突然な箱イベで吐血しながら周回している作者だよ!!区切りがいいので一旦投稿かな!!これで月一更新は終わったから箱イベの追い込みするね!!それはそうと、余裕があれば今月にあと一回更新したいなぁ……(届かない想い)
ショッピングモール『レゾナンス』から連れ出され、現在僕は車の助手席に居た。
隣にはシャルを誘拐した1人であろう長髪の金髪の女性が運転していて、この人の言葉を信じるのならばシャルがいる場所へと向かっているのだろう。
(……この人の目的はなんだ? 僕を車に乗せた後は目隠しもせずに、拘束もしなかった。ISを持ち込んでいると警戒してもおかしくないのに、手荷物や体を調べたりもしない……何かを狙ってるのか?)
車に乗り込ませれば助手席に座らせただけで、それ以上何かをすることがないのに疑問を抱くのは当然だ。
大人しくしていればシャルの命は保証すると脅された手前抵抗するつもりはないけど相手がそのそぶりすらも見せないのはおかしい。
(……それに色々と不自然なことも多い。シャルを誘拐したのに、どうしてそれを探しに来るのを待つように付近にいたのか……だけど、これだけは確実にわかる。隣にいるこの人は……多分、強い……っ)
抵抗すればシャルの身に危険が及ぶから今は大人しくするしかないけど、目的地へと辿り着いてシャルを救出する際に戦闘は避けられない。
実力は未知数。そんな中で更に大勢と対峙なければならないと想定すれば、僕とストライクでどこまでやれる……?
(……弱気になったら駄目だ。やれるかじゃない、僕がやるんだ。シャルを生還させることだけを考えろ。その後のことは千冬さんと更識さんがどうにかしてくれるはずだ)
迷うな。躊躇いと迷いは動きを鈍くする……ただシャルを守り、助け出すことだけに集中しなきゃ。
この先はIS学園内で行う訓練や決闘じゃなく、戦時下のような殺し合いが待っている。
(だけど戦争じゃない。この先で殺し合いが待っているかもなのに戦争とは違うんだ。戦争でなくて、軍人でもないのなら……これは、ただの人殺しと変わらないんじゃないか……?)
過去にムウさんから戦時下で撃たなければ撃たれると、これは殺人鬼のような人殺しとは違うんだと諌められた。
だが今回は? 戦争の最中ではなく、ましては僕は軍人でもなくただの市民だ。
今まで守るために撃ってきたのに何を今更迷うのだと、誰かがせせら笑う声が聞こえる。
──まだ苦しみたいか! いつかは……やがていつかはとっ! そんな甘い毒に踊らされ、いったいどれほどの時を戦い続けてきたっ!?
この世界に迷い込み数えきれないほど聞こえてきたあの人の声が脳内へと響く。
これが本当に最善なのかと迷いを抱けば、思考を蝕むように何十だろうと何百だろうと、幻聴はあの人の声で嘲笑うように君は間違っているのだよ、と冷徹に突き付けてくる。
「──どうしたのかしら。やけに顔色が悪そうだけど。涼める場所に立ち寄りましょうか?」
「……なんでもありません」
「その割には苦悩に満ちた顔をしているわね。それも容易には口を開くことのできないような。よかったら、お話ぐらいは聞くわよ?」
「……貴女に話すことは僕にはありません」
「ふふふっ、釣れないのね」
明確な拒絶を見せたのに女性は愉快そうに笑う。
この人は警戒を解いたらいけないと直感が囁く。一度でも気を抜いてしまえば簡単に人の内側に入り込み、怯え、弱み、苦悩など利用されそうだ。
「──そろそろ着くわよ」
車で連れられて約1時間。街の中心部から離れ、本来の役割を機能していないであろう寂れた廃工場へと辿り着く。
「……本当にここにシャルがいるんですね?」
「ええ、貴方の大切な子はここにいるわ。手は出さないように言っておいたから傷は負っていないでしょう」
シャルを攫った相手の言葉を信じるのはおかしな話だろうけど車を運転していたし、連絡を取る様子もなかったから嘘は言っていないはず。
女性は車から降りたのでそれに続く。近くに人が生活している気配は感じず、見渡せば使用されていない廃れた倉庫ばかり。多くの倉庫があるのを考えるに昔は活発に工場は稼働していたんだろうね。
彼女は何も言わずにシャルと共犯者がいる倉庫へつかつかと歩みを進めていくので見失わないように慌ててついていく。
(……この先にシャルが待っている)
この先にシャルがいる──それは暗に命を賭ける殺し合いが待っているということ。
息を吸い、吐き出すという呼吸する単純な行為が胸を抑えたくなるほど苦しく感じる。
これは戦争じゃない。なのに大切な友達を守りたいから相手を殺すという酷く短絡的な対処法。
迷うな、躊躇うなと言い聞かせているのに、これからまた"人殺し"を行うと想像すると胃酸が逆流して胸が焼けるように痛い。
(……考えるなっ……もう、何も考えるな……っ)
前を歩いている女性に悟られる前に思考を振り払う。
一番不安な状況に陥っているのはシャルなんだ。助けに来た僕がしっかりしてなくてどうするんだ。
自分自身を諌めながら呼吸を整えていれば、歩みを進めていた女性は立ち止まる。
足を止めたということは目的地へと辿り着いたということで、その視界の先に彼女はそこに居た。
「──シャル!!」
「あぁ? なんだこのガキ──って、スコールか」
咄嗟に彼女の名前を叫べば、シャルに拳銃を突き付け監視していた1人の女性が忌々しそうに顔を向けるが、僕の前に立つ女性──スコールと呼ばれた人の姿でなにか納得したようだった。
シャルはパイプ椅子に手足を拘束され、声を出されないように口元にはガムテープを貼られていた。
「遅くなってごめんなさいね。貴女にリスクの大きいのも任せちゃって」
「いいさ。私とスコールの仲だ。これぐらいのリスクは軽いもんさ。それに、コイツと私には深い縁があるしなぁ?」
「その子を虐めすぎたらダメよ? オータム、彼女を喋れるようにしてあげてちょうだい」
「いいのかよ? キャンキャン喚いて煩くなるぜ?」
「可哀想じゃない。危険を冒して助けに来たお友達とお話ができないの」
「──キラっ!!」
オータムと名前を呼ばれた女性は渋々とシャルの口元のガムテープを剥がすと、恐怖で震えた声でシャルが僕の名前を呼んだ。
スコールが言っていた通り目に見える範囲でシャルに暴力を振るわれた形跡はない。肉体的には彼女が傷を負っていないことに知れてひとまず安堵する。
「ちっ、やっぱり喚きやがった。もう用済みだろ? こっちは始末してもいいんじゃねえか?」
「貴女の怒りもわかるけど我慢して、ね? 仮にそれを実行すれば──彼が私たちに今すぐ襲いかかってきそうで怖いもの」
「……僕は貴女たちがシャルを大人しく解放してくれるのなら戦闘する意思はありません。彼女を解放してください」
「あぁ? 簡単に解放するわけねえだろ。コイツは私らの命令を背いた。だったら余計なことを口走る前に口封じするのは常識だろ」
「そんな身勝手な理屈で……っ!」
一方的にシャルを利用していながら命令を背いた、ただそれだけの理由で彼女を殺そうとしていることに怒りを堪えられなかった。
オータムは沸点が低いのか怒りの矛先をこっちに向けて口を開こうとするとスコールが冷静に宥めながら話に割って入ってくる。
「落ち着きなさい。君は戦闘する意思がないと言ったけど、私たちも争うつまりはないのよ。だけどこのままシャルロット・デュノアを放置し続ける訳にもいかないのもまた事実」
「……貴女たちはいったい何が目的なんだ。誰を誘き寄せるつもりなんです?」
「ふふふっ、頭も冴えてるのね。だけど一つ間違っているわ。誰を誘き寄せるのかじゃない、私は貴方──キラ・ヤマト君と落ち着いてお話をしたかったのよ」
「僕……?」
スコールからの予想外の答えに狼狽えてしまうが、その言葉が真実ならばシャルを誘拐していながら、わざわざこの人がショッピングモールの店内に残っていたのも説明が付いてしまう。
「本来はこの前の学年別トーナメントで君とお話をしたかったのに、準備の際は姿を見せなかったし、目に余るぐらいに子猫が警戒していたから迂闊に接触出来なかったわ。それに私も予期していなかったアクシデントもあったもの」
「……紛れ込んでいたんですね。あの日に」
最近更識さんと一緒に録画されていた監視カメラの映像を見ていたが、その中に目の前の人らしき姿を見かけなかったから変装などをしていたのだろう。
その時に見つけられていたら危険を予知して今日外出せずに、シャルが誘拐されることもなかったと後悔の念に駆られる。
そして、女装していたのが結果的に接触を阻止したのをこのタイミングで知ってしまったのはどんな顔をしたらいいんだ……?
「キラ君。貴方の目的はこのシャルロット・デュノアの身柄、そして今後の私たちが彼女に危害を与えない補償と言ったところかしら?」
「……え、ええ。シャルロットを今後狙わないと約束してくれるのなら僕は戦闘するつもりはありません」
突然とシャルの話に引き戻されて困惑しながらも頷く。
確認を終えたスコールはそう、と納得しながら微笑んでいるのは不気味だ。
このタイミングでシャルの身の保証の話を持ちかけるのは明らかに裏があるだろう。
「さっきも言ったけど私たちも彼女を放置するわけにはいかない。だけど貴方がこの要望に応じてくれれば、私がそれを保証してあげるわ」
「……なにを要求するつもりですか?」
「──キラ・ヤマト君。貴方が私たちと一緒に来ることよ」
「はぁ!?」
スコール以外誰も予期していなかった取引にオータム驚いて声を上げて、僕とシャルも大きく目を見開く。
本気かよ!? と驚きながら詰め寄るオータムに冷静にそうよと答えるスコールの姿にどうしようもない不安に駆られる。
(……僕が彼女たちについて行くのを条件に? 突然とシャルの話に話題を変えたのはどうして?)
長時間話しているわけでもないがスコールが意味もなく突然と話題を切り替えることはないだろう。
学年別トーナメントの日に会場に紛れ込んでいた。だったら最初から最後まで僕らの戦闘、VTシステムも見た可能性が高い。だが、それでなぜ僕が彼女らについていくのが条件だ……?
「どうして……どうしてキラが貴女たちについて行くのが条件なのっ!?」
「あら、貴女は知らされてないのね? それはそれで好都合だけど。キラ・ヤマト君、貴方の戦い方を見ていて一つ気づいたことがあるの」
「……っ!」
「──どれだけ巧妙に隠しても、私の眼は誤魔化せない。ねぇ、あるんでしょ? 貴方は"経験"が。私もね、結構あるのよ? 数えきれないぐらいに」
「……ぁ……」
「キラ……っ!」
"経験"とその言葉に隠された意味を理解すれば心臓を鷲掴みにされたかのような錯覚に陥る。
それは実戦を、人殺しをしているのを見抜いているのだと弱みを握っていると脅しだ。
さっと血の気が引き、青ざめた顔なのかシャルが心配するかのように声を上げてくれるがそれに答える余裕はなかった。
「──キラ君。貴方は此方側にいるべきよ。其方側は息苦しいんじゃない? だけど此方側に来ればその息苦しさから解放されるわ」
「……そんな、ことはっ!」
「安心しなさい。君がついて来てくれるのならあの子は解放する。今後手を出さないように根回しだって約束するわ」
「私のことはいいからっ!! だからキラ──」
「てめぇは黙ってろ。……けっ、そのガキにそれほどの価値があるとは思えねえけどなぁ」
「苦しかったでしょ? 辛かったんでしょ? 大丈夫よ、貴方をやってきたことを否定する人は誰もいない。さぁ、この手を取って」
シャルロットが必死に呼びかけるが、それをオータムが拳銃を突きつけて強制的に黙らせる。
それはただの中身のない甘い言葉の幻惑だって気づいてる。
だけどここで争えばシャルを守れる保証はない。僕1人が目の前に差し伸べている手を取れば、少なくともシャルは今後危険に及ぶことはない。
戦わないと守れないものはある。だけど、戦わなくとも守る選択があるのなら、と手を動かそうとすると──
──その瞬間。なにかが壁を突き破り乱入してくる音が聞こえた。
その場にいた誰もが破棄された倉庫へと乱入者へと視線を釘付けにされた。
それは水色のカラーリングが施された一台の大型バイク。大型バイクには二人乗りしており、そのまま4人がいる場所まで直接で突っ込んでくる。
そんな中で
「──あらら、やっぱり子猫は縄張りへの危機感知が敏感ね」
「ちっ! ハリウッド映画の真似事のつもりなら他所でやれってんだ!」
オータムは舌打ちをしながら拳銃を内ポケットをしまうとISを装着する。
彼女IS──背中に独立したかのような8つの脚を展開して、その姿はまるで蜘蛛をモチーフをして造られたかのか、機体のカラーも黄色と黒もあり少々気味悪さを感じてしまう。
背中に展開している8つの装甲脚の内側に銃口が仕込まれているのか、向かってくる大型バイクへと銃口を向けていた。
「やらせない……っ!!」
このまま指を咥えて大型バイクが撃ち抜かれるのを見過ごすことも出来るわけもなく、ISを──ストライクを装着して、
「このガキ……っ!?」
警戒しておらず、ストライクが
妨害をされた時点でオータムの標的は接近してきているバイクではなく、邪魔をしたストライクへと変わっており、装甲脚を自分の手足のように巧妙に扱いながら体勢を整え、仕返しで2本の脚を鞭のように振るうが──
「──あぁ?」
──ストライクが吹き飛ばされることはなかった。相手を突き飛ばした感覚と衝撃音はないどころか、振るったはずの2本の装甲脚がオータムの視線の先で宙を舞っていた。
自身の装甲脚がストライクの代わりに宙を舞ったのかと一つの疑問はストライクが片手に持つ武装がその答えがあった。
(ちっ! ビーム兵器かっ!! アラクネの脚をいとも簡単に切断しやがって!)
ストライクの片手には薄く赤く輝いているビームサーベルがあり、オータムの装甲脚による反撃を"先読み"していたのか偶然なのか、ビームサーベルを展開したストライクの手によって切断されたのだ。
オータムの専用機であるアラクネの装甲脚は決して薄くはなく、厚く強固であると自負している。
しかし、ストライクの持つビームサーベルには分が悪いと冷静に判断を下し、舌打ちをしながら彼女はストライク、そして人質であるシャルロットから一度距離を取る。
(……コンセプトは違うはずなのに脚に接近武装が仕組まれていると、イージスを思い出しちゃうな)
距離を取ったアラクネを警戒しながらもフェイスの下で苦々しく顔を歪めてしまう。
イージスの脚にビームサーベルを搭載していたのは非常に厄介だった。イージスほど火力はないだろうけど、手数の多さは間違いなく目の前のISが多いはず。
「──うーん。これって派手に登場した意味はなかったっぽい?」
「だからあれほど内部に侵入して隙を見つけて仕掛けるを提案しただろう!」
オータムと牽制を続けていれば、シャルとスコールの間に立ち塞がるように大型バイクが停車する。
聞き慣れた声が緊張感などなく口喧嘩しているのを苦笑してしまう。どうやらシャルは2人の正体に今気づいたらしく困惑を隠さないでいた。
2人はバイクから降り、ヘルメットを脱げばそこには更識さんとラウラの姿が。
「えっ、もしかして更識会長と、ラウラ……?」
「ええ、そうよ。ちょっと遅れちゃってごめんね? けど、私たちが来たから安心してね、シャルロットちゃん」
「えっとキラはともかく2人はどうしてここがわかったんですか……っ!?」
「今朝2人には私が渡しただろう。ブレスレットにリストバンド」
「その2つにちょちょいと細工をして何処にいてもわかるようにしてたのよ」
「ああ、だからラウラは渡す時にお守りって言ったんだね」
今朝にラウラがお守りと言ってブレスレットにリストバンドを渡してきた理由がわかったよ。
その2つに発信機かGPSのどちらかを埋め込んだんだろう。もしもに備えて事前に用意してたんだろうね。
2人がいつこれを用意したんだろ? と考えるが、最近更織さんとラウラが人と会うと同じ日に言っていたのがあったなぁ。もしかしてその時に……?
「兄さんの方は……その、無事なのか……?」
「僕は大丈夫だよ」
大丈夫だと言えばシャルが何かを言いたそうに目で訴えられるけど気付かないふりをする。
スコールの言葉に揺らいだわけじゃない。ただあの時まではシャルを無傷で救える方法の中、一番可能性が高かったのがあの人の手を取ることなだけだった。
だけど更識会長とラウラが来てくれたのなら充分にどうにかなるはず。
「対暗部用暗部17代目当主がわざわざ足を運びに来るなんて。ふふっ、ちょっと予想外かしら」
「予想外? 計算の内なんでしょ、
「あんなに警戒して観客席にも何人か潜ませていて、とてもスリリングで楽しかったわよ。また、遊びに来るわね」
「ええ、いつでも遊びにきてちょうだい。次はとっても喜んでくれるようなおもてなしをしてあげるから」
お互いに微笑んでいるがその空気は会話に混じってない僕らでも息が詰まりそうなぐらいに重い。
するとこの空気に耐えかねたのか、睨み合いに痺れを切らしたのかオータムが声を張り上げた。
「なぁ、スコール!! コイツらは1人残らず殺してもいいんだよなぁ!!」
「ええ。キラ君以外──ー」
「──それじゃ、遠慮なく」
スコールの言葉を遮るように動いたのは更識楯無だった。
彼女は左腕部だけを部分展開をして、メインウェポンである蒼流旋で刺突を躊躇うことなくISを纏ってないスコールへと不意打ちを仕掛けた。
シャルは小さな悲鳴を上げ、キラとラウラも息を呑む。
誰もがスコール・ミューゼルの死を連想するが──
「──手癖の悪さも受け継がれてるのかしら? 残念ね。タイミングは悪くなかったけど、まだまだ速さが足りないわ」
「……っ」
そこに命を落としたスコールの姿ではなく、楯無の不意打ちを同じように左腕部だけISを部分展開をし、蒼流旋を先端を掴み余裕の笑みを浮かべる彼女の姿。
不意打ちを仕掛けた楯無は大きく目を見開く。仕掛けたタイミングは完璧であり、普通の人間ならば先の不意打ちで絶命していたであろう。
「それならこれもプレゼントであげるわ、ねっ!」
不意打ちを失敗したがその切り替えの速さは学園最強の名に相応しく、掴まれている蒼流旋に装備されている4門のガトリングを乱射するが、彼女は蒼流旋を手放し左側へと体をのけぞり優雅にかわす。
「そこの貴女も私の相手をしてもらうわよ?」
「ちっ……!」
キラと楯無の2人を相手している間に密かにシャルの救出をしていたラウラであったがそれに勘づいたオータムは右腕部を部分展開、アサルトライフルを展開しラウラへと発砲する。
舌打ちをしながらも自身とシャルの身を守るようにラウラも専用機であるシュヴァルツェア・レーゲンを身に纏う。
AICを不意打ちであったがために扱えなかったものの、シールドエネルギーが減った以外はラウラもシャルも無事だった。
「更織さん!! ラウラ!!」
「てめぇの相手はこの私だろうが羽無し!!」
「くっ!」
2人がオータムと対峙することに焦りを抱いたキラはオータムへと振り向くが、それを邪魔するように装甲脚から実弾が発射される。
ストライクは空いている片手に対ビームシールドを展開して被弾を防ぐ。
「シャルロット、これは参考程度に聞くが専用機はどうした?」
「……リヴァイブは……」
「ああ。彼女の専用機は私が回収させてもらったわ。人質にISを持たせてると、いつ逃げられちゃうかわかならいでしょ?」
ラウラがシャルロットに専用機であるラファール・リヴァイブ・カスタムIIが手元にあるか聞けば、スコールは待機状態のシャルロットの専用機を取り出す。
「そっちこそ手癖が悪いじゃない。それならシャルロットちゃんのISも取り返さないと」
「……ごめんなさい。私が……」
「謝るな。先に仕掛けてきたのは奴らだ。シャルロットに非はない」
「……うん……」
楯無とラウラの励ましに潤んだ目で涙を流すのを堪えるように震えた声でシャルロットは頷く。
楯無も
(……兄さんの雰囲気がいつもと違う。まさか兄さんは状況によってはオータムと、スコールを……?)
(……キラ君も覚悟を決めてるってことかしら。けど、その後の精神状態は間違いなく悪化するでしょう。それこそ織斑君たちと距離を置くかも知れないわね……)
3人のことを心配しているが僅かに視線を向けるだけのキラにラウラと楯無は違和感を抱いていた。
決意を決めたキラの雰囲気にラウラが思い出すのは彼がこの世界に来る前にC.Eの世界で、守るために戦争にへと身を投げ続けた戦いの日々。
楯無はその後の彼の精神状態が悪化した姿を容易に想像ができ顔には出さないものの、内心では今後彼が周囲に対して距離を取る可能性に不安を抱く。
(……キラは大丈夫なの? いつもとなにかが違う気がする。さっきあの人が言ってた言葉にどんな意味が隠されてるの?)
シャルロットも2人同様に普段と違う様子のキラにどうしようもない不安に駆られていた。
なにが違うのかと問われれば上手く答えられないけど、これまでIS学園で戦闘していた時とはなにが違うのだとそう思った。
──ねぇ、あるんでしょ? 貴方は"経験"が。私もね、結構あるのよ? 数えきれないぐらいに。
スコールが言っていた"経験"。その言葉の裏にどんな意味が込められ、彼女とキラのその"経験"という共通点にシャルは引っかかっていた。
(……キラはずっとなにを背負ってるの? 私はなにも知らない……)
シャルはキラがなにかを背負い続けているのは気づいているし、それを本人が無理して話す必要はないと考えていたが、今は彼の背負っているものをなにも知らないのがとても歯痒かった。
「……キラっ」
シャルは無意識に想い人である彼の名前を呼んでいた。
一瞬でも目を離してしまえば静かに消えていきそうなその背中をただ見守ることしかできなかった──
はい。これで(とりあえず)役者は揃ったので次回は久々の戦闘回が始まるよー!!
このまま書いてたら区切らないと長くなるなと思ったので、前編後編にわけだけど…これ次で終わるよね??
学園最強・一年生代表候補生最強・異世界の最高傑作VS亡国機業幹部・戦闘員の対戦!!レディィィィゴオォォォォォォォォ!!!
はい!次回の更新は未定ですが気長にお待ちください!誤字&脱字報告お待ちしております!!感想も毎度ありがとうございますっ!!