「さて、他の方たちはどうですかね?」
欧我のもとを後にし、まっすぐ空を飛んで行く。
あ、皆さんこんにちは。
申し遅れましたが、私は絵心に関しても幻想郷一の鴉天狗、射命丸文です。
私は今何をしているかって?
それは、幻想郷中で絵を描いている皆さんの様子を写真に収めて回っています。
「文々。新聞秋期特別企画『○○の秋』満喫特集!」の次の特集が思いつかなかったときに、まさかレミリアさんがこんな行事を開いてくれるなんて思いもよりませんでした。
まさかの上質なネタを提供していただけるなんて。
レミリアさんにはあとでお礼をしなければいけませんね。
さて、博麗神社と命蓮寺を回り、次はどこへ行きましょうか。
…守矢神社の方へ行きましょう。
ついでに山の皆さんの様子も見ておきましょうか。
~妖怪の山上空~
あっ、あそこにいるのは…。
ふふっ、気付いていないみたいね。驚かしちゃおうかな?
「も~みじっ!」
「うわっ!あ、文さん!?」
椛の目の前に着陸する。
私の登場に驚いたのか、椛はびくっとしてキャンバスから顔を上げた。
「どうですか?上手く描けていますか?」
「ええ、まあまあです。」
「ほほー、どれどれ?」
椛の後ろに回り、キャンバスを覗き込んだ。
そこには、今いるこの場所から見渡せる幻想郷の風景が描かれていた。
なかなか上手いですねぇ。
「風景画ですか。」
「はい。いつも見ているこの景色が好きなので。」
「そうですか。この調子で頑張ってください。」
椛の写真を取り、上空へと飛びあがった。
さあ、次は守矢神社ですね。
~守矢神社~
「おや…?」
守矢神社の境内に3人の姿が見えた。
あれは、早苗さんに諏訪子さん、そして神奈子さんだ。
諏訪子さんと神奈子さんが早苗さんと向かい合ってキャンバスを置いている。
「なるほど…。」
諏訪子さんと神奈子さんは早苗さんを、そして早苗さんはお二人を描いているというわけですか。
3人で楽しそうに笑いながらそれぞれがキャンバスに絵筆を走らせている。
…これは、邪魔をしない方がよさそうですね。
上空から写真を1枚撮ると、守矢神社を後にした。
~霧の湖~
「ん?」
湖の畔に妖精たちが集まっていますね。
みんなで湖にキャンバスを向けて絵を描いています。
あの子たち、今回のお題が何かを知っているのでしょうか。
それとも、みんな湖が好きなのか…。
ちょっと行ってみましょう!
「こんにちは~!」
湖に向かって絵を描いている6人の後ろに着地する。
5人はいきなり現れた私に驚いて振り返ったけど、やはりこの人には気づかれちゃいましたか。
「あら、文さんこんにちは。」
「こんにちは、スターさん。それに、皆さんも。」
私の登場に驚いたけど、ほかの皆さんも元気な挨拶をしてくれた。
元気そうで何よりですね。
…おや?妖精じゃない人が一人。
「ルーミアさんもいましたか。」
「うん!みんなで湖の絵を描いているの!」
そう言って自分の絵を見せてくれた。
クレヨンを使って、かなりダイナミックに描かれている。
そして、空には元気に飛び回るチルノさんの姿も。
「ねーねー、あたいの絵も見てよ!」
「わ、ちょっと!」
そう言っていきなり腕を引っ張ってきたのはチルノさん。
分かったから離してください、痛いです。
チルノさんの絵は…。
「どう?あたいは絵に関しても最強だからね!」
「そうですね…。かなり独創的な絵で。」
ここに描かれているものは何でしょうか。
霧の湖…なのだろうけどこれは。
むぅ~この私がコメントに詰まってしまうとは。
「あ、上手ですね!」
ふと隣に座っている大妖精さんの絵を見ると、そこには色鉛筆を使って目の前の湖が描き出されていた。
静かに水をたたえる湖。それが再現されている。
「本当ですか?ありがとうございます!」
「ねぇ、私のも見て!」
「私のは…。うん、見ていいよ。」
サニーさんとルナさんも私に絵を見せてくれた。
サニーさんの絵はクレヨンを使って雄大な湖とその上を飛んでいる三妖精が力強く描かれ、ルナさんは水彩画で、淡い色使いで見事に描き出している。
スターさんは色鉛筆で湖を背景に笑顔のサニーさんとルナさんを描いている。
それぞれに個性があって、本人の性格がそのまま表れたかのような絵は、どれも素晴らしかった。
カメラをその6人に向けた。
「はい、写真を撮りますよー!」
カメラに向けて、まぶしい笑顔を見せてくれた。
私も、今になって笑顔の素晴らしさに気づいたのかもしれない。
これも欧我のおかげなのかな…。
欧我に出会ってから、私は変われたかしら?
6人に別れを告げ、空へと飛びあがる。
さあ、回っていないところはまだたくさんあります。
次はどこ行きましょうかね?