僕の本心を理解してこうやって守ってくれる。そう思えば胸の奥から感情が込み上げてくる。
「解除できない以上はそのままでいるしかあるまい。どうにしろ次にはお前にもISを使用して他の生徒のサポートをしてもらうつもりだったからな。……それについては大丈夫か?」
「はい、サポートするぐらいなら大丈夫だと思います」
「わかった。念のためお前は2人掛でやらせるつもりでもあるが無理だと思ったのなら直ぐに私か山田先生に報告しろ。わかったのなら列に戻れ」
ストライクのまま列に戻るのは違和感が凄いだろうなと他人事のように思いながら自分がいた場所に戻る。実際凄く視線が集まってるし……でも、これぐらいなら入学初日の時に比べればはるかにマシだよ。
「なぜキラはISを纏った状態で戻ってきたんだ?」
「原因はわからないけどストライクが解除できないんだ。実戦が終わったら織斑先生が専用機を使ってみんなをサポートするらしいから、このままでいいかなって」
「ISが解除するのを拒んでいるのは珍しいですわね。少しばかり興味深い現象ですわ。……けど、それはそれとしてもう少し危機管理を持った方がよろしいですわよ?」
「キラに小言は言うだけ無駄よ。話は聞くけど改善するかどうかは別だもの。……まぁ?山田先生を押し倒して役得してるから解除できなくてもいいんじゃない?」
何故か鈴の言葉の節々に棘があるのは気のせいじゃないよね?いや、彼女の言っている通り事故とはいえ押し倒すような体勢になって挙げ句の果てに胸を触ってしまったことを考えれば辛辣なのは当然だよね……。
「コホン、少しばかりアクシデントがあったが一夏、シャルロット、準備はいいか?」
「俺は大丈夫だけど……2対1ってのは流石に気が引くんですが……」
「その点は心配することはない。油断していると、今のお前らではすぐに勝負がついてしまうぞ?」
「うん、織斑先生の言う通り気を引き締めた方がいいよ。……本気で挑まないと私たち呆気なく負けてしまうから」
「ふっ、やはりリベンジマッチとあってシャルロットは燃えているようだな。――――では、始めっ!!」
織斑先生の号令で試合が始まる。誰もが織斑先生の言葉には半信半疑だったこともあり山田先生が一夏とシャルロットさんの2人を相手して立ち回っている姿を見て唖然とする。山田先生は追い込まれるどころかその逆で徐々に追い込んでいく。
「……ふーん、案外アンタたちの副担任って見かけによらず強いじゃない」
「……気のせいでなければわたくしと戦った時と全然違いますわ。もしかして、あの時の山田先生は本気ではなかったと?」
「それは確か適性検査の一つだったか?あの人の場合は緊張して本調子じゃなかった可能性があるんじゃないか?」
「……確かに山田先生ならあり得るんじゃないかな。でも、僕はとても頼りになる人だと思ってるけど……」
3人に怪訝な表情で見られるが僕の中で山田先生はとても頼りになる1人だ。僕の抱えているものが他人に打ち明けることができるものだったのなら、きっと僕は山田先生に相談していただろう。……それにしても山田先生は凄く正確な射撃だ。アレだけの技術を持っているのを見ると、昔は代表候補の1人だったりしたのだろうか?2人も善戦はするものの、後半になれば経験の差が出てしまい各個撃破され勝者は山田先生だった。
「いつつ、本気の山田先生ってめちゃくちゃ強かったんだな……」
「……うん、リベンジできなかったの悔しいかなぁ。ごめんね、一夏のフォローが間に合わなくて……」
「いや、シャルロットの援護がなかったら俺はすぐに堕とされてたと思う。俺こそここぞって時に決められなくてごめんな」
2人は即席でコンビを組んだこともありながら善戦したのは凄いと思う。悔しそうにしている姿を見れば2人はきっと強くなるはずだ。
「さて、次に移るぞ。専用機持ちは6人いる。八人のグループになって実習を行う。各グループリーダーは専用機持ちがやること、いいな?そして、シャルロットはキラと組んでサポートをしてやれ。まだ専用機持ちとしては日が浅いからな」
「わかりました!キラもわからないことがあったら何でも聞いてね!」
「うん、その時はお願いしようかな」
「出席番号順に一人づつ各グループに入れ。ちなみにこの時間内にできなければ残りは放課後だからな。それが嫌ならば真面目に取り組むように。では、分かれろ」
織斑先生の一言で一組と二組の子が各グループに分かれる。織斑先生の言葉でキビキビと動いているのは放課後居残りが嫌だからだろうなぁ。僕としては自分のペースでやれる放課後の方が楽そうだけど。
「それじゃあ、早速始めちゃおっか。キラは私のサポートをお願いしようかな」
「うん、わかったよ。僕ができる範囲ならいくらでも手伝うから」
「「はーい」」
シャルロットさんが指揮をする形で僕らのグループは落ち着く。まず知識面では圧倒的に彼女の方が上だし、僕に関しては専用機を持っているだけで知識については劣っている自覚はある。使いやすさもあって山田先生から打鉄を借りてきて、実習が始まる。軽く雑談はしながらだが僕らのグループは順調に進んでいるのは、やっぱりシャルロットさんのおかげだろう。僕がやったことは訓練機を持ってきたぐらいである。各グループとも順調に進んでいって無事に実習は時間ギリギリで終わる。……やっぱり、みんな放課後居残りが嫌だったんだなぁ。
「これで午前の実習は終わる。午後は今日使った訓練機の整備を行うため、各人格納庫で先程のグループで集合すること。遅刻した時はそれ相応の罰があると思えよ?では、解散」
(うーん、午後の整備については多分専用機持っている人は一緒に専用機の整備もやるのかな?その場合は流石に織斑先生に相談しないとなぁ)
整備ぐらいならみんなの前でもやっても大丈夫かも知れないけど、それでも情報が漏れることを考えたらなるべく避けたい。それにみんなの前でストライクの整備する姿見られるのは落ち着かないや。
「ほら、アンタはいつまでISを装着して呆けてるのよ。サッサっと解除しないと昼休みに入るわよ」
「えっ?ああ、うん、そうだね」
上の空だった僕を見かねてか鈴が呆れた様子で声をかけてくれる。この時間でなんとかいつも通りに気持ちが落ち着いたから解除できるはず。次は無事にストライクを解除できて待機状態になる。……やっぱり、ストライクは僕の気持ちや感情を読み取ってくれてるってことだよね?
「キラ、今日のお昼はよかったら一緒に食べない?最近はキラと話す時間が作れなかったし……駄目かな?」
「えっと、うん、大丈夫だよ。用事があるのは放課後だしね」
「うん!それじゃあ、食堂に行くときも一緒に行こっ!私、待ってるからキラも早く着替えてきてね!」
シャルロットさんは少し不安げに食事に誘ってきて、特に断る理由もないため頷く。気分が落ち着いたこともあって、久々に少しだけど空腹を感じているしね。彼女は嬉しそうに表情を和らげて先に戻っていく。
「よかったわね。シャルロットからお誘いをもらってさ、あんだけ嬉しそうな表情見せるのはキラぐらいじゃない?」
「……そうかな?そんなことはないと思うけど……」
「うへっ、アンタも一夏と同じで唐変木とかやめてよ?いくらアタシでもそこまで面倒を見るなんて嫌よ。馬に蹴られるのは御免だわ」
「……うん、その時は僕の言葉できちんと伝えるから大丈夫だよ……」
シャルロットさんがもし僕に向けてその感情を持っているとしたらきちんと答えるつもりだ。僕の心の中には"彼女"がいることを誤魔化すことなくハッキリと伝えなければならない。……それがシャルロットさんにとっても一番傷つかない選択肢のはずだ。
「……ところで、アンタ大丈夫なの?」
「えっと……なにがかな?山田先生と衝突したことについてなら大丈夫だけど……」
「……なら別にいいわ。アンタはとりあえずシャルロットと楽しく食べることについて考えときなさい。……そういえばだけどさぁ、アンタって辛いの大丈夫?」
「うーん、どうだろう?最近は食べてなかったし……普通ぐらいなら大丈夫なんじゃないかな?えっと、この質問ってなにかあるのかな?」
「別にアンタが心配するようなことじゃないわよ。ちょっと確認したかっただけ。ほら、アンタはサッサっと着替えてくる。約束を破る男は碌なことにならないわよ」
それって完全に一夏のことだよね。最終的には一夏は約束を覚えていたオチだったけど、紛らわしいことを言ったことについては少し根に持ってるよね……鈴に見送られるように僕は更衣室に向かうことにした――――
えっ?マヤマヤの万乳引力になんでキラ君は逆らえたのかって?そんなの経験済みだからでしょ((適当
多分、次はオリジナル回か……または時空列一気に飛ばすでしょう。下手したら眼帯銀髪っ子で割と話数が増える気しかしないので……ちなみにキラ君の精神回復するのは銀髪っ子編ではないと思います。前回、回復したから平気ですよ、平気。ちょっと生きていいのか、駄目なのかで往復して彼女のこと思い出してるだけなんで。
はい!次回の更新は未定ですが気長にお待ちください!誤字&脱字報告お待ちしております!!感想も毎度ありがとうございますっ!!