依頼の手紙
欧我
「皆さんこんにちは。幻想世界の超新人(スーパールーキー)、今を切り取る写真屋の葉月欧我と。」
小傘
「愉快な忘れ傘、助手の多々良小傘でーす!!」
欧我
「さて、今日はなんと依頼のお手紙が届いています!」
小傘
「依頼!?じゃあ助手としての初仕事ね!腕が鳴るわ!で、依頼の内容は?」
欧我
「依頼の内容は写真撮影です。場所は守矢神社。神社で宴会を開くからその様子を写真に収めてほしいとのことです。依頼人の名前は…あ、東風谷早苗さんだ!」
小傘
「さ、早苗!?」
欧我
「はい。早苗さんとは何かあったのですか?」
小傘
「うん。以前、異変解決のついでに退治されたことがあるの。また退治されちゃったりしないかなぁ…。」
欧我
「大丈夫ですよ。もしそうなれば、小傘ちゃんは俺が守りますから。」
小傘
「わぁ~師匠~!」
欧我
「だから、師匠なんて呼び方はやめてくれませんか?恥ずかしいです。」
小傘
「もぉ~師匠ったら照れ屋さんなんだからぁ。」
欧我
「やめてください!ほ、ほら、行きますよ!」
小傘
「行くってどこへ?っていうか、ここはどこなんですか?」
小傘ちゃんはあたりをきょろきょろと見回している。
辺りには木が生い茂っているだけでそれ以外は全くない。
それもそのはず。
欧我
「ここは妖怪の山の中腹だよ。」
小傘
「中腹?じゃあ守矢神社はどこ?」
欧我
「山の上。頂上付近。」
小傘
「えぇ!?今から登るの?宴会に間に合わないじゃん!」
欧我
「大丈夫、宴会が始まるのは2時間後だから。」
小傘
「に、2時間!?なんで?」
欧我
「それは、ゆっくりと山を散策したいから。そして、小傘ちゃんの写真を撮る腕前も見たいし。さあ、ここで話していても時間は過ぎていきます。さっそく行きましょう!」
小傘
「あ、待って!!」
途中で休憩し、襲い掛かってくる妖怪を退治しながら険しい山を登り続ける2人。
小傘ちゃんは妖怪だから軽々と登ってはいるが、俺は人間だ。疲れるし、腹も減る。
小傘
「ほら師匠、早くいきましょうよ!」
欧我
「ごめん、待って。」
立ち止まり、息を整える欧我。
そんな欧我の耳に、水の流れる音が聞こえた。近くに川があるのか?
ちょうどいい、その川で休憩しよう。
お腹も減ったし、おにぎりでも食べるか。
欧我
「少し休憩しましょう。もう、さすがに休まないと…」
小傘
「うらめしやぁ~!!」
欧我
「わぁぁぁぁ!?」
くそっ、完全に意表を突かれた。
また驚かされた…。
それにしても、小傘ちゃんの満足そうな笑みは何なのだろうか。
非常にかわいいのだが…。
小傘
「あははは!師匠ほど驚かしやすい人間は初めてかも!」
欧我
「もう!今はいいですが、仕事中は驚かし行為は禁止ですよ!」
小傘
「はーい。」
まったく、これじゃあ身が持たないよ。
一体このあと何回驚かされることになるのやら。
小傘ちゃんを助手にしたのは、諸刃の剣だったか?
欧我はため息をつくと、水の流れる音がした方へと歩き出した。
その後を慌てて追いかける小傘ちゃん。
すぐ近くの茂みを抜けると、目の前に優雅に流れる大きな川があった。