しかも前のページよりも200文字くらい多いですw
ザー
カポーン…
ここは、以前取材に来たことがある地霊温泉。
昨日の戦いで感じた恐怖を拭い去ることができず、結局昨晩は一睡もできなかった。
目を閉じたら変わり果てた鬼の姿が思い出される。
まぶたの裏に焼き付いてしまい、簡単には忘れられなかった。
だから、この地霊温泉に来て頭上から落ちてくるお湯に当たっている。
このお湯に当たることで以前の取材で感じた罪悪感を水に流すことができたため、今回もここを頼ってやってきた。
「あ~もう。」
しかし、今回はそう簡単には流れなかった。
受けたショックのレベルが違い過ぎる。
湯船の方へ移動し、お湯に首までつかった。
あのままお湯を受け続けていたら首が切断されそうだ。
「やっほー。」
「ああ、こいしちゃんか。」
いつの間にか、こいしちゃんが俺の頭の近くにいた。
2回目なのにこの状況に驚かない自分に驚いた。
だってねぇ、全裸の時にこんな美少女が近くにいるなんて普通はほぼ100%起こらないからね。
それに驚かないってかなり変だよね。
まあ、無意識だから仕方ない。
「もー!なんで驚いてくれないの!?」
「そりゃあ、ほぼ毎日驚かされ続けたからだよ。」
主に、俺の助手に。
驚かしが成功し、満たされたような笑みを浮かべる小傘ちゃんを思い浮かべる。
おかげで不意打ちに対する耐性もできた。
それに、あの笑顔が見たいから、小傘ちゃんになら驚かされてもいいかもしれない。
…決してMじゃないからね?
「むぅー。」
こいしちゃんはぷくーっとほっぺを膨らませた。
「それで、今日は何しに来たの?観察?」
「ううん。」
こいしちゃんは首を左右に振った。
「お兄ちゃん、何か悩んでいるみたいだったから心配になって。」
「そっか、心配してくれていたんだね。ありがとう。実はね…。」
俺はこいしちゃんに、今までの経緯を話した。
自分の正体やここに来た目的。
この性格が作られたものであること。
昨日の戦いで現れたもう一人の残酷な性格の自分…。
こいしちゃんは相槌を入れながら最後まで聞いてくれていた。
「うーん、私難しいことはわからないよ。」
えっ!?
「でも、お兄ちゃんはもう戦いたくないの?」
「俺…?」
「うん。お兄ちゃんが戦う理由は何?」
「理由…?」
俺が戦う理由…か。
そりゃあ、戦えるのは俺しかいないし。
この幻想郷を護るためには戦わなければいけないし。
「お兄ちゃん、使命とか難しいこと考えているでしょ?」
「えっ!?うん…そうだよ。この危機は俺が作り出したようなものだから、幻想郷を護るためには俺が戦わないとダメなんだ。」
使命…か。
確かにそのようなことを考えている。
俺は影鬼と戦える。
戦えるのであれば、護る為に立ち向かうことができる。
「あのねー、上手く言えないけど、もっと簡単な理由で戦ったらどうかな?」
「簡単な理由?」
一体どういう意味なんだろう。
「お兄ちゃんのほかにも戦っている人がいるんだよね?その人たちの戦う理由って何かわかる?」
「ほかにも戦っている人たちの理由…?」
「キャアアアアアア!!」
温泉のそばから悲鳴が聞こえ、俺は慌てて立ち上がった。
まさか、ここにも影鬼の手下が現れたというのか!?
「あ、見えたー。おっ…」
こいしちゃんが何か言っているけどそんなのは後回し。
とにかく考えることは後回しだ。
早く駆けつけないと。
…ああ、服を着る時間がもどかしい。
「あっ!?」
温泉の外に出ると、目前まで手下どもが迫っていた。
数はざっと20体くらいか?
遠くには剣を2本構えたでかい奴もいる。
そして、その手下の軍団に向かって弾幕を放つ女性が2人。
「お燐さん!空さん!」
手下に向かって弾幕を放ち続けるが、エレメントでの攻撃じゃないため全く通用していなかった。軍隊に押され、じりじりと後退している。
「うにゅ?あっ、欧我。こいつら強すぎるよ。」
「あたい自慢の弾幕が効かないよ全く。」
2人の顔には疲労が現れ始めているが、あきらめることなく弾幕を放ち続ける。
しかし、それらは全く効果が無い。
どうして…。
「どうしてあきらめないの?全然効いていないのに!」
「うにゅ?それはね…。」
「「護りたいからよ!」」
お燐さんと空さんは異口同音に叫んだ。
「私はこの地底を…いや幻想郷を護りたいの。だから戦うのさ。」
「破壊しようなんて許せないからね!」
「お燐さん…空さん…。」
護るため…。
大好きな場所を護るためなら、どんな危険な戦いにだって飛び込める。
歯が立たない相手にだって立ち向かえる。
それは、自分の中に護りたいものがあるからだ。
「もっと簡単な理由…。やっとわかったよ。」
限られた人しか戦えないという事実に直面した事で、はじめに抱いていた気持ちを忘れていた。
戦える人材だからとか、俺が招いた危機だからとかいう理屈云々じゃなくて、もっと簡単な感情、もっとシンプルな理由があればいいんだ。
やっぱり、悩んでいるときに地霊温泉に来るのは正解だったな。
こんな効能があったなんて。
「俺だって、大好きなものを護りたいさ。」
「お兄ちゃん。」
「愛するものを護るために立ち向かえばいい。お燐さん、空さん、代わります。」
「うん、助かる。」
「お願いねぇ~。」
決意を新たにできた。
ここは、燃え盛る炎で行こう。
妹紅さんの能力を自分に投影させ、体中から真紅の炎を放出した。
気分がいいから、始めからは大技を使おう。
両手を前に突き出し、炎と魔力を溜める。
はち切れんばかりまで溜まったら、それを一気に放出した。
「炎魔『フレイムスパーク』!!」
両手のひらから放たれた強力な火炎放射は目前まで迫っていた手下の軍団を瞬く間に呑み込んでいく。
炎が止んだとき、剣を構えたでかい奴を残して全滅していた。
「すごい…。」
「なんだろう、お兄ちゃん生き生きとしている。」
あと1人か。
一気に決めてやるぜ!
でかい奴目がけて走り出した。
でかい奴は一歩も動かず、右手に持つ剣を振りかぶった。
…衝撃波か?
とにかく慎重に行こう。
まだ距離があるから剣がここまで届くことは…。
ザシュッ!!
「あああっ!!」
剣が…伸びた!?
振り下ろした剣が伸び、俺の脇腹を切り裂いた。
無意識のうちに体が反応して避けたからかすっただけで済んだけど、もし反応が遅れていたら体を貫かれていただろう。
それにしてもこいつ、どうして剣が伸びた?
考えられる理由は2つ。
そのでっかい奴が『剣の長さを変える程度の能力』を持っている。
もしくは、右手の剣自体が『長さを変える程度の能力』を持っている。
物が能力を持つとは考えられないから、前者がそうだろう。
とすると、左手に持つ剣にも注意した方がいいな。
後退し、距離をとる。
スピードを出すため、文さんの能力を投影させた。
「お兄ちゃん、これ使って!」
こいしちゃんから投げられたものを受け取った。
それは、長さが50㎝位ある2本の鉄の棒だった。
妹紅さんの能力でその棒の先端に灼熱の炎をまとわせた。
「行くぜぇ!!」
その棒を構え、高速で走りだした。
でっかい奴は両手に持つ剣を振りかぶり、斬撃を繰り出した。
予想通り左手に持つ剣も伸びてきたが、相手の動きをよく見て棒で弾きながら確実にかわしていく。
目前まで迫った時、炎をまとった棒を交互に、連続で叩き込んだ。
「仮響『灼熱真紅の型』!!」
何発も叩き込んだ後両手を空高く掲げ、でっかい奴の脳天目がけて思いっきり振り下ろした。
でっかい奴は後ろに倒れ、霧散して消滅した。
「はぁ…はぁ…。」
なんだろう。
今回はいつも以上に気持ちよく戦えた。
このすがすがしい気持ちは何だろう。
「お兄ちゃんかっこいい!!」
こいしちゃんが駆け寄ってきて、抱き着いた。
「欧我、強くなったね。」
「うにゅ~、あの時と大違いだよ。」
「ありがとうございます。まあ、鍛えてますから。」
「あ、お兄ちゃん血が出てるよ!!」
あ、そうだった。
あの時でっかい奴が伸ばした剣で脇腹のあたりを斬られていたんだ。
戦っているときは気にならなかったんだけど、今はものすごく痛い。
痛っ!こいしちゃん触らないで!
「早く地霊殿で手当てしようよ!」
「そうですね。お空、欧我を運んで。」
「はーい。」
そのあと俺は空さんによって地霊殿に運ばれ、さとりさんから手当てを受けた。
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こんばんは、今を切り取る写真屋の葉月欧我です!!
申し訳ありませんが、今日は作者はいません。
何でも、酒の飲みすぎでダウンしてまして。
まったく、作者は酒に弱いんだから無理すんなよな…。
あ、そうそう。
感想で俺を応援をしてくれた皆さん。
本当にありがとう!
これからも大好きなものを護るために戦っていくから応援をよろしくね!
それじゃ、俺はこの後さとりさんたちと食事をするのでこれで失礼します。
またね!!
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