はい、みなさんお久しぶりの作者です。リアルでちと忙しくて投稿できなくて申し訳ないです……8月分投稿したのだと勘違いもありましたが。ユルサレヨ、ユルサレヨ……ワタシノツミヨユルサレヨ。
えっ……?fgoの新章と最近リメイクされた某作品はどうしたのかって……?もちろんクリア&現在月姫を堪能さております((
(……なにが、おきたんだ……っ?)
突然と起きてしまった出来事にフリーズした頭で目の前の惨状を何とか必死に理解しようとする。急にキラに後方へと無理矢理引っ張られたら次の瞬間に、姿を消えるように視界からいなくなり何があったのかと気づいた時はアリーナの壁に衝突している姿を見てからだった。
(それに、何なんだよ……コイツは……っ!?)
ソレを見ているだけで自身でも説明ができない不快な感情が沸々と湧き上がるが、本能がアレを理解することを拒絶していた。今の俺では到底敵うものではない。刃を交える必要もなく、言葉で語る必要もなく、この数メートルも満たない距離で一番近くにいるだけで分かる。この場で一番強いやつはコイツであると。
(……っ!?)
なにかを探るように僅かに赤いモノアイを向けられただけで息が詰まる。次に標的にされるのは俺なのかと全身から嫌な汗が流れてきて、恐怖を誤魔化すように
「……はっ?」
こんな状況で自身の口から出たとは思えないほどの間抜けな声が漏れていた。あの行動はまるで貴様など敵として見るまでもないっと言われているようで、コイツから脅威として認識されていないという事に次第に怒りが沸々と湧き上がってくる。
目の前の存在が何でアレまるで存在しないもののように扱われた事に頭にきて口を開く前に、ソイツの持つ武器に初めて気がつく。ソイツが手元にある武器は見覚えのある形をしている事────オレが一番尊敬していて、憧れていて唯一の家族である千冬姉が持っていた
「────おい、てめぇ!!」
ソイツが今手元にあるのがあってはいけないもの、偽物であると気づけば頭にカッと血が昇る。ふざけるなっ、それが偽物として存在していいはずがないっ。まるでそれが本物だと、さもそれが当然のようにお前のような奴が千冬姉の
体を掴もうと手を伸ばすが手は空を切る。ソイツはさも自然のように何度も見てきて、真似をした同じ構えを取りその場から姿をかき消すような速さで飛んだ。
「────けんな……っ!! ふざけんなぁぁぁぁぁ!!」
目の前で起きた現実にはらわたが煮え返るようだった。あの構えは間違いなく千冬姉が剣道を応用して作り上げた技だ。一点を集中をして加速して穿つあの技は突きも取り入れている。
あの脅威的に加速したのは間違いなく
「────やめろ、一夏っ!! お前が怒ってる理由は分からないが一度冷静になれっ!! アレはそんな状態のお前では絶対に敵わないモノだっ!!」
「離せっ!! アイツは俺がやらないといけないんだよっ!
今すぐにでもアイツの元へと向かおうとすればその腕を箒が掴んでくる。振り払おうにも普段からは想像もできないほど力が入れられていて、それが今からやろうとしようとしてる事を邪魔されているとしか思えなかった。
「今すぐ離せっ!! いくら箒だからって邪魔をするっていうんなら────」
「────いい加減にしろっ!!」
力強く頬を叩かれたという事に気づくのに数秒の時間がかかった。突然と頬を叩かれた事にカッとなり声を荒げようとする前に、普段から凛とした表情の下には不安を隠しているようで僅かに瞳が揺らいでいる事に気づく。普段人に不安を見せないのに、それを隠していない事が僅かながら頭に冷静さを取り戻す。
「……その様子だと少しは落ち着いたようだな。急にどうしてあんなに感情的になったのだ」
「アイツの持ってる武器は千冬姉の持ってた
「……誰よりも千冬さんを見てきた一夏が言うのならその通りなんだろうな。つまり千冬さんの持っていたモノ、動きや技術をそっくりそのまま使うことが許せなかった……お前はいつも千冬さんばかりだな」
少しだけ機嫌が悪そうに睨まれるけど誰だって大切な家族が作り上げてきたモノを、あんな使い方をすれば怒りたくもなる。千冬姉が力を使うのはいつだって理由があった。その千冬姉の使っていた武器を、作り上げた技や技術を目の前の標的を排除する為だけに振るうなんて我慢ならない。
「それで一夏はどうするつもりなんだ」
「どうするつもりって……そりゃ、今すぐにでもキラと一緒にアイツを止めるんだよっ!!」
近くで聞いていた通り最優先に倒すべきだと言っていたソレは執念にキラを襲っていた。この場で自らと対等と戦える存在はキラしかいないのだと言われているようで腹が立ってくる。
「確かに一夏の言っているのも分かるが私たちがやるべきことは戦うのではなく引くべきことかも知れない……」
「はぁ!? 今引くってことはそんなのをキラを見捨てるのも同じだろうがっ!!」
「私たちがキラと共に戦う事を選んでも足手纏いになる可能性が高いのも事実なんだ。アレは私たちが手に負える相手じゃないのはお前だって分かっているだろう? 撤退をしてアレを止めれる人を呼ぶことの方がキラの助けになるんじゃないか……?」
箒の言っていることに反論しようもそれを否定できなかった。アレは確かに千冬姉の偽物だ。けれど、その強さは偽りであっても確かであるのを認めないといけない。そんなモノと対峙していながらキラはこちらの様子を伺いながらもソレを押さえ込んでくれている。
「箒の言っているのが最善だってのは理解してる。それが一番俺たちにとっては安全策なんだって事も。……でもよっ、やっぱり俺は無理だ。キラに全部押し付けてよ……自分だけ安全な場所に行こうなんてするのは違う気がするんだ」
「……そうか。私がこれ以上なにを言ってもお前の気持ちは変わらないんだろう」
「……こればかりは悪いな、箒」
「別に謝る必要なんてない。お前がそんな奴であるのは知っている。わ、私はお前の1番の幼馴染なんだから」
両腕を組んで少しだけ顔を赤くして1番の幼馴染だと強調してくる。俺と箒が幼馴染なのはみんな知ってる事なのにどうしてその事を今言ってくるんだ?
「それじゃあ箒は先に避難をして、誰でもいいから先生を呼んできてくれ。今から俺はキラと合流してアレを食い止めるからさ」
「なにを言っているんだ? 私も当然アレを止めるためにこの場に残るに決まっているだろう。一夏が単独で行くよりも2人で一緒に行って手伝った方が少しでも確率は高くなるはずだ。私はアイツの覚悟を確認した。なら次に覚悟示すのは私の方だ」
「いや、でもよぉ……」
「むっ、なんだ。危険だから私だけでも撤退しろだなんて言っても聞かないぞ。私とて友人であるキラを見捨てることなどできるものか。……それに私は命を助けられた恩がある。だから少しでも私はそれを返したいんだ」
箒の視線を向ける先には今1人で奮闘しているキラの姿が映っている。命を助けられた恩というのは中継室での事を指しているのに気がつく。実際あの場にキラがいなかったら箒がどうなっていたかだなんて……そんな事は考えたくもない。2人の間では一応その事については終わったのかと思ってたが多分箒の中では責任を感じてるんだ。
「私たちが出来ることはきっと少ない。本当にキラが追い込まれたら強引に乱入するでいいな?」
「……ああ、それでいい」
本音を言えば今すぐにでも向かっていきたいが、それが逆にキラの邪魔になる可能性が高くなるのは流石の俺でもわかってる。どれだけ力不足で無力なのを痛感しながら俺は視線の先で起きている激闘を見守ることしかできなかった────
◇◇◇
(……アレが何かは分からないけど危険だっ……人が使ったらいけないものだ……っ)
赤いカメラアイを真っ直ぐと向けられるがそこには感情が何一つ感じない。ただ、ラウラ・ボーデヴィッヒさんを取り込み生まれたアレは使ってはいけない力だ。ただその場にいるだけで肌を刺す威圧感は、まるでここは戦場だと錯覚してしまいそうになる。取り込まれた彼女が無事なのかと
(……っ!? なんて速い機動力と威力の高い一撃なんだっ!? いくらストライクでも何回も受けることは無理だ……っ)
先程までいた場所にアレは
『初撃による敵機の無力化は失敗。再度標的をSTRIKEへと固定し、追撃を開始する』
「……っ!?」
頭部へと目標定めた一本の接近ブレードが投擲され、その速さにかろうじて頭を逸らして避けるが相手から一瞬目を離してしまう。再度同じように恐ろしい速さで瞬時に距離を詰めらて、その手に先程投擲された同じ武器が相手のその手には握られていた。この攻撃を回避は無理だと判断し、少しでも衝撃とダメージを抑えるため
「……ぐうっ!!」
対ビームシールドの上から襲ってきた衝撃に腕が痺れる。相手が一撃の重さを重点的に起き、大きめに振りかぶった瞬間にイーゲルシュテルンをばら撒きながら距離を離す。これはISによる試合ではなく、長らく肌で感じていなかった戦場での命のやり取りではないかと錯覚してしまいそうになる。
(……強い……っ! 万全のストライクでもどうにか出来るかギリギリそうなのに……今のストライクでどこまでやれる……っ?)
今の状態で手加減や武装の出し惜しみをしていれば間違いなく負ける。だけど最初の一撃でシールドエネルギーは4割ほど減ってしまっていてビーム兵器を頻繁に使う余裕はない……でも、僕が倒れてしまえば次に狙われるのは一夏たちなんだ。
(……やれるかじゃない。僕にはそれをできる力があるんだろ……ラウラ・ボーデヴィッヒさんをどうにかしてアレから引き離さないと)
一度熱くなりかけていた気持ちを冷静に落ち着かせる。勝つとか負けるとかではなく、どうやって彼女をアレから助け出すかどうかだ。ISが相手だと手足を損傷させ、戦闘継続を不可にするのはできないが相手の武装を無力化することはできるはず。不安要素が一度投擲したはずの武器とそっくりそのままのモノが手元にあったことだけど……同じ武器を幾つか持っていると想定しておくべきかっ?
『テステス……はーい、キラ君。私の声が聞こえてるー?』
『更識会長……っ! 彼女はいったいどうなったんですか……っ!? あんな危険な物はいったいっ!?』
突然とプライベートチャンネルに回線が繋がれ、聞こえてきた声は更識会長の声だ。この人なら彼女を取り込んだ危険なものが何なのかは知っているはず。おそらくこのタイミング通信を送ってきたのは何か理由がある。
『対峙してるそれが、どれだけ危険なのかを理解しているのはとても助かるわ。その疑問に答えるけどそれはVTシステムと言って、世界的に使用禁止されてる程危険な代物よ。後に詳しく説明するけどそれはある人物の力をお手軽に再現し、使えるように作られた代物なの。……ちなみに搭乗者の負担についてはソレは一切考慮していないわ』
『……っ!? どうして、そんな危険な物が彼女のISにっ……彼女を、ラウラ・ボーデヴィッヒさんを助けることができる方法はあるんですかっ!?』
『あるにはあるわ。ただ、とても強引な手段になってしまうということは先に伝えておくわね。……ちなみにそれを聞いて君はどうするつもりなの?』
『どうにかして彼女を助けたいんです……っ! これ以上彼女は苦しんで、悲しむ必要なんてないはずなんだ……っ!!』
僕はともかく、彼女はこれ以上苦しんだり悲しむ必要はないんだ。人の身勝手な願いや思いで、兵器として造られ望まれるだけの命なんて絶対に間違っている。彼女のその命や人生は彼女のモノであって誰かのものじゃない、彼女自身のものだっ。
『いい? キラ君はそのまま────』
『……更識会長っ?』
通信が途絶えたわけではないけど彼女からの声が不自然に途切れた。更識会長がいる場所に何かトラブルでも起きたのかと不安になるけどそれを確認する術はない。けど、ラウラ・ボーデヴィッヒさんを取り込んだモノの正体が何なのかは知ることができた。
(……VTシステム……ある人の力を再現するために作られた存在。どうして人はそんなに力を手に入れることに固執するんだ……こんな力が幾らあっても戦うことでしか生かされないのに……っ)
自分や誰かを守るために力が必要なのはよく分かってる。想いだけでは何も守れず変えることもできない、だけど力だけでは変えるべきことに何も気づくことはできない。人の命を弄んでまでも力は追い求めるべきモノじゃないんだ。戦う事しかできない力があってもそれ以外何もできないというのに。
VTシステムは人が身勝手な理由で力を求めた結果に造られたモノなら、同じ人の身勝手な理由によって造られた僕が止めないといけない。
(接近戦では分が悪い。彼女をVTシステムから助け出す方法が分かるまで、なるべく射撃で応戦するしかない……っ)
再度更識さんから通信が送られ、助ける手段が分かるまでは戦闘を維持し続けるしかない。何が原因で一夏らへと標的を変えられないように2人から距離を離す。対ビームシールドを胸部を覆い隠し、展開したストライクバズーカを撃ちながら後退する。
「……やっぱり見え透いた牽制は通じないかっ」
スラスターを吹かしながら、両手にある接近ブレードで弾を容易く両断する。希望的観測を抱いていた訳ではないが射撃による実弾武装が見込みが薄いとなると更に不利である現実に顔を顰める。取り込まれる前からISの性能差は彼方が上であるのは察していたけど、今の状態のIS擬きは更に性能が上がっていて着実に距離を詰められていく。
(こっちのアドバンテージは遠距離武装とPS装甲……必要以上に接近戦は持ち込むべきじゃないっ。このまま一定の距離を保ちながら────)
『敵機による不自然な行動を解析、このまま距離を縮めるのは非効率と判断。シュヴァルツェア・レーゲンにより保有されていた六機のワイヤーブレイドを展開する』
今の形を構成していた両肩とリアアーマ部分をドロリと液状化させ、次に形成すればそこには彼女のISの武装として見慣れた6機のワイヤーブレードが形作られていた。狙いを定めたそれらはまるで生物のように獲物を捉えるように襲ってくる。
(あの時に手元にあった接近ブレードもああやって作ったのかっ!? それが自身の意思で無限に作れるのなら武器破壊を狙っても無意味じゃないかっ……!!)
目の前で同じ武装を幾つも持っているという仮説を根本的に覆されてしまったこともあるが、相手は実質的無限に武装を作り出すという事実に武装破壊による無力化も通用しない事実にほんの一瞬動きを鈍らせてしまう。
その一瞬の隙も逃さず、襲いかかってきた3機のワイヤーブレードを2機までは対ビームシールドを使って捌くけど、3機目により手元から払い落とされる。このままではストライクバズーカも同じように手元から落とされる可能性を考慮して、両手をアーマーシュナイダーへと切り替えて回避に専念をしながら応戦する。
6機のワイヤーブレードを巧みに扱い、相手を貫くことよりも捕縛することを重点的に置いているのか手足を執着に狙われてた。どんな事でも一度でも動きを止められてしまえば、最初に放たれたあの一撃がこの身を貫く
『……ねぇ、例の賭けの件は君はどうしたい? もし私の賭けに乗って成功する確率は2割弱、失敗する確率は8割強ってこと。どっちに転んでも、情報を渡さなくちゃいけなくなる。……それに今回は君に負担を大きくかけることになっちゃうわ。どうする、キラ君?』
再度更識さんから通信が入ると例の賭け、つまりストライカーパックのことに関することことだろう。整備室で確かどうにかなるのかも知れないと彼女はそんなことを口にしていた。そのことをこのタイミングで聞いてきたということはそれをどうにかできる人がいるってことなのか……っ?
『……悪用される可能性はあるんですよね……っ?』
『それについては否定はしないわ。凡人な私ではあの人の考えてることを永遠に理解することは無理でしょうから。……けど、私の全てを注いでも悪用させないことを取り付けてみせる。……ねぇ、私を信用してくれるっ?』
悪い人ではないであるとは頭では分かっていても、初めは警戒をしていて、なにより本当に信用できる人なのかと疑っていた。実際人の部屋に無断で侵入していれば、何よりあんな格好でいたわけだし……でも、どんな思惑があったとしても居場所を作ってくれた事、そして守るのだと言ってくれたのは嬉しかった。シャルを助けたいという僕の我儘をこの人は聞き入れてくれた。
『僕は更識さんのことを何があっても信じます』
『……ふふっ、私のこと信じてくれてありがと。今の君と私は運命共同体よ。だから、もう少しだけ踏ん張ってちょうだい……お姉さんもすぐにそっちに向かうから』
通話越しからも分かるほど声を弾ませているのは分かり、最後にもう少しだけ頑張ってと言われて再度通信は切れた。こちらに向かってくると言った以上はその賭けが終わり次第あの人は介入するつもりなのだろう。更識会長までもこんな危険に晒してしまうのに不甲斐なさで胸が痛くなるものの、今のストライクでアレを解決できるのかと問われれば不可能に近い。
(……けど、僕にできるのか……っ? ラウラ・ボーデヴィッヒさんを助けることが……っ)
彼女を助けるのだと啖呵を切った時から一つの不安がずっと胸の中を渦巻いていた。目の前のアレを最低限の足止めをすることはできる。だけど、今まで守ることを果たせなかったのに目の前の彼女を助け出すことを僕にできるのか……?
取りこぼしてきたモノを忘れたのかと誰かが嘲笑うように脳裏に焼き付いていた光景が一つ一つ鮮明に思い出す。
「…………あっ」
フリーダムのコックピットから捉えていて脱出艇の窓越しに目に涙を浮かべながら安堵した表情のフレイの姿を幻視する。それだけで今の状況をも全て忘れ、あの時のように手を伸ばすけど――――次に襲ってきたのは爆破の衝撃ではなく虚しく空を切った腕には2機のワイヤーブレードが頑丈に絡められていた。
絡めとられた腕に黒い液状のものがゆっくりと侵食されていくような感覚。だけど、それが何かと繋がったのか頭の中に直接無数の声が聞こえてくる。
――――今すぐ出来損ないは破棄すべきだ。兵器として使えぬのならソレに資金を注ぎ込む必要はない。
――――
眼帯をつけ綺麗な銀髪の長髪の少女を無数の大人が見下すように、蔑むように、その言葉は目は人を人として扱っていなかった。そんな心もない無数の言葉が頭の中へと流れ込んできたのは勘違いなどではない。
(これ、はっ……っ?まさか彼女の記憶の一部なのか……っ?くそっ、だけど今は……っ)
原因は分からないが頭の中に流れ込んできたのは多分彼女の記憶の一部だ。ある意味では折れかけていた精神をギリギリ繋いでくれたが、それは既に遅いのだと相手が構えをとっている時点で分かり切っていた結果だった。
次の一撃によりシールドエネルギーが尽き、戦闘不能になるはずだった。
「────はあぁぁぁぁぁぁ!!」
「────おぉぉぉぉぉぉぉ!!」
自ら奮い立たせるように吠えながら一夏と箒さんがVTシステムへと立ち向かっていく。どうして2人がっと驚きを隠せないが、彼らの性格を考えればこの状況を指を咥えて見ることを選ぶことはしないのは分かっていることだった。
VTシステムは2人が向かってくることでまるで初めてこの場に他の対象がいると認識し構えを解き、2人をこのまま迎撃することを選んだのかもう片方の手にも同じ形の接近ブレードを構成する。
『敵機のISの反応を2機感知。純日本製、第二世代量産型IS打鉄を感知。……もう一機のデータの該当はなし。敵機のデータを詮索────新たなる第3世代IS型、白式と判明。両者の搭乗者の実力は未知数であるものの、白式の持つ武器には要注意が必要である。両機は排除すべきと判断、これより両機の殲滅へと切り替える』
「やれるもんならやってみやがれっ!!俺はお前のような偽物に負ける気なんてさらさらねえんだよぅ!!」
「私のような素人まで侮らず排除するべき敵として見るのは好ましい。だが、私も簡単に破れる気はないっ!!」
2人とVTシステムは衝突する。2対1というアドバンテージを活かして2人は左右同時に責める。おそらく事前に作戦を立てていたとはいえど、それを実際にスムーズに決行できているのは幼馴染だからこそできることなのかも知れない。
数の利があるからなのか、それとも多数で戦うことを苦手にしているのか2人の息の合ったコンビネーションにVTシステムが僅かに押され始めてくる。
(……いや、違う。一夏と箒さんはアレの動きを知ってるんだ。どうして2人がVTシステムの動きを……?)
まるで初めからVTシステムの持つ技と技術を知っているように立ち回る2人の動きに疑問を持つがそれは後回しだ。2人にアレが気を引いている間に厳重に絡められているワイヤーブレードをどうにかしないと。この場からビームライフル、またはストライクバズーカで援護するのも考えたが2人に誤って被弾する可能性の方が高い。維持されている2人のコンビネーションを崩すわけにはいかない。
(ビームサーベルを瞬間的に最大出力にすれば焼き切れるか……っ?彼女を取り込んだ、あの黒い泥のようなもので構成されているのなら本来のよりも耐久は低いはずだ)
捕縛されていない方のアーマシュナイダーから急いでビームサーベルへと切り替える。いつまでも2人が優勢でいられる保証はないし、何よりラウラ・ボーデヴィッヒさんを助けることよりもVTシステムを倒すことを最優先として動いている。アレを倒せば取り込まれてしまった彼女がどうなってしまうのか未知数だ。
────いや、だ。負けたくない、負けたら私は私は……っ!!
「……ぐっ!?」
敗北してしまうことに怯えて悲痛な少女の声が聞こえれば、それに呼応するようにVTシステムの赤いモノアイが不気味に光る。邪魔になると判断し、こちらを捕縛していたワイヤーブレードを解除をすれば箒さんの背後へと即座に回り込みその背中へと両手の接近ブレードを叩きつければそのまま一夏へと蹴り飛ばす。
当然一夏は箒さんを見捨てるのではなく受け止めることを選ぶ。それを見通していていたかどうかは不明だが、VTシステムは同じ場所へと2人を集めることに成功した。
「────させるもんかぁぁぁぁ!!」
VTシステムが2人を纏めて撃墜しようと両手の武装を振り下ろす前に
このまま再度標的を自身へと向けなければVTシステムは確実に2人を堕とす。
(僕だけを狙って堕とされるのならそれでいい。だけど一夏と箒さんの2人が、どちらかが片方でも怪我を負うのなら僕は……っ)
僕のことを狙うのならそれでいい。それで自身が怪我をしようが撃墜されても、その結果で命を落とすことになっても仕方がなかった。自身の力が足りなかったのだと割り切ることはできる。
だけど大切な友達である彼らを狙い、それで堕とされて負傷するというのなら話は別だ。もしそんな事態になろうというのなら感情を抑制できる自信はない。剥き出しの感情のままに、相打ち覚悟であろうとVTシステムもそれを取り込んでいる彼女ごと■してしまうのかも知れない。
「これ以上はもうやめるんだっ!取り込んでる彼女の体に負担がかかってるのは知ってるはずだ!そうまでしてどうして勝つことに拘るんだっ!」
『搭乗者が求めているのは勝利という結果だけ。ならば私なこの力を使い、搭乗者に勝利という栄光を与えるのみ。そして貴方のその回答ですが、兵器である私たちに勝利に拘る意味を求めるのはナンセンスです』
機械的で無機質である声には僅かながら怒気が含まれていた。力技には力技で対抗するように、VTシステムもスラスターを最大出力まで上げたのか押し上げていたのが少しづつ止まり徐々に押し返されていく。このタイミングで出力の差が大きく出てしまうことに顔を歪めてしまう。
先ほどでお互いのISの性能差というのを完全に把握したVTシステムは掴み合いを振り解き、スラスターを巧みに使い左側に瞬時に回り込まれる。頭部を狙った柄頭による殴打は反応して躱し、アーマシュナイダーで苦し紛れに反撃をするものの払い落とされる。
『そのような敵機を撃つ気もなく、あまい攻撃など警戒していればいくらでも対処可能。
「────っ!」
この一撃が入れられれば後は絶対防御の作動によりストライクのエネルギーがゼロになる。戦闘不能になる寸前だというのに未だにSEEDを使うことに躊躇いがあった。振り下ろされる瞬間がスロモーションに見えて、斜めから振り下ろされる刀身が体へと当ろうとした瞬間────淡い水色の一本の槍がVTシステムにへと飛来したのを捉えた。
『視覚外による攻撃に被弾を確認。再度この場に存在する敵機を検索……その数は────』
「────あらあら、再現できるのはその強さだけでその他のシステム面については
いつものように人を揶揄うようにクスクスとその人は微笑む。VTシステムの赤いモノアイは乱入してきた第三者を捉えて、それは邪魔されたことに僅かに苛立ちで睨んでいるようにも見えていた。
「更識会長……」
「遅くなってごめんね?だけどもう大丈夫よ、キラ君。なんたって学園最強たる私が来たんだから」
掠れた声で僕はその人の名前を口にする。優しく微笑むその人。新たなる乱入者、ISに身を纏っていた更識会長がそこにいた────
前回後書きで今回でVTシステム編が終わると言ったな、アレは嘘だ……まぁ、前回後書きで書いた時点で薄々無理そうな予感はしてたんですが。最近終わる終わる詐欺ばっかしてる((
……VTシステムが話してますが笑って見逃してくださいな。次で本当に終わるといいですね……サッサっと夏だ海だっ!!ラブコメだっ!!を書きたい&弾君と数馬君を出したい衝動が限界なので。某作品も9月から水着イベだし……9月に水着って((吐血
そしてやっぱり菌類は人の心がないのかっと思いましましたが、理解してないとあんなの書けませんよ……新章で荒んだ心は月姫で癒されることにします。やっぱ凄いよ、キノコさんは……。
誤字&脱字報告いつもありがとうございますっ!!感想も毎度してもらえてとても励みになっております……っ!!次の更新は未定ですが気長にお待ちください!!