なので、ネット上での記述や作者自身のイメージに従って書いていきます。
また、本がたくさん出てきますが、本の名前は書きません。
上記の2点について、あらかじめご了承ください。
自分だけの1冊を探せ!
文
「こんにちは、毎度おなじみ射命丸文です!」
欧我
「助手兼写真屋の葉月欧我です!そして…」
妹紅
「私?えっと…藤原妹紅です。…っていうか、何故私がここに?」
ここ?
人間の里ですが。
文
「それはですね…。文々。新聞秋期特別企画『○○の秋』満喫特集!第2回目は読書の秋です。そして、妹紅さんはそのゲスト!題して『自分だけの一冊を探せ!』です。」
妹紅
「なぜ私が…。そもそも本なんて。」
文
「あなたは蓬莱人、つまり永遠の命を持っています。ですが、変えわり映えのない1日を送り続けるのも退屈でしょう。そこで、本の楽しさを知って少しでも充実した生活を送れるようにと思って企画しました!」
妹紅
「あのなぁ…人の生活を退屈とか言うんじゃないよ。」
欧我
「ちなみに、今回は鈴奈庵が全面協力してくれます。妹紅さんのためにオススメの外来本を用意してくれました。」
妹紅
「鈴奈庵って…まさか小鈴が?」
欧我
「はい。しかも、この企画は小鈴ちゃんが立案したのですよ。」
文さんのもとに、本居小鈴(もとおり こすず)という人から手紙が来たのは3日前だ。
小鈴ちゃんというのは人間の里にある貸本屋、『鈴奈庵』で店番をしている人間の女の子。
主に外の世界から来た本、いわゆる外来本を扱っており、貸し出しや販売を行っているそうだ。
その日の午後人間の里で集まり、今回の企画について話し合った。
妹紅さんに本の楽しさを知ってもらいたい。
しかし、いくら本を紹介しても見向きもしてくれなかった。
そんな時に目に留まったのが、文々。新聞の『○○の秋満喫特集』だった。
妹紅さんにこれまであった経緯を説明すると、納得してくれたようだ。
妹紅
「そっか…。わかった。」
文
「ありがとうございます!それでは行きましょう!」
~鈴奈庵~
小鈴
「文さーん!!」
鈴奈庵の前で、小鈴ちゃんが待っていた。
俺達の姿を確認すると、こちらに手を振ってくれた。
飴色の髪を鈴の付いた髪留めでツインテールにし、紅色と薄紅色の着物に身を包んでいる。黄色のエプロンには2つのポケットがあり、胸元にローマ字で「KOSUZU」と書かれている。
文
「小鈴さん!お待たせいたしました!」
小鈴
「いえ、よろしくお願いします!」
小鈴
「あ!妹紅さん来てくれたんですね!うれしいです!」
妹紅さんの姿を確認するや否や手を繋いでブンブンと上下に振る。
それほど来てくれたのが嬉しかったのだろうか。
とてもかわいい笑顔だ。
妹紅
「ああ、今日はよろしく頼む。」
小鈴
「はい!お任せください!」
欧我
「わぁ~。」
鈴奈庵の中にはたくさんの本棚が並べられ、本がぎっしりと並んでいる。
その本は、最近の見たことのある名前や、江戸時代に書かれたような古いもの、そして難解な文字で書かれた全く読めない物など様々だ。
あ、英語の本もある!
文
「ものすごい量ですね。ここの本を借りれば新聞をより充実したものにできます。」
小鈴
「ええ、文さんにはいつでもお貸ししますよ!」
文さんと小鈴ちゃん、そして妹紅さんが話し合っている間、俺は店内を見て回る。
欧我
「あ!懐かしい!」
本棚の片隅で、小さい頃よく読んでいた本を見つけた。
海洋生物学者が乗っていた船が何かによって沈没し、ほかの2人とともに巨大な潜水艦に保護される。その結果正体不明の船長とともに海底を冒険する物語だ。
ぱらぱらとページをめくっていく。
そうそう、ここでダイオウイカとのバトルもあったよね。
小鈴
「何かお好みの本があったのですか?」
本に熱中していると、いつの間にか小鈴ちゃんが隣に立っていた。
全然気づかなかったよ。
欧我
「ええ、小さい頃によく読んでいました。表紙がボロボロになるほど。」
本を閉じ、そっと元あった場所に返す。
ここ、また来ようかな。
欧我
「…ん?」
ふと、本棚の片隅に置かれた本が目に止まる。
背表紙には何も書かれていないが、かなり古そうだ。
何かに引かれるように、その本を手に取った。
表紙には見たことが無い文字が並んでいる。
ページをめくってみても、見たことのない文字で埋め尽くされていた。
これは一体?
小鈴
「それは妖魔本ですね。」
欧我
「妖魔本?なんですか、それ。」
小鈴
「妖魔本というのはですね、妖怪が書いた本の事です。ほとんどは難解な文字で書かれているのですが…ちょっと待ってください。」
小鈴ちゃんは眼鏡をかけると、その本を受け取って手をかざした。
まさか、読めるのか?
文
「妖魔本ですか!?」
妖魔本という言葉に反応し、文さんが慌てて走り寄ってきた。
文
「小鈴さん、危ないですよ!」
文さんの表情から、これは相当ヤバいものだということが分かった。
しかし、小鈴ちゃんはお構いなしのようだ。
まるで危機感を持っていないというか…。
小鈴
「大丈夫ですよ。もし何かあれば霊夢さんに頼めばいいのですから。えーと…。」
文
「読んじゃだめ!!」
しかし、文さんの忠告を無視して本を読み始めた小鈴ちゃん。
次の瞬間!
小鈴
「きゃっ!!」
本から不気味な光があふれだし、真っ黒な人影が飛び出してきた!
右手には日本刀が握られている!
その人影は本を持つ小鈴ちゃんに向かってその刀を振り下ろした!