幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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第16話 初めての弾幕ごっこ

 

「ほらほら、避けてばかりじゃつまらないわ!!」

 

 

「そんなこと言ったって!!」

 

 

廊下をものすごいスピードで飛びながら、後ろから迫る光弾を避ける。

 

やっぱり、遊びとは弾幕ごっこの事だった。

レミリアさんの出す弾幕の隙間を縫いながら、文さんから真似たスピードで飛び続ける。

 

 

しかし、レミリアさんはそれに匹敵するぐらいのスピードで追いかけてくる。

 

確か本に書いてあった。

天狗のスピードについてこられるのは吸血鬼ぐらいだって。

 

文さんなら引き離せるかもしれないが、俺のスピードでは追いつかれるのも時間の問題だ。

 

 

くそ、やるしかないのか…。

今弾幕に利用できるのは、湖畔で撮った石と枝の写真。そして、メモ代わりに撮っておいた本の写真だけ。

 

廊下はまだ続いている。

よし、これなら!

 

写真を取り出し、レミリアさんに向きなおった。

 

 

「行くよ!」

 

 

石の写真をレミリアさんに向け、弾幕を放出する。

 

赤く光る球体の光弾は円錐状に広がった。

 

 

「あら、あなたも弾幕を出せるのね。面白くなってきたわ。」

 

 

そう言って俺の放った光弾を華麗にかわす。

その動きには、余裕を見て取れた。

 

じゃあ、これなら…。

 

 

「もう一度!」

 

 

今度は枝の写真も浮かべて、2種類の弾幕を同時に放つ。

 

棒状の弾幕は球体の光弾にいい感じに紛れてくれた。

でも、レミリアさんなら避けられるよね。

 

 

「また同じ弾幕?これなら…っ!?」

 

 

レミリアさんの頬をかすめて、棒状の光弾が飛ぶ。

 

球体の光弾に紛れてよく見えないが、それよりも早いスピードで棒状の光弾が迫ってくる。

考えたわね。

 

よし、今のうちに!

この隙に距離を撮ろうと前を向いてスピードを上げる。

 

 

「じゃあこれはどう?神罰『幼きデーモンロード』!!」

 

 

「え!?」

 

 

レミリアさんがそう叫んだ瞬間、俺の目の前に、ほのかに光る細い線が大量に現れる。

 

 

(なんだあれは。何か分からないけど当たったらまずそうだ。)

 

 

その直後、それらの線が急激に太さを増した。

おそらくこれは強力なレーザー光線か何かだろう。

 

まるで足止めをするかのように、次々と現れるレーザー光線。そして後ろから迫る黄色と青の大小の光弾。

 

それらのわずかな隙間を探し出し、縫うように飛び続ける。

 

今の俺にはそれだけで精一杯だった。

 

 

 

 

気が付くと、いつの間にかロビーにたどり着いていた。

後ろからはもう弾幕は迫ってきていない。

 

振り返ると、ロビーの上空からこちらを見下ろすレミリアさんと目があった。

 

 

「よくここまで来られたわね。初めてにしては上出来だわ。」

 

 

まだまだ余裕があるようだ。

 

一方、俺は肩で息をしていた。

疲労もたまってきている。

 

言葉を返す余裕は無かった。

 

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