幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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最終攻撃

 

この攻撃は、もしかして!

 

 

「欧我、お待たせ!」

 

 

「文!!」

 

 

俺の目の前に、文が姿を現した。

良かった、冥界の手下は無事に倒すことができたんだ。

文との再会を喜び、2人は抱きしめあった。

 

文が現れたことで、影鬼の怒りはついに爆発した。

 

 

「こうなったら大技ですべてを破壊してやる!」

 

 

影鬼が両腕を広げると、同心円状に闇が広がり、空を覆っていく。

太陽の光が遮られ、幻想郷は闇に包まれた。

 

この攻撃は、まさか!?

 

 

「まずいな…。」

 

 

「どうしたの?」

 

 

この攻撃は、俺の記憶にある技の中で最も強力で、防ぐ手段は1つもない。

これはありとあらゆるものを破壊する影鬼の最強のレーザー光線。

辺りを闇で覆って闇の魔力を増幅させ、さらに自らを敵からの攻撃を一切通さない強固な壁で覆う。

なぜなら、この技を発動するには長時間の集中と魔力の凝縮を要するからだ。

誰にも邪魔をされないように守りを頑丈に固め、凝縮された闇の魔力を一気に打ち出す。

これは、影鬼の持つ最強の盾と最強の矛。

 

これが発動すれば、幻想郷は壊滅する…。

そして阻止する手段は…何一つない。

 

 

「そんな…。」

 

 

「ああ、残念だが…。」

 

 

この技についての説明を聞き、文の顔からは血の気が引いて行った。

こうなってしまった以上、影鬼に対していかなる攻撃も通用しない。

 

こうなったらこの身を挺して…

いや、リミッターが解除されたからって、自分の持つ能力では強大な魔力を防ぐことはできない。

 

 

「あら、お困りのようね。」

 

 

「レミリアさん!?」

 

 

頭を悩ませる俺の前に、レミリアさんが躍り出た。

 

 

「私もいるよ!」

 

 

「フランちゃんも!?」

 

 

レミリアさんに続いて、フランちゃんも姿を現した。

 

 

「今まで日光がまぶしくて参戦できなかったのよ。」

 

 

「うんと暴れちゃうもんね!」

 

 

そっか。太陽が闇に包まれ、日光が遮られたことで吸血鬼である2人が存分に戦えるようになったということか。

 

 

「でも、今の影鬼には…」

 

 

「いいのよ、任せなさい。」

 

 

俺の忠告を無視し、レミリアさんとフランちゃんは同時にスペルカードを発動した。

 

 

「神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」

「禁忌『レーヴァテイン』!!」

 

 

レミリアさんは真紅の槍を投げつけ、フランちゃんは棒状の不思議な武器に紅い光を纏わせて薙ぎ払い、レーザー光線を放った。

 

しかし、この強力な一撃は堅い守りに弾かれてしまった。

傷1つも付かないのはさすがに堪えるなぁ…。

 

 

「もー、何で効かないの!?」

 

 

「はぁ、それはね…。」

 

 

レミリアさんとフランちゃんに向かって、もう一度今の影鬼の状態について説明する。

影鬼の持つ最強の攻撃であること、いかなる攻撃も通用しないこと、そして発動すれば幻想郷は壊滅すること…。

 

 

「そう、つまり危機的状況ってことね…。」

 

 

「ギュッとしてドカーンはできないのかなぁ。」

 

 

説明を聞き、2人はそれぞれが思っていることを口にする。

 

 

「うん。あのガードを破壊することができる攻撃は1つもないんだ。」

 

 

「あーもーどうすればいいの!?」

 

 

フランちゃんが残念そうに唸る。

レーザー光線が放たれた隙をついてスキマを作り、影鬼に返す方法が思いついたが、放たれた段階ですさまじい衝撃波が発生する。それに、俺がスキマを作り出してもレーザーの破壊力に耐えられないのかもしれない。

 

そう考えると、影鬼がレーザーを放つ前に止めを刺すしか方法は無い。

こちらも、最強のレーザー光線が放てれば…。

 

 

 

「あっ!!」

 

 

あったじゃないか!

全てを破壊する最強の攻撃が!

 

5つのエレメントをすべて集めた時に放てる、あらゆるものを破壊できる光線。

俺は水、雷、大地、火の4つを手に入れた。

風の能力を手に入れることはできないが、文と一緒なら…。

俺と文の絆なら、成功するかもしれない!

 

 

「文、聞いてくれ。」

 

 

俺はそのことについて文に説明した。

 

 

「そんなことができるのですか!?」

 

 

「これは賭けだ。もし出来なかったら、幻想郷は…。」

 

 

本当に、これは賭けだ。

2人の息がぴったりと合わないと、破壊光線を放つことはできない。

 

 

「大丈夫ですよ。私たちならできます。」

 

 

「文…。」

 

 

「ええ、私たちは何ですか?」

 

 

文は優しく俺に笑いかけた。

ふっ…そうだよね。その笑顔を見たら、なんだかできそうな気がしてきた。

 

 

「俺達は…。」

 

 

「「夫婦だ(よ)!!」」

 

 

 

 

 

文と手を繋ぎ、破壊光線をイメージする。

自分が真似た4つの能力、そして文の持つ風の能力を重ね合わせる。

すると、2人の手のところにまぶしく光り輝く光弾が出現した。

 

 

「やったわ!」

 

 

「いいや、まだだ。この調子で大きく成長させないと。」

 

 

そう、これはまだ第一段階に過ぎない。

はち切れんばかりまで成長させないと、放ったとしてもすぐ消滅してしまう。

お互いの呼吸を合わせ、息遣いを感じながら少しずつ光弾を成長させていく。

 

 

みんなが見守る中、ついに目標の大きさまで成長させることに成功した。

直径が5メートルほどある巨大な光弾はまばゆい光を放っている。

後は、自分の持てる力を乗せて放つだけ。

 

 

「行くよ、文!」

 

 

「ええ!」

 

 

自分の持っている力をすべて乗せ、影鬼に向かって破壊光線を放った。

 

 

「「聖光『ビックバンファイナル』!!」」

 

 

放たれた極太の破壊光線は、影鬼を護る堅いガードに命中した。

 

 

「ふっ、そんなもの効かぬわ!」

 

 

勝ち誇ったような影鬼の声が聞こえた。

 

 

「それはどうかな?これは普通の攻撃ではないぜ。」

 

 

「…まさか!?」

 

 

「そう、これはお前の最終目標だ。この破壊光線は標的を破壊するまで進み続け、その間のいかなる妨げをも破壊する。」

 

 

「なるほど。しかしこのガードを破ったところで…。」

 

 

「ガード?」

 

 

俺は思わず笑みを漏らす。

 

 

「いいや、違うね。俺の標的は…影鬼、お前自身だ。」

 

 

影鬼を護るガードから、ピシピシとひびが入る音が聞こえる。

次の瞬間、激しい音を立ててガードが粉々に砕け散った。

 

 

「ぎゃあああああああ!!!」

 

 

破壊光線に飲み込まれ、影鬼の断末魔が幻想郷中に響いた。

 

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