今後の話の流れがある程度固まったので、更新を再開します。
更新ペースが遅くなるかと思いますが、これからもよろしくお願いします。
あと10ページほどで終わる予定ですが、かなりの確率で竜頭蛇尾になりそうですが、最後までお付き合いをお願いします。
それと、今ゆっくり霊夢様とコラボレーションした物語も書いています。
「東方共作録」に乗っていますので、こちらもよろしくお願いします。
欧我と文のラブラブな1日を書いていたら、気づいたら3400文字も書いていましたww
では、本編をどうぞ。
「欧我、こっち来て!」
のどかな昼下がり、活気にあふれる人間の里。
その人ごみの中で、文さんの声が響き渡る。
新しくできた甘味屋の前で、目をキラキラと輝かせて手を振っている。
ほんと、甘いものに目が無いんだな…。
笑顔を浮かべ、文さんのもとに駆け寄った。
妖怪の山が大軍に襲われたのを最後に、影鬼の手下は幻想郷に攻め込んでこなくなった。
最初のうちは警戒していたものの、一向に現れる様子はない。
何かの作戦だろうと考え、いつでも戦えるように体を休めながら生活していたが、影鬼の軍団は現れずに1週間が経過してしまった。
そんな戦いばかりの日々を送っていた俺を、文さんと小傘ちゃんは良く外に連れ出してくれた。
文さんと小傘ちゃんの笑顔は、戦いの日々で疲れ切った俺の心を癒してくれた。
今日も文さんに連れられ、人間の里を2人で歩いている。
様々な店を回り、食べ歩き、幸せなひと時を過ごす。
文さんと一緒に過ごす何気ないこの時間は、俺にとって大切な宝物だ。
「美味しそうね、食べましょう!」
「え?さっきぜんざいを食べたばかりじゃないですか。」
「甘いものは別腹なのよ!すみませーん、団子くださーい!」
文さんはそう言うと甘味屋の中へ入っていった。
「はぁ…。」
俺は小さくため息を漏らす。
本当に、女子の甘いもの好きはイメージできないな。
さっきから甘いものを食べ続け、これで3軒目。
あのすらっとした身体のどこに入っていくんだろう。
俺は、もうお腹が膨れてきた。
でも、いっか。
最近こうして一緒に出歩く機会が無かったから、文さんに振り回される1日があってもいいんじゃないかな。
「欧我ー、早く来ないと食べちゃうよー!」
「はーい。」
文さんの後を追いかけて、甘味屋の中に入っていった。
「ん~美味しい!」
みたらし団子を美味しそうに頬張り、満足そうな笑みを浮かべる。
その隣に座って、その笑顔をじっと見つめた。そう言えば、こうして文さんの顔をじっと見つめることもなかったな…。
「ん?どうしました?」
「ううん、なんでもない。」
俺は抹茶の入った器を口元まで運んだ。
抹茶の苦みが、団子で甘ったるくなった口を癒してくれた。
正直、甘いものはそれほど好きではない。
ああ、辛いものが食いたい…。
「あれ、全然食べていませんね。」
「うん、ちょっとお腹が一杯になってきて。」
「それじゃ、私がいただきます!」
「あっ、ちょ!」
文さんは手を伸ばすと俺の皿に残されたみたらし団子を掴み、持ち上げた。
そして自分の前に持っていき、満面の笑みでかぶりついた。
まあいっか、文さんの笑顔を見ることができて。
…あれ?口元に団子のたれが付いている。気付いていないのかな?
「文さん。」
「なんですか?」
名前を呼んでこっちに顔を向けさせ、人差し指で口元に付いたたれを拭った。
…てか、拭ったはいいもののどうしようこれ。
まあいいや、舐めちゃえ。
ぱくっと指をくわえた。
…ん?あれ、文さん顔を赤くしちゃって。
どうしたのかな?
「ラブラブですね。」
「も、椛!?どうしてここに?」
え?なんで目の前に椛さんが!?
「今日は非番で、たまには甘いものでも食べようかと思ってここに来ました。それにしても、人目をはばからずに2人そろって…あれ?いない。」
さっきまで2人がいた椅子には姿が無く、代わりに数枚の小銭が置かれていた。
「はぁ…。」
まさか椛さんと出くわすなんて。
しかもあんな光景を見られたとなると…。
天狗のスピードで店を後にした2人は人里の中心にあるベンチに座って休憩していた。
「もー、椛ったら。」
「はぁ、見られちゃったか…。」
大きなため息をつく。
まあ、見られちゃったのは仕方ない。こりゃあ短時間のうちに妖怪の山中に広まるぞ…。そして最後は幻想郷中に。
椛さん、どうか黙っていてください!!
「あっ!」
隣に座っていた文さんがいきなり立ち上がった。
「どうしたんですか?」
「ちょっと用事があるから。6時に九天の滝の上に集まりましょう!」
そう言うと空へと飛びあがった。
1人残された俺。
さあ、どうしようか。
ま、久しぶりにのんびりと歩きましょうか。
「あ…。」
里の活気に耳を傾けながらぶらぶらと歩いていると、ある店が目に留まった。
そこには、様々な花をモチーフにしたアクセサリーがたくさん並んでいた。
髪留めやネックレス、ブレスレットに帽子に付ける飾りなど、さまざまな種類がある。
「わぁ~。」
こんな店があったんだね。
値段はそこそこするけど、どれもきれいで輝いて見えた。
そうだ、これを文さんと小傘ちゃんにプレゼントしよう。
いつもそばにいてくれたお礼に。
…でも、どれを買っていこうか。
「おや、欧我じゃないか。」
「あ、慧音さん!こんにちは。」
「ああ、こんにちは。それにしても、欧我がこんな店にいるとは珍しいな。」
…そうだ!
慧音さんは寺子屋で先生をしている。あれにも詳しいはずだ。
「あの、慧音さんにお願いがあります。」
「なんだ?」
「一緒に探すのを手伝ってください!」
午後6時…。
冬の日暮れは早い。
太陽は完全に姿を隠し、空にはたくさんの星がまるで宝石のように輝いていた。
あの店で慧音さんと相談しながら、1時間悩み続けて2つの物を買った。
喜んでくれたらいいな。
空をまっすぐ飛んでいたら、九天の滝が目の前に見えてきた。
月の光を受けて流れ落ちる水が金色に輝いている。幻想的だ。
高度を上げ、滝の上に着地した。
「あれ、小傘ちゃんもいるの?」
そこには、文さんだけではなく小傘ちゃんの姿もあった。
たき火をし、2人で暖をとっていた。そっか、滝の上で見えた明かりはこれだったのか。
「そうだよ。実は欧我に渡す物があるの。」
「え?俺に?」
小傘ちゃんはそう言うと文さんと向き合って頷きあった。
そして、文さんはきれいに包装された箱を取り出した。
一体何だろう。
「開けてもいい?」
「ええ。」
箱を受け取り、丁寧に包装用紙をはがした。
現れたのは真っ白な箱だった。
鼓動が早くなるのを感じる。
慎重に、箱のふたを開けた。
箱の中に入っている物を見て、俺は目を見開いた。
「これ…。ネックレス。」
鈴がついた星形の飾りがあるネックレスだ。
これって…。
「私たちから大好きな欧我へのプレゼント!」
「2人で相談して決めたのよ。小傘さんったらこれがいいって聞かなくて。それに、渡す場所は夜景の見えるここがいいって。」
「文さん…小傘ちゃん…。」
箱から取り上げ、ネックレスを首にかけた。
「チリリン」と、鈴から澄んだ音色が響いた。
「どう、似合う?」
「ええ、似合っているわ。」
「ありがとう。実は、俺からも。」
そう言って、鞄から店で買った2つの箱を取り出した。
その内の大きい方を小傘ちゃんに渡した。
箱を開けると、そこには紫色に輝く桔梗の花の髪飾りが入っていた。
「わぁ~!!ありがとう!」
俺は箱から取り出して、小傘ちゃんの髪に着けてあげた。
「どうかな?」
「すごくかわいいよ。…それと、桔梗の花言葉は知っている?」
俺が桔梗を選んだのには理由がある。
選ぶ際に慧音さんに教えてもらった花言葉。
「桔梗の花言葉は「変わらぬ愛」、そして「変わらぬ心」さ。小傘ちゃんは俺をずっと支えてくれた。助手としてはもちろん、それ以外の時でも。俺は、その小傘ちゃんの優しさが大好きだよ。この気持ち、心はいつまで経っても決して変わらない。これからも、俺を支えてください。」
「うん!うんっ!!」
小傘ちゃんは涙を流しながら何度もうなずき、俺に抱き着いた。
小傘ちゃんを受け止め、ぎゅっと抱きしめた。
「さあ、次は文さんへのプレゼント。」
小さいほうの箱を文さんの方に向けた。
そして箱を開いた。
その中にあるものを見て、文さんは息をのんだ。
「これって…。」
「指輪だよ、薔薇の。」
箱の中に入っていたもの、それは薔薇をかたどった飾りがついた指輪だ。
月の光を受け、指輪はキラキラと輝いている。
その指輪を、文さんの左手の薬指にはめた。
そう言えば、慧音さんに激しく薔薇を薦められていたな。
何故なら、薔薇の花言葉は…。
「あの時にしっかりとできなかったから、今改めて言います。文さん、これからもずっと、俺と一緒にいてください。薔薇の花言葉、それは「あなたを愛しています」。この命が続くまで、俺はずっと文さんを愛し続けます。だから、ずっと隣にいてください。」
「欧我…。はい、約束します!ですから、欧我も私にそのまぶしい笑顔を見せてください。ずっと一緒に。」
2人は抱きしめあい、口づけをかわす。
燦然と輝く星空のもと、3人はいつまでも寄り添い合っていた。