幻想郷文写帳   作:戌眞呂☆

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第20話 始まったばかりの宴会

 

記憶を失った少年を一目見ようと、博麗神社には多くの人々が集まっていた。

地面の上に大きなシートが何枚も敷かれ、その上に豪華な料理が所狭しと並べられている。

 

そしてその傍らには何かの屋台があって、そこから良い匂いが漂ってくる。

その屋台には赤い提灯がぶら下がっていて、何かの文字が書き込まれている。

 

ん?「八目鰻」?なんだ?それ。

 

 

「おっ、来たか欧我!」

 

 

その人たちの中から、魔理沙さんが顔を出した。

その声に反応して、一斉に視線が俺に集まる。

 

そして、次の瞬間笑い声が博麗神社にあふれた。

 

 

「お前、来て早々災難だな。にとりに逃げられ、ルーミアに噛みつかれ、そして霊夢に抱き着かれて。」

 

 

「ええ、まあ。」

 

 

魔理沙さんの発言に苦笑いを浮かべる。

でも、その発言の中に新たな名前が2つ出てきた。

 

魔理沙さんの話から推測すると、俺の顔を見て逃げ出した水色髪の女の子がにとりさんで、今俺の腕に噛みついている女の子がルーミアちゃんってことかな?

 

 

「ルーミアちゃん、離してくれないかな?」

 

 

「ん~ん。」

 

 

どうやら離してはくれないようだ。

仕方ない、こうなったら…。くすぐってやる。

 

こちょこちょ

 

 

「んわぁぁぁ」

 

 

右手でルーミアちゃんの脇腹をくすぐり、口を開けた瞬間を狙って腕を引き抜く。

 

タイミングは上手くいったようで、無事に腕を引き抜くことに成功した。

…いや、無事じゃないか。

 

そこにはくっきりと歯形が残されているし、唾液でベトベトだ。

後でしっかりと洗っとかないと。

 

 

「ごめんね。またあとで噛ませてあげるから、今は我慢して?」

 

 

「うん…わかった。」

 

 

よしよし。

 

ルーミアちゃんの頭をなでる。

妖怪だからといっても、言動は小さい子供みたいだ。

 

かわいいなぁ、この笑顔。

 

 

「さて、霊夢はあの状態だから代わりに私が紹介するぜ。」

 

 

2人のやり取りを見ていた魔理沙さんが、手をパンッと叩いて言った。

 

霊夢さん?

あ、この人のことを忘れていた。

 

あっ、ちょっ、胸が当たってる!

離れろって!

この、乱れいむめ!

 

 

しかし、一向に離してくれる気配がない。

 

 

はぁ…仕方ない。

もういいよどうだって。

 

 

「この人が、文の新聞に載っていた人間の葉月欧我だ。」

 

 

「葉月欧我といいます。皆さんよろしくお願いいたします!!」

 

 

自己紹介をし、みんなにお辞儀をする。

 

 

その後、いろんな人から歓声や質問が次々と飛び出したため、質問の内容に驚き、笑いながらもそれらに応えていった。

 

その中で気づいたことが一つ。

博麗神社に集まってくれた人は、全員が女性だった。

 

この場にいる男は、俺1人だけ。

なんでこんなにも女性が多いのかな?

 

 

ま、それは気にしないことにしよう。

今はみなさんの写真を撮ることが先決だ。

 

今日は思いっきり撮りまくるぞ~!

 

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