命蓮寺は、人間の里のはずれにある空き地に建てられたお寺だ。
もともとは聖輦船という名の舟で、しばらくの間浮遊し続けていたが、人間の里近くに着陸し元の穀倉に戻った後、改装されて寺へと姿を変えたものだ。
住職である聖白蓮が妖怪たちを弟子取りして受け入れるために寺を建立したのだが、宝船から姿を変えたとあって縁起がよいと人間からの信仰も集めたらしい。
と、ここまでが以前紅魔館の図書館で調べた内容だ。
里の人に道を教えてもらい、ここまでやってきた。
この辺りまで来ると家の数も減少してきて、人通りもまばらだ。
この道をまっすぐ行けばたどり着くことができるらしいが、まだまだ先なのかな?
…まあいいや。命蓮寺についてのおさらいに戻ろう。
今現在…
「ちょっと待ったぁ!!」
そんな欧我の前に、一人の少女が現れた。
一目見て、この子は妖怪だと分かった。
背中から赤い鎌状の三枚の右翼と、青い矢印状の左翼が三枚生えている。
こんな複雑な翼は見たことがない。
その他の容姿としては、黒髪のショートボブで瞳の色は深紅。服装は、裾に赤い渦巻型の模様のある黒地のワンピースで、胸元には赤のリボンが付いている。
そして黒のニーソックスと赤い靴。
何ともかわいらしい格好だ。
でも、俺に何か用事でもあるのだろうか…。
欧我
「あの、あなたは?俺に何か用事でも?」
「私は封獣(ほうじゅう)ぬえ。とぼけたって無駄だよ!私はちゃんと見ていたんだから。今すぐ宝塔をよこせ!」
ぬえさん?
聞いたことがない名前。明らかに初対面だ。
え?
見ていた?宝塔?
それってつまり、俺が宝塔を鞄に入れていたところをか?
そうだとしたらなぜ宝塔を狙う?
はっ、まさか!?
~ぬえ視点~
決まった!
うん、決まったぞ!
あの時星に頼まれて、無理矢理宝塔探しを手伝う羽目になったけど、まさか私がこんなにも早く見つけ出しちゃうなんて。
宝塔はこの人間の鞄の中にある。
こいつから奪って星に届ければ、任務は完了ね。
それにしても、なんでこいつはわざわざ命蓮寺のある方向へ行く?
普通は逆の方、遠くへ逃げるだろう。
・・・まあいい。
だってこいつは…
欧我
(こいつは泥棒か!)
ぬえ
(泥棒だからね!)
~欧我視点~
泥棒なら絶対に宝塔を渡してはならない。
あの時星さんからの説明を聞くに、これはものすごく重要な代物。
ここで泥棒に盗まれたりしたら、どこかで換金されてしまうかもしれない。
何が何でもこれは死守しよう。
新しく放てるようになった弾幕のおさらいもしたいし、チルノちゃんやルーミアちゃんから真似た能力も使いたい。
さあ、やるか?弾幕ごっこ!
~ぬえ視点~
こいつ宝塔の重要さを理解しているのか?
まあ、私もあまり理解できていないのだけれど。
決して逃がさない。
宝塔は必ず取り戻す。
…あれ?なに身構えているんだ?
逃げたりしないのか?
ま、どちらにしたって私がどうするのかは決まっている。
弾幕ごっこで懲らしめる!