幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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調理開始

 

欧我

「すげぇなあ。」

 

 

幽々子

「でしょ?刃物の傷に効く、魂魄家秘伝の軟膏を塗ったからね。」

 

 

すごい。

軟膏を塗った途端傷口がふさがり、痛みを感じなくなった。

もちろん出血も止まっている。

 

今俺は畳の部屋に敷かれた布団の上で、上半身裸で寝転がっている。

傷口を覆うために腹部には包帯が巻かれ、そのせいか少しムズムズする。

 

 

欧我

「俺も台所に行きたかったな。」

 

 

幽々子

「だめよ。完全に治るためには安静にしていないと。それに、文がいるでしょ?」

 

 

そうだよね。

今は文さんに任せよう。

何でも、にとりさん特製の新秘密兵器があるって意気込んでいたしな。

 

ま、今の俺にできることを精一杯やろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

~台所~

 

 

「とうとう、私たちは謎のベールに包まれた白玉楼の台所に潜入しました!一体、ここでは何が起こるというのでしょうか!!」

 

 

妖夢

「止めてください、人ん家の台所をまるで迷宮みたいに。」

 

 

「それに、貴女は何に向かって話しかけているんだ?」

 

 

私の手には、黒い箱のような機械があった。

箱の上にはキュウリが乗っていて、それに電極が刺さっている。

 

箱から飛び出したレンズを見るに、カメラの一種だろうか。

 

 

「ふっふっふっ。聞いて驚いちゃってください。これは、映像を撮ることができるカメラ、名付けて『ビデオキャメラ』なのですよ!!」

 

 

妖夢・藍

「「へー、そうなんだ。」」

 

 

「あやややや!?」

 

 

お二人のあまりの反応の悪さに、正直ショックを受けてしまいました。

がっくり…

 

 

「本当に!?すごい!もっとよく見せて!」

 

 

「ちょ、近いです!!そんなに引っ張らないでください!」

 

 

私の発言に、隣にいた橙さんはキラキラと目を輝かせて、まるで子供のようにキャッキャとはしゃいでいる。

そうです、このような反応をしてほしかった。

 

 

「橙!?どうしてここに?」

 

 

「それはですね、負傷した欧我の代わりに助手を買って出てくれたのですよ。」

 

 

文・橙

「「ねー。」」

 

 

「そうか…まあいい。妖夢、案内してやれ。」

 

 

妖夢

「わかりました。」

 

 

「ありがとうございます!さあ、私たちはどこへ連れて行かれるというのでしょうか!?」

 

 

「あ、そうそう。変なことを言ったり、新聞に変なことを書いたりしたら焼き鳥にするぞ。」

 

 

「あややっ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

~食糧庫~

 

 

妖夢さんに連れてこられたのは、白玉楼の食糧庫だった。

ここに保管されている食材や調味料の量は、私たちの想像を絶していた。

 

畳18畳ほどのスペースに、まるで山のように積み上げられた食材は、人間の里の一般的な一家が1か月以上かかってもすべてを消費することができないほどだ。

 

 

妖夢

「さあ、ここから使う分を運び出しましょう。」

 

 

「ここからですか?ちなみに、この量は何日分なのですか?」

 

 

妖夢

「そうですね…。幽々子様が本気を出せば、5日で空になってしまいます。」

 

 

文・橙

「「5日!?」」

 

 

ブラックホールかよ、幽々子さんの胃袋は。

 

 

 

 

 

その後、私たちも手伝って今日使う分の食材や調味料を台所まで運ぶ。

一体何往復したのだろう。

 

今日は幽々子さんと妖夢さんだけではなく、紫さんや藍さん、橙ちゃんに私に欧我がいる。

7人分の夕食を作るためにはそれなりの食材の量が必要になるわけで…。

食糧庫のざっと5分の1を運び出した。

 

 

今日は妖夢さんだけではなく、藍さんも台所に立つみたいですね。

藍さんは自家製だという自慢の油揚げを大量に持参しています。

 

さあ、いったいどんな料理が作り出されるのか…。

調理開始です!!

 

 

 

 

 

ビデオキャメラは橙ちゃんにとられたため、仕方なくカメラを構えて写真を撮っていく。

ま、橙ちゃんは上手く使いこなしているから心配はいらないかな?

 

 

それよりも、お二人の手際の良さ、そして包丁さばきは見事なものですね。

見ていてほれぼれしますよ。

 

あれほど大量にあった食材が、あっという間に下準備を済まされ、美味しそうな料理へと姿を変えていく。

 

まるで、魔法でもかけられたかのような早業ですね。

 

 

台所には肉が焼ける香ばしい匂いや米が炊き上がる香り、煮物のコトコトといった耳触りの良い音があふれだしている。

 

一言も話さず、ただ黙々と両手を動かし、様々な料理を作っていくお二人の姿は、まるで舞いを踊っているかのように優雅で、繊細で、そして力強かった。

 

 

 

私も、このように料理を作ってみたい。

欧我に美味しいものをたくさん食べさせてあげたいから。

 

でも、私、あまり料理をしないからな…。

玉子焼きくらいしか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

全ての料理を作るのに、1時間もかからなかった。

 

大量の食材が大量の料理へと姿を変え、白玉楼の食堂へと運ばれた。

 

 

食堂には、部屋の7割を占めるほどの大きなテーブルが部屋の中央に置かれ、すでに幽々子さんと紫さん、そして欧我が席についていた。

 

欧我に元気が無かったのが気になるけど、怪我をした後だから仕方ないよね。

この料理をたくさん食べて、元気になってください。

 

…私が作ったものじゃないのですが。

 

 

 

 

 

出来上がった料理を、次々とテーブルの上に並べる。

あっという間に、テーブルの上が料理で埋め尽くされた。

 

 

さあ、では食事と行きましょう!

食レポはブン屋の力の見せ所です!!

 

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