「もう終わりかしら?では、これで決着をつけましょう。スペルカード、紅符『スカーレットマイスタ』!!」
レミリアさんがそう宣言すると、大小の紅い光弾が大量に出現した。
それらの光弾はスピードも動きもバラバラなため、まっすぐ避けて飛ぶことはできなさそうだ。
光弾を一つ避けたとしても、光弾の陰に隠れて迫ってくる光弾を避けることは難しいだろう。
動きによっては喰らってしまう。
あれを使うしかないか…。
俺の、スペルカード…。
図書館で異変について調べているときに、ついでに弾幕ごっこについて調べていた。
そこで出てきたスペルカードという名前とルール。
スペルカードというのはあらかじめ技の名前と、その技名を体現した技をいくつか考えておき、技名を契約書形式に記したカードのことである。
あの時こあさんやパチュリーさんに助言をもらいながら、見様見真似で作っておいた。
スペルカードに関するルールは…。
なんだったっけ?
まあ仕方ない、後でおさらいすることにしておいて。
とにかく初めてだから大目に見てくれるよな?
まずは、宣言。
「スペルカード発動!撮符(とりふ)!!」
「あら。」
よし、いい感じ!
そして技を発動する!
「激写封印!!」
弾幕から距離を取り、カメラを構える。
すると、俺の目の前の空中に弾幕を取り囲むように銀色に光る長方形の枠が現れる。
そして弾幕が銀色の枠にすべて収まるようにズームを調整する。
よし!
そしてシャッターを切る。
次の瞬間、銀色の枠の中がまばゆい光に包まれた。
その光が収まった時…。
「な、私の弾幕が…。」
目前に迫っていた弾幕は、まるで最初から無かったかのように姿を消した。
この状況をうまく飲み込めないレミリアさん。
「私の弾幕はどこへ行ったの!?」
「弾幕?ここだぜ。」
そう言って取り出した写真には先ほど俺に迫っていた弾幕が写っていた。
「そら、お返しだぜ!スペルカード発動!」
弾幕が写っている写真をレミリアさんに向ける。
「写符(うつしふ)『封印解放』!!」
そして写真の背を平手で叩く。
次の瞬間、その写真からレミリアさんが放った弾幕と全く同じ動き、スピード、大きさの光弾が発射された。
これが俺のスペルカード。
相手の弾幕を写真に撮り込み、全く同じ弾幕を相手に返す。
「面白い攻撃ね、気に入ったわ。」
そう言うと弾幕の隙間を縫って華麗に避けていく。
実は2枚目のスペルカードを発動した後、同時に棒状の弾幕も発射しておいた。
そして弾幕に紛れて行動を開始する。
「工夫したわね。けど、真似ばかりするのは…あれ?」
弾幕攻撃が終わった後、さっきまでいたはずの場所に欧我の姿はなかった。
弾幕に気を取られ過ぎていたのかしら!?
まさか私が油断を?
ふぅっ!
「ひゃんっ!?」
不意に首筋に息を吹きかけられ、思わず後ろを振り返った。
しかし、そこには誰もいなかった。
気のせいだったのかしら。
そう思って前を向いた時、そこにはカメラを構えた欧我の姿があった。
「な!?」
「はい、俺の勝ち!」
パシャッ!