欧我
「はぁ…はぁ…。」
ものすごく疲れた。
身体的に、そして精神的に。
もう二度と肝試しなんてやるもんか…。
ナズーリン
「お、帰ってきたか。…なんかひどくやつれているな。」
欧我
「うん…ぐすっ。」
提灯と地図を置いてきたことをナズーリンちゃんに伝え、墓地を後にする。
しばらくは墓地に近づけないだろう。
で、文さんはどこに…。
欧我
「…え?」
何故かき氷を食べているの!?
いつの間に!?
俺の分は!?
文
「あやや、お帰りなさい!すごかったわね、こちらまで悲鳴が聞こえましたよ。」
白蓮
「ごめんなさいね、少々やりすぎたかしら。」
少々どころじゃないよ。
ものすごくやりすぎだよ!
あの首が飛び回る妖怪は誰なんだよ!?
もう、あの時の恐怖はすさまじかったんだからね。
白蓮
「では、見事達成した欧我さんにはこちらを差し上げます。」
そう言って手渡されたのは、1冊のパンフレットだった。
ページをめくると、様々な衣装に仮装した命蓮寺の皆さんが写っていた。
つまり、答え合わせというわけだね。
墓地の地図上に、誰がどんな仮装をしてどこに潜んでいるかが書かれていた。
まず始まってすぐのところには橙ちゃんの名前があった。
仮装は口裂け女。
写真で見てみると、かなりリアルなメイクだ。
しかもこれは藍さんが橙ちゃんのためにメイクを施したらしい。
2人目はムラサさん。
あの井戸から現れたのはムラサさんだったのか。
ぬえさんの人魂と合わせて本当に怖かった。
3人目…あ、星さんここにいたんだ。
ごめんなさい、走り抜けました。
4人目は一輪さんと雲山さんのコンビ。
まさか上空からバンジージャンプの要領で現れるとは。
でも、何故お寺にあんな骸骨の仮面があるんだ?
5人目、精神的にきつかったやつだ。
やっぱりマミゾウさんか。
人に化ける能力は真似したいな。
6人目…ん?赤蛮奇さん?初めて聞く名前だ。
へー、ろくろ首で頭を飛ばせるんだ。
…え?普通は伸びるんじゃなかったっけ?
最後、大トリはやっぱり小傘ちゃんか。
あんな手の込んだ驚かし方は初めてだよ。
成長したね。
えーと、ほかにも名前が書かれている。
響子ちゃんはビラを配るために人里を回っている。
あの子の大声はきっと宣伝に有効なんじゃないかな?
ナズーリンちゃんは受け付け&案内。
なんだろう、ナズーリンちゃん以外に適任が見つからない。
衣装、メイク全般を担当したのはアリスさん。
あの人手先が器用だからな。
小傘ちゃんの頭のやつなんか、かなりリアルだったぞ。
撮影、協力は射命丸文…
欧我
「文さん!?」
文
「そうよ。これに載っている写真は私が撮ったの。きれいに撮れているでしょ?」
欧我
「写真屋は俺の仕事です!…まさか、文さんが肝試しをしなかったのは。」
文
「そう、私は誰がどんな仮装をしてどこから出てくるのかを把握していたの。だから、驚くことはできないのよ。」
だからか…。
はぁ、死ぬかと思った。
文
「お疲れ様。はい、ご褒美のリンゴ飴よ。」
欧我
「ありがとうございます。」
文さんからリンゴ飴を受け取る。
…本当はかき氷が良かったんだけどな。
でもまあ、おいしそうだから食べよう。
文
「それでは、私たちはこれで。」
白蓮
「ええ、挑戦してくれてありがとね。欧我さん、またいらっしゃい。」
欧我
「ええ、是非。」
多分もう当分来ないと思うが…。
文さんと一緒に命蓮寺を後にする。
文さんは取材によって知り得た情報を楽しそうに話してくれた。
その時の笑顔は、やっぱりかわいかった。