幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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能力の秘密

 

『お前がこの地に来た理由は、お前の持つ能力を見ればわかるだろう。』

 

 

俺の…能力?

俺の能力は、相手の能力を撮った写真を取り込むことで、それを真似ることができる程度の能力。

 

…っ!?

つまり!

 

 

『これだけ時間をとればもう分かっただろう。お前の持つ能力は「技をコピーする程度の能力」だ。影鬼様は幻想郷という場所に住む妖怪たちの恐るべき能力に目を付けた。その能力を我が物にするため、お前は幻想郷に送られた。』

 

 

つまり、俺は影鬼の道具だということか!?

能力を手に入れるための駒だということか!?

 

俺の中に、めらめらと怒りの炎が燃え盛る。

 

 

『お前が真似た能力にはリミッターがついている。つまり、強力な技を出せないようになっているんだ。しかし、その中で5つだけ、はじめからリミッターが解除されている能力がある。これが一番重要だ。お前はもう、その内のどれくらいを手に入れた?』

 

 

リミッター?

5つの、すでに解除されている能力?

 

一体何の事だ…。

 

 

 

「あっ!」

 

 

まさかそれって!

 

いや、間違いない。

ほかの能力を真似た時以上に技のイメージがあふれてきて、様々な活用ができる。

より強力で特別な能力。

 

にとりさんの水…

屠自古さんの雷…

そして、今回の天子さんの大地…

 

手に入れたのは3つだ。

と、言うことは、あと2つ…。

 

 

『残念だが、影鬼様は俺にはその事を教えてはくれなかった。だから誰の能力がカギを握るのかは分からない。もし、5つ全てを手に入れると、あらゆるものを破壊する光線を放つことができる。おそらく影鬼様の最終目標はそれだろう。』

 

 

残念ながら、オーガにもその5つの能力が何かはわからないらしい。

 

ペンを置き、メモのページをめくった。

この話の内容をよく考えるために、そして記憶するためにオーガが言った真実をメモに書き留める。

 

 

『この5つはかなり強力な能力だから、コピーした場合身体が拒絶反応を引き起こす。それは能力が増えるたびに強力になってくるだろう。』

 

 

メモの上を走らせるペンが止まる。

能力を真似するたびに悩まされるあの激痛はこの拒絶反応だったのか。

今日も、ついさっき襲われたばかりだ。

 

3回目で気を失うほどの苦痛なら、5回目はどれくらいだろう。

さすがに、それはイメージできなかった。

 

 

『影鬼様はこう言っていた。5つの能力のうち4つが集まれば、準備ができ次第手始めに幻想郷に侵攻を開始すると。』

 

 

「なんだって!?」

 

 

オーガの口から語られた衝撃の事実。

影鬼が…ここに攻め込んでくる!?

 

一体、どうやって…。

 

 

『とにかく、これだけは言っておくぞ。』

 

 

オーガは語気を強めて言った。

 

 

『もうこれ以上、絶対に能力をコピーするな!』

 

 

「わかった。」

 

 

4つ目の能力を手に入れてしまったら、幻想郷に影鬼が攻め込んでくる。

そうすれば、この幻想郷に住む妖怪たちは楽園を護るために戦いを挑むだろう。

 

 

「まさか!?」

 

 

紫さんが言っていた「幻想郷中を巻き込む異変」って、この戦いの事なのか!?

じゃあ、「貴方の記憶をすべて取り戻せば」っていうのは?

俺の下す「重大な決断」って?

 

疑問は増すばかりだ…。

 

 

『もし攻め込んできた場合、お前たちは勝つことができるのか正直分からない。影鬼様は強大な闇の魔力を持っている。それに太刀打ちできるのか…。』

 

 

そんな!?

じゃあ、勝つことなんてできないのか!?

 

 

『影鬼様に勝つ方法なら、ひとつだけある。』

 

 

オーガはピンと人差し指を立てると、ゆっくりとその方法を口にした。

 

 

『お前が指揮を執り、妖怪たちと協力すること。これしか無い。妖怪たちと親しい関係を築き、力を合わせて戦わなければ、影鬼様を倒すことはできないだろう。』

 

 

妖怪たちと、協力する…。

脳裏に、これまで知り合ったみんなの笑顔が次々と浮かんでくる。

 

自分なりに、親しい関係は築くことができたと思っている。

幻想郷で過ごした数か月。

期間は短いけど、俺は多くの妖怪と出会い、一緒に笑いあってきた。

 

この人たちと協力する。

…でも、目の前の戦いに協力してくれるのだろうか。

 

 

『お前が妖怪と親しい関係を築いたというのなら、それを証明する何かを集める必要がある。それが何かは全く分からないが…。きっと何かの役に立つだろう。』

 

 

証明する何か…。

それが何かは、すぐに思い浮かんだ。

 

俺がこだわって集めたもの。

そして俺は写真屋…。

 

 

『そして、もう一つお前には重要なカギがある。』

 

 

そう言ってオーガが取り出したのは一枚の写真だった。

 

そこに写っていた人物を見て、俺は目を見開いた。

 

 

「文さん!?」

 

 

 

『かわいいよな、この女の子。名前は射命丸文というそうだ。今のお前も知っているだろ?』

 

 

知っているどころではない。

俺は今、文さんの家で一緒に住んでいる。

 

それに、文さんは俺の恋人。

一番大好きな人だ。

 

 

『ま、今どうなっているかは分からないが、お前、文に恋をしただろう。しかも一目惚れで。…違うか?』

 

 

オーガの言葉を聞いて、体が固まる。

なぜ…それを知っている。

 

 

『お、今ショックを受けたか?図星だろ。そりゃあそうさ。』

 

 

そして、衝撃の一言を口にした。

 

 

『それは、俺がプログラムしたからさ。』

 

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