ようやく、大図書館の入り口の前にたどり着いた。
あのとき咲夜さんに図書館の位置を聞いておいて正解だった。
まさか正反対の位置にあったなんて…。
もしあそこに咲夜さんが現れなかったら1日中この屋敷をさまよい続けることになっていただろう。
とにかく、これで調べることができる。
ドアノブに手をかけ、大図書館につながる扉を開けた。
「わぁ~、すげぇ!」
大図書館の様子は俺の想像を絶していた。
階下に広がる広大な部屋に、本棚の列が奥までずらっと並んでいる。
天井からは豪華なシャンデリアがぶら下がっており、淡い光を放つ。
目を細めてみても、この図書館の反対側の壁を見ることはできない。
まさか、紅魔館の地下にこんな広大な図書館が広がっているなんて…。
大図書館という名に恥じない広さだ。
しかし、地下にあるからなのか窓が一つもない。
そのため、大図書館内の空気はじめじめとしていてカビ臭い。
それにしても、こんなに広すぎては目当ての本を探すだけでも一苦労だ。
誰かに手伝ってもらわないと…。
とりあえず、写真を1枚。
「あれっ!君は誰?」
今撮った写真を確認していると、目の前に一人の少女が現れた。
赤毛の長髪で頭と背中に悪魔のような羽、白いシャツに黒のベスト、ベストと同色のロングスカートで、首元に赤いリボンを着用している。
この図書館の人かな?
「あ、どうも。俺は葉月欧我です。この図書館で調べたいことがあってきたのですが。」
簡単に自分の名前とここに来た目的を話す。
「そうですか、じゃあついて来てください!パチュリー様のところへ案内します!」
そう言って踵を返して歩き出した。
慌ててその後を追いかける。
「え?パチュリーさんって?」
「この図書館に住んでいる魔法使いです!ものすごく賢くて強いんですよ!」
「そうですか。」
つまり、この図書館の一番偉い人っていう感じなのかな?
その人に聞けば、お目当ての本のありかを教えてくれるのではないだろうか。
それよりも…。
なんで、この子と手を繋いじゃっているんだ?
手を繋がないといけないのかな?
この子、なんか嬉しそうだし。
わぁスキップなんてしている。
ずらりと並ぶ、自分の背の何倍もある高さの本棚の間を手を繋いで歩く。
まるで、高層ビルの間の路地を歩いているかのようだ。
「そういえば欧我ってさ、どこから来たの?」
呼び捨て…?
「実は、全く分からないんですよ。」
「わからないの?どうして?」
「記憶を失った状態で妖怪の山の中に倒れていたところを、文さんに助けてもらったんです。だから、それ以前の記憶が無いんですよね。」
「そうなんだー。大変だったね。」
あれ?
こいつ、敬語使えないのか?
なれなれしいし…。
この子、こういう性格なの?
そう思いながら歩いていると、前方に大きな机が見えてきた。
机の上には分厚い本が何冊も積み重なり、その傍らに大きなランプが見える。
そしてその後ろから、こちらを眺めている紫色の髪の女性が1人。
この人がパチュリーさん…かな?