「はぁ~」
落ち着く…。
早苗さんと人間の里を色々と見て回り、食べ歩きをしながら里を満喫してきた。
どの店からも活気があふれ、多くの人でにぎわっている。
元気に走り回る子供たちや輝きを放つ笑顔などに釣られ、思わず写真を撮りまくってしまった。
早苗さんの買い物も無事に終わり、今は大通りのわきにある茶屋でお茶を飲みながら休憩している。
「どうでした?人間の里は」
「いいところですね。なんか落ち着けます」
そう言って団子を口に運ぶ。
何とも言えない淡い甘みが口いっぱいに広がる。
もっと、この里を見て回りたい。
「早苗さん、この里で観光名所みたいなものはありますか?」
「そうですね…」
早苗さんは手を顎に当てたまま、しばらく考えていた。
そんなに考えないと出てこないのか?
もしかしてそんなに有名な名所がないというのか?
「そうですね、命蓮寺という場所はどうですか?」
しばらく考えた末、早苗さんは寺の名前を出した。
確か、命蓮寺というのは以前空を飛ぶ宝船が目撃された異変ののち、その空を飛ぶ船が姿形を変えたものだという記述を見たことがあった。
「確か、それはもともと宝船だったという、あのお寺ですか?」
それに関する記憶があいまいだったので、早苗さんに聞いてみた。
「よく知っていますね!その通りです。実はあの時私も異変を解決したのですよ!本当に、妖怪を倒すことがあんなにも楽しかったなんて、初めて知りました!はぁ、もっと異変が起こってほしいですね。そうすれば…」
あれ?
早苗さんってこういうキャラだったっけ?
Sっ気溢れるマシンガントークを繰り広げている。
ちょっと引いちゃうかな…。
「あ、あの、早苗さん?」
早苗
「はっ!?あ、ごめんなさい。つい調子に乗って。それでは、帰りの時間もありますし私は一足お先に帰ります。もしよろしければ、一度守矢神社にもお越しください」
早苗さんはそう言うと慌てて走っていった。
もしかして、門限が決められているとか?
早く帰らないといけない用事があったとか?
それなら飛んでいけばいいのに…。
まあいいや。
さて、と。
じゃあ里を観光しつつ命蓮寺へ向かおう。
カツン
「あれ?」
立ち上がって歩き出そうとした欧我の足に、何か固いものが当たった。
なんだろう?
それを拾い上げてみた。
「これは…?」
拾い上げてみると、それは中心に球体がある小さな塔のようなものだった。
あれ、そう言えば最近、どこかで見たような…。
どこだっけ・・・
「あっ!?」
記憶の中を探し出し、その答えをはじき出した。
これは命蓮寺の宝塔だ!
2週間前の宴会で出会った
なんでそんな大切なものがここに?
もしかして星さんまた落しちゃったのか?
ちょうどいい、観光ついでに命蓮寺に届けに行こう。
そう思うと宝塔を鞄の中にしまった。
手に持って歩くのは大変だしね。
「さて、行くか。命蓮寺はどこかな?」
命蓮寺目指して歩き出す。
しかし、上空から黒い影がじっと見つめていたことに全く気づかなかった。