ここでは、BBAではなく5人の賢者として登場します。
…もっと文章を書く才能がほしいです。
月が輝く夜空の中を、博麗神社目指して高速で飛び続ける。
影鬼から伝えられた内容を知らせるためにも、戦いに備えるためにも、一刻も早く紫さんに伝えないと。
でないと、この幻想郷が…。
「くそっ。早くしないと…。」
永遠亭を飛び出した時文さんに呼び止められたけど、「悪いけど、今説明をしている時間なんてない。」そう説明して、空へと飛びあがった。
自分の出せる最高速で飛び続ける。
博麗神社の境内に着陸した。
博麗神社は静寂に包まれており、いつものにぎやかな様子からは想像もつかない光景だった。
霊夢さんは寝ちゃっているのかな?
「紫さーん!」
霊夢さんを起こさないように、紫さんの名前を呼ぶ。
頼む、現れてくれ!
しばらく呼び続けると、目の前の空間に裂け目が現れた。
「紫さん…。」
「どうしたの?…ふぅん、そっか。入りなさい。」
紫さんは俺の表情を見て理解したらしく、手招きをしてくれた。
その後について、裂け目の中に足を踏み入れた。
「ごめんなさい、こんな夜遅くに。」
「いいのよ。こんな時に寝ていられないものね。」
「ありがとうございます。あの、紫さんに伝えたいことが…。」
「待ちなさい。」
夢の中で影鬼に言われたことを伝えようとしたが、紫さんにさえぎられてしまった。
「それは私たちに教えて頂戴ね。」
そう言うと、紫さんは両手を広げる。
すると、紫さんの左右に2つずつ、計4つの裂け目が現れた。
一体どこにつながっているのだろうか…。
「あら、とうとうこの時が来たのね。」
聞いたことのある声とともに、その裂け目からピンク色の髪をした女性が姿を現した。
「幽々子さん!?」
「幽々子だけじゃないよ。」
その声とともに、新たに3人が姿を現した。
「えっ、神奈子さん?それに、永琳さんに白蓮さんも!?」
今のこの状況が全く分からない。
どうして紫さんのほかにこの4人が現れたのか…。
この人たちに一体何の共通点があるのだろうか。
「幻想郷に訪れる危機を救うため、この4人には事前に貴方の正体を伝えていたのよ。これからどうするか相談するためにね。」
「そうですか…。じゃあ、動画も?」
「ええ、見たわ。それじゃあ新たに手に入れた情報を教えてもらえるかい?」
「はい。」
神奈子さんに言われ、俺は影鬼から聞いたことすべてを話した。
準備ができ次第ここに攻め込んでくること…。
あらかじめ手下を送り込んでくること…。
手下を倒すことができるのは5つのエレメントだけであること…。
そのエレメントを操れる人物の名前…。
そして、俺が真似ていないエレメントは風であり、その能力の持ち主が文さんであること…。
その間、5人は黙って耳を傾けてくれた。
「そう言うことね…。」
「はい。それと、紫さんが預かったパソコンはどこにありますか?」
「ここよ。」
紫さんからパソコンを受け取り、パソコンを起動させる。
2つ目の動画をダブルクリックし、パスワードを入力した。
「行きます。」
そう宣言し、動画の再生ボタンを押した。
『この動画を見ているということは、お前はもうすでに4つのエレメントを集めてしまったのか!?あれから色々と情報を集め、ついにエレメントについての情報を手に入れた。次にあげる5つの中から、まだお前が真似ていない能力を選んでくれ。』
そして、画面に5つのエレメントが現れた。
カーソルを動かし、『風』をクリックした。
『風か!だとしたら今までの苦労が報われたな。俺のイメージ通りだ。』
イメージ…通り?
『風というのはお前に最も適合した能力だ。エレメントの内の要だと言ってもいい。だとしたら、風をコピーできないようにすればいいと考えた。お前の技をコピーする程度の能力にはある欠点がある。それは、「同じ人物から2つ以上の技を真似ることができない」ということだ。つまり、風を操る能力を持つ文の、ほかの能力をコピーできれば要であるエレメントを手に入れることができなくなるというわけだ。』
「…っ!?だからあの時!」
初めて文さんに出会った時に、無意識のうちに文さんの写真を食べてしまったのもあらかじめプログラムされた行動なのか。
風の能力を真似ないために、文さんの飛行能力とスピードを真似したということか。
だとしたら、俺が真っ先に文さんに会えるために妖怪の山で倒れていたということもプログラムされたことなのだろうか。
『とにかく、こうなってしまった以上幻想郷は危険だ。お前は結界を抜けて外へ逃げろ。これから結界を抜けて外に出る方法を…。』
ぱたんとパソコンを閉じた。
逃げる…だって?
「どうしたの?」
「俺は…。逃げません。ここに残って、最後まで影鬼と戦います。大好きなみんなを護るために、大好きな場所を護るために…。」
俺は、そう決断した。
例えこの命を失うことがあったとしても、俺は最後まで戦い続けると。
「そう、わかったわ。じゃあ、私の能力を真似なさい。」
「紫さんの…能力?」
「私の能力も真似てください。何かの役に立つかもしれません。」
「白蓮さんもですか?」
そして、2人からそれぞれの能力について説明を受けた。
紫さんの能力は「境界を操る程度の能力」。
しかし、この能力の危険度や強大な力は計り知れなく、紫さんの様なちょっと変わった妖怪か、力の重圧に耐えられる者で無いとその力は扱えないらしい。
俺には扱えそうもないほど強力な能力のため、紫さんの「スキマを作り出す能力」を真似させてもらった。
白蓮さんの能力は「魔法を使う程度の能力」。
主に身体能力を上げる魔法を得意としており、上手く活用すれば傷を治したり、激しい攻撃にも耐えきったりすることができるらしい。
「…よし、真似できました。」
2つの能力を写真に収め、取り込んだ。
上手くイメージもできた。
「では、私たちも行動に移しましょう。」
「行動…ですか?」
「ええ。戦うには仲間がいれば心強いでしょ?私は妹紅にこのことを伝えに行くわ。」
「永琳さん…!」
「じゃあ、にとりには私が行くよ。」
「屠自古さんは任せてくださいね。」
「天子には私から伝えておくわ。」
「皆さん…。ありがとうございます。」
俺には、協力してくれる仲間がいる。
それがとてもうれしかった。