幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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第11章 秋期特別企画『○○の秋』満喫特集! ~食欲の秋編~
いざ白玉楼へ!


 

「皆さんこんにちは!毎度おなじみ清く正しい伝統の幻想ブン屋、射命丸文と。」

 

 

欧我

「助手兼写真屋の葉月欧我です。」

 

 

「あれ、小傘さんは一緒じゃないのですか?」

 

 

欧我

「はい、小傘ちゃんは命蓮寺にいます。何でも、ぬえさんと一緒に散歩に出かけるそうで。」

 

 

小傘ちゃんにも春が訪れたのかな?

 

 

「あやや、そうですか。では今日は2人だけの取材になるのね。頑張りましょう!」

 

 

欧我

「はい、頑張ります!それで、今日のターゲットは何ですか?」

 

 

「それはですね…。文々。新聞秋期特別企画『○○の秋』満喫特集!記念すべき第1回は食欲の秋です!」

 

 

欧我

「食欲ですか!では、今日の取材対象は…。」

 

 

「そう!大食いキャラで有名な西行寺幽々子(さいぎょうじ ゆゆこ)さんです!ついでに魂魄妖夢(こんぱく ようむ)さんの料理シーンも余すところなく取材しましょう!」

 

 

欧我

「はい!…でも、やっぱり不思議な感じがしますね。」

 

 

さっきから目の前を漂っている幽霊のような白く大きな物体を見ていると、まるで自分が死んでしまったかのような感覚になる。

 

自分が生きたまま冥界に来ているなんて、今でも信じられないよ。

 

 

「そうね。春雪異変以降、顕界と冥界とをつなぐ結界が修復されないまま放置されているので、間の行き来が可能になっています。その結果、今では冥界は花見の名所となっているのですよ。」

 

 

欧我

「花見ですか。できれば春に来たかったですね。」

 

 

「そうね。でも、秋の紅葉も見ものよ。山に負けないくらい美しいの。」

 

 

確かに辺りを見渡してみると、黄金色に輝く紅葉によって彩られている。

 

ま、難しいことは考えないでおこう。

常識に囚われない。うん。

 

 

「では、さっそく行きましょう!」

 

 

欧我

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥界にある和風の建物、白玉楼を目指し、文さんと取材に関する情報や方法などを話し合いながら歩き続ける。

 

なんでも、白玉楼へたどり着くためには長い階段を上らないといけないらしい。

…だったら飛んだ方が早いじゃんというのはあえて突っ込まないでおこう。

 

 

 

 

 

「ん?」

 

 

白玉楼へと登る階段の目前まで迫った時、隣を歩いていた文さんがふと足を止めた。

 

 

欧我

「…どうしました?」

 

 

「気を付けて。前から何かが来ます。」

 

 

前から?

目を凝らしてみると、確かに前から何者かが走ってくる。

 

あれは一体…。

 

 

「欧我、水の準備をお願い。」

 

 

欧我

「え?あ、はい!」

 

 

目を閉じ、意識を集中させる。

にとりさんの能力を自分に投影する。

 

左目の色が青色に変わった。

準備OK!

 

 

すると、目の前から迫ってくる者の正体が分かった。

あの猫耳、そして2つに分かれた尻尾。

 

そうか、式は水に弱い!

 

 

「それー!」

 

 

そしていきなり飛びかかってきた。

素早く右に飛び、突進をかわす。

 

文さんも無事にかわせたようだ。

 

 

欧我

「橙ちゃん!どうして攻撃してきたの?」

 

 

「藍様からの命令さ!」

 

 

藍さん?

藍さんがいるということは、紫さんもいることになるな。

 

何故白玉楼に向かっているはずなのに、紫さんがいるのだろうか。

 

 

とにかく、まずは橙ちゃんに勝とう。

 

 

左手を橙ちゃんに向けた。

 

 

「やりすぎてはいけませんよ!」

 

 

欧我

「わかってますよ!ちょろっと出すだけですから。」

 

 

「何を出すのかは知らないけど、負けないからね!!」

 

 

そう言うと橙ちゃんはこちらに向かって走ってきた。

 

タイミングを見計らい、左手から水を放出した。

ちょうど橙ちゃんの目の前で放水したので橙ちゃんは驚いて後ずさった。

 

 

「にゃぁ~~~っ!?水ぅぅぅぅぅぅ!?」

 

 

式神に対して水は弱点。

さらに化け猫自体水が弱点と聞く。

 

つまり、橙ちゃんに対して水タイプの技は4倍ダメージ!

効果は抜群だ!

 

さらに追い打ちをかけよう!

 

 

両手を地面にたたきつける。

すると、おびえる橙ちゃんの周りを取り囲むように水の壁が出来上がった。

 

 

欧我

「どう?降参?」

 

 

「うぇ~ん!藍しゃま~!!」

 

 

藍さん!?

…まずい!

 

今技の維持で動けない!

 

その直後、その場に藍さんの声が響き渡った。

 

 

「私の橙に…何をしたぁ!!」

 

 

「危ない!!」

 

 

上空から、藍さんがものすごいスピードで突進してきた。

 

文さんが素早く反応し、俺に向かってくる藍さんの攻撃を受け止めた。

文さんナイス!!

 

 

「私の攻撃を止めるとは…なかなかやるな。」

 

 

「幻想郷一俊足の私を舐めないでください。それに、先に攻撃をしてきたのは橙さんの方ですよ?」

 

 

「そうだ、私が命令した。橙のさらなる成長のためにな。」

 

 

「そうでしたか。でも、それは失敗したようですよ?」

 

 

文さんはそう言うと俺たちの方を向いた。

もうこちらはすでに決着がついていたからだ。

 

優しく顎の下をくすぐると、橙ちゃんは甘えたような声を出した。

以前会った時に橙ちゃんの弱点を知っておいてよかった。

 

 

欧我

「ほーら、よしよし。」

 

 

「にゃ~ん!」

 

 

「ちぇえええええええええん!!」

 

 

藍さんはそう叫ぶと橙ちゃんの方に向かって走ってきた。

 

何というか、愛情?それとも過保護?

 

 

「大丈夫か?橙!?」

 

 

「ら、藍しゃま…。ごめんなさい。」

 

 

「いいのです。橙はよく頑張りました。」

 

 

いくらなんでも橙ちゃんのためとはいえ、いきなり襲いかかってくるのはどうかと思う。

でも、そのことは言わないでおこう。

 

 

欧我

「あの…俺たちは取材に来ただけなのですが…。」

 

 

「…そうか。では、一緒に白玉楼へ参りましょう。紫様もお待ちです。」

 

 

欧我

「はい!」

 

 

とうとう、幻想郷最古参の妖怪で、賢者と呼ばれる最強クラスの妖怪と会うことができる。

 

一体どんな姿をしているのだろうか。

名前を聞いたことがあっても、姿を見るのはこれが初めてだからな。

 

俺のイメージでは、年を取った老婆の感じかな?

長老というイメージが似合いそうな…。

 

 

さあ、その最高の笑顔を収めてやるぞ!

自然と、カメラを構える腕に力が入った。

 

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