「ほらほら、避けてばかりじゃつまらないわ!!」
「そんなこと言ったって!!」
廊下をものすごいスピードで飛びながら、後ろから迫る光弾を避ける。
やっぱり、遊びとは弾幕ごっこの事だった。
レミリアさんの出す弾幕の隙間を縫いながら、文さんから真似たスピードで飛び続ける。
しかし、レミリアさんはそれに匹敵するぐらいのスピードで追いかけてくる。
確か本に書いてあった。
天狗のスピードについてこられるのは吸血鬼ぐらいだって。
文さんなら引き離せるかもしれないが、俺のスピードでは追いつかれるのも時間の問題だ。
くそ、やるしかないのか…。
今弾幕に利用できるのは、湖畔で撮った石と枝の写真。そして、メモ代わりに撮っておいた本の写真だけ。
廊下はまだ続いている。
よし、これなら!
写真を取り出し、レミリアさんに向きなおった。
「行くよ!」
石の写真をレミリアさんに向け、弾幕を放出する。
赤く光る球体の光弾は円錐状に広がった。
「あら、あなたも弾幕を出せるのね。面白くなってきたわ。」
そう言って俺の放った光弾を華麗にかわす。
その動きには、余裕を見て取れた。
じゃあ、これなら…。
「もう一度!」
今度は枝の写真も浮かべて、2種類の弾幕を同時に放つ。
棒状の弾幕は球体の光弾にいい感じに紛れてくれた。
でも、レミリアさんなら避けられるよね。
「また同じ弾幕?これなら…っ!?」
レミリアさんの頬をかすめて、棒状の光弾が飛ぶ。
球体の光弾に紛れてよく見えないが、それよりも早いスピードで棒状の光弾が迫ってくる。
考えたわね。
よし、今のうちに!
この隙に距離を撮ろうと前を向いてスピードを上げる。
「じゃあこれはどう?神罰『幼きデーモンロード』!!」
「え!?」
レミリアさんがそう叫んだ瞬間、俺の目の前に、ほのかに光る細い線が大量に現れる。
(なんだあれは。何か分からないけど当たったらまずそうだ。)
その直後、それらの線が急激に太さを増した。
おそらくこれは強力なレーザー光線か何かだろう。
まるで足止めをするかのように、次々と現れるレーザー光線。そして後ろから迫る黄色と青の大小の光弾。
それらのわずかな隙間を探し出し、縫うように飛び続ける。
今の俺にはそれだけで精一杯だった。
気が付くと、いつの間にかロビーにたどり着いていた。
後ろからはもう弾幕は迫ってきていない。
振り返ると、ロビーの上空からこちらを見下ろすレミリアさんと目があった。
「よくここまで来られたわね。初めてにしては上出来だわ。」
まだまだ余裕があるようだ。
一方、俺は肩で息をしていた。
疲労もたまってきている。
言葉を返す余裕は無かった。