幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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お待たせいたしました。
ある程度完成したので投稿します。

…感情の描写がもっと上手くなりたいです。



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「あれ、ここは…?」

 

 

どこだろう。

俺は今真っ暗な闇の中にいる。

 

右を向いても、左を向いても、あるのは真っ暗な空間だけ。

上を向いても真っ暗だ。

でも、不思議なことになぜか自分の体だけははっきりと見える。

 

 

真っ暗な闇の中、ぽつんとただ一人空間を漂っている。

自分が立っているのか、浮かんでいるのか、それさえもわからなかった。

 

 

 

 

 

「…ガ…。」

 

 

「えっ!?」

 

 

慌てて後ろを振り返る。

今、誰かの声が聞こえたからだ。

 

しかし、そこには誰もいなかった。

 

 

「オーガ…」

 

 

「っ!!」

 

 

今度ははっきりと聞き取ることができた。

オーガって…俺の事か!?

 

これは聞き間違いではない。

今、はっきりと「欧我」って聞こえた。

 

 

…でも、俺はこの声に聞き覚えがない。

文さんはもっと高くかわいらしい声だ。

 

この声の主は一体…。

 

 

「欧我、目を覚ましなさい。」

 

 

今度は右の方から声が聞こえた。

その声を合図に、四方八方上下から一斉に俺の名前を呼ぶ声が放たれた。

 

それらの声は、俺の頭の中でぐるぐると渦を巻く。

耳を押さえてしゃがみこんでも、その声は否応無しに脳内に侵入してくる。

 

 

「うぁ~黙れ黙れ!」

 

 

大声で叫んでも、声は全くとだえなかった。

それよりも大きな声で俺に問いかけてくる。

 

 

「黙れって…言ってんだろぉぉお!!!」

 

 

お腹の底から声を出し、周りから響く声をかき消す。

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…。」

 

 

いつの間にか声は止んでいた。

それだけではなく、俺を包んでいた闇も晴れ、周りの様子が見える。

 

この部屋の光景はもはや見慣れていた。

ここは、博麗神社だ。

神社の中の一室に敷かれた布団の上に座っている。

 

体中から嫌な汗が吹き出し、布団を濡らしていた。

 

 

「くそっ…夢か。」

 

 

勢いよく襖があき、部屋に霊夢さんたちが駆け込んできた。

かなり慌てていた様子だが…。

 

 

「どうしたのですか?」

 

 

「それはこっちのセリフよ。いきなり大声を出すんだから。」

 

 

霊夢さんが迷惑そうに言った。

 

 

「ごめんなさい。悪い夢を見てしまいまして。」

 

 

本当に、あの夢は一体何だったんだ。

 

 

「ひどい汗じゃないですか。ほら、着替えましょう。風邪をひいてしまいますよ。」

 

 

「ありがとう、衣玖さん。でも大丈夫です。」

 

 

俺のことを心配してくれた衣玖さんに、笑顔でお礼を言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

布団から出て、霊夢さんの後について縁側まで足を進める。

 

とりあえず霊夢さんにお茶をもらおう。

ゆっくりとお茶を飲んで、今の夢をきれいさっぱりと忘れたい。

 

 

「あれ?」

 

 

霊夢さんが何かを見つけたようだ。

目線の先には、テーブルの上に置かれた1部の新聞が。

 

新聞…ってことは文さんの号外かな。

 

 

「何よ、これ。中央新聞?」

 

 

「なんだって!?」

 

 

霊夢さんが口にした新聞の名前に、俺は驚きの声を上げる。

俺に注がれる視線。

 

信じたくはないけど、でも、これは間違いない。

 

 

「その新聞は…外の世界の新聞です。」

 

 

「なんですって!?」

 

 

しかも、かなり有名な新聞だ。

そんなものが、なぜここに?

 

ふと、天子さんが何かを見つけたようだ。

新聞に付いた1枚のメモを取り、そこに書かれている文字を読んだ。

 

 

「えーと…。欧我クンへ。この新聞を読んでみてね。記憶を取り戻す手がかりになるかもしれないから。PS…私に用があったら博麗神社に来なさい。八雲紫。って丸っこい字で書いてあるわ。」

 

 

「俺の…記憶?」

 

 

「はぁ、全く迷惑なことしてくれるわね。ほら、欧我。」

 

 

霊夢さんはため息をつくと、俺に向かって新聞を放り投げる。

 

新聞を何とかキャッチすると、その紙面に目を通した。

 

 

「なに!?今日のロードショーはこれかよ。」

 

 

見たい…。

 

あ、ごめん。

今はそれどころじゃなかったよね。

謝るから、今すぐそのお札をしまってください!

 

 

「ふぅ…。」

 

 

大きく深呼吸すると、新聞をひっくり返す。

紙面に書かれている記事を見て、目を見開いた。

 

そこには、無残に破壊された都市の写真が大きく乗せられていた。

そして見出しには『また都市壊滅。影鬼の仕業か』と書かれている。

 

 

「かげ…き?」

 

 

「外の世界にも、悪い奴はいるんだね。」

 

 

霊夢さんが新聞を覗き込んで言った。

 

さらに新聞を読み進めていく。

どうやらこの影鬼という人物は不思議な能力を持っていて、それを活用して世界中の都市を破壊して回っているそうだ。

彼女の最終目的や意図などはまだ解明されていない。

 

 

「影鬼…。」

 

 

この人、俺と関係がありそうな気が…。

 

 

 

「っ!?」

 

 

次の瞬間、記憶が…解放された。

 

影鬼という名前が脳内で形を変え、記憶を閉じ込める金庫の鍵穴の一つに差し込まれた。

カチャッと鍵が開く音とともに、一つの記憶が解放されたのだ。

 

 

その記憶は、またしてもひとつの単語だった。

でたらめに並ぶアルファベットと数字の列。

 

…これってもしかして!!

 

 

新聞を床に落とし、空へと飛びあがる。

そしてまっすぐ文さんの家を目指した。

 

 

 

 

 

「行っちゃったね。」

 

 

「放っておきましょ。欧我には欧我の抱えている問題があるのよ。」

 

 

「そうね…。」

 

 

博麗神社に残された3人は、心配そうに空を見上げた。

 

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