「迷った…。」
紅魔館の内部は思っていたよりも広大で、真っ直ぐ続く廊下はところどころに扉が設置されていて先が分からない。
こんな広い紅魔館の家事って、どうやっているのかな?
まさか咲夜さんが1人で?
だとしたらあの人はただものじゃない。
もしかしたらあの人も妖怪だったりして。
まあ仕方ない。誰かに会ったら道を尋ねよう。
次は、あの扉だな。
廊下を遮る扉のノブに手をかける。
そしてノブを回し、扉を開けた。
その先に足を踏み入れた次の瞬間、
「ばあっ!!」
「うわあぁぁぁぁぁぁっ!!?」
突然目の前に少女が現れた。
完全に不意を突かれ、驚いて尻餅をつく。
いきなり脅かすとは、死ぬかと思った…。
「あはははっ!不意打ち成功ね!」
と、面白そうに笑い声をあげる。
その少女は見たところ10歳未満の幼女といった感じだ。
濃い黄色の髪をサイドテールにまとめ、その上からナイトキャップをかぶっている。
服装は真紅を基調とした、半袖とミニスカートを着用している。
しかし、一番目を引くのは、背中に生えた一対の枝に七色の結晶がぶら下がったような特殊な翼。
この子も妖怪なのかな?
「あれ?あなた欧我でしょ?咲夜から聞いたわ。」
「あ、そ、そうです。葉月欧我といいます。あ、文さんのところで居候しながら写真屋として…えっと…」
なんとか自己紹介を済ませようとしたが、先ほどの不意打ちのショックからなかなか立ち直ることができなかった。
目に涙をたたえ、ぶるぶると震えている。
もう不意打ちはこりごりだ!
「写真屋?じゃあフランを撮って!」
「え、あ、はい!」
その後、俺はその少女、フランちゃんの写真を何枚も撮った。
その少女の名前はフランドール・スカーレット。
この洋館の主を務めるレミリア・スカーレットの妹で、吸血鬼だそうだ。
年齢は495歳。
妖怪の年齢って見た目からは全く分からないな…。
「はい、スマイル!いいね、そこでポーズ決めちゃおうか!」
「うん!」
フランちゃんは満面の笑みでかわいらしいポーズをとってくれた。
吸血鬼と聞いたときは恐怖を覚えたが、それを感じさせない笑顔と言動がその恐怖を和らげてくれた。
「ありがとう、楽しかった!」
「どういたしまして。俺も楽しかったよ。」
楽しそうに笑いあう2人。
そんな2人の前に、突然咲夜さんが現れた。
「うわっ!?」
「あははっ!やっぱり欧我って面白い!」
もう、不意打ちはこりごりだって言ったじゃないか!!
「妹様、お嬢様がお呼びです。」
「はーい。じゃあ欧我、また遊ぼうね!」
「うん、わかった。」
お互いに手を振り、そして別れた。