幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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謝罪

先日、間違えて予約投稿を弄ってしまったために、すでに投稿されたページが再び投稿されていました。
現在、そのページは削除いたしましたが、私のミスで皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。

申し訳ありませんでした。



…では、気を取り直してご覧ください。
 


仲間を護るために

 

妹紅さんの炎を操る技を真似る…?

 

もしこの技が5つの能力のうちの1つだったとしたら、この幻想郷に影鬼が攻めてくる。

…でも、この状況を打開するためには真似る以外に道はない。

 

首から下げたカメラを握る両手に力が入る。

 

くそっ、俺はいったいどうしたらいいんだ!?

 

 

「欧我、早く真似をしてくれ!でないとみんなが!」

 

 

「そうだけど…でも…。」

 

 

なかなか決心がつかない。

仲間を護るか、幻想郷を護るか…。

 

俺は…。

 

 

「真似しちゃダメ!」

 

 

「小傘ちゃん!?」

 

 

背後から小傘ちゃんの声が聞こえた。

後ろを振り返ると、寒さに震えながらもしっかりとした目つきで俺を睨む小傘ちゃんの姿があった。

 

その目線は、「真似してはだめだ!」と訴えている。

 

…そうだよね。

もし真似たらここに影鬼が攻めてくる。

だとしたら俺達は影鬼を倒せるかどうか…。

 

幻想郷を護るためには、能力は使わない方がいいだろう。

 

 

「欧我!なにをしている!早く!」

 

 

妹紅さんは俺の肩を掴み、前後に揺さぶった。

疲労がたまり、さらに体中に攻撃を受けたため、ものすごいダメージを負っている。

それなのに、妹紅さんの目つきは鋭かった。

 

 

「今動かなかったら私たちはやられるぞ!早く!」

 

 

…うん。

 

確かに、この場を切り抜けるにはこの方法しかない。

俺達が助かるには…。

…いや、みんなを助けるには俺が真似るしかない。

 

 

あぁ~もう!

一体どうすればいいんだ!!

 

 

カメラを握る両腕が小刻みに震える。

目をつむり、自問自答を繰り返す。

 

俺がとるべき最善の方法は…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!」

 

 

もう、覚悟は決めた。

カメラを握りしめ、レンズを妹紅さんに向けた。

 

 

「欧我!もしかして!?」

 

 

「ああ、もう決めた。妹紅さん、能力を真似させてもらいます!」

 

 

俺の出した答え。

それは、妹紅さんの能力を真似てこの危機的状況を打開することだ。

 

 

「でも!真似たら影鬼が攻めてくるんでしょ!?」

 

 

「大丈夫だよ。炎が5つの内の1つじゃなければ攻めてはこないよ。」

 

 

「でも!」

 

 

「小傘ちゃん。」

 

 

俺は小傘ちゃんに向かってにこっと笑った。

 

 

「俺はみんなを護りたいんだ。それだけ。」

 

 

「影鬼?攻めてくる?一体何の話をしているんだ!?」

 

 

「詳しい話は後!それよりも早く能力を写真に撮らせて!」

 

 

「おう、わかった。」

 

 

妹紅さんは右手の平を空に向ける。

すると、その手の平から紅蓮の炎が燃え上がった。

 

パシャッ!

 

その光景を写真に収めると、すぐに現像した。

 

現像された写真には、妹紅さんの炎がはっきりと写されていた。

 

 

「欧我!」

 

 

名前を呼ぶ声が聞こえる。

 

心配してくれてありがとう。でも、もう決めたんだ。

 

天子さんの能力を投影させ、両手を地面にたたきつける。

すると、小傘ちゃんと鈴仙さんを取り囲むように大地が隆起し、大地のドームができあがった。

 

 

「ごめんな、小傘ちゃん。」

 

 

そう呟くと、写真を口の中に放り込み、鞄からお茶を取り出す。

 

後は、この炎を操る能力が5つの内の1つではないことを祈るのみだ。

 

 

キャップを開け、お茶を口に含む。

そして、一気に飲みこんだ。

 

イメージしている暇はない。

真っ先に頭に浮かんだ技で行く!

 

 

「妹紅さん、最大火力で行きますよ!」

 

 

「ああ!」

 

 

俺の身体から真紅の炎を吹き出し、意識を集中させてパワーをためる。

 

 

「炎符『ビクトリープロミネンス』!!」

「蓬莱『凱風快晴-フジヤマヴォルケイノ-』!!」

 

 

そして同時にスペルカードを発動した。

 

放たれた紅蓮と真紅の炎は一つに混ざり合い、強力な爆炎となって雪と氷の壁を吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

爆炎はあたり一帯を焼き尽くすと、急速に火力が弱まり、そして消えた。

辺りにはまだパチパチと音を立てて燃える小さな火が残っている。

 

地面に降り積もっていた雪は溶け、焼け焦げた大地が炎のパワーを物語っていた。

 

 

「はぁ…はぁ…。」

 

 

チルノちゃんとレティさんは爆炎に吹き飛ばされたのか、目を回して倒れている。

これで、薬の効果が切れてほしいな。

 

 

隆起していた大地のドームを元に戻す。

良かった…小傘ちゃんたちは無事のようだ。

 

これで、みんなを護ることができた。

今のところ、能力の拒絶反応は現れていない。

 

 

「これで…よかっ…!?」

 

 

ドクン!!

 

 

「ふぅ、危なかったなぁ。礼を言うぞ、欧我。」

 

 

「ぐぁぁぁぁっ!!」

 

 

突然、心臓を貫かれたような激痛に襲われる。

それを合図に、激しい痛みが体中を駆け巡った。

 

これは、まさか拒絶反応!?

だとしたら、炎は4つ目の能力だったのか!!

 

 

今まで感じたことのない痛みに耐えることができず、地面に倒れこんだ。

両手で頭をかきむしり、苦痛に身を悶える。

 

 

「うわあぁぁぁァァァァッ!!」

 

 

「おい、大丈夫か!?」

 

 

「欧我ぁ~!!」

 

 

すぐに妹紅さんと小傘ちゃんが駆け寄ってきてくれた。

しかし、今の俺には2人に応えることができなかった。

 

穴が開いていた場所に、炎のピースがぴったりとはまり込んだ。

これで、欠けたピースはあと1つだけ。

 

 

体中を駆け巡る拒絶反応の痛み、そして4つ目の能力を真似てしまったことへの絶望。

その2つに襲われ、ただ絶叫しながら身悶えることしかできなかった。

 

 

「とにかく永遠亭に…」

 

 

永遠亭…。

 

その言葉を最後に、世界が暗転した。

 

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