ちょっと2ヶ月ほど失踪しようかなっと考えていたら、公式からかなり重大な報告を知ってしまい書き上げてしまった……SEEDの劇場版報告、新作のゲームの発表、そして外伝やらの発表とかタイミング良すぎないかい……?これは執筆から逃げるなという意志を感じましたよ((自意識過剰
……みなさん、だからガンダムSEED劇場版があるまでは某ウイルス対策万全にしようねっ!!((迫真
『おいおい、シャルロットちゃんよ?最近は報告が怠ってるようだが成果の方はどうなんだぁ?せめて2人の内の1人からは専用機のデータを確保できたんだよなぁ?』
「そ、それは……」
『あぁ?もしかしててめぇ、まだ1人もデータを回収していないとか言わねえよなぁ?」
電話口からこの人が苛立っているのが分かり声が詰まる。その場凌ぎの嘘でも言えばいいのに思うように言葉を発する事ができず数秒後に物凄い剣幕で怒鳴られる。
『てめえっ!この2ヶ月間いったい何をしてやがったっ!?もしかして呑気に学園生活を謳歌していたってかっ!?たった2人から専用機のデータを手に入れるのすら満足にできねえのかっ!!ブリュンヒルデの弟はともかく、もう1人の方からデータの一つも奪えてないのはどういう事だっ!?』
「……すみ、ません……」
『おいおい、シャルロットちゃんしっかりしてくれよぉ?第二操縦者の餓鬼の方は身寄りが1人もいねえ絶好の獲物じゃねえか。そんな餓鬼は軽く優しくしてあげれば簡単に懐柔できんだろぉ?』
「……無理です。だってキラは……」
『あぁ?よく聞こえねえなぁ?もっとハッキリ言えよ、シャルロットちゃんよぉ?』
「……なんでもありません」
『どうにしたって最近お仕事をサボってばかりのシャルロットちゃんにはお仕置きが必要かねぇ?今すぐにでも大好きで大好きで仕方のないお父様に報告してあげてもいいんだぜ?お仕事をサボっているってことをなぁ?』
「……っ!!それ、だけはやめてください……っ!!」
『ハハハッ!!必死に懇願をして、そんなに捨てられちまうのが怖いのかぁ?そりゃ、そうだよなっ!!シャルロットちゃんにはそのお父様が唯一の繋がりだもんなぁ!!ISという大事な居場所まで奪われちまったらなーんにも残らねえもんなぁ!!』
込み上げてくる感情を飲み込んで、何度も何度も秘書の人にそれだけはやめて下さいと必死に懇願する。愉快そうに下卑た笑い声に我慢するようにスカートの裾を強く握る。これ以上この人の機嫌を損ねたらきっとお父さんに報告されて、使えないと判断された私は国に戻るように言われて捨てられてしまうから。
『自分のを立場を思い出したようだなぁ?流石の温厚な私でも今回の件はただで許すわけにはいかなくてなぁ。そうだなぁ……今度近いうちに大きなイベントがあるだろ?』
「……あり、ますけど……」
『そのイベントが終わる前に餓鬼のどっちかの専用機のデータを奪うか、盗むか……どんな手を使っても手に入れろ』
「の、残り1週間もないのに……そんなの無理ですよ……っ!?」
『それならシャルロットちゃんの大事な居場所は無くなっちまうだけだせぇ?無理じゃなくてやるんだよ、それぐらいわかってんだろぉ?相手は盛るぐらいの年頃の餓鬼だ……自分が女であって最大の武器が何なのかを忘れんなよ?次はいい報告を待っているぜ、シャルロットちゃんよぉ』
一方的に切られた電話から無機質な音が聞こえてくるだけ。……学年個別トーナメントまで約1週間しか時間がないのに、その中でキラと一夏のどちらかかデータを手に入れないといけない。
「……そんなの、無理だよ……できるわけないよ……」
我慢し続けていたモノが込み上げてきて、力なくその場に座り込んでしまう。手の甲にポタポタと溢れ落ちているのが私自身の涙だというのに気づくのに数秒の時間がかかった。
「……誰か、誰か助けてよ……」
嗚咽を漏らしながら絞り出した声で出た言葉は誰にも届く事はないのはわかってる。私の事情を話してもただの迷惑でしかないし……なによりみんなを騙し続けたという事を知られてしまうのが怖い。知られてしまえばきっと親しくなったみんなから距離を置かれてしまう。……それに私は男性操縦者である2人からデータを盗み取らないといけない、そんな事を誰かに話す事なんてできないよ……。
「……キラ……助けて……」
無意識に彼の名前を呟いた事に気づいて呆然とする。この前から気まずくなっているキラの事をどうして私は思い出してるの……?だって、私はキラから専用機のデータを奪わないといけないんだよ……それなのにキラに助けを求めるなんて、そんなのおかしいよ……。
(……だけど、もしかしたらキラなら……)
クラス対抗戦で起きた事件のことを思い出す。標的とされて撃たれた箒を命懸けで助けて、あの後すぐに専用機を駆り出して無人機と対峙し最後に鈴を守った時のことを。あの時の2人を見て私は、心配よりも先に義望の目で見てしまっていた。
(……それに鈴はまたキラが守ってる。やっぱり、キラにとって鈴は特別なのかな……)
今日のアリーナでの事で鈴は2回目だ。彼には好きな人がいる……その好きな人が鈴なんじゃないかって疑ってる。2人は元はルームメイトで、それが解消されても堕落した生活のキラを鈴が面倒を見るといった奇妙な関係は今日も続いている。2人にとってそれがさも当たり前のようになってきているのは……見ていてあまり面白くなかった。
「……そろそろ戻らなきゃ」
もう少しで一年生が食堂を使う時間になる。その時に彼がいれば今度こそ話しかけないと……保健室前で会った時は話すどころか目を背けてしまった。それに……今は何故か無性にキラと話をしたくて仕方なかった――――
◇◇◇
「……なーにがあの時のことを教えてよだっ!そんなの教えるわけがないってのっ!!」
「だからといって先輩方を追い返すような言い方をする必要はなかったと思いますわよ」
「そんなの知らないわよっ!」
食堂で鈴とセシリアの姿を見かけて声をかけようか一瞬悩んでしまう。食堂にいるのを考えたら動けるまでには回復してはいると思うけど……それでも心配なのは確かだし声をかけないわけにはいかないよ。
「2人とも怪我の方は大丈夫なの?」
「ええ、あれから少しばかり仮眠をとりましたから。まだ少し痛みはありますが、これぐらいはなんともありませんわ」
「これぐらいは平気よ。ISに乗ってたら軽めの打撲なんて偶にあることじゃない。むしろ、周りが少し大袈裟だっての」
「あ、あははは……えっと、キラはどこにいるか2人は知ってる?私はまだ食堂で姿を見かけてなくて……」
「部屋の中で引き篭もってると思うわよ。来る前に部屋に寄ったけど返事は返ってこなかったけど……まぁ、自分の噂になると結構敏感なところがあるし、それで自室にいるんじゃないかしら」
「今日はそれが賢明な判断なのは間違いないですわね。ある意味で娯楽に飢えているこの学園には、広がってしまったモノは簡単に消える事はありませんし。……もっとも、明日以降はどうすることもできないと思いますが。学年個別トーナメントが終わるまでは少なくとも今回の件で話題は持ちきりでしょう」
「……それも、そうだね」
良くも悪くも学園は噂に敏感なことは数ヶ月過ごせば流石にわかる。特に男性操縦者である2人の噂についてなら尚更だ。鈴が事前に彼の部屋を訪ねていてそれでこの場にいない事を考えたら、今回の事を配慮して無理矢理連れ出していないのだろう。
「……やっぱ、もう一度キラの部屋に行って様子見てくる。今日の事でアイツはまた色々と気に病んでるだろうし。また下手したら夕食を食べないで過ごすことになるでしょ」
「あっ、それなら私がキラの部屋まで持っていくよ。鈴はもう食べてるから、食べ終わるまでに時間がかかるでしょ?私は夕食まだだからさ、そのままキラと一緒に食べることにするから」
「……んー、まあ、別にシャルロットならいっか。今さっき一夏と箒が夕食選びに行ったところだし、一夏にアンタの分とキラの分持ってこさせようか?」
「ううん、大丈夫だよ」
「それならキラに伝言もお願い、あんまり周りのことを気にしすぎるなって」
「うん、分かったよ」
キラの様子を見るぐらいは怪しまれないはず。鈴だって頻繁に部屋を訪ねてるんだから私が行っても大丈夫なはず。キラと私は今気まずくなっているけど……私から声をかければ彼なら応えてくれるよね……?日頃のことを考えればキラは少食そうだからお手軽に食べやすいものがいいだろう。適当に私の分とキラの分の夕食を持って食堂を後にする。
(……どうやって、声をかければいいのかな……)
彼の部屋の前まで来てノックする寸前に、どんな風に声をかければいいのか分からなくて手が止まる。無意識に出た言葉でそのまま勢いに任せて口にした想いは実ることがなく、その時の蟠りは拭えていない。それがキラを利用するためだったのか、私の本心だったのかは未だにわからない。
(……なるようになるよ。だってキラは私と違って優しい人だから)
「……シャルロットだけど、キラ大丈夫?起きてるのなら開けてくれると嬉しいかな」
彼の優しさに付け込んでいるような気がして胸が締め付けられるけど、これは仕方のないことなんだって言い訳する。数分間経ったけど扉が開く気配がなくて、多分寝ているのだろうと思い食堂に戻ろうかと考えれば扉が開く。
「……気付くのが遅れてごめんね。待たせたかな……?」
「う、ううん……そんなことないよ」
扉が開けば、いつもよりも疲れ切っている顔でぎこちなく笑うキラの姿を見て何かがあったのだとわかる。私はそんな彼に気づかないフリをして彼の部屋へと上がる。彼が部屋を移動して上がったのは初めてかも……。
(あの時はキラの部屋をよく見る時間はなかったけど……やっぱりモノが少ない。あまり、生活感を感じないよ)
見渡す限り私物は少ない。だからか、この部屋で本当に過ごしているのかと思ってしまう。唯一ベットの上の布団が雑に畳まれているのはさっきまで寝ていたのかな……?
「……えっと、シャルロットさんは僕に用事があるんだよね……?」
「あっ、うん……キラが食堂で姿を見かけなかったから夕食を持ってきたんだ。……私だと迷惑、だったかな?」
「ううん、そんなことないよ。……もうそんなに時間が経っていたのか……」
待っていた彼の分の夕食を渡してありがとうっと微笑みながら受け取ってくれる。彼の言葉から察するにやっぱりさっきまで寝ていたんだと思う。……そういえば前にキラは悪夢を見ているって事を言っていたけど、鈴はその事を知っているのかな……?彼女の様子から考えるとそれを知ってるいるようには見えなかったけど……。
「あっ、忘れる前に鈴から伝言があるから伝えるね。『あんまり周りの事を気にしすぎるな』だって」
「……えっと……?」
「あっ、これは多分今日のアリーナでの事だと思う……今その事で学園全体が噂しているようだから……」
「……そっか。アリーナでの事はもう噂になってるんだ……」
感情のない声で呟いた彼のことを一瞬目を疑った。キラは良くも悪くも感情が声や表情に出やすい人だと思う。そんな彼からこんなにも感情がない声が出ることがあるのに一瞬信じることができなかった。マジマジとキラの顔を見ていればそれに気づいた彼が不思議そうに聞いてくる。
「……僕の顔に何かついてるかな……?」
「えっ!?そ、そんなことないよ……?え、えっとね、私もここで夕食を食べていこうかなって思ってたんだけど……」
「……シャルロットさんがそうしたいのなら大丈夫だよ」
誤魔化すために咄嗟に口から出た事にキラは深く聞いてくる事はなく頷いてくれる。一緒に夕食を食べる事になったのは元からそれが目的の一つではあるからいいけど……やっぱりお互いに気まずさがあってパタリと会話が止まってしまう。普段は美味しいのに今はあまり美味しく感じない食堂のご飯を口にしていると、ふっとキラの方を見れば箸が進んでいない。
「……もしかして、お腹空いてなかったかな?」
「えっ?……どう、だろう……?お腹は空いているとは思うよ……よく、自分でもわからないんだ……」
「……キラ、本当に大丈夫?」
「……うん、僕は大丈夫だよ。まだ大丈夫だから」
それは嘘なんだって痛々しく無理に笑うキラを見ればわかる。さっきの大丈夫はきっと、心配した私を安心させるためもあるかも知れないけど自己暗示をしているんだ。……やっぱり保健室の前で会った以降に彼の身に何かあったんだ。
「食欲がないのなら無理をして食べなくていいからね?無理して食べた方が体に悪いと思うから」
「……うん、そうするよ……」
「今日の夕食は朝に食べる事ができるように私がラップしておくね。キラはゆっくりしててよ」
夕食を食べ終えた私は彼の分の夕食をラップをして冷蔵庫に入れておく。キラはボンヤリと窓から夜空を見上げて、その背中はとても弱々しく見える。もしかして放課後姿を見せないのはこれをみんなに隠すためなのかも知れない。
「今日は晴れてるからよく星が見えるよね。月も満月だし、夜空を眺めたくなるのもわかるかなー。キラは好きなの?空を見上げるの」
「……どうだろうね……結局空を見上げてるのだって、変わらないモノがあるんだって落ち着かせるのが理由だから……」
「……やっぱり何かあったんだよねっ?保健室の前で会った時は疲れてる顔をしていたけど、今よりも酷くなかったよ……私でよければ話を聞くよ?」
優しく諭すように話しかける今の私は本心からなのだろうか?それとも、与えられた任務を達成するために弱っている彼に付け込もうとしているの……?どっちにしても、虚ろな目で私を見るキラのことを放っておく選択肢はなかった。
「……わからないんだ……僕は何のために生まれたのかも……今を生きてるのかも……何をしないといけないのかも……」
「……キラ……」
ドイツ代表候補生である彼女に臆病者だと蔑まされても、反論をせず肯定した理由はこれなんだ。あの時探さないといけない答えから逃げ続けていると言っていた意味を今理解する。初めて私はキラの本心へと触れたような気がした。……キラはきっとこれをずっと隠し続けてたんだ。
「……いいんじゃないかな。悩み続けて、苦しんだり悲しんでばかりなのなら、休むことだって必要だよ。今のキラは泣いてるのを我慢しているようにしか見えないよ」
「……そう、なのかな……」
「そうだよ。……私もさ、どうして生まれたのかってずっと悩んでる。私も……考えることにちょっぴり疲れちゃったんだ」
隣に座りキラの肩に頭を預ける。微かに彼の体が揺れたけれど拒絶されることはなかった。ううん、今のキラには私を拒絶するような気力だって残ってないんだ。……本当は今寄りかかっている彼のISデータを手に入れないといけない。今の彼から手に入れる事は多分簡単なんだと思う……でも、それをすれば本当にキラは壊れてしまいそう。
「……今日はここにずっと居ていいかな?キラのそばから離れたくないんだ……そばに居させてくれるだけでいいから……お願い……」
「……シャルロットさんの好きにしていいよ……」
「……うんっ、ありがと」
断られるかと思っていた我儘は彼は悩んだ末で受け入れてくれた。少しだけ胸が高鳴っているのは今日彼の部屋でこのまま過ごすことになったからだよね……?空をずっと見続ける彼の表情は変わっていないのは少しだけ悔しいけど、そばにいる事ができるのならそれでいいんだ。
「……僕は、僕は……」
「……大丈夫だよ、私がそばにいるから。だから今は何も考えなくていいんだよ、キラ」
「……シャル、ロットさん……」
「私と2人だけの時はシャルって呼んで……お願い、キラだけにそう呼ばれたいの」
「……シャル……」
「キラが望むなら私はなんでもするから。だから私をそばにいさせて……私のことを必要としてよ、キラ」
私たちは似た悩みを抱いて今を生きているのなら、それを埋めるためにお互いに求めあって生きていけばいい。生気のない表情を浮かべている彼の手に私の指を絡める。これ以上はお互いに何かが壊れてしまいそうな気がするけど……それでもいいかもしれない。
「……このまま寝よっか。起きていても疲れるだけだから……片方のベット借りるね?」
「……うん……」
一緒に寝る事も考えたけど、なんらかの理由で朝目撃されたら後が少しだけ面倒になるから流石にやめておかないと。沢山我儘を受け入れてくれているのに、それで更に迷惑をかけるのは嫌だから。最後に心配でキラの方へと視界を向けるけど横になっているところを見るときっともう寝たのだ。その姿にホッと安心して、私は最後におやすみっと呟き瞼を閉じた――――
キャラ視点は開き直っているのでどうとでもなれ((吐血
キラ君がとうとうがガバる話ですねっ!精神がやばい人と精神がやばい人がお互いを知るとどうなるかは簡単にお分かりですよネ。みなさんが危惧していたあざといさんの回ですよ((
シャルロットさんとキラ君は正常な状態だと相性かなりいいけど、お互いメンタルボロボロだと相性最悪そうですよね。特にシャルロットさんが優しい子だから、発破をかけるよりもこうなっちまう可能性が高そうだよね…ルームメイトになってたら多分無人機前にこうなってそう((
えっ?微妙に回復したキラ君のメンタルはどうしたのかって?あれぐらいで持ち堪えているのなら、2年間も隠居してないと思ってください((ガバ
脱字&誤字報告毎度ありがとうございますっ!!感想もいつでもお待ちしていますので、次回も気長にお待ちくださいっ!!
(ちなみに多分……学年個別トーナメント開始までもう少し時間かかるゾ……ガバが起きたから……許して……))