「欧我、あなたってオッドアイだったかしら?」
「え?」
オッドアイ?
オッドアイと言えば両目の色が違うことだ。
…でも、それはあり得ないはずだ。
昨日文さんの家にある姿見で自分の姿を見た時は両目ともエメラルド色をしていた。
それなのに、今はオッドアイ?
「ほら、今撮った写真を見て。」
そう言って文さんが1枚の写真を取り出す。
それを見て俺は目を見開いた。
明らかに、左目の色がエメラルド色から青色に変わっていた。
「これ、にとりの目と同じじゃないか?」
「「え?」」
写真に写る左目とにとりさんの目とを比べてみる。
確かに、そう言われてみればそのように見えるが…。
「あやややや?」
「どうしたんですか?」
「これを見てください!」
そう言って別の写真を取り出す。
そこに写っていたものは、魔理沙さんとフランちゃんの能力を真似た時の様子だ。
「あっ!?」
よく見てみると、左目が魔理沙さんの技を真似ているときは黄色に、フランちゃんの技を真似ているときは赤に色が変わっていた。
これも、魔理沙さんとフランちゃんと全く同じだ。
じゃあ、文さんの真似をしているときは…。
目をつむり、文さんのイメージを自分に投影して目を開いた。
そして自撮りをしてその写真を確認してみる。
その写真では、今度は右目が文さんと同じ色に変わっていた。
「どうなっているんだ?」
能力を解除して再び自撮りをしてみると、両目の色はエメラルド色に戻っていた。
どうしてこのような変化が現れたのか?
その原因は全く分からない。
記憶をすべて取り戻した時にその理由がわかるのだろうか…。
「うっ!?」ぐらっ
いきなり体から力が抜けたかのようにその場に座り込む欧我。
くそ、力を使い過ぎた。
「大丈夫ですか?」
「ほら、無理するから。」
「ごめんなさい、ちょっと休ませてもらいます。」
そう言うと靴を脱ぎ、畳の部屋に上がる。
霊夢さんがその部屋で気持ちよさそうに寝息を立てている。
俺も少し寝よう。
帽子を脱ぎ、ゴーグルを外す。
そして霊夢さんから少し距離を離して寝転がった。
今日の余興で、俺の能力についていろいろなことが分かった。
どうして俺はこの能力を持っているのか?
どうして適合率の違いがあるのか?
どうして目の色が変わるのか?
疑問はたくさん見つかったが、それを解くためのカギはまだ見つからない。
まあ、この幻想郷で生きていればいつかは謎が解けるかも。
俺は何かを成し遂げるために幻想郷に来た。
記憶を失ってはいるが、それだけははっきりとわかる。
なんだかまぶたが重くなってきた。
寝よう。そして明日からこの幻想郷中を見て回ろう。
「おやすみ。」
まぶたを閉じ、すやすやと寝息を立てた。