幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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それぞれの戦い

 

「この~!!」

 

 

目前に迫る不気味な大群。

さっきから弾幕を放ったり剣で斬り裂いたりしているが、全く効果が無い。

斬り傷が何事もなかったかのように元通りに修復されていくのは見ていていい心地がしない。

傷が1つもつかないというのはさすがにきつい。

 

でも、俺は負けられないんだよ!

山を護る白狼天狗として、絶対にこの山を護る!!

 

 

「狼符『ハウリングエコー』!!」

 

 

スペルカードを発動し、腹の底から雄叫びを上げる。

雄叫びは衝撃波となり、それによって生まれた弾幕は迫っていた敵に次々に命中していく。

 

やったか!?

 

しかし、その敵は何事もなかったかのように立ち上がる。

 

 

「くそっ!早くしないと!」

 

 

ついさっき仲間が敵の軍団に特攻をかけ、大群の波に飲み込まれた。

早く助けないと仲間の命が!!

 

 

「雷符『サウザンドライトニング』!!」

 

 

次の瞬間、目の前の大群に天から雷が降り注いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雷符『サウザンドライトニング』!!」

 

屠自古さんの能力を投影させ、身体から大量の雷を放出させる。

雷はまるで土砂降りの雨のように大群に降り注ぎ、瞬く間に軍団を消滅させた。

 

…あっ!?

白狼天狗の1人が地面に横たわっている。

あの花飾りは…。もしかして!

 

 

「葵さん!!!」

 

 

慌てて葵さんのそばに着地する。

良かった、まだ息をしている。体中に剣撃を食らい出血が激しいが、なんとか生きている。

早く手当てをしないと。

 

鞄を肩からおろし、永琳さんからもらった救急セットを取り出した。

 

 

「欧我ぁ!!」

 

 

その直後、後ろから1人の白狼天狗が切りかかってきた。

背中から剣を抜き、その攻撃を受け止める柊さん。

 

 

「柊、何故止める!」

 

 

「今はそれどころじゃないですよ!欧我さんは我々を救いに来てくれたのです!」

 

 

「そんなの信用できるか!!こいつは…。」

 

 

「桔梗さん!!」

 

 

止血剤を傷口に塗りながら、斬りかかってきた白狼天狗の名前を叫ぶ。

この人は嫌グループの1人で、過去に何度も背後から襲われた。

 

止血剤を塗っていると言っても、これは応急処置にすぎない。

早くどこか安全な場所に連れて行って治療しないと。

 

 

「どこか安全な場所はありませんか!?」

 

 

「へっ、お前には教えねぇよ!!」

 

 

ドカッ!!

 

柊さんが桔梗さんに拳を叩き込む。

殴られた桔梗さんは遥か後方まで飛ばされた。

 

 

「も…守矢…。」

 

 

「葵さん!?」

 

 

「守矢…神社に…」

 

 

守矢神社…。

そうか、あそこがあった。

 

 

「柊さん、ここは任せました!」

 

 

葵さんを背中に乗せると、空高く飛びあがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「文さん、大丈夫かな?」

 

 

「大丈夫ですよ、小傘さん。絶対に欧我が駆けつけてくれます。」

 

 

守矢神社の一室。

そこに、大群から逃れてきた人や妖怪などが集まっていた。

 

外では守矢神社の皆さんが戦ってくれている。

永遠亭の皆さんも駆けつけて負傷者の手当てを行っている。

妖怪の山に訪れた危機に、皆さんが一丸となって協力してくれていた。

 

 

 

 

 

「きゃああああ!!」

 

 

突然守矢神社に悲鳴が響き渡った。

まさか、3人が敗れた!?

 

 

無意識のうちに身体が動いていた。

葉団扇を構え、部屋の外へと飛び出した。

 

外に出ると、守矢神社の境内に不気味な人影が姿を現していた。

その数は8体。

一体どこから現れたというのでしょうか。

 

 

「さぁ…。」

 

 

私は戦うことができない。

…でも、時間稼ぎにはなるでしょう。

 

欧我が来るまで…絶対にここを護る!

 

 

「手加減してあげるから本気でかかってきなさい!!」

 

 

人影は手に持つ剣を構え、飛びかかる。

十分ひきつけたところで、スペルカードを発動した。

 

 

「突符『天狗のマクロバースト』!!」

 

 

葉団扇を動かし、巨大な竜巻を作り出した。

人影は次々と竜巻に巻き込まれ…霧となって消滅した。

 

目の前で起こった出来事に目を疑った。

 

 

「どうして、私の攻撃が…。」

 

 

「文さん、後ろ!!」

 

 

後ろを振り返ると、人影の刀が目前まで迫っていた。

慌てて葉団扇を扇ぎ、風の刃を作り出す。

 

風の刃で両断された人影は、先ほどと同じように霧となって消滅した。

 

 

「もしかして…。」

 

 

欧我は確かに「俺しか戦えない」と言った。

「私の攻撃は通用しない」と言った。

 

でも、私の攻撃で影鬼の手下を倒すことができた。

これが本当なら…。

 

 

「私も、護るために戦うことができるのですね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうすぐだ!持ちこたえろ!!」

 

 

守矢神社が見えてきた。

 

守矢神社に迫る敵の大群と、その大群に向かって弾幕を放ち続ける4人。

何とか持ちこたえているが、徐々に押されてきている。

早く加勢しないと!!

 

 

守矢神社に目を向けた直後目に飛び込んできたのは、境内で手下と戦う文さんの姿だった。

 

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