fgoの前半ストーリーが想定より早く終わったから投稿です!
ちなみに私がガバしなかったら学年個別トーナメント編は前で終わってるはずなんですよね……あと、私にサブタイルトを求めn((以下略
あと、感想の連投につきましては最後の返信に返しますので何卒よろしくお願いします……。そしてお気に入り約1000人突破ですよ……ありがたや……ありがたや((震え声
あと、ヒロイン候補については2人から3人に増えたと報告します。ハーレムはする気はありませんので…まず生かせる気もしないので……あとヒロインの1人はわしの性癖を信じて。……まず2人は絶対バレてるでしょ((
「ごめんねー?こんな夜遅くに作業をする事になって」
「悪く思ってるのなら、もっと早く言ってくださいよ……」
学年個別トーナメント前日なのに夜遅くに更識会長と2人で整備室である作業をしていた。流石に明日に備えて早めに寝ようとしていたところをまるでタイミングを見計らっていたかのように、突然と押しかけてきてある理由で整備室へと連行された。
「放課後は整備室に人がいるから、ゆっくりと作業ができないもの。君のISのデータを見られる可能性を考慮したらどうしても夜しかなかったのよね」
「……それは確かにそうですけど」
「それに、私と夜分遅くに整備室で2人きりよ?夜更かしする事にはなるけどちょっとしたご褒美にはなるじゃない」
「別段そう思っていませんけど……」
「えー、そんなはっきりと言わなくていいじゃない。……今の私って部屋着よ?それなのにキラ君はなーんにも感想をくれないじゃない」
面白くなさそうに拗ねる更識会長の姿を見て、シャルの件を話を聞いてくれた人と同一人物なのかと疑いたくなる。実際彼女は気軽な格好になっていて正直目のやり場に困る。更識会長のことをそんな風に見る気は湧かないけれど……単純に視界に入っただけでも揶揄ってきそうなのがこの人だし。
「はい、少し休憩にしましょうか。ディスプレイをずっと見ていて疲れてきたでしょ?水分補給だってやらないとね」
「水ありがとうございます。……別に先に部屋に戻ってもいいんですよ?時間がかかる可能性だってありますし……まず更識会長は朝早いと思いますから」
「気遣いありがとう。けど、発案者の私が君を置いて先に部屋に戻るとか普通に罪悪感を感じるのよ。一応夜に整備室を使う事の許可は生徒会長としてもぎとってはきたけど、キラ君1人にした場合はそれが無効になる可能性が高いのよね。だから見回りの際に、夜分遅くに整備室で何をしていたのか説明を求められた時の事を考えると私はいた方がいいのよ」
更識会長がそう言うのならその通りにした方がいいのかな……?確かに夜遅くに整備室で1人で作業しているのを見られたら止められてしまうのは間違いないだろう。そう考えると確かに更識会長がいた方がいいか。
「ちなみに君がこの世界の人間ではないって事はどれぐらいの人が把握してるの?今までの様子を考えれば織斑先生は知ってるのは間違いないと思ってるけど」
「あとは山田先生だけですよ。織斑先生、山田先生、それと更識会長の3人にしか話していません。……簡単に話せる内容ではありませんし、仮に言ったところで信じてもらえないのが普通なので……」
「まぁ、誰だって突然異なる世界の人間だって言われても信じることなんてできないわよねぇ……そういえば無人機が襲来する少し前にアリーナの遮断エネルギーが突破された事があったりしたんだけど、それって君は何か関係したりする?」
「…………えっと、それは僕が原因です……織斑先生が言うには墜落するように遮断シールドを突破したらしいので……その時は意識を失ってましたから実感はなかったんですけど……」
その話題を出されれば気まずくなって目を背ける。やっぱ遮断シールドを突破した事ってかなりマズい事だったのではっと冷や汗が流れる。更識会長はそんな僕のことを察してか弁償することなんてはないと教えてくれた事にほっと安堵する。
「……すみません、相談したい事があるんですけどいいですか……?」
「私に相談?可愛い後輩である君からの相談なら全然welcomeよ」
「……その、今度の学年個別トーナメントで箒さんに果たし合いを申し込まれて……それでどうしたらいいのか分からなくて……彼女と戦う理由なんて僕にはありませんし……それにまた友達と戦うなんて僕は嫌なんです……」
「またってことは前にも君は友達と戦ったことがあるってことよね?それって今回のような模擬戦に近いようなものじゃなかったの?」
「……僕の世界はこの世界のように平和ではありませんでしたから。戦争の最中に、親友と会って……そのまま戦ったんです……」
「そんな過酷な経験をした君からすれば友達の箒ちゃんとは戦う事自体が嫌ってことなのね。……ねえ、キラ君は戦争に参加していたって事はつまり……」
「…………更識会長の考えている通りです……僕は人の命をこの手で何度も奪いました……」
友達を、大切な人を守るためには仕方がなかったのだと被害者のように言い訳などできるわけがない。どんな理由があっても人の命を奪ってしまったのだから立派な加害者なんだ。自身が人殺しなのだと白状し、更識会長の口からどんな言葉を投げかけられるのかと恐怖が襲ってくる。だけど想像してた事ではなくその逆で、そっと優しく手を触れられる感覚だった。
「……更識、会長……っ?」
「ふふっ、そんなに驚いた顔をしちゃって。私が君の手を取るだなんて予想外だったかしら?……この世界に来てその事を打ち明けられなくて苦しかったでしょ。君の中にある苦しみや痛みを私は共有はできないけど……誰かを殺めた後悔の痛みならちょっとだけ共感はできるわ」
「……更識会長もあるんですか……その、誰かを殺めることになったことが……?」
「前に私が対暗部用暗部だって言ったでしょ?そのお仕事って要するにお偉いさんを狙う悪い人や、各国に所属する裏組織への対応するのがメインなの。だからその時にこの手で殺めるだなんてこともあるわ……更識家はそんな家系なのよ」
「……更識会長は嫌じゃないんですか……?今だって、その、それを続けてるんですよね……?」
「そうね……ハッキリと言えば嫌よ。当主の名を引き継いだ以上は覚悟は決めているけど、それでも憂鬱になっちゃう時だってあるもの。……だけどね、私がやらないとこんな事を簪ちゃんがやらないといけなくなる。あの子には更識家の呪縛なんて関係なくごく普通に過ごしてほしいから……そのためだったらお姉さんは幾らでも頑張れるのよ」
誤魔化すこともなく更識会長の本心を初めて聞いたような気がした。妹である更識さんの為なら幾らでも頑張れると言ったこの人は心の奥底から強い人なのだとそう思う。……最近やっと逃げないのだと決心をした僕とは違う。
「ねえ、キラ君は何のために戦い続けたの?戦場の中で親友と再会したのに……それでも君が戦う道を選んだ理由をお姉さんは知りたいな」
「……守りたい人たちが、友達がいたんです……だから僕は戦いました……」
「そっか……友達を守るためにキラ君は武器を手に取った、相手が親友だったとしても。友達を守るために戦い続けた君ならこの世界でも友達を守るために戦うのは必然か……箒ちゃんと戦う事は避けられないと思うけど、その想いを彼女にぶつけてきなさい。そうしたら、きっと彼女だって納得するはずだと思うわ。友達の為に戦うだなんて簡単そうに見えて本当はとっても難しいことだから」
「……はい。ありがとうございます、相談に乗ってもらえて……」
「ふふっ、いいのよ。相談してくれるって事はキラ君に信用してもらえてきてるって証拠だから。それにしても前の世界で君は軍人だったのね、強い理由にも納得しちゃったわ」
「……軍人だったよりもそうなってしまったって言った方が正しいのかも知れません……」
「……なにかすごーく含みのある言い方よ、それ。軍人だから戦争に参加して戦ったんじゃないの?」
「……戦争に巻き込まれて、そのまま流れで戦う事になってしまったというか……今はもうなくなりましたけど元は工業カレッジに通ってただけなので……」
「……つまり本当は軍人じゃなくて元はただの民間人だったってこと。民間人を守るのが軍隊の役目なのにそれができないどころか、民間人である君を戦わせるなんて頭が痛くなる話だわ……」
「……その、僕にも責任がありますから……非常事態ではありましたけど、ストライクのOSを自分用に書き換えることもしましたし……」
「……ちなみにストライクって、君の専用機になっているストライクのこと?」
「はい、ストライクは僕の世界では兵器の一つでしたから。……今はISのサイズになっていますけど、元はMSといって有人操縦式の人型機動兵器でもっと大きかったので……」
「君の専用機も元は戦争で扱っていた兵器の一つだってことか……ISとしてではなく君の世界の兵器として考えれば、ストライカーパックの各戦況に適して換装できるのは強みになる。もちろんストライカーパックを持ち運ぶことができる環境も揃っているはずだから……兵器として考えれば間違いなく優秀よね」
戦争に巻き込まれた事を話すとなると必然的にストライクが僕の世界では兵器だということも話すことになる。ストライクのストライカーパックの有り難みは自身が一番身に染みている。フリーダムに搭乗する前の戦闘はきっとストライクじゃなかったら乗り越える事はできなかっただろう。
「……民間人だったのに戦争に巻き込まれて、友達の為に戦ってたのにそれでいて親友と戦う事になる……キラ君ってそういった星の下に生まれてたりしてない?」
「…………否定はできません」
自身の出生のこと、そしてこの世界に来てしまった事を考えたら否定なんてできなかった。人々の理想として造られたのなら遅かれ早かれ大きな出来事に巻き込まれるのは必然だったのかも知れない……それがどのようなことであっても。
「改竄したストライクのデータを餌にして確実にオータムを誘き出す作戦は変更した方が良さそうね。奪わせるつもりなんてないけどもしもって可能性はあるしね……元々危険な賭けではあったから変更する理由ができてちょうど良かったとしましょう」
「……ですけど、これ以外はシャルロットの方に大きく負担がかかってしまうんですよね?」
「……どうしてもね。怪しまれないように接触についてはどうしてもシャルロットちゃんに任せる事になっちゃうから、彼女の身の危険も下げる意味も含めて先の作戦でもあったんだけど――――」
「……それでしたらこのままさっきの作戦通りでいきましょう。少しでも彼女の身の安全が高い方でお願いします。もし、ストライクのデータの奪われたその時は僕が責任を取ります……だから、お願いします……」
「……わかったわ。ふふっ、その時は共犯者である私も責任を取るとしましょう。データの改竄はPS装甲を念入りにして、ストライカーパックの方は改竄しなくて大丈夫よ」
「……ストライカーパックも改竄した方がいいと思いけど……」
「開き直ってもう一つの方にも賭けようと思うの。武装強化も含めて、ストライカーパックの事はキラ君も喉から手が出るほど欲しいでしょ?確率はすごく低いけど運がよかったら、そのストライカーパックが手に入るかもよ?」
「は、はぁ……?」
ストライカーパックが手に入るのは確かに願ってもない事なんだけど……もう一つの方に賭けるという意味はイマイチ分からない。けど、更識会長の言う通りPS装甲のデータ改竄を念入りにしておこう。休憩も終わり再度ディスプレイと睨み合っていると背中越しから優しく抱きしめられる。
「……今まできっと君は無理をしてでも戦ってきたと思うけどこの世界ではそうしなくていいのよ。お姉さんが守るから、君のことも一夏君たちのことも」
「……それだと更識会長の事を誰が守るんですか?」
「ふふっ、私のことも気にしてくれるなんて本当に優しいのね。生徒会長はIS学園では最強でなくてはならない、だから私のことは気にしなくて大丈夫よ。キラ君のその優しさは私以外に向けてあげなさいな」
更識会長はそう言っているけど僅かに声を弾ませているのは気のせいなのだろうか?更識会長の実力については分からないけど……もしもその時は彼女事を誰が守るのだろうか?誰もいないのならそれなら――――
「手も止まっているし、その顔は余計な事を考えているわねー?ほらほら、キラ君が頑張らないと私たちは眠ることができないのよー?」
「そ、そのわかりましたから……そろそろ離れてくれる方が助かるんですけど……あっ、えっと……」
「ふふっ、お姉さんははっきり言ってくれないとわからないかなー?キラ君の困っている顔を間近で見れるから私としてはとっても楽しかったりするわ。ほーら、もう少しで終わりそうだから頑張りなさいな」
更識会長がわざとやっているのは分かっているけど結局どうすればいいのか分からずそのまま続ける事にする。時折耳元で囁いてくるのと背中から感じる柔らかい感触が原因で思うように集中できず結局長引いてしまうのだった――――
◇◇◇
「――――ねぇ、流石のキラでも今日がなんの日かぐらいかはわかってるわよねぇ?ほら、なんの日かはっきりと自分の口で答えてみなさい」
「…………が、学年個別トーナメントかなっ?」
「ちゃーんと今日が何の日かを覚えているのは褒めてあげる。……それなのに全く睡眠をとってないとかどういうことよ、このアホっ!!」
「そ、そのどうしてもやらないといけない事があって……」
「それが大切な事なのはアンタの様子を見れば分かるけど、限度ってのを知りなさいよっ!!部屋の鍵は相変わらず閉め忘れてるし、それで中に入ればベットの上じゃなくて床の上で寝てたしっ!!何かあったと思って心配して近づいたら普通に寝ていただけだしっ!!心配したアタシが馬鹿みたいじゃないっ!!」
「ご、ごめん……」
ご立腹である鈴に謝るという選択肢しかなかった。データ改竄が終わるまで更識会長はずっとあの体勢でいた事もあって、精神的にも疲弊していて自室についてからはベットに行くまでも億劫になりそのまま倒れるように寝たのだ。……今日起こされ方が過去最高に雑だったのはそれが原因だと思うんだ……。
「アタシと同棲してた時より酷くなってない?今日は見逃してあげるけど次はないのを覚えておきなさいよ。次は千冬さんに報告だってのを忘れるんじゃないわよっ!」
「き、気をつけるよ……」
「気をつけるっ、じゃなくて以後しないようにするのよっ!……朝から不健康極まりないけど栄養ドリンクでも飲んで気合いと元気を注入しときなさいっ!朝食を食べた後はすぐ誘導とか細かい準備とかしないといけないんだからっ!!」
鈴から手渡されたのは栄養ドリンクだった。……まぁ、これを朝食と一緒に摂取するのは間違いなく健康面を考えると最悪だよね。日常的にも健康とかに口酸っぱい鈴からこれを渡されるなんて流石にまずい気がするよ……。
「2人ともおは――――ってキラ、朝から栄養ドリンク……?」
「ほらっ!普段温厚なシャルロットでもちょっと困惑しちゃってるじゃないっ!わかるっ、これが普通の反応だからねっ!!」
「ちょ、ちょっと驚いただけだからねっ!?今日は一日大変だから朝から栄養ドリンクを飲んでてもおかしくはないと思うかな!」
わたふたとフォローをしてくれるシャルの優しさが余計に心に刺さる。この栄養ドリンクを飲まない方がいいのではっと密かに思ってるけど、飲まなかったら無理矢理鈴から飲まされる未来が見えているんだよね。
「そういえば一夏の姿が見えないけど……」
「一夏ならとっくの前に起きて、箒とセシリアに連行されてったわよ。貴重な男手なんだら力仕事メインに他の女子にも頼まれてた。だからキラもサッサと朝食を食べる、その後はアタシと会場準備の手伝いに行くわよ」
「それなら私がキラと一緒にいるよ。鈴は一夏の方を手伝ってきてあげたらいいんじゃないかな」
「…………一瞬シャルロットに全部任せようとは思ったけどやっぱり駄目ね。コイツの場合は前例があるから1人より2人で見たほうが――――」
「――――そこの2人には悪いけど今日の会場準備の時は彼にはすでに先約があったりするのよねー」
「あっ、更識会長……」
更識会長はニコニコと微笑み、いつもの扇子に『先約』と達筆に書いてあった。いや、それよりも先約があるって話は今日初めて聞いたんですけど……昨晩にはそんな話は一切していなかったし。
「……キラは本当に自分の意思で生徒会に入ったんでしょうねぇ?」
「えっ?う、うん……そうだけど……」
「今日初めて対面したけど、この人ってどちらかと言えば悪い意味の方での人たらしじゃないっ!弱音につけ込まれたとかじゃないでしょうねっ!!」
「お、落ち着こうよ。その、鈴の気持ちは分からなくはないけど更識生徒会長は悪い人ではないと思うから、ね?」
「凰鈴音さんは野生の勘が鋭いのねぇ。だけどその心配は不要よ?キラ君はきちんとした理由で生徒会の一員になってくれたの。それに、無理矢理生徒会に入らせるなんて強硬手段はお姉さん取らないもの」
「はぁ?アンタみたいな腹の中で何を企んでるか分からない奴の言葉なんて信用するわけないでしょ。もう生徒会に入った後だからどうしようもできないけど……いいっ?生徒会長だかなんだか知らないけど、キラを利用しようとか考えてるのならはっ倒すわよ」
「ふふっ、肝に免じておくわ。ちなみに先約についてはキラ君は見習いでも立派な生徒会の一員なので、生徒会メンバーの1人として働いてもらいます。私の補佐も含めてこれからのお仕事に慣れてもらおうと思ってね」
「……ふんっ、今回は案外真っ当な理由ね」
「まあまあ、キラも生徒会の1人だからしょうがないよ。私たちは私たちのできることをしよ?」
顔色を一つも変えない更識会長を力強く睨んでいる鈴をシャルが宥める。2人がここまで相性が悪いのは驚いたけど性格が真反対であるからだろうか?……まぁ、更識会長は強硬手段は取らないけど手段は割と選ばない人ではあると思うよ。
「ところでキラ君は朝から栄養ドリンク飲んでるのはやっぱり昨晩の事で疲れちゃってるからかしら?整備室でキラ君ばかりに負担をかけちゃうことをしちゃったしねぇ……」
「……昨晩ですって?」
「……それって整備室でキラは更識生徒会長とか2人きりでいたんだよね?」
「そうだけど……ただ普通にストラ――――」
「そうよ?昨晩は遅くまで彼と私の2人きりで整備室で過ごしたの。お互いの大切なことを曝け出したりましたしね。あの時のキラ君の表情はとっても可愛かったわ……また食べちゃいたくなるぐらいに♪」
データの改竄は話せないけど昨晩は普通にストライクの整備をしていたと、話そうとすれば更識会長の手で口を塞がれる。小さく吐息を吐き、薄らと頬を赤くして舌舐めずりする姿は昨晩のことを知っている身としては演技であると一目でわかる。
「は、はぁ!?ア、アンタらせ、整備室で何をやってるわけっ!?せ、生徒会のくせに率先して風紀を乱すとか、ば、馬鹿なんじゃないのっ!?生徒会のせいの字を間違ってんじゃないっ!?」
「キラ、会場準備が終わったら時間あるかな?その時に少しだけ2人きりで私も大切な話をしたいと思うけど……いいよね?」
2人の圧が、特にニコニコと笑っているシャルが何故か恐いよ。2人とも壮大な勘違いをしているようだから訂正をしようにも更識会長がそれを許さないでいる。なんでこの人はわざと2人が勘違いするような言い方をしたのかな……っ!?
「はい、そろそろ会場準備と誘導をしに行きましょうか。ほら、栄養ドリンクは行ってる途中の合間に飲んで。そこの2人は後片付け終わったら行ってちょうだいねー」
「ちょっ、まだ話は終わってないでしょうがっ!!」
「行ってらっしゃい、キラ」
引き摺られるように更識会長に連れて行かれる。あとで2人から何をされるのか恐いけど、逃げられる自信は全くないため諦めた方が一番だろう。できれば穏便に終わるといいかな……。
「ふふっ、2人とも反応が可愛くてつい揶揄いたくなっちゃうわ。キラ君は後で大変だと思うけど頑張ってねー?」
「……分かっているのなら初めからあんな風な言い方やめてくださいよ」
「事実ではあるからいいじゃない。お互いの秘密を喋ったことには変わりないんだから。ちなみに一度生徒会室に行くわよ、栄養ドリンクもその合間に飲み干しなさいな」
「わかりましたけど……どうして生徒会室に?」
「今回の学年個別トーナメントは各国のお偉いさんとか、IS開発のお偉いさんとかが観戦しにくるのよ。そんな中で誰が作ったのか不明なISを持ち、国という確固たる後ろ盾がない子を勧誘しないと思う?」
「……ない、ですね」
「準備してる時に一々喋りかけてくる可能性が高いから、その場合素直に邪魔されることになるのよねー。キラ君だって目立ちたいわけじゃないと思うし、そのための対策を生徒会室に置いといたから取りに向かってる途中ってこと」
用意周到なのは凄く助かるんですけど、なにか嫌な予感を感じてしまう。現に何か企んでいるのか怪しげな表情を浮かべているし……目的地である生徒会室まで辿り着き先に入った更識会長の後を恐る恐る入室する。
「はい、キラ君はこれに着替えること。対策として一番手っ取り早いのは周りの景色に溶け込むことだから、ね?」
「あ、あの……これって……つまり、そういうことですか……?」
「そういうこと♪キラ君って中性的な顔だからバレないから大丈夫よ。ちゃんとお姉さんもフォローするから、ほら早く着替えないと私が着替えさせるわよー?」
(…………アスラン……僕は、ある意味大切なものを失くしそうだよ……)
愉快そうに笑っている更識会長の手には女性用の制服とウイッグがそこにはあった。それが一番効率が良いと言われれば納得しかけたけど……感情的には別というか……目の前の絶対に逃げることのできない問題には諦めるしかなかった――――
◇◇◇
「
「……そうですね」
「そう拗ねないでちょうだいな。現に怪しまれず会場準備と誘導はできてるでしょ?」
面白そうに笑っている更識会長を死んだような目で睨むけど、彼女はどこ吹く風でそれを受け流す。実際1人のIS学園の女子生徒として周りと溶け込んでいるのは事実でありそれが余計に心折れそうになるんだけど……。ちなみにカガリと呼ばれている理由は単純にカガリの名前を咄嗟に思いついたからだ……ごめん、カガリ。
「それにしても本当に似合ってるわね。少し話すぐらいなら怪しまれないんじゃないかしら。今後もたまーにカガリちゃんとして活動しちゃう?」
「……絶対に嫌ですからね。この格好は本当に今回だけですよ……」
「あら、それは残念だわ。…………うーん、それにしても今の君の姿見てると誰かに似ている気がするのよねぇ。誰だったかしら……」
「他人の空似だって別に珍しいことじゃないと思いますよ……ましてやこんな姿しているんですから……」
この世界に来て女装させられるなんて……みんなにこんな姿を見られたら当分自室に引き篭もる自信はある。なんならストライクを使ってでも引き篭もるよ……。今だに女装している僕の姿とその誰かを思い出そうとしている更識会長はとりあえず放っておくとして再度仕事に戻るとする。
「――――すみません、観客席がどちらにあるか教えてもらってよろしいでしょうか?」
「観客席ですか?それならこの看板に従って歩いてもらえれば――――」
「――――ちょっと、そこのアンタ。キラがどこにいるか知らない?そろそろアイツはトーナメントの準備をしないといけないから今探し――――」
誰かに類似している流れるような銀髪と白と黒のドレスに近い服に身を包んだ1人の少女に声をかけられて、観客席まで案内しようとすると鈴に声をかけられピタリと彼女は止まる。観客席を聞いた少女はキョトンと首を傾げるけど、鈴の表情は何かを察したのかニマニマと面白い玩具を見つけたような表情だった。
「アンタってそんな趣味があったわけではないわよね……へー、ふーん、案外似合ってるじゃない」
「……だ、誰かと勘違いしてるんじゃないか、お前?わ、私はカガリだぞ……」
「か、カガリねぇ?くふっ……カガリちゃんも学年個別トーナメントの準備をしてくれば?この子の誘導はアタシに任せなさい」
「……そ、そうさせてもらうよ……」
ニヤけている鈴から逃げるようにその場から去る。学年個別トーナメントの準備以前に羞恥心でこれ以上は耐えきれないよ……まず生徒会室で着替えないと――――
「あー、カガリちゃんはもう準備に行ったのかしら?」
「なーにがカガリちゃんよ。なによ?アイツに用でもあったわけ?」
「用事というより彼に似ていた人を思い出したのよ。さっきの姿は前に先代と話していた人ととっても似ていたから……そう、名前は確か――――」
◇◇◇
『よかったのかしら?例の少年はイベントにはエントリーしていたらしいわよ。てっきり日本に戻ってくると思っていたけど』
「彼がエントリーしているのならば結果は決まったものだよ。初めから結末が決まっているのならば観戦などする必要もないさ」
『それは貴方は彼が優勝するのだと確信を持っているからかしら?』
「当然だとも。彼からすれば茶番にも思える行事には本気を出すこともなく優勝することができるだろう。私としてもそれぐらいで苦戦してもらっては困るというものだ」
『……あんな子供が貴方とほぼ互角に戦い、ましては貴方に勝利しただなんて未だに信じられないけど』
「人を見かけで判断してはならないということさ。私が彼に一度敗れたのは単純な話さ……あの少年には人類の理想、そして人類の業を背負っている。数多なる人の理想の前では、命さえも己の財力で買えるなどと驕っていた1人の男の出来損ないでは負けるのは必然であったのだよ」
彼が人類の夢と理想そして業を背負い生まれた存在であると知っているこの男からすれば自身が敗れたのもまた必然に過ぎなかった。愉快そうに笑う男に通話越しからでも不気味さを女は感じるが彼の実力は折り紙付きであり切り捨てるという選択肢はない。
『……それで?きちんと仕事の方は終わったのかしら?』
「贈り物を届けるぐらいは造作もないさ。あとは米軍に潜入している君らの仲間たちがきちんと任務を達成するかどうかだよ。……さて、私もそろそろ人と会う約束をしていてね、一度通話を切らせてもらうよ。人探しの件について感謝している。……だから私からも一つだけ助力をしておこう」
『助力……?』
「少年――――キラ・ヤマトを手に入れたいなど欲をかかないことだ。彼はもっとも優先して仕留めるべき敵だと思いたまえ。所詮子供だと侮っていればやがて組織がなくなるかもしれないぞ?」
男は忠告はしたと一方的に通話を切る。男にとってこの世界で最優先に仕留めるべき相手は、世界を歪ませた“天災“でもなく、実質世界最強の座へと今だに君臨しているブリュンヒルデでもない……この世界に流れ着く前に死闘を繰り広げ、人の愚かさを知りながらも、人の可能性を信じ守りたい世界があるのだと己を討った1人の少年だ。
(……世界が変わろうと所詮人は変わらないのだよ、キラ君。君が愚かな人類を信じるというのならば、私はそれを否定しよう。そして再度問おうではないか……君の守るべき世界が本当にあるのかと。これは、この世界で再度君がいると知れた贈り物だよ)
お世辞にも裕福とは思えずひっそりと佇むある一軒家のブザーを押す。男はこの家に誰が住んでいるのか情報を手に入れた故にこの場に来たのだ。それが己自身と少年にとって重要な人物なのだから。
「……あの、どちら様でしょうか?」
「初めましてと言うべきですかな――――ヴィア・ヒビキ殿?」
「……っ、どうして貴方はその名前を……っ?」
「失敬、自己紹介が遅れましたな。私はラウ・ル・クルーゼ――――アル・ダ・フラガという愚かな男のクローンだと言った方が早いですかな?私はただ貴女と話をしたいのですよ……知りたくないですかな?ご自身の息子についても」
男――――ラウ・ル・クルーゼは不気味に笑う。狼狽した様子でありながらも、今でも心残りがあるであろう少年の名を小さく呟く目の前の女性を嘲笑いながら――――
はい、変態仮面は動かないけど、もう1人の方は動きましたよっ!いったいどこのメルヘンウサギなんだ……そして過保護組が新たにランクインしそうですね。過剰戦力に見えるけど、むしろこれぐらい包囲しないと変態仮面は地雷を爆速で投げつけて高笑い爆発するから((
ちなみに最後の人は没にするかどうか最後まで悩みましたけど……だからガバが起きてるけど許してください()
誤字&脱字報告ありがとうございますっ!!いつでもお待ちしておりますっ!感想もいつもありがとうございますっ!!励みになっていて本当にありがたやー……((涙
次回の更新は未定ですが気長にお待ちください!